現役生活二十六年。疲れたので、バ美肉して野球解説系Vtuber始めます   作:義藤菊輝@惰眠を貪るの回?

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 お久しぶりです。書けたので投稿です。


9/21(月)【叔父よりも】球界のスピードスターとコラボ致しますわ【素敵なおじ様】

「とりあえず、洋美の方は私の方で進めていく感じで」

 

「そうですね。えっと、木鷹さんには一つも伝えていないですけど大丈夫でしたか?」

 

 昼食の重々苑弁当に舌鼓を打った後、私、三宅さん、そしてスタッフさんの3人で打ち合わせをおこなう。

 企画内容は伝えていて、軽く木鷹さんがどういう方なのかを説明し、そこから質問コーナー。最後に、プロ野球に関係する早押しクイズを二人で行う。というもの。

 

「まあ、私のも生配信じゃなくて動画で出しますし、気楽にいきましょう」

 

「そうですね。普段の敷島洋美が木鷹さんという元プロの方と交わる。現実とバーチャルの狭間を動く。他の方はゲームや雑談が中心で、所謂こちら(現実)側との繋がりはコメント欄だけ」

 

「自分見てみたいんすよね。純粋に」

 

 Vtuberがハゲのおっさんとはしゃぎながら野球の話ししてるとこ。

 

 木鷹さんと同じ帽子を軽く被ってるスタッフの青年がそんな事を言う。

 

「敷島洋美にしか無いんですよ。現実と、バーチャルの橋を我が物顔で往復できるのは」

 

「安心してください! 編集は自分が責任を持ってしますので!!」

 

「それじゃあ楽しんでその橋を往復してみます」

 

 

 

 

 

 ◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 今回撮影するもの。『【叔父よりも】球界のスピードスターとコラボ致しますわ【素敵なおじ様】』と題打つことにしている動画は、これまでの生配信スタイルではなく、放送と同時にリアルタイムでチャットを打つことができるプレミア公開。という手法をとる。

 どのタイミングでどのような反応があったかがわかりやすいことで、生配信じゃないけどそれに近い。と言ったようなことができる。

 

 そして、ワテクシ敷島洋美の動画配信は、今回が初めてである。

 

「洋民の皆様ごきげんよう。ワテクシが現役生活に疲れ転生してしまったものの野球とは縁が切れない柵にいる敷島洋美ですわ」

 

「くっくっくっ」

 

「いやいや、紹介するまで静かにしていてくださいと先ほどお伝えいたしましたのに……」

 

 撮影の方法は割と単純で、先程までの撮影時に私が座っていたところの後ろに、緑のカーテンを貼る。そして、モーションセンサーを使って3D配信の時みたいに撮影する。

 音声に関しては、現場だと私の声が流れているが、口元のマイクを通して録音されたものに関しては洋美の声として変換される仕組み。とのこと。

 正直なところここらへんのことは三宅さんが手配してたのでよく知らない。とりあえず、叫ぶな。とだけ言われている。

 

「締まらない始まりはワテクシ好んでおりませんので、それでは早速お呼びしましょう。現在の神奈川スターライツの前球団、横浜スターホエール時代の名二塁手。木鷹裕おじ様ですわ」

 

「はいどうも。お嬢ちゃんの視聴者たち。元スターホエール、木鷹です」

 

「ようこそお越しくださいました」

 

 パチパチと手を叩きながら迎え入れた木鷹さんは、帽子を外してペコリと頭を下げる。

 

「さて、ワテクシの配信を見て初めて野球に触れる方が多いので、簡単に木鷹おじ様がどう言った方なのかをご紹介させていただきますわ。テロップにも出ますが」

 

 木鷹裕 元横浜スターホエール 齢60

 ドラフト3位 盗塁王1回 二塁守備率歴代2位

 

「はい。木鷹おじ様のお子さん三名は、見事に全員サッカーをされておりますわ」

 

「その情報は今いらないな」

 

「そうですわね。ただ、木鷹さんはワテクシみたく野球一辺倒じゃありませんので、あれですわよ、たまにはおじ様のチャンネルでサッカーのお話をなさってみれば?」

 

 それもいいけどよぉ。と、頭を掻く木鷹さんに笑う。

 木鷹さんは息子さん3人がプロサッカー選手であり、サッカーに詳しい。なんなら、とあるスポーツ番組でサッカーに関してしっかりとコメントしていたらしい。

 正直それ自体は見ていないので知らないが、木鷹さんのスタッフさんが教えてくれた。

 

「んで? 今日は何するんだ?」

 

「そうですわね。今日行うことはおじ様には伝えておりませんので。ただ、目的の企画を行う前に、ワテクシのチャンネルの方におじ様がどう言った方なのか教えないと」

 

「いいよいいよそんなの」

 

