ハイスクールEvolution   作:アイリエッタ・ゼロス

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怒りとお願い

 小猫side

 

「(アレが聖剣....)」

 今、私達の目の前には二本の聖剣があった。ゼノヴィアさんが持っている聖剣は

 巨大な大剣の様な見た目で、紫藤さんの聖剣は日本刀の様な見た目だった。

 そして、その二人の前には祐斗先輩とイッセー先輩が立っていた。

 

「(それよりも、紫藤さんのあの眼....)」

 私は剣を構えている紫藤さんの眼を見て恐怖を感じた。その眼から恐怖を感じているのは

 周りを見る感じ私だけだった。

 

「では、試合開始!」

 そう考えていると、祐斗先輩達の試合が始まった。祐斗先輩はゼノヴィアさんに突っ込み、

 イッセー先輩は紫藤さんに突っ込んでいった。すると、その攻撃をゼノヴィアさんは聖剣で

 受け止め、紫藤さんは身軽に躱していた。

 

「遅い....」

 そう呟いた紫藤さんは聖剣の形を足のプロテクターの様な物に変えて、それを脚に

 装備するとイッセー先輩を蹴り飛ばした。

 

「ガハッ!」

 蹴り飛ばされたイッセー先輩は木にぶつかると血を吐いていた。そして、蹴られた所は

 焦げの様なものが出来ていた。

 

「これぐらいで死なないでよ。私の復讐はまだ始まってもいないんだから」

「復讐?」

 紫藤さんの言葉に、この場にいる全員は首を傾げていた。

 

「復讐って....一体どういう意味だよ! 俺が何をしたって言うんだ!」

「っ....! よくもそんな事が言えたわね....」

 紫藤さんは震えながらそう言うと、聖剣の形を双剣に変えた。

 

「アンタだけは絶対に許さない! 今ここで殺されて、“誠二君”に償いなさい!」

「っ!? 何でその名前を!」

 紫藤さんの言葉に、イッセー先輩は見たことがないほど動揺していた。

 

「(誠二....聞いたことがない名前ですね....)」

 私は自分の記憶を掘り返したが、そのような名前の人は記憶になかった。そう考えている間、

 紫藤さんはイッセー先輩を追い詰めていた。イッセー先輩は、ひたすら逃げる事しか

 できていなかった。すると....

 

『Boost!』

 

 何度目かの赤龍帝の籠手の音が鳴り、イッセー先輩は左腕を構えた。すると、背中からも

 悪魔の翼が生えた。そして、何やらイヤらしい顔をしていた。

 

「紫藤さん。今のイッセー先輩に服を触られると服を消し飛ばされますよ」

「小猫ちゃん!?」

「へぇ....変態に磨きがかかってるわね。こんなのを兄に持っていた誠二君は可哀想だわ」

 紫藤さんはそう言いながらイッセー先輩を睨みつけていた。

 

「ぐっ! このっ! 洋服破壊(ドレスブレイク)!」

 イッセー先輩は真っ直ぐに紫藤さんに突っ込んでいった。すると、紫藤さんは双剣を

 盾に変えてイッセー先輩の攻撃を受け流した。

 

「なっ!?」

「その程度で私に勝てると思わないでくれるかしら!」

 そう言うと、紫藤さんは背後から槍に変形させた聖剣をイッセー先輩の左脚に突き刺した。

 

「ぐわぁぁぁぁ!?」

 イッセー先輩はその場で倒れ、叫び声をあげていた。そして、紫藤さんは槍を強く握りしめ

 倒れているイッセー先輩に近づいていった。

 

「痛いでしょ。でもね、あんた達が殺した誠二君の痛みはこんなものじゃなかった! 

 もっと痛かった筈だし、苦しかった筈よ!」

「えっ....」

 私は紫藤さんの言葉に驚いて、小さくそう呟いた。

 

「お、俺は誠二を殺してなんて....!」

「いいえ! あんた達が殺したのも同じよ! あんた達が誠二君を死に追いやったのよ! 

