現役生活二十六年。疲れたので、バ美肉して野球解説系Vtuber始めます   作:義藤菊輝@惰眠を貪るの回?

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 お久しぶりです。
 忙しすぎて書く暇がないです。


10/31(土)【練習】ただひたすら練習してるのを配信するだけの6時間【フリーチャット】

 日本シリーズはあっさりと北九州モバイルホークスが勝った。

 一応ヘルスも一勝して列島王者の意地は見せたけど、あの爆発力のある打線を抑えることはできなかった。

 

 多分私や古畑さんが受けてても4点くらいは取られそうだから、正直なところどうしようもないと思う。ご愁傷様って感じ。

 

 ついでに話すと、この前やった凸待ち0人配信がバズった。

 2時間の枠の中で通話は誰も来ず、来たライバーは全てチャットでの出演という形だったのが受けたらしい。

 ムジカさんか誰かが仕組んだのかな? 糸引いてるのかな? と思って聞いてみれば、仕掛け人はまさかの牧野くんだった。

 牧朝島の島民ラジオで来たお便りからネタバレされた。まあ楽しかったしネタだったので良しですね。

 

 そんなことより……。

 

「まさかこの企画がちゃんと通るんだなって思うと不思議でしかならないけど、まあいいや」

 

 三宅さんとメールで話したこの企画だが、まさか採用されるとは思っていなかった。3Dの機械とかも色々持ち込まないといけなかったりするから、すごく不安だったのだが……。

 

「社長が良いと言えばどんな企画でもできますから」

 

 そしてなぜかスタッフとして練習場へ共に向かう三宅さん。なんでいるの? と聞けば、マネージャーなのでとしか答えない。こっちがちゃんとした練習着なのにめちゃくちゃピチッとスーツを着こなしてるから違和感がすごい。なんというか。うん。すごい。

 

「すでにスタッフも中にいますので行きましょう」

 

 三宅さんに促されるまま入った室内練習場。よくある緑の室内練習場だが、ただの練習にしてはいささか人数が多く、一人すでにモーションキャプチャーをつけたスポーツウェアの方までいる。

 

 私と三宅さんで一人一人お疲れ様です。と言いながら供することの確認を取る。

 

「とりあえず企画の説明をした後は定点カメラで撮り続けるって話で大丈夫ですよね?」

 

「そうですね。んで、途中からプロテクターつけたままで練習するって伝えてたんですけど、それってどうなりますか? プロテクターでキャプチャーのセンサー邪魔しないですか?」

 

「プロテクター側にキャプチャーを付ける予定で、すでにデモは完了してますので安心してください」

 

 どうやら準備も万端ならしい。

 時刻は昼の12時。練習を始めるのには少し遅い気もするが、ここからぶっ通しになる以上まあいいだろう。これは野球盤のための練習だ。感覚を取り戻す。目指せ全打席ホームラン!

 

「今日は一日、よろしくお願いしますっ!」

 

 さあ、開始だ。

 

 

 

 

 

 ◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「洋民の皆様ごきげんよう。近日大切な試合がある為、本日は室内練習場にやって参りました。関係者各位の皆様、本日はありがとうございますわ。早速ではありますが、本日はタイトルにもある通り、ぶっ通しで練習をいたしますわ!」

 

 10/31(土) 洋美のチャンネル より

 【練習】ただひたすら練習してるのを配信するだけの6時間【フリーチャット】

 #練習 #長時間配信 #ガチ #フリーチャット

 

「ワテクシの名前は敷島洋美。現役生活に疲れてバ美肉してしまった中学生ですわ」

 

 コメント                    
 :ごきげんよう
 :ご機嫌ようお嬢

 

 練習場の中に映るのはユニフォーム姿の敷島洋美。ただ、普通のユニフォームじゃなくて練習着である。ちゃんとアンダーシャツである。

 まさかの練習着姿にリスナーたちも喜んでいてくれてるので嬉しい。

 

「本日の配信はタイトルにある通り、ワテクシの練習をただ流すだけの動画ですわ。何も面白味のない配信になりますので、フリーチャット会場として談笑していただければと思いますわ」

 

 この配信でリスナーからのコメントは一切拾うつもりはない。一応ときどきではあるが確認はするものの、じっと見るつもりはない。なので、その旨を伝えて、注意事項は概要欄に載せてることも伝える。

 

 一応どういう練習メニューかはリストで作って来ているので、スタッフさんにこれですと言いながら、画面にその練習が何なのかわかるようにだけしてもらう。

 

「それでは早速ストレッチからやっていきましてよ。ここからは一切コメント欄は見ませんのでそのつもりで。それでは練習開始ですわ!」

 

 まずはトレーニング前のストレッチ。

 何より重要であり怪我防止のためにも必要なこと。たとえ調整メニューで練習がかなり軽くてもいつも同じ量のストレッチをしていた。

 最初は体を伸ばしたり、ストレッチアイテムを使ってほぐす形。そこから段々ウォーミングアップに変えていくのだが、思っていた以上に体が鈍ってしまってる。

 

「やばいな……。これは」

 

 想像の倍は体がカチコチになってるので、念入りに。今日は割と激しめのメニューだ。まあリハビリがてらなので。最初は8時間。朝の10時スタートとか考えていたけど、年齢のことを考えてやめた。

 

 約45分間。本気でカメラに向かって喋らず、ストレッチとウォーミングアップを行い、そのまま練習場を今日のお手伝いをしてくれる方2名と、ばちゃりあスタッフの中でも野球経験者でもあり体力自慢の方の四人でランニングする。もちろん軽く汗が出る程度。

 

「そろそろ行きましょう」

 

