現役生活二十六年。疲れたので、バ美肉して野球解説系Vtuber始めます 作:義藤菊輝@惰眠を貪るの回?
表記上の問題で、エドワードという選手をエドと略したりしてます。
あんまり気にしないで。
『よし、先手を打とう』
「おっと、6回の表となりまして、先に那須さんが動きますわ」
6回の表。9番からの攻撃となる那須さんは、ここで一点を取ることを考えて行動に出た。
ここまで両チームは1対1の同点。
那須チームは4回表にアンディーが打ったタイムリーヒットで得点を挙げており、嗚呼絵チームは5回の裏に6番の芳岡がホームランを打っている。
「代打はどなたになさいますの?」
この回の先頭打者である広部は、すでに2三振。
広部は元々守備の人と呼ばれる類の選手であり、内野の全てを守れるユーティリティプレイヤー。ヘルスから安木を取った年のドラフトで、内野の守備を守れる存在を育成するのを目的で獲得したドラ3が彼である。
時々見せるライト方向への流し打ちは光るものがあるが、そもそもで打率が低い。選球眼がいいのもあるが、あまり積極的に振っていくようなタイプの選手ではない。
『代打は西山で』
コメント:読めた
コメント:まあそうなるよね
コメント:てか他にいねーよな
コメント:代打○は西山しか居ないしな
「代打打率四割七分の変態ですわね?」
『代打出場時は7打席連続安打で、スタメンで出ると打率二割台って謎ですよねー』
那須さんの指示に従った私は、広部から西山に打者を変更する。
となればショートの守備に着くのは小島になるか。それでサードにエドワードが入り、西山がファーストかな?
「さあ、打者が代わりまして西山。その西山に対して隅久は強気に攻めますね」
二球続けてストレートをインハイ。
このゲームのコンピュータは不思議な配球を良くしている。どういうプログラムかは分からないが、西山相手にインハイを続けると一発があるから本来はしない。
「さあ、高めが得意な西山にインハイの直球。現実なら外側の……カーブとかで揺さ振りますが」
三球目もインコース高めのストレートを投げる隅久。しかし今度はボールの判定。遅い球は変化量1のカーブのみ。あとはスプリットとスライダー。シュートだけ。
『頼む、頼む頼む』
呪詛の様に小声で呟き続ける那須さんに苦笑いが止まらないが、隅久が投げた球に合わせ、西山のバットが動く。
『っしゃー!!』
アウトコースの高めに投げられた球はスライダー。だがそれを西山が掴み、外野に一気に飛ばす。
そのまま飛ばしたボールは観客席に入らず、フェンスに当たりライトを守っていた水口が捕球する。
「ここで、っしゃおら見たか!! って叫んでたら幸田先輩みたいですね。って言えましたのに」
『良く叫んでますもんね。幸田先輩』
『野球の時だけキャラクター変わっちゃうんだよねー楓花ちゃん。不思議だけど』
ライトを守っていた水口の捕球位置が良く、ランナーは一塁。そのまま那須チームの水口が打席に入る。
『うわー。ここで良ちゃんなの!? 併殺だぁ』
コメント:自分でw
コメント:やめろやめろ
コメント:芝
コメント:水口泣くぞ?
コメント:やめて差し上げろ笑
「あ、自分で言っちゃうスタイルですのね?」
嫁だからって言っていいのか? と思ってしまったためにチャットにて聞いてみれば、彼女の返信は『もちのロン!』というもの。やはり彼女に対しての苦笑いが止まらない。しかし、続く言葉は凄みがあった。
『水口選手ごときって言ったから、勝負でボコす♡』
「いや、怖いですわよ……」
『何? 洋美ちゃんなにかあったかしら?』
「イイエナニモアリマセンワ……」
先ほどのチャットの通り、ここで旦那にいいところを持たせたいのか、私が采配していれば迷わず代打を送る場面だが、彼女に動きはない。
「さ、さあ、ターニングポイントとなりますわ。この場面。システム的にはディフェンスポイントですわね」
ゲームの演出が始まる。
試合の流れ。というものを再現するためのシステムだが、今回の場合は、守備側が無失点で抑えることができれば、次の攻撃時に全員絶好調になる。というもの。
「さて、ここで水口選手と隅久選手の能力を見ていただきますわね」
水口良輔 右投げ左打ち
弾道2 ミートD パワーC 走力D
肩力C 守備力B 捕球B
チャンスE 対左投手C 走塁B 粘り打ち 併殺
チャンスメーカー 送球C 捕手B ブロック〇
コメント:最近の印象とだいぶ違うよな
コメント:シーズン開始EDとかじゃなかった?
