とある科学の因果律   作:oh!お茶

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3月中に更新すると言ったな………………アレは嘘だ。


とか言って来年の3月に更新しようと思ったけど怒られそうだから書いた。

ひたすらオリ展。この先どうなるのか筆者にも分からない。


33話「自由人」

 

絶え間なく鳴り響く蝉の声。

 

断続的に鳴り響く風鈴の音色。

 

そして唐突に鳴り響く黒色の携帯電話。

 

近未来的デザインのそれから流れ出る着信音は懐メロの、

 

『思春期に〜少年から〜大人に変わる〜』

 

壊れかけのレディオゥ。

 

ピッ

 

「いや、まぁだから何?って感じですがね」

 

『………何が…?』

 

黒い携帯電話の少年からの意味不明な言葉に戸惑う電話相手の少女。

そんな彼女の質問に彼は途轍もなく真剣な口調で、

 

「着メロが壊れかけのレディオゥである件について」

 

心の底からどうでもいい。

 

『どうでもいいわ!!』

 

「なんだとっ!?」

 

冴え渡る少女のツッコミに対して何故か逆ギレする少年。

 

『えっ!?なんで今の流れで私逆ギレされたの!?』

 

「いや、それはアレだ」

 

『なんだよ!?』

 

「長男と次男が修めた一子相伝秘術の爆裂拳が」

 

『なんの話!?』

 

「いや、………スミマセン。ノリで毎日生きてるんで。さっきの逆ギレもその場のノリです」

 

これはひどい。

 

『はぁ……………任務よ』

 

電話相手少女ーーーー麦野沈利は、その少年ーーーー鵠沼恭弥のいつものような意味不明な思考に溜息を一つ吐いて、意識を切り替える。

意味不明ではあるが、意味が無いという大方予想通りの返答であったために、それ以上言及することなく本題に入った。

 

これから踏み込むのは死と憎悪と怨嗟の支配する領域、学園都市の闇。油断一つで首が飛ぶ、そんな世界。故に彼女は浮ついた心を沈め、冷徹かつ冷酷な本性を前面に出す。そんな、彼女の冷たく凍てつくような声。

 

短く、何の感情も感じさせないその一言に、少年の意識が切り替わるーーーー

 

「そうか、………………………

 

 

( °3°)

 

 

………………バイト中だからまた後で」ピッ

 

ーーーーわけが無く、彼、鵠沼恭弥はそう返答してすぐに電話を切った。

もちろん、バイトなんてものもしていない。

 

季節は夏。生物から水分を搾り取らんとするような暑さが都市内の学生や教員からやる気というやる気をそぎ落とし、過度に熱せられたアスファルトからの熱が彼らに追い討ちをかける。

 

若さ溢れる学生の街といえど、灼熱の太陽には勝てないようで街全体に辟易したオーラが漂っていた。

見上げてみれば、雲一つない快晴の空から降り注ぐ真夏の強い日差しが目を刺激し、ーーーー

 

 

prrrrrrピッ

 

『任務だっつってんだろがッ!!』

 

「目が!目がぁああああ!!」

 

『はぁ!?おい!』ピッ

 

「ふぃ〜………こんな真夏日に任務なんかやってられっか」

 

電話の電源を切り、前方に目をやれば学園都市第7学区が目に入る。

 

いつもと変わらないような風景をボンヤリと眺めながら、恭弥はレモンスカッシュを一啜り。

窓も入り口もない黒いビルの上にテーブル、椅子を出し、パラソルを広げて(くつろ)ぎつつ、彼は一言。

 

「ホント退屈しないな。この街は」

 

 

 

****

 

 

 

「……!!」

 

「?…どうしました、御坂さん?」

 

「……初春さん………いや、…誰かにセリフを取られた気がしたんだけど」

 

「?…わけがわからないよ」

 

 

 

****

 

 

 

適度に冷房が効き、快適な温度を保っている黒色のボックスカーの中にアイテムの四人はいた。

 

内部に【SOUND ONLY】と表示された液晶画面とスピーカー、集音装置が設置されている、暗部で大活躍する(任務中によくぶっ壊される)車の一つである。

 

そして、そのスピーカーから、アイテムにとって聞きなれた女性の声で一つの質問が発せられた。

 

