現役生活二十六年。疲れたので、バ美肉して野球解説系Vtuber始めます   作:義藤菊輝@惰眠を貪るの回?

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 終わらすつもりなのに、終わらんかった。


10/10(土)【HPBでNPB】力こそパワーとはまさにこのこと! 畿通対埼玉!【解説】Part.2

「まさか……。タイトル通りになるとは……」

 

 コメント                    
 :
 :芝
 :やべぇ
 :芝生えた
 :お前ら
 :あのさ
 :芝

 

「えー。6回の表が終わりまして、ウルフズのホームランは4本。深村・村中・アルバラート・林選手が打ち、その他得点を重ねて8得点。対する畿通がですね……。7得点ですわ」

 

 あー。もう芝しか生えない。

 水口の2ラン。アンディの3ラン。そしてエドの一発。今のところヒットを打ててないのは両チームでノリだけ。まさかの18人中17人が安打を記録している状況。

 

 

4
埼玉
畿通

 

「えー。すでに両チームとも投手は3人つぎ込んでおります。ウルフズは、先ほどエドワード選手に一本打たれたブライアンに代わって出場の、岳本陽介(たけもと ようすけ)選手が回またぎですわね」

 

 バッターボックスに入るのは磯岡。

 もちろんバットを振る以外に選択肢を持たない畿通だが、流石にこの状況には笑えてくる。志島さんが目指した野球は、小技で得点機会を広げた上でのホームランによる大量得点だったはずなのに、今ではホームランばかり。

 

「私……。こんな脳筋たちと同レベルなんですか?」

 

 思わず素の口調で、敷島洋美ではなく、津路嶌洋弥として愚痴ってしまうが、コメント欄は笑やら同意やらで溢れる。中には津路嶌が出ているが良いのか? と心配してくれている人もいるが、今は良いだろう。流石に両チームの投手陣が終わってる。

 

「さて、岳本選手ですが、見た感じ内角のシュートが決め球でしょう。色々な変化球を投げてはいましたが、先程の回、堂本選手を仕留めた球はいいシュートでしたわ」

 

 初球はインコースへ入ってくる高めのストレート。

 磯岡はボールの下を振ってしまいストライクが審判によって宣告される。

 

「あんな素振り……。競馬なら「かかって」いますわ」

 

 コメント                    
 :掛かるw
 :たしかに大振り
 :打てる気がしない
 :芝

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 お嬢がウルフズのキャッチャーならどうする? この後畿通の打線を二失点以内に纏めるとして

 

「えー。スパチャありがとうございますわ。二失点以内でどうするか。だと、そうですわね。ウルフズ側が手に入れている情報を想定して。となると、まずはあれですわね。際どいコースには投げさせませんわね」

 

 うん。畿通を手玉に取るなら、それが一番な気がする。

 

「ウルフズの投手陣。特に中継ぎ陣は、あまり制球力に自信を持つ方が少ないですわ。そして、直球に力を入れている投手が多い。なら、球速があるストレートを中心に、投げれる人はカット・ツーシーム系で芯をずらす。野手の守備能力は高いので、ゴロにさえできればどうにかなるはずですわ。畿通は鈍足が多いので」

 

 四球を出すくらいなら、ど真ん中付近。その上で低めに集める。それが必要だと私は思う。

 一口お茶を口に含むと、話をそのまま続ける。

 

「今の投球もそう。2球目アウトローにクロスファイヤーでファールにさせた。なら磯岡選手の思考はストライクゾーンの横幅を気にしてると思いますわ」

 

 次に来る球が中か、外か。気持ち的には内側に入れたい。が、どちらかと言うと磯岡はインコースヒッター。

 

「インコースの低めに。ですわね。外れてボールでも良いので、横幅の意識を持たせ続けたい。そんな感じではないでしょうか? 続けて同じところにシュート。引っ掛けさせれれば。ボールやファールで粘られればアウトコースを使うのがセオリーですわね」

 

 林選手がサインを出し、それを岳本選手はそれに首を振る。

 次のサインにも首を振り、その次も。たまらず林選手がタイムを取り、岳本選手のところへと駆け寄る。

 

「このタイミングで首を振る。っていうのはよっぽどですわね。なんでしょう、違うのを求めていたとすればアウトコースに投げたいのにインコースを求められていた?」

 

 内野陣もマウンドに集まって何かを話しているが、しばらくしてキャッチャースボックスに戻っていく。既にサインは合わせ終わってるのか、林選手は捕球体勢に入ると、アウトコースに寄る。

 

「別に林選手のリードが悪いとは思いませんが、インコースのストレート。もしくはスライダー。ワテクシ的には外に続けるのは良くない気がしますが」

 

 スッと横に腕を回して上から投げる彼の投球。

 

「外シュー!?」

 