コメント:今のこいつがチャンEとかふざけんな!
「ドリプロのホームページを見れば、今週の日曜にクライマックスシリーズに向けてのアップデートをするっていう情報もありましたし、能力も変わると思いますわよ?」
次に見せるのは投手である隅久選手の能力値。
隅久隆志 右投げ右打ち
MAX152キロ コントロールB スタミナB
スライダー4 カーブ1 SSF4 シュート3
クイックB キレ〇 牽制〇 リリース〇 低め〇
打球反応〇 勝ち運 調子安定
「いつも思っているんですが、勝ち運という名前じゃなくて援護〇とかに名称を変更すべきだと思いますのよね」
『選手自身が言ってるもんね。勝ち運・負け運って何? とかね』
コメント:それは確かに
コメント:疑問だよな。それ
コメント:表現方法がないんだろうけどな
「能力値としては良くあっていると思いますわよ。この能力。実際にエースですしね。彼は」
個人的に思うところとしては、SSFの変化量は4じゃなくて3でもよかったと思う。それくらいかな?
「さあ、二球続けてスライダーだったわけですが、水口選手は手を出さず1ボール・1ストライク」
『併殺だけはやめてよ良ちゃん!』
コメント:未来が見えてる
コメント:併殺しかないな
水口良輔
¥10,000
任せろ那須せんせー!!
コメント:どうなるかな
『りょ、良ちゃん!?』
『え?』
「なに? 水口いるの? ……いるんですの?」
水口良輔
¥10,000
お嬢、取り繕っても時すでにお寿司
コメント:芝
コメント:芝
コメント:水口w
コメント:お寿司ってw
コメント欄が一瞬で「芝」という文字に変わるが、それよりも私は口調を乱してしまったことにショックを受ける。
試合が2ボール・1ストライクの時点でタイムをかけ、水口の登場も相まってお茶を口に含む。
「水口選手! 聞こえておりますの? 分かりやすいようにモデレーターにしますので、わざわざスパチャ送らなくて良いですわよ」
〇水口良輔:お嬢の優しさいただきました。
「ちょうど良いですわね。嗚呼絵さん。水口選手に聞いてみたいことあります?」
コメント:無茶ぶりw
コメント:どんなんや
〇水口良輔:どんとこい!
コメント:芝
コメント:芝芝の芝
『え? えっと……。ど、どうしよう。突然すぎてなんもわからん。何言えばいいんだ? どうしよどうしよ』
『そんな気にしなくていいよ』
〇水口良輔:緊張しなくていいよ。嗚呼絵さん
『いい人過ぎんか水口選手……。あ! あの! そのタイミングで見てたかはわからないんですけど、一回の表で「水口選手くらい」って言ってすみませんでした』
『許す』
「いや、なんで那須さんが許してるんですか……」
コメント:ちゃんと謝ってる
コメント:せんせーw
〇水口良輔:え? そんなこと言ってたの? 良いよ良いよ。俺もまだひよっ子だから
「うわ……。さわやかな水口とか知らんわぁ……」
コメント:お嬢w
コメント:何言ってんのお嬢w
コメント:芝
コメント:叔父さん来た?