 だから、私はあんた達を絶対に許さない! 手始めに、あんたには誠二君と同じ痛みを....!」

 紫藤さんはそう言ったが、突然その場から飛び退いた。すると、さっきまで紫藤さんが

 いた所に消滅の魔力が落ちた。

 

「リアス・グレモリー....何のつもりかしら?」

「些かやり過ぎではなくて? これ以上は流石に私も見過ごせないわよ」

「この程度でやり過ぎ? ....笑わせないでくれる。このクズが誠二君にやった事と比べれば

 可愛いものよ」

 そう言いながら、紫藤さんは部長に聖剣の槍を向けた。

 

「邪魔をするなら、たとえ魔王の妹だろうと始末させてもらうわよ」

 紫藤さんはそう言って部長に走り出そうとしたが、何かが倒れる音に気づいて動きを

 止めた。私が倒れる音の方を見ると、祐斗先輩がゼノヴィアさんに倒されていた。

 

「イリナ、こちらは終わったぞ」

「....そう」

 ゼノヴィアさんがそう言うと、紫藤さんは急に構えていた槍を紐に戻して腕に巻いた。

 

「今日のところはこれで引いてあげる。そこのクズに伝えておきなさい。私はあなたの命を

 頂く。たとえこの身が滅びようとも」

 そう言って、二人はこの場から去っていった。その時、私は姉様に言われた事を思い出した。

 

 〜〜〜〜

 

『あの男の家族は悪魔以上の悪魔よ』

 

 〜〜〜〜

 

「(姉様が言っていた事....もしかして、誠二って人が関係しているんじゃ....)」

「部長、今日は先に失礼します」

「こ、小猫?」

 私は部長にそう言って部室にカバンを取りに行くと、急いで紫藤さんを追いかけた。

 

 〜〜〜〜

 イリナside

 

 クズと戦った私は、ゼノヴィアと学園の門の所まで来ていた。すると....

 

「紫藤さん!」

 突然背後から自分の名前を呼ばれた。振り向くと、そこには試合中に私に助言をくれた

 銀髪の子がいた。

 

「君はリアス・グレモリーの眷属の....」

「塔城 小猫です。あの、紫藤さんに聞きたい事があって....」

「私に?」

 私は塔城さんの言葉に首を傾げた。

 

「はい。....あの、誠二さんというのは一体誰ですか?」

「っ!」

 私は予想外の質問に一瞬困惑した。

 

「....どうしてそんな事を? リアス・グレモリーからの指示かしら?」

 私は疑いながらそう聞いた。

 

「い、いえ! その、私自身が気になったので....」

「....」

「無理にとは言いませんが、誠二さんについて教えてください! お願いします!」

 塔城さんは、真剣な表情で私にそう言ってきた。

 

「....分かったわ。じゃあ明日の夕方、ここであなたを待つわ」

「イリナ!?」

 私の塔城さんの返答に、ゼノヴィアはものすごく驚いていた。

 

「何よ」

「何を考えているんだ! 悪魔と関わるなどと!」

「別に。私はただ、()()()()()()()()()()()() ()()()()()と話をするだけよ。悪魔も天使も

 関係ないじゃない」

「そんなのは屁理屈だろう!」

「....うるさいわね」

「っ!?」

 私は口うるさく言ってくるゼノヴィアを睨みつけた。

 

「向こうが誠心誠意お願いしてきてるのよ。それに報うのは人として当然でしょ」

「だ、だが....」

「....あまり私を怒らせないで。いくらゼノヴィアでも、私の邪魔をするなら斬るわよ」

「わ、わかった....」

「....じゃあそういう事だから。明日、この場所で待ってるわ」

「は、はい!」

「....それじゃ、また明日」

 イリナさんはそう言うと、何処かに歩いていった。

 

 

 

 

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