「いいえそうも行きませんわ。だって、あの人よりも素敵なおじ様なんですもの、皆様に知っていただきたいではありませんか」

 

 ふふっ。とキャラクター設定的には深窓の令嬢というよもただ高飛車なだけだが、しっかりとお嬢様らしく溢れるような笑いをあげる。

 

「おまえ、普通に女だな」

 

「流石に半年以上もしてれば板につくもので、私生活でもこっちの口調でてるらしいです。大抵私は気づいてなくて、私の周りの方から指摘されるんですけど」

 

「さっきも何回かその口調になってたぞ?」

 

「え? 嘘……」

 

 そんなことで嘘は言わねぇよ。と言うくらいなら、もう少し早く伝えてくれれば良かったのに。昼飯時とか。

 まあいいや。一口水を飲んだ私は、早速企画を進める。今の話は一旦カットだ。

 

「それでは早速始めていきますわ! ワテクシ敷島洋美からの一問一答!! 全力直球!! フルカウントインタビュー!!

 

「おおー。なんかそれらしいこと言ってやがる」

 

「はい。こう言う対談形式というかのコラボは初めてで、どうすればいいか悩んだので、前にコラボした方を参考に一問一答形式で6つ! 質問していきますわ」

 

「フルカウントなら五つじゃねぇの?」

 

「いや、6問目の質問をして、アウトかフォアボールかってところまで致しますのよ。よろしいでしょうか?」

 

 なるほど。と理解したらしい感じの木鷹さんに安堵すると、早速1問目から質問を行う。1問目は軽い反応を見るような質問から。

 

「一球目! 敷島洋美の存在はご存知でしたか?」

 

「おうおう! 知ってたよ。ちゃんと」

 

「どんどんいきますわ二球目! ワテクシ敷島洋美の印象は?」

 

「可愛いけど声がおっさん」

 

「あはは……。まあそうなりますわよね……。よし、三球目! 好きな球団は」

 

「そりゃあスターホエールだな」

 

「いやいや、今のチームでお願い致しますわ」

 

「んじゃあライツ」

 

 うわー。適当だ。めちゃくちゃ適当だ。まあいいけど。あとで掘り下げるし。

 

「四球目、好きな野球観戦方法は?」

 

「そりゃ酒飲みながらくっちゃべって見るのが一番楽しいだろう。俺そんな解説とか得意じゃねぇし」

 

「いや、解説者として人気じゃないですか。何をおっしゃってるんですのよ。五球目行きますわよ。もし、生まれ変わってまた野球をするなら、どのポジションがいいですの?」

 

「キャッチャー。絶対楽しい」

 

「なるほど……。それでは最後、六球目ですわ。ワテクシいつか、球団の運営を行いたいのですが、その際、ワテクシの球団に入っていただけますか?」

 

「お? それはなんだ? コーチとか監督としてか?」

 

「はい。今、ドリプロという野球ゲームで、ばちゃりあのメンバーを選手としてチームを作っているのですが、コーチとか監督として元プロ野球選手の方達の名前を貸していただこうと考えていまして。今回の木鷹おじ様とのコラボのように、他の方々とコラボする機会があれば是非お願いしようと」

 

「んじゃ守備コーチで頼むわ。監督は津路嶌だろ?」

 

「いえ、監督は一応ワテクシですわ。津路嶌率いるOB選抜チームと戦うのをイメージしてますの」

 

「あー。あいつのことだから3番レフト、チャン・フン。4番指名打者、央さん。5番キャッチャー、ノムさん。6番ファースト、星合さんとかで来るぞ」

 

「ゲッ……」

 

「今お嬢から聞こえちゃダメな声しなかったか?」

 

 やばい、バレてる。と、思ったと同時に、洋美として出しては行けないような汚い声が出てしまった。だが、だいたい当てられてるのはなぜだ。関わり合いが少ないのに……。

 ま、まあ、チャンさんは指名打者だから。当てられてないから……。

 

「けどそれ面白そうだな。誰に声かけるつもりだ?」

 

「叔父繋がりの人物に声をかけようかと。こう言うのが好きな方もいらっしゃるので。河上のおじ様とかそこら辺が」

 

 まあ、今回のコラボが特別と言うだけで、本来なら私がアクションを起こしてコラボするのが普通だ。まあ、畿通時代の人は先輩権限でどうにかするのだが、中報時代の人は先輩がほとんどだからなぁ。

 

「と言うわけで、質問の深掘りをいたしましょう。まず一球目の質問である、ワテクシの存在を知っていたか。答えは知っていたと言うことですが、いつからご存知だったんですの?」

 

「それはな、あれだ。6月の半ばとか」

 

 敷島洋美の存在を知ったのはアシスタントの女性との会話で、話題になったのがきっかけらしい。

 