コメント:津路嶌監督じゃん
『よし、試合続けよう洋美ちゃん! 桃子ちゃんも良いよね』
『は、はい!』
二人の指示に従う前に、ちょうどいいので無茶ぶりをしよう。この打席の水口が良い結果だろうが悪い結果だろうが、ベンチ裏インタビューをしてやろう。ついでに、試合含めてタコれば、それはそれでいじってやろう。
「さあ試合を再開する前に確認しましょう。現在は6回の表。1-1の状況で、広部選手から代打で出場した西山選手がシングルヒット。ノーアウト一塁の状況で、シーズン最多併殺記録48というアンタッチャブルレコードを所持している水口選手が打席に立っており2-1という状況」
〇水口良輔:お嬢……
コメント:ひどw
コメント:あたりつよ
「ワテクシは事実を伝えたのみですわ」
『おお!! あせったー』
四球目。アウトローに投げられたスプリットを振り抜いた水口は引っ張った打球を打ち、そのままライトポール横のファールゾーンまで飛ばす。
懐かしい。この打球の後インコースのスライダーとかを引っかけて併殺打つのを何度も見ていた。
一塁ベース上で。
「ワテクシだと確実に、120%インコースのスライダーですわ。もうぶつけるつもりで」
『絶対引っかけちゃうね。それ』
『水口選手がよくやられるパターンですね。2-2からのインコース』
隅久が投げた5球目はインコースのスライダー。だが、水口はそれを見逃しフルカウントへと持って行った。
ここで予想できるのは2パターン。インハイの直球かアウトローのSFF。
実際の有吉ならインハイのストレート要求するんだろうなー。私ならアウトローのカーブだね。崩してしまえば球は飛ばないし、打者の頭にない球だろうし。という意味で。
『良ちゃん! 良ちゃん頼むよ!』
『頼みます隅久選手! 抑えて!!』
フルカウントになった六球目。
フルカウントは、ピッチャーからもバッターからも嫌な盤面。
ピッチャーは四球を嫌がるが、下手な球を投げれば打たれる。バッターは三振だけは嫌だが、ゾーンを見切ることができれば四球で1塁へ出ることもできる。
そして、狙いに行った球はアウトコースのスプリット。
「せめてバットに当てなさいよ!!」
結果はまさかの見逃し三振。
がっくりとうなだれる水口だが、さすがにムカついてきた。
『やっちゃったねー良ちゃん』
『敵だけどあーあ。って感じですね』
「せめて振りなさい!! あなたに求められていたのはホームランか併殺でしょうが!! 空気を読みなさい空気を」
水口良輔
¥20,000
すみません。すみませんでした。本当にすみませんでした。バット振ってきます。しっかり振ってきます。本気で振ってきます。すみませんでした。すみませんでした。すみませんでした。
コメント:怒られてて芝
コメント:ベンチで見たな―
コメント:芝
コメント:監督と選手じゃん
コメント:高校時代これで2軍おちた
コメント:芝
コメント:芝
コメント:スタメン落ちるなw
◆◇◆◇◆
123456789計
那須 00010000 1
嗚呼絵 0000100 1
『いい感じですね!』
『こっちは逆転のピンチだけどねー』
八回の裏。嗚呼絵チームの攻撃は、先頭打者の7番。小島がツーベースヒット。続く8番ヘルス時代に首位打者も獲得していた安打製造機、安木が初球からバントを決めワンナウト3塁の、ゴロですら1点追加される可能性がある状況。
『代打です! 有吉選手から西山選手! 絶対ここ、ここしかない!』
「さあ、能力値としては二軍選手ながら逆境と代打に強い男が登場ですわ」
嗚呼絵チーム的にはここで一点取って守護神・元堀に渡したい場面。
『頼む! 頼むよ』
ここで気持ちよく点を取れるのが一番。
インローの初球は変化量2の縦スライダー。続いてアウトコースの高速スライダーを見逃してそのまま0ボール2ストライク。
『なんのために8回まで引っ張ってると思ってるんですか水走さん! お願いしますよ! 良ちゃんも!』
コメント:水口は次いで定期
コメント:頼む水走!
コメント:頼む!
三球目に投げたのはインコースのチェンジアップだったが、失投判定によりど真ん中へと浮いてしまう。
『来た!』
『あ!』
二人が叫んだのはほとんど同じタイミングだった。
このゲームの仕様上、失投時には投手の頭上に赤色のビックリマークが映し出される。
この時に起きるのは、ストライクゾーン外のボールになるパターン。失投しデッドボールとなるパターン。そして、今回のようにど真ん中のスローボールとなるパターン。
コメント:確定きた
コメント:入った
コメント:やった
コメント:打った
コメント:にしやま!!
