現役生活二十六年。疲れたので、バ美肉して野球解説系Vtuber始めます 作:義藤菊輝@惰眠を貪るの回?
「暦はすっかり10月。少しだけ肌寒くなり始め、秋の到来を感じております」
| コメント |
| :きた! |
| :なんか始まった |
| :開幕芝 |
「秋といえばなんでしょう……。食欲の秋? いいですわよね? この時期の秋刀魚はとても脂が乗っていて、網焼きの上からカボスをかければそれはもう逸品! 右手にお酒があれば尚のこと良しっ!」
| コメント |
| :うわっ…… |
| :美味いやつや |
| :ビールと米だな |
| :それはずっこい |
「ただ、ここにいる皆様はそんなものを求めてやっているわけではありませんわよね? そうです、ここにいる洋民も、洋民ではなくても考えているのは「スポーツの秋」ですわよね?」
ゴクリっ。と生唾を飲み込んだ私は、意図的にマイクの音声を上げる。
あまり、耳的には良くない程度の音量で。イヤホンやヘッドホンで聴いていれば耳が痛くなる程度で。
「野球の時間だぁ ッ!!!!」
| コメント |
| :耳がっ |
| :うるさい |
| :あー |
| :芝 |
| :芝 |
| :鼓膜ないなった |
| :芝 |
| :まじか |
阿鼻叫喚と化したコメント欄に苦笑いしつつも、コホンッ! と一度咳払いする。
「失礼致しましたわ。つい感情が昂ってしまい……。まあそれより、早速ですが、野球の時間。スポーツの秋を彩るクライマックスシリーズを見ていきましょう!」
まずは両チームのスターティングメンバーから。
エクセルの表にしたものをそのまま画面に写す。左がウルフズで、右が畿通だ。
| 守 | 選手名 | 順 | 選手名 | 守 |
|---|---|---|---|---|
| 中 | 1 | メイル | 左 | |
| 遊 | 2 | アンディ加藤 | ニ | |
| 二 | 深村瑛人 | 3 | 安木省吾 | 遊 |
| 三 | 村中剛 | 4 | 外街洋紀 | 三 |
| 指 | アルバラート | 5 | エドワード | 一 |
| 一 | 海谷穂積 | 6 | 水口良輔 | 捕 |
| 捕 | 林裕哉 | 7 | 堂本卓 | 中 |
| 左 | 8 | 磯岡壱公 | 指 | |
| 右 | 9 | 角田大平 | 右 |
このウルフズのオーダーを見て思うのは、クライマックスシリーズになってやっとベストメンバーが揃ったな。という印象。
1・2番の二人と5番のアルバラートは一年間スタメンを守り切ったが、他の面々は度重なる負傷が続いていた。得点力が落ちていた中での先発崩壊。それが今シーズンのウルフズだ。
「今日先発の井桶君がいなければ3位はありませんでしたね。15勝7敗。チームの勝ち頭であり、大崩れすることもなく、防御率は2点後半」
ワテクシの意見に同意するコメントを散見する。
ただ、彼はウルフズのエース。さらには来年終了時にはFA権も取得する。出来るなら、負けを一つ減らして10個貯金を作れればよかった。2番手の渚投手が13勝10敗だから余計にだ。ただ、計算できる投手が二人だけの状態で良く1シーズン保った。規井くんと平出くんに足を向けて寝れない面々が大量にいる。
「そして、畿通の先発は水走だと思っていたのですが、
今シーズンの成績は13勝10敗と、打棒が湿っていた前半戦で負け越していたが、後半戦、自身の調子が上がると共に野手陣の援護のおかげでなんとか貯金を作れた左腕。
右打者には外に逃げるスクリューを。左打者にはスライダーで空振りを取れる貴重な戦力。去年は彼が勝ち頭になりリーグを勝つことができた。ここ近年のエースは右の隅久と左の粟野の二人であり、合間合間に水走だったり野口が出ていた。
「さて、先日というか昨日ワテクシは、ウルフズが2勝1敗でファイナルステージに進出すると申しましたが、ウルフズの面々を見れば2連勝の可能性も見えてきます。2戦目の先発は隅久でしょうしね」
志島さんは何を考えて先発を彼にしたんだ? 繁野の入れ知恵か?