「んでちゃんと野球の説明してるなぁ。とか、どういう考えの子なんだろうな。なんてことスタッフたちと話してたら、津路嶌との関係がどうだのこうだのって。あ、野球関係者となら話してもいいだろう。って」

 

 野球以外の動画は見たことない。と言い切った彼にスタジオには笑いが起きる。

 

「それじゃあ結構昔からワテクシのこと知っていらしたのですわね? それで、ワテクシの印象は可愛いけど声がおっさん。とまあ、これに関してはそのままだから飛ばしますわ」

 

 深掘りしていく質問。三球目と称したものは、好きな球団ということだが、最初彼は自身が入団したスターホエールと答えた。まあ、プロ野球を経験している人なら、誰しも自分の所属したチームのどこかを挙げるだろう。

 私だって、好きな球団は畿通だ。中報は気にする程度だが。

 

「というかさ、前々から気になってたんだけどよ、嬢ちゃんみたいな子でもキャッチャーってしんどいもんなの」

 

「と言いますと?」

 

「各ポジションごとに難しさっていうのはあるだろ? ただ、キャッチャーはやっぱ違うだろ」

 

「えーっとですわね……。大前提として、ワテクシはキャッチャー以外のポジションを守ったことがほとんどありませんわ。ですので、他のポジションと比べてどう言ったところが難しいとか説明しづらいんですの」

 

 ただ、目を向けないといけないポイントが多いようには思うが、見え方が違うだけで内野の人からすれば似たようなことを見ているんじゃないだろうか。

 

「質問の時におじ様は絶対楽しいとおっしゃってましたが、そこは違いますわ。楽しい事など、何一つとしてありませんわ。わがままな投手や好き勝手動く内野陣。指示だけ受けて動いてくれれば良いとまでは言いませんが、近しいことを捕手は考えておりますの」

 

 どこにどう飛ばさせるか。というのを考えながら配球していた津路嶌的な考えだと、自分なりの考えでポジションを動く内野陣はあんまり好きじゃなかった。

 

「ですが、自分の求めていた球が来て、想像通りのアウトを行うことができたときは嬉しいですし、1試合通して、自分の理想の展開を作れた日は、最高の快楽がありますわよ?」

 

「快楽?」

 

「すごく気持ちがいいんですのよ。ピッチャーもバッターも野手たちも、全てがワテクシの手のひらの上で遊ばれる。全てを管理して、好き勝手使い、最高の結果だけを生み出す」

 

「お前Sだろ」

 

「そうですわね。潰す方が好きですわよ?」

 

 

 

 

 

 ◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 実際のチャット欄はどうなっているだろう。おそらくだが、公開当日は用事があって反応を見れないから、すごく心配だ。というか、今までやったことない形式でするだけで不安だ。

 

「あー。怖い」

 

「怖い? 何いってんだよ。お前は怖がられる側だろうよ」

 

 いや、笑ってますけど木鷹さん。身も蓋もないこと言わないでくださいよ。

 確かに、敬遠じゃないけど四球にしますって何回か打席で言われたことあるけど。ボールゾーンに来た球をそのままスタンド持って行って呆然とされたことあるけど。

 

「いやいや、動画で出すの初めてですの。いつも生配信ばかりで、プレミア機能を使うのも初めてで、反応が怖いんですのよ」

 

「あー。なるほどな」

 

「まあ、そんなこと気にしててもどうしようもありませんし、ワテクシの洋民達ならばきっとここから抱腹絶倒ですわ」

 

「抱腹絶倒? 何すんだよ」

 

「それはですね、ちょっとした電気療法ですわ」

 

 スタッフにお願いをしてアイテムを取ってきてもらう。それは、単純に電流を流す機械。コードが伸びていて腕に張り付けるあれだ。

 

「おい! なんだよこれ!!」

 

「これからプロ野球に関するクイズで勝負を行いますわ!! 木鷹さんのスタッフさんに考えてもらった問題をフリップで回答し、間違えれば即電流!! いわゆるデスマッチですわ」

 

「お嬢様がそれでいいのかよ……。えー。俺、これ着けんの?」

 

 マジ? とスタッフに聞く木鷹さんを、彼のスタッフがマジです。と真顔で返し、そのまま左腕にペタッと貼り付けた。もちろんワテクシも左腕につけてもらった。

 

「まあ、電気療法なので。気にしないでください。ただ、ワテクシのもおじ様のも、誤回答の数に合わせて出力が強くなりますので」

 

「おいおい、それ大丈夫か?」

 

「大丈夫、大丈夫なはずですわ!! 怖いですが」

 

 と言うわけで、クイズを始めよう。準備が整い、フリップと水性ペンも渡された。あとは、電流を受けないよう上手いこと木鷹さんの意識を逸らしながら答えを言うだけ。

 

 あれ? そういえば、質問の時フルカウントで三振なりホームランなり判定してないような……。まあいいや……。




 のんびり更新していきます。
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