「ワテクシの実況が追いつかないほど一瞬でスタンドに突き刺さりましたわね。流石ですわ」
かなり低めの弾道で飛んで行った白球は、そのままレフトスタンドギリギリのところへと突き刺さった。
これでホームラン二本による3得点となり、嗚呼絵チームはかなり盤石な体制を整えることができたと言える。
しかし、打撃から流れはつかめない。という私の持論の通り、そのあとに続く水口は四球で塁に出たものの外街・メイルが三振になりスリーアウト交代。
那須チームは点をやったものの二人続けて三振を取れたことで主導権を確実に渡したわけじゃない。むしろ那須チーム側が盛り返しそうな雰囲気のまま9回表。最後の攻撃へと移る。
那須チームは8回表の攻撃を9番の西山で終えたため、1番水口からの好打順。
『守備固めします。9番の西山選手を村選手に。ポジションはキャッチャーじゃなくてライト。ライトの水口選手はキャッチャーにします。それで外野は、レフトがメイル選手。センターが堂本選手。ライトが
そりゃそうだよな。という面々をそろえた嗚呼絵チーム。
嗚呼絵チーム守備変更
そして、ピッチャーは引っ張り続けていた水走から守護神である元堀へ。
コメント:先輩に対してガチで勝ちに行く新人
コメント:まあそうなるわな
コメント:指名打者消して磯岡レフトで良かったんじゃない?
コメント:メイルレフトか
コメント:村!?
村と言えば、今売り出し中の若手三年目外野手だ。俊足が売りながらシェアなバッティングもでき、内野安打も多い。
割と肩も強いからセンターを基本にはしているもののライトでも問題なく守れる信頼を置ける選手。
「投手交代もありますし、元堀選手の能力ですわ」
元堀赤人 右投げ右打ち
MAX150キロ コントロールD スタミナD
スライダー4 Vスライダー2 シュート2
対左打者B キレ〇 奪三振 低め〇 四球
「左打者にめっぽう強いストッパーですわ。制球力に難があるのがすこし不安ではありますが」
『うちは良ちゃんだからね。左打者だけど塁にいないから。チャンスメーカー発動するよ!』
「なぜか水口選手はいいところで回りますわね」
初球は外角低めにストレート。球速は147キロだが、きわどいところに投げ込まれている。
「元堀選手のスライダーはかなりのキレですからね。球界でも1・2を争うと思いますわよ?」
アウトコース低めに直球を集め、右バッターには外へと逃げていく変化。左バッターは自分にあたってしまうと感じさせるほど食い込んでくるような変化を見せる変化球。さらには縦の変化で右左関係なく三振を取れる存在。
『打ってよー! 頼むよー!』
二球目のストレートも外角低めではあるもののゾーン外。これで1-1の状況。
この状況ならもう一球外でも良いだろう。1-2に持っていった上でインコースのスライダー。そして外の縦変化。というのが彼の基本の組み立てになる。
「さあ、三球目ですが……。へぇ、落とすんだ」
Vスライダーを選択した三球目は低めに外れボールが先行する。
コメント:ここはストレート?
コメント:直球だろ。
コメント:アウトロー続けんと
『元堀選手! 頼みます! 水口さんが一番怖いから抑えて!』
さあ四球目。ここは確実なストライクが欲しい盤面。2-2にして一球分の余裕が欲しい。となれば選択肢として出てくるのはストレートか、一番信頼できる変化球のスライダー。それを低めに投げれればインコースでもアウトコースでも打つことは難しいだろう。
『ファッ!?』
『うわっ!!』
二人が驚いた声を上げる。ピッチャーにも、バッターにもビックリマークが出てしまったから。
コメント欄が芝という一文字で埋め尽くされたが、それもそのはず。このチャンネルで一番いじられる選手である水口にインコースのスライダーが当ってしまったのだから。
「えっと……。元堀選手のスライダーがインコースへの失投となりw、フフッ。すみません。デッドボール。デッドボールで出塁ってw。はぁ~。やばい。面白すぎますわ」
『洋美ちゃん!! 笑いすぎだって!! 確かにw、確かに面白いけどさっw!!』
