話し合いという名の言い争い
イリナちゃんが俺達の仲間になった次の日、俺は普通に学校に来ていた。
「(あれだけボロボロだったのを一日で直すとは....流石は会長って言ったところか)」
校舎の前で、俺は何となく会長が直したのだと思いそう考えていた。すると....
「っ! 石動先輩....」
背後から震えるような声が聞こえてきた。振り向くと、そこには驚いた表情の塔城がいた。
「よぉ、塔城」
「....よく学校に来れましたね」
「そいつはどういう意味だ」
「昨日のこと....忘れたわけではないですよね? 学校に来れば部長や変態先輩に確実に
目を付けられますよ」
「言われなくてもわかってるっての。どうせ連行されるのは目に見えてる。放課後だったら
時間があるから話してやってもいいって言っとけ」
「....わかりました。部長に伝えておきます」
「じゃ、また放課後にな」
そう言って、俺は塔城と別れて自分の靴置き場に向かった。
~~~~
授業を受けているうちに放課後になった。すると、クズ兄が俺に近づいてきた。
「おい石動。昨日のことだが....」
「俺に話しかけるな性犯罪者。いや、ここは悪魔って言ったほうがよかったか?」
「っ!? やっぱりお前は昨日の!」
「そのことなら今から話しに行く。というか、ちょうど迎えが来たか」
そう言って教室の入り口を見ると、教室の入り口に塔城がいた。
「石動先輩、来ましたよ」
「おう。わざわざご苦労さん」
「こ、小猫ちゃん!?」
「....名前で呼ばないでください、変態先輩」
「グフッ!?」
塔城は冷めた目でクズ兄のことを見ていた。
「石動先輩、そこの人のことは放っておいて行きましょう」
「あぁ....って言いたいんだが、少しだけ寄り道していいか?」
「寄り道、ですか?」
「あぁ。話し合いするには役者が足りないからな」
「....?」
そう言って、俺はある場所に向かって歩き出した。
~~~~
生徒会室
「邪魔しますよ会長」
俺はノックもせずに生徒会室に入っていった。生徒会室には会長と副会長、それと
会長の眷属である五人の女子生徒と、俺が知らない男が一人いた。
「邪魔をするなら回れ右して帰ってください」
「はいはい....って、そうじゃなくて、会長に話があって来たんですが」
「私に話ですか?」
「おいお前! 会長はお忙しいんだ! 話があるのならアポを取って....!」
すると、俺が知らない男がそう言ってきた。
「すぐに終わるから少し黙ってな。....会長、昨日の夜の学校の件について話が
あるんですが」
そう言った瞬間、生徒会室の空気は変わった。
「....それはどういう意味ですか?」
「どういう意味もそのままですよ。昨日の堕天使を倒した人間の正体、知りたいですよね?」
俺は会長の目を見てそう言った。
「....何かを知っているんですか?」
「えぇ。今からそれを塔城のご主人に話に行くんでね。会長も聞いておいたほうが
良いと思ったんですよ」
そう言うと、会長は呆れたようにため息をついた。
「....わかりました。なら、私達も同行しましょう。みんな、今の仕事を中断して私達も
行きましょう」
「会長! コイツの言うことを信用するんですか!」
すると、さっきの男が再び突っかかってきた。
「サジ、彼は滅多なことがない限り自分から噓をつかない人間です。それに、昨日の件に
ついてリアスに聞きたいこともできましたからね」
そう言った会長の目はどこか冷めた目をしていた。
「じゃ、行きますか」
そう言って生徒会室から出て、俺は塔城の案内で旧校舎に向かった。
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旧校舎
「やっと来たわね。遅かった....って、何でソーナたちがいるのよ!」
「石動君がわざわざ生徒会室に来てくれたんですよ。それよりもリアス、昨日はよくも
私を騙してくれましたね」
旧校舎の一室に入った瞬間、グレモリーは会長がいることに驚き、会長はグレモリーを
睨みつけていた。
「べ、別に騙してたわけじゃ....」
「なら、何故昨日校舎に入っていった人が石動君だと私に教えなかったのですか?」
「そ、それは....」
「あぁー、会長。話が長くなるなら後でしてもらってもいいか? 俺も早く話を終わらせて
帰りたいんだよ」
何となく話が長くなりそうだと思い、俺は会長にそう言った。
「....そうですね。リアス、あとでしっかりと話をさせてもらいますよ」
「え、えぇ....」
会長は少し怒った様子でそう言った。それを聞き、俺はグレモリーが座っている前に
あるソファーに座った。
「さてと、俺はさっさと話しを終わらせて帰りたいんだ。聞きたいことがあるなら
早く聞け」
「っ! だったら聞かせてもらうわ。あなたは何者! それにコカビエルの変化した姿に、
あのワイン色の鎧は何者なの!」
グレモリーはまくしたてるように聞いてきた。