 カツーン! とボールを打ち返した行方はピッチャー強襲。

 投げ終わり回避行動が取れない岳本選手の軸足。左足の膝あたりに直撃し、彼はバランスを崩して転倒した。

 サードの村中選手がボールをすぐさま手に取りファーストへ投げ、なんとかアウトを取るが、内野陣やコーチなどの面目はすぐさま岳本選手のところへと行く。

 

「えー。磯岡選手のライナーが岳本選手の左膝に当たりました。おそらく位置は内側の側副靭帯(そくふくじんたい)あたりでしょうか?」

 

 ワテクシが見ている中継だとリプレイが流れている。

 その映像を見る限り、当たったのは側副靭帯の少し下側あたり。

 

「ピッチャー強襲は避けようがありませんからね。不運な事故ですが、当たった位置が膝横の下あたりなので、あそこはかなり痛みますわよ。経験はありませんが」

 

 コメント                    
 :ないんかい
 :芝
 :なかったw

 

 ただ、あそこを怪我して復帰できなかった投手を何人か見たことがある。

 復帰できても元の感覚に戻るにはかなりの時間を要するはず。

 

「規井と平出の両選手を出したい状況とは言えませんわよね。8回9回のことを考えると。えっと、角田選手が次の打者ですが今治療中ですわね。おそらく交代となると、出てくるのは……杭全翔太(くまた しょうた)選手?」

 

 次の角田は左投手にめっぽう弱い。右投手には3割を超える打率を残すくせに、対左だと1割5分あたり。先発が左だと基本スタメンに入らない。代わりに羽合が出場する。

 

「さて、治療後の選手交代でやはり杭全選手が出てきましたわね」

 

 スライダー、カーブ、チェンジアップの3球種に自信を持つ投手。とスタープレイヤー速報の選手情報には記されていた。

 

「え? この投手、竹坂くんからチェンジアップ教わったとか書いてますけど……」

 

 こいつもチェンジアップか。本当に多すぎて嫌になる。

 タイミングずらされて苛立ったのを、打席で顔に出さず無理やり押し殺したことが何度あるか。思い出しただけで苛立ってきた。

 

「……ふぅ」

 

 コメント                    
 :えっ?
 :なに?
 :シコった?
 :ため息助かる

 

「ため息助かるってなんですのよ……」

 

 時たま視聴者の考えていることがわからなくなる。

 いくら見た目が金髪ツインテール縦ドリルの女子中学生とは言え、声はおっさんだぞ? そのおっさんのため息を聞いて喜ぶというのは……。ねぇ……。

 

 コホンッ。と一つ咳払いし飲み物を一口飲むと、試合の解説に戻った。

 

「さて、畿通の打者は角田ですが、こういった乱打戦。考え方は色々ありますが、こういった時にどうするかというのを解説していきますわ。ワテクシの配信でたびたび言っているように、例え乱打戦でも、弱点ばかりに投げさせる。というのは良くありませんわ」

 

 無意識()()長打を打てる場所が得意コース。意識()()()長打を打てる場所が苦手コース。そう考えなければならないのがプロの世界。

 インローが苦手だからと、同じところに3球も4球も続けて球を投げれば高確率で打ち返される。そんな世界。私だって、いくらチェンジアップが打てないとはいえ、それは比較的。という話。

 

「角田は一打席目に井桶選手と対戦しているわけですが、その時は苦手なインローに投げられたシュートを意識しすぎてアウトコースのフォークを空振りという結果」

 

 二打席目は初球、アウトコースのツーシームを逆らわずに流してレフト前のヒット。そして今が三打席目となる。

 

「初球から攻めましたわね。インハイのストレート」

 

 ズバッと決まった初球。思わず見送った角田は打席から離れて素振りをし、もう一度打席に入る。

 

「かなりストレートの調子がいいようですわね。スロー映像が今中継だと出ていますが、バックスピンのかかり方も綺麗ですわ」

 

 続く2球目は、右打者である角田の膝下に入って来るスライダー。今度はそれをファールにする。

 配球的には内内と続けている。セオリーならアウトコースにボール球で様子を見るが、恐らくそうはしないだろう。今のウルフズ的には守備の時間を減らし、打撃で得点を重ねている状態を保ちたい。

 

「彼の場合、インコースを攻められ続ければ逆に打ち返せます。いくら左投手でもですわ。林選手が思考中に一度頭の中をクリアにできるかどうか。苦手なコースだからこそここぞという時に使えるし、苦手なコースを意識づけれるからこそ得意コースでアウトを取れる。その持って行き方ですわ」

 

 乱打戦にここぞもクソもないが。

 そんなことを言っていれば、角田はインコースに投げられた3球目を微動だにせず見送った。

 

「3球目、インコースのストレートは外れましたが、4球目を? 打った! 三遊間抜けて二度目のレフト前!」

 

 ここにきてやっと投げられたアウトコースのチェンジアップ。それをしっかりと打ち返した角田は、一塁へ出る。

 

「攻め方が淡白すぎますわ。3球目のインコースの見逃し。膝すら動いていないのはボールだからというよりもインコースだから見逃した。と考えないといけませんのに」

 