いやいや那須さん。というか絵里香ちゃん。貴方もめちゃくちゃに笑ってますよ。というより、全員笑っちゃってますよ。
『てかw。良ちゃん治療になってるし』
ゲーム画面が切り替わると、水口選手。デッドボールにより治療中。という文章が出てくる。
『続行不可w。良ちゃん貧弱すぎでしょw!!』
コメント:ファンに笑われる水口w
コメント:さすがやな
コメント:これは秀逸
『えー。これ無理やり良ちゃん出せないの?』
『……。非情過ぎですよせんせー』
「これに関しては嗚呼絵さんの言う通りですね。デッドボールって結構痛いですから……」
経験者は語る。とか流れているコメントは無視して、那須さんに水口選手の代わりを選ばせる。
代走となる選手は即決で村選手へと決まり、一塁へと出てくる。
思わぬアクシデントではあったものの撮れ高ができたのでいいだろう。今日あいつが出したスパチャ分の金額、何か奢ってやるか。とりあえず焼肉かな? 絵里香ちゃんも含めて三人で行こうか。
「さあ、ノーアウト1塁。打席には2番のアンディー」
元堀はアウトコースに一球ストレートを投げ込む。二球目は同じコースにシュート。アンディーはそれを当ててレフトへ流しのファールを打つ。
0ー2のカウント。ピッチャー有利の状況で、最初の方に話した通り、ボールになってもいい状況で自信をもって際どいところに球を投げれる。しかしピッチャーは元堀。そんな技術はない。
元堀が投げれるのは「なんとなく」内側。もしくはアウトロー。
「おお! 見逃しましたわね!!」
インコースのシュート見逃したアンディー。ギリギリ枠内にいかなかったが、審判によってはストライクを取られても仕方ない場所だ。私がプロ入りした頃だと多分……。
「ストライクおまけ球ですわ。あれは」
『おまけ?』
「審判も人間なので、良いコースに良い球が来れば思わず腕を上げたくなるものですわ。昔は稀に、ボールだけど良い球だからストライクと宣言するアンパイアもいましてよ?」
もちろん今はいない。あったとしてもおまけとは言わない。
『内野、内野抜ければ文句は言わないからアンディー! 頼む私の推し!!』
四球目に投げたのはアウトローの縦スライダー。それに手を出したアンディーは高いバウンドのゴロを放つ。
『悪くない!!』
「これは良い! 二塁は間に合いませんわよ!!」
サードへと球は飛ぶが、バウンドのせいで二塁へ送球すれば二塁も一塁も両方間に合わないタイミング。さらに言えば、アンディーの足なら内野安打だってあり得る。
『あー。流石に一・二塁はできないかぁ。でも進塁打進塁打!』
『え? 普通にピンチじゃない?』
一死二塁の状況で出てくるのはメイル。ミート評価はC。パワー評価はAのかなり危険な存在。
今シーズンは一番か二番で出場することが高いものの、畿通入団当初は四番を任されていた存在である。2ストライクまでは大振りのホームラン狙いだが、追い込まれればしっかりとミートを意識し、ランナーがいれば流し打ちをしっかりと決めるいやらしいバッティングをよくする。
嗚呼絵さん。貴方の言う通り普通にピンチですよ?
『流石に新人に負ける先輩じゃないからねー。ここで勝たないとだめだからね。死んじゃった良ちゃんのためにも』
コメント:死んでないから
コメント:死んでない死んでない
コメント:芝
コメント:芝
コメント:腹痛ぇwww
水口良輔
¥10,000
勝手に殺さないで下さい癒子せんせー!!
コメント:水口ww
コメント:なにしとんねんww
「はい。水口選手は5万円分スーパーチャットしてもらったので、ここからはサブ垢に切り替えて投げ銭お願いいたしますわ」
コメント:後輩にw
コメント:出させるな出させるな
何を言う。あいつが払えば払うだけ今度奢る時の予算になるだけだ。別に悪いことじゃない。だろ?
今度のメイルに対して、元堀はインハイに直球が投げ込まれる。これに思わずバット出しました! というような振り遅れのスイングをしたメイルは、くるくると打席内で回り、ポテンと打席内でしりもちをつく。
このゲームをやり始めたころから思っていたが、この演出は何だ? こんな事ほぼほぼ起きないぞ?
