俺だけレベルアップの仕方が違うのは間違っているだろうか   作:超高校級の切望

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旬って簡単に女の子の頭なでたり転移の際まだ告白もしてきてない雫を抱きしめたり、女子との距離感皆無だよね


色褪せぬ旅路

 陸路ならばまだ半月はかかる距離。しかし、旬にはカイセルがいる。【アルテミス・ファミリア】達の分も、現地で調達出来た。

 

「おお〜! すっごいすご〜い! 竜の背に乗るなんて初めて!」

 

 基本的に、モンスターは人類の敵だ。ごくごく稀に歌で諌める少女や、ドラゴンの背に乗り空を掛ける英雄もこの世界の英雄譚に存在こそするが旬の世界に比べ、その手の話は少ない。

 そんな物語の登場人物になったかのような今の現状に、ランテは大興奮している。

 熊の乳で育てられたらしい彼女は割と本能的に生きているのか他の団員が警戒する中真っ先に『私この子!』と竜を選んでいた。見た目は、この世界では竜より弱いワイヴァーンに似ているはずのカイセルを……。

 かつては悪魔の王を乗せていただけあり、プライドがあるのか乗せたくなさそうに身をよじっていたが旬の手前拒否もできないでいたので、旬が代わりに竜の群れのボスだった影を紹介した。

 今はそれに乗っている。

 

「このドラゴン達は休憩挟まず飛べますが、どうします?」

「我々はそうも行かない。降りる時は言う」

 

 旬の言葉にレトゥーサはそう返す。

 

「綺麗ですね! アルテミス様!」

 

 その言葉には旬も同意する。

 現代日本の景色とはこれまた別の、自然豊かな森林が陽光に照らされている光景を空から眺めるのは、なるほど確かに美しい光景だ。

 

「ああ、きれいだな。生命に満ち溢れている………天界のように、停滞という名の毒に侵されることもない」

「停滞?」

「君も言っていたろう? 神は不自由だと。皆、己の本質を変えようとしなかったのさ」

「でも神ヘスティアは変わったんだよな?」

「…………うむ。まさか、男と同衾してるなど。不潔な、などと言う気はないが……ヘスティアにまさか恋人が出来るなど」

「あ、ベル君は別の女性が好きだし神ヘスティアの事も、多分神様としてしか見てないぞ」

「不潔な!!」

 

 前言を速攻で撤回し叫ぶアルテミス。周りの眷属達がビクリと震える。

 

「その子供もその子供だ! 好いた女が居るのなら、共に寝る事の意味もわかるだろう!」

「? 別に、同じ布団で寝るだけなら良いのでは?」

「………………………へ?」

「「「………え」」」

 

 首を傾げる旬にアルテミスが固まり、眷属達もギョッと振り返る。ランテだけはお〜、と謎の感嘆の声を上げていた。

 

「え、あ……え? いや、だって同じ布団で」

「俺も良く妹と寝ていたけど?」

 

 父が居なくなって暫くの間や、母が寝たきりになってしまった時も、お互いの存在を確かめるように。それと、旬がハンターになったばかりの頃も。

 

「…………もう一人の眷属も、同じような考えだろうか?」

「まあこの年ともなると恥ずかしい、とは言ってたかな」

「………まさか………まさかヘスティアめ! 無垢な子供に漬け込んで、そんな破廉恥な行為を!? ヘスティアめ、アフロディーテに影響されたか? これは、今回の冒険者依頼(クエスト)が終わった暁には説教しなくては! 待っていろ、アフロディーテ!」

 

 何処かで美の女神がぶえっくしょい! とクシャミをしたとかしてないとか。

 

「すまない、一度降りて食事にしたい。アルテミス様も、少し落ち着ける場所にいたほうが良さそうだ」

「解った」

 

 レトゥーサの言葉に旬は水辺付近に降りる。鏡の様に雄大な山や青い空を移す鏡のような泉の端だ。

 

「みてみてアルテミス様! 魚が泳いでる。釣りしましょう、釣り!」

「釣り竿がない………だが、魚を食べたいと言うのなら」

 

 と、アルテミスは弓を構える。弓には紐も結ばれている。

 

「ふっ───」

 

 空を切り突き進んだ弓は、水面に漂う虫をくおうとした魚を射抜く。

 

「………弓って、魚をとるものでしたっけ?」

「弓は獲物を仕留めるものだ。空を舞う鳥も、地を走る獣も。ならば魚も大差あるまい」

「ええ……そうかなあ」

 