「とりあえずは、一回の表、ウルフズの攻撃を粟野と水口がどう処理していくのか見てみましょうか」
畿通の9人が名前を呼ばれ、それぞれが散り散りにポジションへ向かった。
何球か足元を確認しながら粟野が投球練習を行い、そして、ウルフズの冬川が打席に入る。
審判が試合開始を宣告。粟野が振りかぶった。
少しだけ上に伸び上がると、一気に重心を下げ、真っ直ぐを投げる。
「粟野投手のフォームで特徴的なのは、球の軌道が落ちないことですわよね」
初球、アウトコースギリギリのところに来た直球を、冬川はミットに入るまで見送った。
水口が粟野にボールを返すと、自分のスイングを確認するためか、二度素振りをした冬川は、もう一度打席に入る。
「冬川選手は足の速い守備の人という認識でしたが、ここ数年で打つようになりましたわね」
続く2球目はインコースの直球。少しだけ内側に入ったのか、審判の宣告はボール。元々左投手とは相性が悪いものの、それでもしっかりとした率を残すバッター。特に、決めに行くときに使う低めに強いイメージがある。
「粟野は三振を取りに行くタイプですわ。左打者にはスライダーで三振を狙いに行く。ただ、彼は低めとアウトコースに強いので、切り札はあまり使えない。2球目のインコースのようにインコースの意識づけをしたいですわよね」
といっても、一巡目だし多くのことは言えない。あくまでもシーズンを通しての組み立てなので。
ただ、左投手のインコースに弱いのはウィークポイントとして大きい。
「あれ? またアウトコースですわね」
次はアウトコースに外れていくカーブ。それを冬川は掬い、サード方向へファールにする。
「ワテクシなら次もカーブを外ですわ。そして、その後にインコースへストレート。外側に球を投げさせて意識は置けてるでしょうから問題ないかと。インコースに投げないのであれば外スラですわね」
粟野・水口バッテリーの考えは「外」で意識されているのか、次の4球目は先ほどと同じくカーブ。そして5球目。
「粟野は? カーブ! 冬川打った! が、サード外街選手の正面です。ライナーを捕球してワンナウト」
5球目もカーブ。先ほどより内側には寄っているものの、少し低いカーブ。それを逆らわずに飛ばしたものの、力が足りなかった。
一塁ベースを駆け抜けた冬川が、ドームの天井を仰ぐ中続いて出てくるのはプロ三年目の平山。プロ入りから毎年打率は2割7分ちょい。安定して打率を残せ、しっかりと犠打を決めれる小技の選手。
「この選手も冬川選手同様左投手相手だとインコースが苦手ですわよね」
| コメント |
| :え? |
| :そうか? |
| :今はそうでもないぞ? |
| :入団したてはインコース弱かった |
あれ? 私の記憶だと左投手のインコースが苦手だったイメージがあるのだが……。よく粟野のスクリューを引っ掛けてセカンドゴロ。みたいな光景を見ていたのに、いつの間に。
「ならどうなることやら」
平山に対する初球。それはインコース高めのストレート。
「内角高め直球打ち上げて、キャッチャーフライ」
位置的には一塁ベンチのネクストサークル横。あまり打球は高くなかったが、水口は余裕を持って落下地点に入り捕球する。これでツーアウト。
「次は中距離砲の深村選手」
ここ近年は3番打者だが、6番で打点王を取ったこともあるチャンスに強い打者。その上ハイボールヒッターである。しかも左投手にも強い。
「今シーズンも打球の方向はライト側が多く、広角に打てる打者」
四球気味にアウトコース低目を重点的に抑えていくのが妥当。
| コメント |
| :は? |
| :何? |
| :うわぁ…… |
| :試合視聴できてないから教えて? |
| :なになに |
初球。アウトコース低めに投げたスライダーが少しだけ浮いたのか、真ん中寄りの位置に投げ込まれると、深村選手が一球で仕留めた。
バットに当たった瞬間に粟野は振り返り、白球が消えたライトスタンドを見つめる。
「あちゃー。ですわね。カウントを取りに行ったのですかね?」
まだ一発でよかったとここは考えよう。次は昨シーズンの本塁打王である村中が来る訳だし、その後ろにはアルバラートまでいる。ランナーが溜まってない状態の一発でれば引き分け程度に考えた方がいいだろう。
そう思っていたのだが。
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 埼玉 | 3 | 3 | ||||||||
| 畿通 |
「村中くんにもアルバラートにもホームランって……。やる気あるんですの? 粟野」
村中くんは外のスクリューを拾い上げそのままライトへ。アルバラートはインコースのストレートを引っ張りレフトスタンドへ。
まさかの3連発で初回から失点した粟野は、6番の海谷に対してギアを上げ3球勝負で討ち取った。
中途半端ですがここで切ります。長くなるので。
part.2で試合終わらします。
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伝統の一戦! 東栄対大阪
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力こそパワー! 畿通対埼玉