「さあ、予想外のインハイで空振りしたメイルですが、初球と変わらず強振状態ですわね」
『メイル選手って、ここがウィークポイント。っていうコースとかあるんですか?』
「ウィークポイントですか。……シーズン中に難しいことを聞きますわね。嗚呼絵さんは」
『あ! す、すみません』
「まあ大丈夫ですわよ。そうですわね。だいぶ昔にも言いましたが、ボールの見極めが下手ですわ。自分の好きなコースというのがあって、そこに来た球には思わず手が出る。そんなタイプのバッターですわね。少しタイミング崩されたりだとか、ゾーンからずれてるとかを気にしない選手ですわね。ただ、最近はかなり改善して四球数も増えてますので、明確な弱点とは言えそうにないですが」
ただ、調子がいいときは見えている球も、何かしらリズムが狂ったりすると手を出しているような印象はある。だいぶ気を付けているようであるが、癖というものはそんな簡単に抜けるものではないし。
『悪球打ち。っていうやつ?』
「良く言えば。ですが」
那須さんの言葉を肯定しながら、二・三球目を見ていた私は、次の球はインコースに投げると予想を立てる。
「打ち上げた!!」
『外野外野!!』
予想通りのインコーススライダーを打ち上げたメイルだが、打球に勢いはない。
ふらふらと打ち上げた球は、この回から出場している村の頭上ㇸと来ると、そのままグローブに収まる。
『飛距離十分だよね』
二塁走者である那須チームの村選手はしっかりとタッチアップを行い二死三塁。
「さあ、ホームランで同点となる状況で畿通が誇る飛ばし屋。ケイン・エドワードが登場ですわ!! 正直、特別延長を採用しておりますので、守備固めで選手を割いている嗚呼絵チームには厳しいものがありますから、エド、磯岡の二人でできるなら同点までもっていきたいですわね」
130メートル級のホームランをシーズン中に何度も飛ばす怪力屋が左打席へと入る。
嗚呼絵さんや嗚呼絵さん側を応援するコメントは不安そうなコメントを溢し、それに対して那須せんせー側を応援している視聴者はやれやれと勢いを増していく。
初球。アウトローのVスライダーを空振り。
『怖! 怖すぎるよエド!!』
当たれば飛ぶ。そんなこと牛子であれば周知の事実である。見逃すことなく一球目から振り抜いたという事実に守備側からすれば慄くのも仕方ないだろう。
二球目。同じくアウトローのVスライダー。だが今度は見逃して1ボール1ストライクの平行カウント。
確かこのゲームだとエドの早打ちになぞらえて、積極打法という早いカウントからブンブンバットを振るという設定が割り振られている。それでもこの落ちる球を振らなかったというのは珍しいことだ。現実だとそうそう起きない。
三球目。エドの胸元へ食い込むスライダー。
『飛ばした!!』
『やめてー!!!!』
嗚呼絵さんの叫びが効いたのか、飛んで行った打球はライトポールの横を通り過ぎ、大きなファールとなる。
コメント:惜しい!
コメント:ヤバ
コメント:怖すぎるわ
コメント:いけいけ!
コメント:打て打て!
コメント欄的には那須チームを応援している視聴者が多そうだ。
「嗚呼絵さん。ここで抑えたら二期生への下剋上ですよ」
『……え?』
『ん? 下剋上されてるの私? 何? 乱闘する?』
コメント:芝
コメント:これは……
コメント:チガサワギマスワ
コメント:チガサワギマスワ
コメント:チガサワギマスワ
コメント:チガサワギマスワ
コメント:乱闘じゃあ!!
コメント:チガサワギマスワ
コメント:芝
コメント:チガサワギマスワ
「那須さん。今わざと乱闘って言いましたわね?」
『バレちゃった?』
『……冗談? 冗談ですよね! ら、ら、ら、乱闘とからさらないだすよね!!』
「嗚呼絵さん? 慌てすぎて日本語がおかしくなってますわ。冗談ですから落ち着いてくださいますの?」
ノリのいい2期生のよくないところが出たよ。なんてコメントも流れていたが、そんなことをするわけがない。だから速く落ち着いてください嗚呼絵さん。貴方が落ち着かないと試合を再開することができない。
というか、ここで元堀がエドを抑えたら嗚呼絵さんは勝ったことになるが、先輩に土をつけたことになるし、逆にホームランなりでこの後サヨナラを食らえば、それはそれでショックがあるな……。
「大丈夫ですの?」
『あ、だ、大丈夫です。再開してください洋美ちゃん……』
嗚呼絵さんが許可を出したのでタイムを解除し、試合を再開させる。
カウントは1ボール2ストライク。三塁上には俊足の村がいる。
四球目。投げられた球はエドワードの胸元へと向かっていく。元堀の代名詞であるスライダー。
『くそー!! 負けたー!!』
エドワードは打ち上げた。しっかりと打ち損じた。
真上に飛ばした打球は、ホームベースから一歩も動かない水口のミットに収まる。
「試合終了ですわ!! 結果は1対3で嗚呼絵チームの勝利!!」
『や、やったー?』
コメント:8888
コメント:おつかれさまー
コメント:おこえんおめでとー
コメント:せんせー残念
