ハイスクールEvolution   作:アイリエッタ・ゼロス

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同じ志を持つ者として

 イリナちゃんをバイクに乗せた俺は、nascitaの前でバイクを止めた。

 

「イリナちゃん、着いたぞ」

「ここって....」

「俺の家。この前塔城と来てたよな」

 俺はそう言いながらバイクをスマホに戻して、ポケットから店の鍵を取り出して

 扉を開けた。そして、俺はキッチンに行き巨大な冷蔵庫を開けた。その冷蔵庫の先には

 地下に繋がる階段があった。

 

「イリナちゃん、ついてきてくれ」

「う、うん」

 イリナちゃんは階段があるのが不思議といった表情をしながらも俺についてきてくれた。

 そして、地下についた俺は扉を開けた。扉の先にはエボルトを除く六人がいた。

 

「おかえり」

「ただいま。アイツは?」

「部屋で何か実験をやってるわよ」

「そうか」

「せ、誠二君....ここにいる人達って....」

 イリナちゃんは六人を見るとどこか警戒した表情をしていた。

 

「堕天使に悪魔、妖怪にドラゴン様だ。俺の仲間だから安心してくれ」

「そ、そうなんだ....」

 そう話していると、俺が入ってきた扉とは別の扉からスタークが入ってきた

 

『おっ、帰ってきたか』

「あ、あなたは!?」

『よっ、さっきぶりだな』

「な、何であなたがここにいるのよ!」

『何でって、俺はそいつの協力者だからな。なぁ、創二』

 そう言いながら、スタークは変身を解除して人間の姿に戻った。

 

「まぁ適当に座れよ。グレイフィア、全員にコーヒー用意してくれ」

「かしこまりました」

 グレイフィアはそう言うと一度部屋から出ていった。

 

「取り敢えず、イリナちゃんは俺の隣に座ってくれ」

「う、うん」

 そうして少し待っていると、グレイフィアが人数分のコーヒーが入ったカップを

 持って部屋に戻ってきた。

 

「どうぞ」

「ど、どうも....あ、美味しい」

「お口にあったなら幸いです」

「さてと、とりあえずイリナちゃんには俺の仲間を紹介するか。まずはさっきコーヒーを

 淹れてくれたのは悪魔のグレイフィア。旧魔王派の全滅を目的としてる」

「よろしくお願いします」

 グレイフィアは立ち上がるとイリナちゃんに一礼した。

 

「次にそこに固まって座ってる三人だが、青髪がカラワーナ、金髪がミッテルト、黒髪が

 レイナーレだ。三人全員が堕天使で堕天使に復讐しようと考えている」

「まぁそういうことだ」

「一応よろしく」

「よろしくっス~」

「で、次はそこに座っている着物の猫耳なんだが....」

「創二、私は自分で挨拶するにゃん」

 そう言うと、黒歌は立ち上がりイリナちゃんの前に立った。

 

「私の名前は黒歌。この名前、あなたは聞き覚えがあるんじゃない?」

「っ!? もしかして、塔城さんの....!」

「えぇ。私はあの子、白音の実の姉よ。一応あの子のことを守ってくれたそうね。

 姉として礼を言うわ。ありがとう」

 そう言うと、黒歌はイリナちゃんに頭を下げた。だが、頭を上げるとイリナちゃんの

 耳元に近づくと何かを言っていた。

 

「っ!? あなた....っ!」

「ま、一応よろしく」

 イリナちゃんは黒歌の謎の発言に目を見開いて驚いていた。だが黒歌は普段と変わらない

 様子だった。

 

「創二、続きどうぞ」

「....あぁ。イリナちゃん、続き始めてもいいか?」

「え、えぇ....」

「じゃあ次にそこに座ってるロリッ娘だが、名前はオーフィス。無限の龍神って

 言われているドラゴンで俺の仲間の中ではNo.2の実力を持っている」

「我、オーフィス。よろしく」

 オーフィスはそう言うとイリナちゃんにトコトコと近づいて行き、手を差し出した。

 

「よ、よろしく....」

 イリナちゃんは差し出された手を握った。すると、オーフィスはこんな事を言った。

 

「我も黒歌と同じ。そこのところよろしく」

「っ....! あなたもなの....!?」

「ん」

 イリナちゃんの言葉にオーフィスは首を縦に振って椅子に戻った。

 

「じゃあ最後に、そこにいる眼鏡をかけた男はエボルト。俺の命の恩人で

 俺の仲間ではNo.1の実力を持つ宇宙人だ」

「ま、そういうこった」

 エボルトは呑気に手を振ってそう言った。

 

「とりあえず、今ここにいる俺の仲間はこれで全員だ」

「そうなんだ....」

 そう言って、イリナちゃんは七人を観察していた。そうしているイリナちゃんに、

 俺は考え抜いて出した答えを聞いた。

 

「イリナちゃん、一つ相談があるんだが良いか?」

「何?」

「イリナちゃんさえよければ、俺の仲間になってくれないか?」

「えっ?」

「俺の、俺達の計画には実力のある者の力が必要なんだ」

「....計画って?」

「あのクズを殺すのと、三大勢力を滅ぼす」

「っ!」

 そう言うと、イリナちゃんの表情は変わった。

 