 コメント                    
 :ガチダメ出し
 :中学生に怒られるプロで芝
 :わかるものなの?
 :見逃し方とかでわかるのか

 

「コメント欄にありますが、案外感覚視野というのはバカにできませんのよ? 視線が投手に向いてても盗塁しているのが見えたり、バント処理の時に一塁ランナーが塁間のどの辺りにいるか分かったり。一挙手一投足全てを見れるとは言いませんが、足元がどう動くくらいはわかりますわよ」

 

 ボックスの立ち方とどの球でどう始動したか。見逃し方は?それである程度どのコースを狙っているかはわかる。

 

「来た球をそのまま打ち返せる人は少ないですわ。コースや球種を絞る打者がほとんどで、中にはリードを読んでくる打者もいます。そこの対処を覚えれば、林選手は安部さんみたいに飛ばせる捕手になれますわ」

 

 って、メイルさんや、初球叩いてライトフライにするのやめて下さい。早打ちやめたんじゃないんかい。

 

「どういう風に打ち取るのかを何パターンか描いておいて、都度変えてく。3球もインコースに続けれるなら4球目もインコースにする度胸がいりますわ。あの状況でインローのチェンジアップなら、叔父だと三振ですのに」

 

 コメント                    
 :チェンジアップにやられる叔父定期
 :津路嶌でも打てないの?
 :度胸かぁ

 

「強気のリードでもって投手を引き立てるなら、度胸を。打たれたら自分の責任だが、投手がその球を最高の質で投げれれば最高に気持ちいいという場所に。投手の得意球だけを投げさせるのではただの的ですわ。って、角田? アンディーが打ったのに走塁死はいただけませんわよ?」

 

 アンディーが打ったライト前のヒット。

 深めに守っていたライトの金。その守備位置を見ていたのだろう。

 球場にいるものたちもおそらく二塁ベースを回るとは考えていなかったはずだが、金による三塁送球が綺麗すぎた。村中選手の構えたミットにズバッとくるストライク送球でこの回0点に抑えた。

 

4
埼玉
畿通

 

 ネクスト「アルバラート」「海谷」「林」

 

「さて、やっと7回の表、肩を作っていた川栄が出てきますわよ」

 

 

 

 

 

 ◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

「川栄! 全員三振にするぞ」

 

「もちろん。やりましょう水口」

 

 7回の表。出てくる川栄は元レッズのサイドピッチャー。俺が畿通に戻ってきた年から一緒に戦ってるワンポイント・リリーフ。

 

 プロテクターをつけた俺は、小走りでキャッチャースボックスに入る。

 まずは勝たないといけない。去年、津路嶌さんがいても日本一になれなかった。だから、彼を日本シリーズに呼んで、日本一になった姿を見せるんだ。

 

 打席に入るアルバラート。

 ここまではレフトへのホームランとヒット。そして三振。その時はアウトコース中心。だからまだアウトコースに意識を置かせたい。

 

 だからこそ、1球目はアウトコースのストレートをボールに。

 俺のサインに一発で頷いた川栄は、アンダーに近いサイドでビタビタに決めてくる。

 

「っトライーック!」

 

 いや、ボールやからアンパイヤ。そう思っても口にはしない。

 前の打席だとボールだった位置。あまりフレーミングは下手だからやらないが、たまにはしてみるもんだと思う。審判まで騙せるのは最高だ。

 

「いいよ! ボール来てるよ!」

 

 サイドスローだが、川栄の球は伸びが良い。

 球速は140中頃。コーナーの隅に置くのではなく決めることができるコントロール。そして、独特な軌道を描くカーブ。

 

 ストレート、ストレート、カーブと3球でアルバラートを仕留め、とにかく声を出す。

 

「今日の川栄コントロールやばいから内野行くよ! 溢すなよ!」

 

 そう言いながら川栄の目を見て、事実でないことを示す。

 だが内野陣は目を輝かす。ウチの馬鹿どもは馬鹿だから、見せ場が来ると喜んでいる。特に今日はノリとアンディが。ノリは今3タコだから仕方ない。

 

「内野溢したら〆るからな!」

 

 苦笑いを浮かべる川栄と、やれるものならやってみぃと鬼の形相をする外街。うん。怖い。

 そんなことを思いながら、海谷をインコースのシュートで仕留め二者連続三振。続く林を四球で歩かせてしまったが、柿原を緩急を使ったカーブで三振。これまでで一番あっさりと回を終わらせれば、プロテクターを外しながら安木さんに声をかける。

 

「安木! 絶対出ろ! 絶対出てノリにプレッシャーかけろ」

 

「安木()()な? 俺先輩だから。まあいいけど」

 

 メットを被り軽く素振りをした彼は、見逃しの三振でベンチに戻り、俺を含めた面々に頭を叩かれた。




 安木、お前歳か?

どっちの試合が見たい?

  • 伝統の一戦! 東栄対大阪
  • 力こそパワー! 畿通対埼玉
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