戦争に参加することを決められてしまったが常識的に考えると日本で平和ボケした一般高校生たちにいきなり戦えというのは無理な話。様々なオカルトにかかわってきた私たちも逃げるので精いっぱいなのだから。
しかし、それを考慮しないほど愚かではなかったようでハイリヒ王国で受け入れの準備が整っているらしい。
外に連れ出されそこにある台座に巨大な魔方陣が刻まれていて、それに興味をそそられたのか生徒たちが集まっているのは仕方ないでしょう。蓮子だって興味を向けてるんだもの。
「彼の者へと至る道、信仰と共に開かれん――〝天道〟」
詠唱で魔法陣を起動したようで台座がロープウェイのようにスライド移動していくさまをみて生徒たちが興奮がさらに高くなっているのを私はあきれてみるしかなかった。
だって、機械とか物理法則に従ったものか魔法、神秘という過程を経ての差だということには目を向けないのだろう、未知というのは興味と同時に恐怖の象徴でもあるというのに。
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王宮につくと真っすぐに玉座に案内されグロイ物・・・もとい気持ちの悪い吐き気のするものを見せられた。
イシュタルさんに対してこの国の国王だと思われる人が“立ち上がってキスをした”。と言っても実際には手に付くか付かないかだろうけど見せられたこっちからしてみれば気分のいいものではない。
この国と教会側の上下関係を見せられつつこの国の王子?であろう人物の視線は香織さんに寄せられていた。
そのあとは晩餐会が開かれて向こうの世界じゃゲテモノ料理と言っても過言じゃないものを食したけど普通においしかった。
あと、さっき香織さんに熱い視線を送っていた人物はやっぱりこの国の王子様でランデル殿下がずっと香織さんに話しかけていたけどかなわない恋というのを見るのは儚いものね。たとえどうにかなっても茨の道ね。
それから王宮での衣食住が保証されている有無やこれからの教育や訓練における教官たちの紹介なども行われ一人一部屋案内され今、私は蓮子の部屋に来ている。
「現状把握でもしましょうか、蓮子?」
「ええ、そうねメリーじゃあ何処からする?」
「そうね・・・私の『眼』で見て危険そうな存在がいたわね。」
「・・・もしかしてあの無機質すぎるシスターさん?」
「蓮子も気づいてたの?明らか人間と違う境界だったわ。人外のそれに近かったわね。」
「メリーが言うなら確実ね。まだそこまで調べられてないけどあの壁画がこの国の宗教を表しているなら違和感しかないわね。」
「へえ、どうして?」
「私も詳しく調べたわけじゃないけど地球の宗教で一神教とかだと他に神とかはいなくても何かしらの眷属がいるはずなのよ。まあ、例えばキリスト教をはじめとする宗教の神、つまるところヤハウェにだって天使といった眷属がいるのにもかかわらず宗教の大本山であるあそこに祭ってあるが一つしかないのは明らかにおかしいってことね。」
「なるほど。神としてその在り方がおかしいってことね。それに補足をつけるなら眷属がいるあるいは本当に人間族を守る気があるなら先に眷属とかをよこすはずってこと?」
「そ、それに“人間族の神”っていうのもおかしい話なのよ。」
「・・・ああ、なるほど。確かこの世界を創造したのがエヒトなのになぜ人間族だけの味方をしてるのか?あるいはもし何かしらの要因があったとしても態々よその世界から人間を連れてくるのか?そういうことね?」
「さすがメリーね、これで気が付くなんて。さらに魔人族にも崇める神がいる可能性を考えて、さっきの話とも考えると人間族と魔人族を裏から手引きして弄ぶ愉快犯だとも考えられるわ。そんな存在であれば態々私たちのような戦争や戦いの一つも知らない一般ピーポーがこの世界に召喚された理由が証明されるってことね。まあ、あくまでも仮説による推論の領域をまだ出えないけど確率が最も高いのは間違いないわ。」
「相当悪質な神ね。どっかの混沌の邪神とかの方がよっぽどかまし・・・・ではないわね。あれあれでたちが悪いものでしょうしね。他にもまずいでしょう?」
「ここの宗教と国の上下関係はかなり危険なのはわかってるよメリー。宗教が権力に取りつかれたものよりたちが悪すぎる。神による鶴の一声でここまでのことになるのはある意味で大半が狂信者である裏付けにもなるわ。それに宗教を利用したものじゃない戦争ってのは一番厄介よね。地球じゃあどこかしらで落としどころがつけれたけど完全に利害度外視の戦争は」
「相手を完全に消すまで終わらない。」
「そうなるわね。まあ幸い私たちは一言も“参加する”なんて言ってないからタイミングを見図ってこっそり離脱するのが現状の目標ね。その前に情報収集が最優先になるでしょうけどね。」
「すぐに戦場に放り出すとかじゃないから時間があるから落ち着いて行動できるうちに行動するに限るわ。」
「そうね。じゃあメリー!」
「な、何よ?」
「私たちのいつものあいをかくにんすr“ガスッ!”いったぁーメリーの愛が重い。」
ふざけたことを言い始めたので叩いておく。
「そんなこといままで一度もしたことなんてないでしょ?ねぇ蓮子?」
「だからここで初めて「蓮子?」いえ、滅相もございません。ほんの冗談です!!」
ちょっとかわいそうだから一つ提案というか妥協案を出しましょう。
「別に一緒に寝るぐらいだったらいいわよ。」
「さっすが私のメリー。話が分かる~。さ、ハリー!Hurry!!」
「はいはい。」
こうして異世界生活初日はこうして幕を閉じた。