「俺達を陰から支えてくれている勢力に頼まれたんだ。三大勢力を滅ぼしてくれってな。

 イリナちゃんも知らないわけじゃないだろ? 奴らがこれまで人間に行ってきた愚行の

 数々を」

「まぁね....」

「その愚行についに堪忍袋の緒が切れたみたいでな。俺達に三大勢力を滅ぼすことを

 依頼してきたんだ。手厚いサポートと引き換えにな」

「そうなんだ....」

「一応イリナちゃんに無理強いは....」

「良いわ。私は誠二君に協力する」

 俺の言葉を遮るように、イリナちゃんは覚悟を持った目でそう言ってきた。

 

「イリナちゃん....」

「私の数年間を無駄にされた。その報いは受けてもらわないと気が済まないの。

 それに、あのクズを殺したいのは私も同じよ」

「....」

「創二、こりゃ気持ちがぶれることはねぇぞ」

 エボルトは笑いながら俺にそう言ってきた。

 

「....言われなくてもわかってる。ならイリナちゃん、これから改めてよろしくな」

「こちらこそ。改めてよろしくね、誠二君」

 そう言ったイリナちゃんの笑顔は、昔の笑顔と似ていた。

 

「じゃあ早速だがイリナちゃん、少しついてきてくれ。エボルト」

「あいよ」

 そう言いながら、俺とイリナちゃん、エボルトは部屋を出てエボルトのラボに向かった。

 

 ~~~~

 エボルトのラボ

 

 しばらく歩くと、俺達はエボルトのラボに着いた。

 

「ようこそ、俺のラボへ」

 エボルトのラボは、そこら中に何かの機械や武器が置かれていた。そして、俺達は

 目的の機械の前に立った。その機械は酸素カプセルのような機械だった。

 

「イリナちゃん、ひとまずこのカプセルの中に入ってくれないか?」

「カ、カプセルの中に....? どうして?」

「このカプセルの中にはネビュラガスっていう毒ガスが入っているんだ。その毒ガスを

 自分の中に取り込んで克服すれば人間を超えた力を手に入れることができる。それに、

 俺が変身したビルドにも変身することができるんだ」

 そう言って、俺はポケットからラビットとタンクのボトルを見せた。

 

「その、危険とかはないの?」

「危険と言われれば危険だ。人間によっては消滅する人間もいるからな」

 イリナちゃんの言葉に、エボルトはいつも通りといった様子でそう言った。

 

「しょ、消滅!?」

「おいエボルト!」

 俺は余計なことを言ったエボルトを怒鳴った。

 

「安心しろ。消滅するのはあくまで弱い人間だ。お前さんなら最初は激痛が走るだろうが

 すぐに体にガスが馴染むだろう」

「激痛って....」

「まぁ言うて知れてる痛みだ。安心してカプセルの中に入りな」

「し、信用しても良いのよね....」

「あぁ」

「....信じるわよ」

 イリナちゃんは若干エボルトを疑いながらもカプセルの中に入っていった。そして、

 入り口をロックするとエボルトは近くにあるパソコンのキーボードを叩き出した。

 

「お前、変に不安がらせることを言うなよ....」

「念のために事実は伝えたほうがいいだろ?」

「....否定はしないが」

「だろ?」

「はぁ....」

「んじゃ、そろそろガスを流すぞ。激痛が走っても耐えろよ」

 エボルトはカプセルの中にあるスピーカーに繋がっているマイクに向かってそう言うと

 カプセルの中にガスを流し込んだ。そうして少しすると、カプセルから何かを叩いたり

 殴ったりする音が聞こえてきた。

 

「....頑張れ」

「ほぉ、こいつはなかなかだな」

 俺がカプセルに祈っていると、隣にいるエボルトはそう言った。

 

「何がなかなかなんだよ」

「ネビュラガスへの耐性だ。ハザードレベル4.7。最初からここまで高い人間は初めてだ。

 こいつは磨きがいがある」

 そう言いながらエボルトは別の場所に置かれている謎の液体が入っているカプセルを

 見ていた。すると、イリナちゃんが入っているカプセルから音が鳴った。カプセルの扉は

 自動的に開き、中から汗だくのイリナちゃんが出てきた。

 

「はぁ、はぁ....」

「だ、大丈夫かイリナちゃん?」

「え、えぇ....最初は本当に死ぬかと思ったわ....」

 イリナちゃんは息を切らしながら俺にそう言ってきた。

 

「と、取り敢えずお風呂まで送るわ。エボルト、イリナちゃん用のボトルを作って

 おいてやってくれ」

「はいはい、って言いたいところだが....紫藤 イリナ、お前の持ってる擬態の聖剣を

 少し俺に貸せ」

「擬態の聖剣を?」

「あぁ。お前用のボトルを作るのに必要だからな。終わったら返すから安心しろ」

「わかったわ」

 イリナちゃんはそう言うと、腕から擬態の聖剣を外すとエボルトに手渡した。

 

「確かに預かった」

「じゃ、行こうかイリナちゃん」

「えぇ」

 そう言って、俺とイリナちゃんはラボを出て風呂場のほうに向かった。

 

 ~~~~

 エボルトside

 

「さて....」

 俺は受け取った擬態の聖剣を手で回しながら目の前の培養液に入れてある聖剣の欠片を

 見た。

 

「(聖剣は全部で七本。欠片も合わせれば一応六本で足りないのは....)」

 そう思いながら、俺はある奴に電話を掛けた。

 

「あぁ、もしもし俺だ。少し頼みがあるんだが....」

 

 

 

 

 

 

 

 

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