コメント:おしかったー
「それでは勝利監督である嗚呼絵桃子監督にインタビューをしましょうか」
『あ、はい』
『はいはい! 放送席放送席。アナウンサーの那須です。勝利監督の嗚呼絵監督。今日の試合について簡単に感想をお願いします』
コメント:負けたせんせーが
コメント:お嬢がするんじゃないんかい
『え、……。はい。実際の畿通は雨で試合が流れたので。選手たちのモチベーションが落ちないように考えた結果こういうことを思いつきました。正直危ういシーンが度々あったんですけど、元堀選手がしっかりと最後〆てくれたので。良かったです』
『危ういシーン。というと?』
『5回ですね。磯岡選手と羽合選手で無死1・2塁の状況が一番危うかったですね』
『水走選手のベテランぶりが発揮されたシーンでしたね。小島選手を三球で三振。そして広須選手を併殺で仕留めた場面でしたね。そのままの勢いが裏の攻撃に繋がったと』
「思ったよりインタビューが伸びそうですわね。とりあえず、那須さんはこの試合どうでした?」
『えっとね。とりあえず良ちゃんが戦犯でした。負傷交代w。とかww。草しか生えんw』
コメント:それはそう
コメント:たしかに
『まあ、現実だったら負傷二回目になるので、ゲーム内で良かったです。良ちゃんが崩れると残りの一か月ちょっとが危くなるので』
『思ったより普通のコメントだ……』
確か那須チーム水口の成績は、2三振、1四球。1四球。正直チャンスメーカーとしてちゃんと塁に出て入ればもう少し攻撃がだいぶ変わっていただろうと思う。
『洋美ちゃんは? どう思った?』
「ワテクシの感想ですの? そうですわね……。とりあえず、両チームとも投手を引っ張りすぎですわ。6回表で西村にヒット打たれた後、左投手が得意な中継ぎに変えてもよかったと思いますの。嗚呼絵さんは8回あたりですわね」
コメント:マジレスじゃん
コメント:監督目線
コメント:これがキャッチャー
「ただ、嗚呼絵さんは西山選手を出すタイミングがとてもよかったと思いますわ。代打を使うタイミングをしっかりと見極められましたわね」
『お嬢に、お嬢に褒められた。洋美ちゃんに褒められた』
コメント:あかん。飛んでるで……
コメント:お嬢、ミスったな
コメント:推しに褒められるの嬉しいよね
コメント:おめでとう嗚呼絵ん
「さあ、というわけでかなり長い時間配信時間を取りましたので、そろそろ終わりましょうか。牛子の牛子による牛子のための宴。いかがでしたでしょうか。ゲーム自体は嗚呼絵さんのチームが勝ちましたが、現実世界だとあと一か月。そろそろ溜まっていた疲れが暴れだし始めるところ。ここで若手の皆さん。二軍にいる選手は必死にアピールして、一軍の疲れを取ること。むしろ二軍に落とすくらいの勢いでお願いいたしますわ」
『うんうん。生きのいい選手いっぱいいるからね。水走さん。隅久選手だけに頼ってられないしね』
「これからの試合展開もワテクシのチャンネルでは追っていきますわよ。日が合えばここにいる二人と同時観戦も致しますわ」
楽しみにしている。というコメントを見た私は、そのまま終わりにする。
「それでは皆様今日の配信に来て下さりありがとうございましたわ。お二人とも急な配信内容の変更にも対応して下さり感謝しております」
『いいよー。楽しかったからね』
『またコラボしましょう!! どんな内容でも馳せ参じます!!』
「よし、それでは三人でごきげんよう致しましょうか」
「『『皆様御機嫌よう~!!』』」
コメント:御機嫌よう
コメント:御機嫌よう
コメント:御機嫌よう
コメント:御機嫌よう
コメント:御機嫌よう
選手数増えてきたので、そろそろ設定集で書くと思う。
ネタ考えないと。
誰と絡んでるのみたい?
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一期生(卯月美トトや清水浜凛)
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二期生(セデスや刀義岳)
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三期生(セイン・バルディーや迫夢走)
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四期生(エラや七伴瑠衣)
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五期生(和泉ペニーや元舞修介)
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七期生(坂口弘樹や雉間小町)
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その他箱外
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野球選手(引退した選手のチャンネルで)