「堕天使の幹部が侵入してきた?」
「あぁ。昨日の夜、九重から連絡が来た。処理は俺達に任せるとさ」
次の日の朝、朝飯を食いながら九重に聞いた話を全員に話していた。
「堕天使の幹部ねぇ....」
「そうなると、一人しか思い浮かびませんね」
「そうなのか?」
「はい。そうですよね、お三方」
グレイフィアは堕天使三人衆を見てそう言った。
「まぁそうっスね....」
「恐らくと言うか、確実に....」
「コカビエル様ね」
「コカビエル?」
「無類の戦闘狂の堕天使....三大勢力の戦争でも、その中ではそこそこ強かった」
オーフィスはお茶を飲みながらそう呟いた。
「へぇ....」
「(少しは楽しめると良いんだが....)」
そう思っていると、グレイフィアはふとこう呟いた。
「コカビエルもそうですが、気になるのは聖剣ですね」
「聖剣っつうと、エクスカリバーとかか?」
「はい。エクスカリバーは天使陣営が所有していました。ですが、三大勢力の戦争で
七つに折れ、天使陣営が所有していたはずなのですが....」
「天使どもが堕天使に奪われたんじゃないかにゃん?」
黒歌は興味なさげにそう言った。
「まぁそれが妥当でしょうね....」
「となると、天使陣営も侵入してくる可能性があるな」
「....そういえば創二。昨日天使どもの神父が殺されてなかった?」
「....そういえばそうだな」
レイナーレが言っているのは、昨日殺されていた神父達の事だった。
「面倒な事になったのは確定ね....」
「だな。....とりあえず、全員で警戒はしておこう。特にレイナーレ、カラワーナ、ミッテルト、
グレイフィア。お前達四人は特に警戒しておいてくれ。一応、お前達は悪魔と堕天使だからな」
「あぁ」
「わかってるっス」
「わかりました」
「了解。....てか、そろそろ学校に行ったら? 今日日直なんでしょ」
レイナーレは壁にかけている時計を指差してそう言った。
「あぁ。じゃ、行ってくる」
俺はカバンを持って家を出た。
〜〜〜〜
「(何かいつもと空気が違うな....)」
学校に向かっている途中、俺はいつもと違う違和感を感じていた。その違和感は、学校に
近づけば近づくほど濃くなっていた。そして、学校が見えて来たところでその違和感の正体が
わかった。
「(あれが違和感の正体か....)」
俺の視線の先には、昨日死んでいたローブの男達と同じローブを着た人間が二人いた。
そのうちの一人は、背中に何か巨大な物を背負っていた。その背中に背負っている物から、
何か謎の気配を感じた。
「(....気配は昨日のエクソシスト達と同じ。てなると、アイツらは天使陣営の人間か)」
俺はそう考えながら見ていると、何かを背負っていた人間が俺に近づいてきた。
「君、少し良いだろうか?」
声からして、その人間は女だった。
「....えっと、何か俺に用事でも?」
「この学園の生徒会長殿は既に登校されているかわかるか?」
「会長か? 多分この時間なら登校してると思うが....」
そう言いながら、俺は携帯を取り出した。
「少し待ってくれ。会長に連絡してみる」
「あぁ、すまないな」
俺は少し距離をとって会長に電話をかけた。
『はい、どうかしましたか石動君』
「会長。会長ってもう学校の中にいますか?」
『はい。既に学校にいますが....それがどうかしましたか?』
「何か門の前に会長のお客さんがいるんすけど....ローブにフードを被ったのが二人」
そう言うと、会長はしばらく黙った。
「あの、会長?」
『....石動君、申し訳ありませんが生徒会室まで連れて来ていただけませんか?』
「は、はぁ....わかりました」
『では、お願いしますね』
会長はそう言って電話を切った。そして、俺は二人がいる所に戻った。
「とりあえず、会長は生徒会室にいるとさ。で、俺にそこまで案内しろってお達しが来たから
ついて来てくれるか?」
「そうか。わざわざすまないな」
「....そっちのアンタも、俺について来てくれよ」
「....えぇ」
俺はフードを深くかぶっている方の人間にもそう言った。声を聞く限り、こっちの人間も
女だった。そして、この女の声を、俺はどこかで聞いた様な気がしていた。
「(何処かであった事があるのか....?)」
そう心の中で思いながらも、俺は二人を生徒会室まで案内した。その時、フードを深く
かぶった女が、俺の事をジッと見ているのに気づかなかった。
〜〜〜〜
「会長、邪魔しますよ」
生徒会室に着き、俺は勢いよく扉を開けた。生徒会室には、会長と副会長がいた。
「石動君....せめてノックはしてください」
「すんません。アンタ等、ショートのメガネの人が会長さんで、ロングのメガネの人が
副会長さんだ」
「そうか」
「んじゃ、俺はこれで失礼しますよ会長。頼まれた事も終わったんで」
「えぇ。わざわざありがとうございます」
そう言って、俺は生徒会室から出た。
「(さて、天使と悪魔が邂逅するとは....面倒ごとになるのは確定か....)」はぁ
俺はこの先に起こりそうな事を想像しながらため息をついた。