俺だけレベルアップの仕方が違うのは間違っているだろうか 作:超高校級の切望
「今のは? ………皆、無事か?」
アルテミスの言葉に眷属達が頷く。旬は周囲を見回す。薄暗い洞窟の中。張り巡らされた肉の管が不気味に鼓動する。光源は、精霊の光とやらだろう。
「これは、まさかアンタレスが? 馬鹿な、
「っ! アルテミス様!」
アルテミスが何やら考え込んでいると、洞窟の奥から黒い蠍が現れる。
「でか!?」
ランテの言うとおり、その蠍は3メドル程の大きさがあった。獲物を見つけ走ってくるその速度は、一級冒険者に匹敵するほど。
「ふっ!」
が、今の旬にとっては遅い。『悪魔王の短剣』で細切れにする。
(B級って所か? ただ、奥から流れてくるこの魔力……)
カル………キバの生前のダンジョンより上かもしれない。正直、【アルテミス・ファミリア】の面々では……。
「キシャアアアア!!」
「チッ、イグリット!」
次々に溢れてくる蠍の群れ。旬はイグリットに【アルテミス・ファミリア】を守るように命じ、歩兵、ハイオーク兵、モンスター兵、弓兵、飛竜兵を呼び出す。
「これは……何が起こっている!?」
「アルテミス様、一度引きましょう!」
「っ! それは、無理そうだ」
予想外の敵の数。レトゥーサが退却を打診するがアルテミスは苦虫を噛み潰したような顔で否定する。入り口は、閉ざされていた。妙な光の膜。軽く触れただけで弾かれる。
「これは……」
まるでインスタンスダンジョンのようだ。そんな旬の考えを肯定するように、メッセージが届く。
ダンジョンに入場しました |
「……………」
キチキチカチカチと硬い外装を擦り合わせながら現れるサソリの群れ。昆虫じゃ無いくせにまるで昆虫の様に前体と頭が別れている。それにより前体を持ち上げられるようになり、牙による攻撃範囲が増えている。
いや、牙だけでなくハサミも同様だ。本来なら顔の横に生えているはずなのに、腹部あたりから伸びている。
「…………強いな」
サソリを無理矢理戦いやすい形に作り変えたかのようなモンスターの群れ。最低でもB級モンスター並。
バルカは【ヘスティア・ファミリア】を守るように残していたが、連れてくるべきだったか。
空間に淀んだマナが満ちています。影の招集、交換が行えません |
〘影の交換〙ーー時間ーー分ーー後に使用できます |
が、その選択肢は消える。影の交換の使用可能時間表記も、数字が消えていた。
バルカを呼ぶのは無理か。手持ちの影でどうにかするしかない。というか、これは中でも転移できないのか。なら【アルテミス・ファミリア】と離れぬように……
「っ!?」
そう思った瞬間、光が旬に襲いかかる。
月の光を濃縮したかのような蒼白い光の矢。旬の規格外の耐久を突破し、ダメージを与える。
「水篠旬!?」
地面が砕け、落下する旬。レトゥーサが手を伸ばすが、遅い。瓦礫と共に奈落に落ちる。
「今のは、精霊の………一体何がおきている!?」
アルテミスが困惑する中、なおも襲い掛かる蠍の群。イグリット達がそれを切り捨てる。
『…………………』
崩れた地面を見たあと、しかしアルテミスの肩を揺すりサソリを顎で示す。
「っ! ああ、わかっている。この兵士達が無事なら水篠旬は生きている! 今は、アンタレスの討伐を優先する。アンタレスの分体は子を埋めない、アンタレスさえ倒せば、これ以上増えることは無い!」
「はい!」
気がかりは、旬を襲ったあの光の
アルテミスは男女の恋愛を忌避すれど否定はしないし、ヘルメスのような連中はともかく男嫌いという訳でもない。ここにいるはずのその存在も同じはずだ。いや、下界に長い間住み、性質が変わった可能性はあるがそれでもこんな時に味方を攻撃するような浅慮だとは思いたくない。ならば、敵に回った? 何故?
「いや、考えても仕方がない。今は目の前のことに集中する」
正直、この世界を舐めていた。S級に匹敵するのは最強とされるオッタル一人。そのS級の中でも特別強いという訳ではない。故に心の何処かでこの世界の存在は弱いと考えてしまっていた。
「今の攻撃、バランより強いかもな」
腕の肉は吹き飛びむき出しの骨が焼けていた。デイリークエストの報酬である〘状態の回復〙を使用して傷を癒やす。
「悪いけど、その失態の結果は俺の命だけでは収まらないんだ」
〘悪魔王の短剣〙を取り出した旬の周りに集まる
「そこをどけ、急いでいる」
一人なら影の兵士として使える戦力が増えたと喜ぶところだが、今は余裕がない。睨みつけられた蠍達が怯えるように僅かに下がる。が、主命を果たす為に襲いかかった。
ダンメモのイベントやる?やらない?
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やらない
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周年イベントだけ
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コラボイベントだけ
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季節イベントだけ
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周年、季節イベントだけ
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コラボ、季節イベントだけ
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周年、コラボイベントだけ
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全部やれ