 ランテの何とも言えない言葉に旬はふと思いつきで『氷魔の弓』を取り出す。

 

「これ使える?」

「む? ふむ、いい弓だ………どれ……」

 

 と、試そうと矢に手を伸ばそうとした時氷の矢が反対の手に現れる。

 

「……ほう、これは便利な」

 

 マジマジと矢を見たあと、今度は空に向かって放つ。

 矢に貫かれ、刺さった場所が凍った鳥が落ちてきた。

 

「食材の保管に使えるかもしれんな」

「とはいえ、もう少し取ってきたほうが良さそうですね」

 

 少数精鋭とはいえ数人はいる【アルテミス・ファミリア】。旬も何か取ってくるか、と動こうとした時茂みが揺れる。

 

「熊?」

 

 確か、手は珍味。などと言ったことを思い出していると熊がアルテミスに近付く。短剣を取り出す旬。今の所、敵意は感じない。

 

「あ、大丈夫ですよ」

「グルルウ」

 

 と、ランテが旬を止める。熊は、湖の中に入ると暫くジッとして、魚を湖から叩き出す。

 

「…………………」

「くれるのか?」

 

 その魚をアルテミスに渡した。そのまま鼻先を擦り付ける。

 

「……懐いて、いる?」

「アルテミス様は、動物にモテるんです」

 

 その言葉通り動物達が集まってきた。鳥や鹿、狼などが木の実や死んだ兎、狩られた鳥なんかを置いていく。

 旬は日本の漫画で神様の元にマッチを持参してくる七面鳥を思い出した。

 

「食料、集まったな」

「ふふん、アルテミス様がいれば私達は森の中で餓死なんてしませんからね!」

「何故お前が得意げなんだランテ………」

 

 と、呆れるレトゥーサ。彼女を含め、団員の誰も驚いていない。つまりはよくある光景なのだろう。

 

「どうですかどうですか? アルテミス様、神々しいでしょう?」

「ああ。美の女神にはあった事はあるけど、俺としては彼女の方が綺麗だと思う」

 

 まあ、自分が狩猟者(ハンター)だから、狩りの女神にこそ信仰しやすいのかもしれないが。と、ランテを見るとうわぁ、と言いたげな顔をしていた。

 

「……自分が言ってる意味、解ってます?」

「? 何か変なことを言ったか?」

「あ………噂に聞く、神ミアハや神タケミカヅチと同類なのか〜」

 

 呆れたように肩を落とすランテ。妹の同級生、病院のナース、元同僚、悪魔の娘などにモテるくせにモテている自覚のない旬は終ぞ気付かなかった。

 

 

 

 

 

 

「エルソスの遺跡まではそろそろだ。正直、助かった。君の影がなければもう少し時間を要したろう」

 

 空の旅も終わりに近付く。なかなか無い体験だった。やはり下界は神々を飽きさせない。竜の背に乗る、など今後あるかないかの体験だった。

 

「よし、じゃあ競争しましょう!」

「……………は?」

 

 名前をつけていないので旬も直ぐには違いがわからぬ影の竜を毎回毎回同じ個体を一発で見つけるランテは勢い良く提案した。

 

「………ランテ?」

「こんな機会、もう二度とないかもしれませんもん! だったら行くべき! 行くよ、ドラ吉! 目指すはあの大っきな木!」

『グオオオオ!!』

 

 バサリと翼を羽ばたかせ速度を上げる。それを見て、アルテミスは仕方ないというように微笑む。

 

「勝負となっては仕方あるまい、行くぞ!」

「神アルテミス?」

「すまないな、水篠旬。アルテミス様は、挑まれた勝負事は真剣に行う。眷属である我等は、従うのみさ」

 

 そう言うと眷属達も次々速度上げていく。旬が立っているカイセルもキュイ、と鳴く。

 

「……そうか。好きにしろ」

『キシャアアアアア!!』

 

 王の騎馬である誇りからか、先を行く竜達に負けてられぬと速度を上げる。当然とは言えば当然だがあっと言う間に他の龍を抜かした。

 

 

 

 

「う、おええええ! き、気持ち悪いぃぃ」

 

 3回転ひねり、急降下、急上昇、蛇行、螺旋。

 無駄に極まった無駄のない無駄な動きをしてすっかりドラゴン酔いしたランテ。レトゥーサ達が呆れたように見ていた。

 仕方なく、大きな島が浮かんでいる湖に降り立った。森深くだ、モンスターも居るだろうから火は多めに焚くこととなった。

 

