ハイスクールEvolution   作:アイリエッタ・ゼロス

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計画の始まり

「で、堕天使の連中の目的はとある聖女が持っている神器を回収する事か」

「あぁ。何でも二日後には神器を抜くらしいぜ」

 黒歌の妹と会った次の日の朝、朝食を食いながら俺達は堕天使の話をしていた。

 

「神器が目的ねぇ....」

「そんなに、珍しい神器....?」

「あぁ。何でもあらゆる種族を回復させるとか言ってたな」

「おそらくそれは、聖母の微笑ですね」

「「聖母の微笑?」」

 グレイフィアの言葉に俺とエボルトは首を傾げた。

 

「はい。先程言った通り、どのような種族でも傷や痛みを治す事の出来る神器です。

 回復系の神器は大変希少なんです」

「なるほど....」

「そういう事か。ま、俺らにはあまり関係がなさそうだな」

「あぁ。俺らは俺らの計画を進めるだけだ。エボルト、堕天使どものハザードレベルは?」

「女は1.9、1.5、1.6。男が1.2だった」

「そうか。なら、いつも通りに頼むぞ」

「へいへい。それよりも、時間大丈夫か?」

 そう言ってエボルトが時計を指すと、時間はかなりギリギリだった。

 

「ヤッベ....行ってくる!」

「「「「いってらっしゃい」」」」

 俺は急いでカバンの中からビルドフォンを取り出し、ライオンフルボトルを挿してバイクに

 変形させた。俺はそれに乗り、急いで学校まで向かった。

 

 

 〜そして二日後〜

 

『じゃ、俺は先に行って待ってるぜ』

「あぁ」

「エボルト! 白音を傷つけたら承知しないわよ!』

『分かってるっての』

 夜になり、エボルトはブラッドスタークに姿を変えて煙の中に消えた。

 

「さて、俺も行くか。グレイフィア、回収できる奴等がいたら回収は頼んだぞ」

「分かりました」

 俺はグレイフィアにそう言ってマシンビルダーに乗り、教会に向かって走り出した。

 

 

 〜〜〜〜

 リアスside

 

「くっ....! まさかここまでとは....!」

「こんなに強いなんて聞いてないっスよ....!」

 私は今、朱乃とともに堕天使の掃除をしていた。そして、既に一人を消滅させ、残った

 二人も私達の前に倒れ伏していた。

 

「どうやらこれで終わりね」

 私はそう言いながら自分の手に破滅の魔力を溜めた。そして、堕天使に向かって放とうと

 したその時....

 

『おいおい、随分とやられてんなぁ』

 突然男の声が聞こえてきた。驚いてその方を見ると、そこにはワインレッドの鎧を纏い、

 胸に蛇のマークが入った異形がいた。

 

「(全く気配を感じなかった....!)」

 私は一切気配を感じなかったこの男を警戒した。

 

「ブ、ブラッドスターク!」

「何でここにいるっスか! レイナーレ様の方は!」

『問題ねぇよ。それよりも、たかが悪魔に随分の状態だなぁ』

「う、うるさいっス!」

 男は堕天使達をおちょくるように話していた。

 

「....貴方、堕天使達の仲間かしら?」

『俺はただの協力者でゲームメーカーだ。仲間って程ではねぇよリアス・グレモリー』

 男は私の事を面白い物を見つけたような表情で私を見ていた。

 

『さ、お前ら二人にはもう少し働いてもらわないとな』パチンっ

 そう言って指を鳴らした瞬間、堕天使の二人は急に苦しみ出した。

 

「な、何スかこれは....!」

「ブ、ブラッドスターク! 一体私達に何を....!」

『ちょいとばかしお前等の身体に毒を注入していてなぁ』

「毒、だと....!」

『あぁ。ま、精々足掻いてくれよ』

 すると、堕天使達は煙に飲み込まれ、煙が晴れるとその姿は異形の姿へと変わった。

 

「っ、これは....!」

「貴方! 堕天使達に一体何をしたの!」

『さぁ? ....っと、それよりも』

 男が木の上に登ると、急に背後からバイクの音が聞こえてきた。見ると、背後から黄色い

 バイクが私達の方に向かってきた。そして、バイクに乗っていた人間は異形の姿を見ると

 バイクを止めてバイクから降りてきた。

 

『よぉ、来たか“ビルド”』

「スターク....」

 声からしてバイクに乗っていたのは男だった。だが、ヘルメットを取っていないので顔までは

 見えなかった。

 

『思ったより早い到着だなぁ』

「黙れ。今日こそお前の首、取らせてもらうぞ」

 そう言った男が手に持っていたのは、この前はぐれ悪魔を倒したと思われる赤と青の鎧が腰に

 巻いていた物と同じだった。

 

「それは....!」

 男は腰にそれを巻くと、赤と青のボトルを振ってベルトに挿し込んだ。

 

ラビット! タンク! ベストマッチ!

 

 そして、突然軽快な音楽が流れると男の前後にランナーの様なものが現れた。そして....

 

Are you ready?

 

「変身」

 

鋼のムーンサルト! ラビットタンク! イエーイ!

 ランナーが重なり、男の姿はこの前廃工場で見た姿に変わった。


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