ハイスクールEvolution   作:アイリエッタ・ゼロス

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困惑

 学校も終わる時間帯、俺は店の厨房で銀華と料理をしていた。

 

「香菜、それを二番テーブル。零奈は三番カウンターに注文聞いてこい」

「了解っス」

「はいはい」

「創二〜、銀華〜、サンドイッチセット二つととナポリタンセット三つだって〜」

「分かった」

「分かりました」

 俺は二人に指示を出しながらも、黒歌の言葉を聞いてそう返した。それから少し経ち、

 人の流れが収まると、突然店の扉の方から悪魔と、この前感じた謎の気配を感じた。

 

「創二様....今の気配は....」

「あぁ....」

 すると、レイナーレが顔色を悪くして厨房に入ってきた。

 

「ねぇ....聖剣使いが来てるんだけど....」

「....そうですか。どうなさいますか、創二様?」

「とりあえず様子見にしておけ。店で暴れられると面倒だ。あと、悪魔の方は?」

「悪魔は黒歌の妹よ。何でか聖剣使いといるけど」

「そうか....」

「(何故に聖剣使いと....?)」

 俺は不思議の思いながらも手を動かしていた。すると、レイナーレが白音達の注文を聞いて

 戻ってきた。俺は注文の品を作ってレイナーレに渡して少しすると、厨房から顔を出して

 白音達がいる席の方を見た。

 

「(聖剣使いってどっちが来た....っ!?)」

 俺はそう思いながら聖剣使いの顔を見た瞬間、全ての思考が停止した。そして、足元がふらつき

 近くの棚に手を使って自分の体を支えようとした時、その棚にある皿を落としてしまった。

 

「っ! 創二様!」

「お、おい! 大丈夫か!」

 俺が突然体勢を崩した事に驚いたエボルトとグレイフィアはそう言って近づいて来た。

 

「悪い....」

 俺は何とか体勢を立て直したのだが、さっきの光景が信じられないものだと思い混乱していた。

 

「急にどうしたんだよ。お前らしくもない」

「....エボルト、あそこにいる黒歌の妹と聖剣使いが店を出たらしばらく追いかけてくれ」

「....随分と急だな」

「わかっている....だが、お前にしか頼めねぇ。だから、頼む」

「....わかった。だが、後で話しは聞かせろよ」

 エボルトはそう言うと、厨房から出ていった。その後、俺は割れた皿を片付けていた。だが、

 頭の中にはさっき見たことが何度も繰り返されていた。

 

「(何で....何でここにいるんだよ....)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「(()()()()()())」

 

 

 〜〜〜〜

 その日の夜

 

「で、どういう事か話してもらおうか」

 俺の目の前には七人が揃っていた。

 

「あぁ....今日来ていた聖剣使いは、俺のたった一人の親友だ」

「おまっ....! それって....」

「エボルト、あんた何か知ってるのかにゃん?」

「まぁな....なるほど、あの女が....」

 エボルトはそう言うと、何か考え込み始めた。

 

「それで、結局あの聖剣使いの正体は?」

 しびれを切らしたのか、レイナーレはそう聞いてきた。

 

「....あの子は紫藤 イリナ。俺が兵藤 誠二だった時の唯一の親友の女の子だ」

「っ!?」

「創二の親友....」

 そう言うと、黒歌とオーフィスの空気が変わった。

 

「あんたの昔の親友ね....」

「それはまた....」

「すごい偶然っスね....」

 堕天使の三人は俺の言葉に驚いていた。

 

「なるほど....それで彼女の対処はどのようになさるのですか? 我々の方に勧誘は....」

 グレイフィアは先のことも考えたかの様にそう聞いてきた。

 

「....正直な話、迷ってる。勧誘したい気持ちもあるが、同じくらい勧誘したくない

 気持ちがある」

「....そうですか」

「とりあえず黒歌。一つ頼みがあるんだが良いか?」

「....何?」

「明日、妹にイリナちゃんと何の話をしていたか聞いてくれないか?」

「....わかったにゃん」

 黒歌は非常に不満そうにそう言った。

 

「とりあえず、全員聖剣についての警戒は怠るな。もしも堕天使と接触した場合は迎撃して

 くれても構わない」

 俺の言葉に、全員首を縦に振っていた。

 

「....じゃあ、悪いが俺は先に寝させてもらう。何かあったら起こしてくれ」

 そう言って俺は部屋を出て、自分の部屋に入るとベッドに寝転がった。

 

 

 〜〜〜〜

 エボルトside

 

「アイツ....様子がおかしいわよね」

 創二が部屋を出てしばらくすると、レイナーレがそう言った。

 

「確かにな。だが、今回の事に関しては変に関与しないほうが良いだろ」

「大丈夫なのですか?」

「心配すんなグレイフィア。きっかけさえあればアイツ自身がどうにかするだろ」

 そう言って俺は立ち上がり、黒歌とオーフィスに近づいた。

 

「二人とも、あの女に変な事をしようとするなよ。あの女に手を出したら、最悪アイツが

 暴走しかねないぞ」

「....流石に手は出さないわよ」

「....わかってる。創二が嫌がる事、我、やらない」

 オーフィスは目を見ていたが、黒歌は若干視線を逸らしながらそう言った。

 

「なら良いが....とりあえず、今日は解散だ」

 俺は全員にそう言って解散させた。そして、俺は店の監視カメラで撮っていた紫藤 イリナの

 顔を見た。

 

「さてと....俺はどう動いたもんだか....」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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