『………で、(八位)は?』

 

そう、我らが第八位(鵠沼 恭弥)の所在である。

電話は繋がらず、衛星で捕捉できず、監視カメラには映っていない。

アイテムの下っ端が血眼になって探しているも、結果は芳しくない。

 

詰まる所、彼が第七学区のビルの上でレモンスカッシュを飲みながら寛いでいることなど彼女達は知らないということだ。

 

「………超行方不明です」

 

「………私の能力(AIMストーカー)でも見つからない…」

 

「………チッ……」

 

「…いつも通り自由人って訳よ」

 

上から、絹旗最愛、滝壺理后、麦野沈利、フレンダ=セイヴェルン。各々呆れや苛つきを滲ませ、暗部を舐めているとしか思えない八位の自由っぷりに頭を抱えていた。

 

というか、能力者ならば誰もが発するAIM拡散力場を感知するのが滝壺の『能力追跡(AIMストーカー)』であるのだが、それにすら捕まらないことが何よりもおかしい。能力の基本は脳であり、それが活動している間、つまり普通に生きて生活している間はAIM拡散力場は必ず放出される。

それの感知が不能ということは、九割方死亡したということと等しいのだが、あの自由人が死んだとは到底考えられない。そんなAIM拡散力場が補足できないというふざけた現象。

 

つまるところ、弾き出された結論として恭弥は頭のネジが吹っ飛んでいるとしか思えないのだ。

 

そんな彼に対し、上司の女は遂にブチ切れた。

 

『ハァ!?あの子、私に暗部舐めんなとか言ってたよね!?言ってたよね!?……お前の方が舐めてんじゃねぇか!!!

マジであの子なんなの!?過去のデータも閲覧レベル高すぎて見れないし!犯罪行為も見過ごされてるし!!いや、まぁ確かにしょうもない程度の犯罪だけどさ!!つか超自由だし!なんでアイテムに入れたんだぁあああ!!』

 

が、それ以上にプッツンしている人がいた。

 

「うるッッッせぇええええ!!ふざけた返答と共に電話切られた私がそう言いたいわ!!何が壊れかけのレディオだよ!!つかサッサと話を進めろ!これ以上私をイラつかせんな!!」

 

遂に麦野のボルテージがメーターを振り切って爆発したのだ。

思い返してみれば、彼女への恭弥の対応は中々に酷いものだった気もする。

彼女が怒り心頭なのも、もっともな事であった。

そんな麦野を見て、

 

『あ、はい…すみません……。

ええと……それじゃあ任務の内容を説明するわ』

 

上司の女は一瞬で頭が冷え、我に返った。

 

自分より怒り狂っている人を見るとかえって冷静になる、とよく言われるが、まさにその言葉通り。

もっとも、麦野にビビっただけだと言えなくもないが。

 

とにもかくにも、任務は既に始まっている。故に、一つ間を置いてから彼女は説明を始めた。

 

『今回の任務はある組織の殲滅よ。ま、組織とは言っても少人数だけどね』

 

一同の気持ちを切り替えに伴い、車内の空気も一変する。アイテムの面々は幾度も経験し、慣れてしまったが、一般人が相席していたならば意識を手放したくなってしまうだろう冷えきった重い雰囲気。

暗部独特のそんな雰囲気の中でなされる説明に、絹旗は生まれた疑問を解消するために画面の向こうにいる上司へと質問を投げかけた。

 

「何人ほどの組織なのでしょうか」

 

それに対し、上司の女性は丁寧に答えていく。

 

『十人よ。下っ端も含めれば2、3倍に増えるだろうけどね。彼等は元々、『パレット』っていう学園の暗部組織の一つだったんだけど、………先日、ある装置とそれに関するデータと共に蒸発したわ。………物理的にではないわよ?』

 

重苦しい雰囲気が霧散した。

もちろん物理的にではない。

 

「超分かりきった事を言わないで下さい」

「恭弥みたいな思考するなって訳よ」

 

即座にツッコむ絹旗とフレンダ。

誰がどう考えても話の流れからして『人間の蒸発』は比喩であろう。物理的な方向を想像するのは若干頭の残念な八位くらいだ。

 

もっとも、文脈うんぬんを抜きにすれば、物理的にも『人間の蒸発』が起こりうるのが学園都市であることは否定できないのだが。

 