 私、じゃなくて、ワテクシの合図で次は30メートルダッシュの表記が画面に出る。ちなみに、本塁から一塁などの塁間は27.4メートルなので、それより少し長い距離を全力疾走する。それを10本。

 

 この時点でばちゃりあスタッフの方も含めて脱落者はいない。

 

 走ったりランニングで体が完全にあったまってきたので、二人組でキャッチボールに移る。画面には生身の人間3人とワテクシの3D映像なのですごくシュールだが、まあいいだろう。

 

「段々距離伸ばしていきましょう」

 

 ワテクシが組んだのは練習スタッフの人。綺麗なフォームで胸元に投げてくるからびっくりした。まあ、お金払ってばちゃりあ側が用意した方だから、ちゃんとしてるのは当然か。

 

 ワテクシは現役時代宛らに普通のキャッチだったり当て取りだったりしながらボールを受け、しっかりと相手の胸元に返す。最近は共にキャッチボールする相手もいなかったので、人数がいるこの状況はちょっと楽しい。

 

「投げる時にうぇーいとか言いました?」

 

「言ってましたね。うちは岐阜の清美でしたけど、変な声でヴエィ! って言いながらキャッチボールしてました」

 

 スタッフの方の質問にアシスタントが答えるが、やっぱり声出しはやるよなー。なんて思いながらキャッチボールで肩をほぐす。

 

「そろそろノック行きますか?」

 

「そうですね行きましょうか」

 

 ちらっと配信画面が写っているモニターを見れば、コメント欄はちゃんと練習している高校球児を見守る父兄さんみたいになっていたが、まあいいや。

 

「とりあえず練習開始から1時間半くらいですね。今からノック行きます」

 

 いってらっしゃい。だったり、がんばれ。だったりと。応援のコメントが流れているのを確認してからノッカーの反対側へと向かう。

 

「あれ? 敷島さんはミットのままですか?」

 

「もちろんですわ。このミットで動けなくては意味がありませんので」

 

 下半身を意識しながら回り込んで取る。膝の角度とかもちゃんと確認しながら、一つ一つを丁寧に。

 右足を前に出して、両肩とグローブが綺麗な三角形になるように向かってくるボールをミットに入れると同時に右手でフタをし、持ち替え。もちろんステップを踏んでファースト代わりのバッティングネットに向かって投げ込む。

 

「ミット重くないですか?」

 

「むしろそれ以外だと軽くて気持ち悪いですっ、わっと!」

 

 右に左に振られながらノックを受けること約30分ほど、ここからがノックの本番になる。

 

「リスナーの皆さん。ワテクシ今からプロテクターつけてサシでノック受けますので」

 

 コメント                    
 :え?
 :プロテクター?
 :マジで言ってる?
 :プロテクター着けて内野ノックとか
 :そりゃ守備も上手くなるわ

 

 慣れた手つきでプロテクターを身につけ、ガシャガシャと音を立てる。

 ちゃんと装着してますよー。のパフォーマンスでもあり、プロテクターにつけてるトラッキングのものが反応するかの確認。

 

「大丈夫そうですわね」

 

 スポーツドリンクを口に含んでからまたシート位置に戻る。

 今度もちゃんと振られる打ち方をされるが、ファーストにはネットではなくアシスタントさんがいる。

 

「ちゃんと動けてますね」

 

「もちろんでしてよ? 毎日これですから。ハイ! 一本!」

 

 ボールが打たれると同時に動き出し、そのまま取って投げる。その繰り返しではあるが、全身防具は久しぶりだし、少し重く感じる。まあ、しばらくすれば慣れるだろうから気にしない。

 

 まだやることは残ってるんだ。キャッチングの練習でアシスタントの一人にはピッチャー役をしてもらうし、トスバッティングもしなきゃいけない。やることはめちゃくちゃある。

 一個ずつ潰していこう。

 

 

 

 

 

 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「ふう。クールダウンも終わりましたので、この辺りで配信を終わりにしようと思っていますわ。何の面白味のない練習してるだけの配信に御足労頂きありがとうございました」

 

 大したことをしたつもりはないが、全く休憩せずに6時間。現役時代であれば飯食って少し休憩入れてウェイトだったりバウンド処理だったり。それにリードの確認したり。

 

「また11月中に、今度は打撃メインの練習配信をしようと思っていますの。その時も今日のようなフリーチャット兼用の配信枠を取ると思いますので、興味がある洋民はご参加いただければと思いますわ」

 

 撮影は11月の終わり。それに合わせて飛ばせるようになっとかないといけない以上、ガッツリした練習をその前に入れたい。

 

 とりあえず今日のところはこれくらいにして。って事で配信を終える。

 

「お疲れ様です。今日はありがとうございました」

 

「いえいえ。あの津路嶌さんと一緒に練習できるだけで最高ですから」

 

「そうです。ところで、現役時代もプロテクター身に付けてノック受けてたんですか?」

 

 現役時代と同じ練習メニューだったんですよ? と伝えると驚いた顔をしていた二人だが、中報時代はプロテクター着けて外野手に混じり外野守備だってしていた。

 あの時の蔵英さんの死んだ目好きだったな。うん。あの人1シーズン体力持たないし、化け物を見る目だった。うん。

 

「今度の打撃練の時もお願いしていいですか?」

 

「もちろんです。こちらこそよろしくお願いします」

 

 さあ、11月からは野球もないし、いろんな企画をしよう。




 支援絵とかいただけたら嬉しいなぁ……。

 と、わがまま言って消えます。頑張って次は早く上げます。
 もう一年は開けない。うん。

どっちの試合が見たい?

  • 伝統の一戦! 東栄対大阪
  • 力こそパワー! 畿通対埼玉

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