俺だけレベルアップの仕方が違うのは間違っているだろうか 作:超高校級の切望
「オラリオの鍵?」
水篠旬は、『ランダムボックス』から出て来た『鍵』を見て首を傾げる。
つい先日『S級ハンター』に登録され、母親も目覚めた彼は日課である『デイリークエスト─強者を目指して』をこなしたあと、何時ものように報酬を受け取ったら出て来た物だ。
| 『アイテム∶オラリオの鍵』 入手難易度∶S 種類∶鍵 迷宮都市オラリオへと続く鍵です |
「使用場所が書かれていない鍵は初だな………」
どうやって使うのだろうか?
入手難易度はそのまま『ダンジョン』の難易度だ。しかもSとなると、悪魔の城並になる。『シークレットクエスト』をこなした訳ではないので、かなりの低確率であたったのだろう。
『影の兵士』達の数も質も十分。『S級ダンジョン』にも挑めるだろう。強くなるチャンスだが、母親が目覚めたばかり、側にいてやるべきではないか?
鍵は何時でも使えるのだし………。
「………行ってみるか」
『帰還石』なら残っている。いざとなればそれを使って帰ればいい。旬はそう決めると屋上へ移動し、『鍵』を前に突き出す。
バチリと紫電が走る。バチバチと激しい音を立てながらも、それはこの世界の物体になんの影響も与えず、やがて空間そのものが歪んだかのように蠕き、光の渦が現れる。
「………普通のゲートみたいだな」
少なくともこれまでの『鍵』で開いたダンジョンの入り口とは異なる。演出が異なる。この『システム』を考えるに、それだけで普通ではないことになる。
「と、そうだ………お前達は残れ」
『影のオーク兵』を数体、妹と母親を守るために残す。S級である自分を欲しがり家族に手を出される可能性があるからだ。
それと治安維持のために鎧をまとった『影の兵士』達も数人配置しておく。
「さて、行くか」
書き置きを残した。旬はゲートを潜り抜けた。
「……………外か」
まず目に映ったのは快晴の青空。何処かの路地裏なのか、遠くから人の気配こそするものの周りに人影はない。中世程の町並みのようだ。
| ようこそ迷宮都市オラリオへ |
「………ん」
メッセージ? ダンジョンに潜れば入場しましたと報告が出るが、ようこそなどと出たのは始めてた。
| 此方はイベントクエストになります。内部時間をどれほど超過しようと外部時間に影響はありません |
『レッドゲート』みたいなものだろうか? あれも中の一日が外の一時間となっていた。何方にせよ、ありがたい。これで時間を気にせずに済む。
| QUEST イベントクエスト∶迷宮都市で伝説となれ!
迷宮都市に新たな闇が迫っています。『約束の時』は近い。迫りくる脅威に打ち勝ちましょう
クエスト完了条件∶以下のアイテム入手 ―『精霊の分身』の魔石×3 0/3 ―『アンタレス』の魔石 0/1 ー『穢れた精霊』の頭髪 0/1 ―『黒龍』の片角 0/1 ―『ダンジョン』の最下層到達
以上の条件が満たされぬ場合帰還できません
報酬∶ ―1.全アイテムから一つ選べる ―2.ボーナス能力値30 |
「ボーナス能力値は高いけど非公開の報酬はなしか、となると難易度は悪魔の城より下、なのか? ………ん?」
| 条件が満たされない場合帰還できません |
「…………はあ!?」
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