だが、この場でそれはない。そんなアイテム一同の思いを代表した彼女達のツッコミに上司の女性は、驚愕。

 

『えっ!?あの子と同じ思考回路!?ちょっとショック!!』

 

それもそうだろう。

恭弥と同じ思考回路だよ、ということは、頭のネジ飛んでるよ、ということと同義なのだから。

 

そんな絹旗とフレンダが突きつけた現実に打ちひしがれていた彼女に対し、降りたはずの血が再び頭に昇った麦野沈利が一喝。

 

「サッサと内容を話せ!ブチコロスぞ!!」

 

流石にこれ以上時間を無駄にするのはマズイと思ったのか、上司の女性は麦野の怒りを流して話を戻す。

 

『あー、はいはい、それじゃ続けるわよ。

間違いなく、『パレット』は学園の敵に回ったわ。だから一人残さず殺す方向で頼んだわよ。

そして、その装置の名はGHOST(ゴースト)。一応、AIM拡散力場に関して働きかける装置ってことは分かっているけど、まだ正確なところは分からないわ。

で、依頼された内容はさっき言ったように、『パレット』の殲滅が最優先事項。出来れば装置が壊れないようにして欲しいらしいけど、別に壊れてしまっても構わないって』

 

一通り任務の説明を終え、暫しの沈黙。彼女はそこでアイテムの面々からの質問を待つ。

すると、フレンダが受け取った情報をまとめながら、人差し指を顎に当てて上司に問う。

 

「んー、さっきデータがどうこうって言ってたけどー、……それはいいの?」

 

『そのデータは、『パレット』壊滅後に、依頼主が自ら処分するらしいわよ。ま、聞く限り大して重要ではないようね』

 

「ふーん」

 

一応納得したのか、そんな返答をするフレンダ。続いて絹旗が尋ねる。

 

「そのGHOST(ゴースト)という装置はどのような形状をしているのでしょうか?」

 

『ある程度大きなものとは聞いたけど、詳しい事は教えてもらえなかったのよね。そんなわけだから、壊れないように気を配る必要はなさそうね。壊れなかったらラッキー程度にしか向こうも考えてないみたいよ』

 

「分かりました」

 

『もう質問はないかしら?』

 

絹旗の返答の後の数秒の沈黙から、もう質問はないと判断した彼女達の上司は念押しとしてアイテム一同にそう問いかけた。

それに対して頷くことで答える面々。

 

『じゃ、依頼は以上よ。後は任せたわ』

 

「……ええ」

「超了解です」

「分かったって訳よ」

「…………」

 

麦野沈利の冷徹な返答。

絹旗最愛の静かな返答。

フレンダ=セイヴェルンの自信満々な返答。

滝壺理后の沈黙による返答。

 

かくして『アイテム』の四人は行動を開始する。

 

超能力者(LEVEL5)の第四位、『原子崩し(メルトダウナー)』。

 

超能力者(LEVEL5)の第八位、『因果律(アーセナル)』(欠席)。

 

大能力者(LEVEL4)の『窒素装甲(オフェンスアーマー)』、『能力追跡(AIMストーカー)』。

 

そして、無能力者(LEVEL0)なれど卓越した爆弾使い。

 

学園都市トップクラスの戦力が反逆者共に牙を剥く。

 

人が次第に朽ちゆくように、国もいずれは滅びゆく。

現在まで栄えた学園都市すらも、今や腐敗し生き地獄。

人の形の魑魅魍魎が、我が物顔で跋扈する。

天が裁けぬその悪を、闇の中で始末する。

彼等全員、殺し屋稼業。

 

prrrrrピッ

 

『なんちゃって』

 

「あの、恭弥さん、超意味不明な事言ってないで超超超早く来て欲しいんですけど」

 

『やなこっブッツーツーツー』

 

「超自由!ってかせめて最後まで言えよぉおおお!!」

 





オリ展ね〜……

オリ展ですか〜……

マジかよ〜……

いや、アイテムにもっと出番を!と言われたので、オリ展にするしかなく……

まぁ話の流れと恭弥くんのとる行動はもうある程度決まってるんで、そんなグダグダにはならないはず……

あ、あと一話書き直しときま〜す。
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