「これは、すっご」

「モンスターの、骨?」

 

 湖を見に行こうとかけだしたランテは直ぐに大慌てで戻ってきた。ついてきてくれと言うから何かと思えば、湖に浮かぶのは小島でなく巨大な翼竜の骨だった。

 

「恐らくダンジョンから進出し、ここで息絶えた古代のモンスターの骨……いや、ドロップアイテムだろう」

「骨丸ごとなんて……相当強かったんでしょうね。それこそリヴァイアサンみたいに」

「今はメレンのロログ湖の中だっけ?」

 

 モンスターの死体は魔石を抜くと灰へと変える。ただし例外がある。それは、モンスターの中でも異常発達した部位だ。魔石を失ってなお、存在を独立させる濃密な魔力。旬はジッとその亡骸を見つめる。

 

「けど、なんか……」

「ああ、自然と一体化していて。荘厳で美しいな」

 

 神であるアルテミスも認める、どこか神秘めいた光景。骨の上には苔が生し、その死体を栄養にしているのであろう花々が咲いている。

 

「……水篠旬?」

 

 と、旬がその骨に手を向ける。

 

「『起きろ』」

 

 死者を支配する王の絶対的な命令。周囲に満ちた魔力がザワリと震える。

 

「っ!?」

「何を……!?」

 

〘影の抽出〙に失敗しました

 

あと2回 抽出可能です

 

 骨をドス黒い魔力が多い、しかし弾ける。それと似た光景を、【アルテミス・ファミリア】は見た事がある。そう、山に住み着いた竜で行っていた。まさか、明らかに何十年……いや、噂にならなかった事を考えれば数百年は昔の死体だ。

 

「そうではない」

 

 と、旬が再び口を開こうとしたが、アルテミスが伸ばした手に触れ止める。

 

「君の力は神々(われわれ)に似ている。ただモンスターの死体に流すだけでは、量産型はともかく、決戦型とも言える黒のモンスターは支配できない。もちろん、時間経過により魔力がかつての波長を薄くしているのもあるが」

「……………」

 

 やり方が違うというアルテミスに、旬は驚いたように視線を向けた。

 

「完全に神々(われわれ)と同質だったら、モンスターも拒否したろう。だが、落ち着いて。支配しようとするのは当然だが、引っ張り上げるのではなく、飲み込むように」

「………………」

 

 目を閉じ、魔力を感じる。旬の魔力が骨を包み込み、旬の号令と共に骨に宿る何かを抜き取ろうとしている。

 それを、アルテミスの言うように動かす。

 

「『起きろ』」

 

 旬の魔力が骨に宿る何かの中に沈み込むように溶け合う。徐々に形をなしていくそれを、現実に引き避けるように動かす。

 

『グオオオオオオオオ!!』

 

 大気を揺する咆哮。目を開ければ、骨の上に巨大な漆黒の飛竜が存在した。

 

「ふむ……すまない、力になれなかったようだ」

「…………いや」

 

 しかし、その飛竜の輪郭が揺らぎ、崩れていく。

 

〘影の抽出〙に失敗しました

 

影が無の世界へと旅立ちました

 

死亡してから長時間経過したため

これ以上の抽出は不可能です

 

 どうやら失敗したらしい。後に残されたのは元の静寂と、弱いモンスターを寄せ付けぬ魔力だけが残された。

 

「さて、では改めて休息を取るとしよう。この速度なら、明日の昼にはつく。そこでもう一度休憩を挟むが、今のうちにも出来るだけ休んでおけ」

「はい」

 

 アルテミスの言葉に眷属達がテントを張ったりと野営の準備をする。手伝いながら、旬は先程の言葉を思い出していた。

 

 

──骨丸ごとなんて……相当強かったんでしょうね。それこそリヴァイアサンみたいに。

──今はメレンのロログ湖の中だっけ?

 

 ロログ湖、メレン。帰ったら調べてみよう。




DVD特典によるとさ、倒す方法が確定してたとはいえアンタレスよりダンジョンの暴走をこそ警戒してたらしいんだよ。矢が放たれても、ダンジョン深層は残ったの
かね


ところで旬の【黒の心臓】ってワートリで考えると先代影の君主のブラックトリガー

ダンメモのイベントやる?やらない?

  • やらない
  • 周年イベントだけ
  • コラボイベントだけ
  • 季節イベントだけ
  • 周年、季節イベントだけ
  • コラボ、季節イベントだけ
  • 周年、コラボイベントだけ
  • 全部やれ
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