「まぁ一つづつ答えていくか。まずあのワイン色の鎧の男の名前はブラッドスターク。
人間や悪魔や堕天使を使って人体実験を行っている謎の存在だ」
「人体実験、ですか?」
会長は不思議そうに首をかしげていた。
「あぁ。それと、俺もやつの人体実験の被害者だ」
「っ!?」
すると、この部屋にいる悪魔全員の表情は驚愕の表情に変わった。
「言っとくが嘘じゃねぇからな」
「石動先輩。石動先輩が昨日変身した姿もそれに関係しているんですか?」
話を聞いていた塔城は思いついたようにそう聞いてきた。
「良いところに気づくな。あの姿は俺が人体実験に耐えて奴から奪った力だ」
俺はそう言いながらビルドドライバーを取り出して腰に当てた。
「一応会長にも見せておくか」
そう言いながら、俺はラビットボトルとタンクボトルをベルトに挿し込んだ。
『ラビット! タンク! ベストマッチ!』
音が鳴ると俺はベルトのレバーを回して呟いた。
『Are you ready?』
「変身」
『鋼のムーンサルト! ラビットタンク! イエーイ!』
俺の前後にはプラモランナーが現れ、プラモランナーに挟まれると俺の姿は赤と青の
ビルドに変わった。
『これが俺がブラッドスタークから奪った力。俺はビルドって呼んでいる』
「ビルド....」
「創る、形成するですか....」
「っ! その力は危険よ! だから私に....!」
俺はくだらないことを言おうとしたグレモリーにドリルクラッシャーのガンモードで
グレモリーの顔の横に向かって弾丸を放った。
『くだらないことを言うのならここで消してもいいんだぞ。俺は悪魔が嫌いなんでな』
そう言うと、グレモリーは額から汗を流していた。
「テ、テメェ! 部長に何を....!?」
『黙ってろ性犯罪者。その頭消し飛ばすぞ』
俺はそう言いながら銃口をクズ兄に向けた。
『何を言おうとしたのかは大体想像できるが、この力は現状俺しか使えねぇよ』
「ど、どうしてよ!」
『この力を使うにはハザードレベルが3.0以上必要だ』
「石動先輩、ハザードレベルっていうのは....」
『ハザードレベルはブラッドスタークが人体実験に使うネビュラガスっていう毒の
耐性のことだ。一応今の俺はハザードレベル4.9らしいからな。そこの無能に性犯罪者、
会長もだがネビュラガスを吸ったことがないだろ。だからこのベルトは使えない。
もしも3.0以下の奴が使えばベルトから電流が流れるし、そもそもネビュラガスを
吸った時点で怪物になるかこの世から消滅する。昨日の堕天使もハザードレベルが
低かったから俺が倒した瞬間に消滅したんだろうな』
俺は昨日のこと思い出しながらそう言った。
『ま、ひとまずお前が聞きたいことは答えてやったんだ。このまま帰ってもいいが、
会長はなんか聞きたいことがあるか?』
「そうですね....」
そう言って、会長はしばらく考え込みだした。
「では、三つほどいいですか」
『まず、ブラッドスタークの目的は? 次にブラッドスタークに仲間は? 最後に、
石動君。あなたは何が目的なのですか?」
『....流石会長。どこかの誰かと違って冷静な質問だな』
俺はそう言いながらグレモリーのほうを見た。グレモリーは怒りの目で俺を睨みつけていた。
『取り敢えず、会長に悪いが奴の目的は俺にもわからない。あまりにも行動に一貫性が
見つからないからな。わかってるのはこの街にいる悪魔にネビュラガスを流し込んで
何かの実験を続けてるってことぐらいしかわからん』
俺は睨みつけているグレモリーを無視して会長にそう言った。
『次に奴の仲間だが、俺が知っているのはブラッドスタークを合わせて四人。
一人は俺と同じベルトでドラゴンみたいなやつ。一人は魔法使いみたいなやつ。
そして一人は姿かたちはわからないがブラッドスタークに指示を出してるやつ。これが
俺の知っている奴の仲間だ。まぁ他にもいるかもしれないが....で、最後に俺の目的だが
俺の身体を改造したブラッドスターク達全員をこの手で殺すことだ』
「....そうですか。貴重な情報をありがとうございます」
『お役に立ったなら何よりだ。んじゃ、俺は帰りますよ』
そう言って、俺はこの部屋から出ようとしたのだが....
「待ちなさい!」
俺はグレモリーに呼び止められた。
『....何だ』
「あなた、私の眷属になる気は....」
『ない』
俺は最後まで言う前にそう言った。
「さ、最後まで言わせなさいよ!」
『誰がテメェみたいな無能で雑魚の下僕にならなきゃならねぇ。ていうか、さっきも
言っただろ。俺は悪魔が嫌いなんだ』
「おい石動! お前、いくらなんでも言っていい事と悪い事があるだろ!」
すると、クズ兄はキレたようにそう叫んできた。
『やっていい事と悪い事の分別がつかないテメェが言うな性犯罪者。そもそも、そこの
無能のせいでどれだけの人間が死んだと思っている。それにこの街に人外が多いのも
そこの無能が管理がしっかりと行き届いてないからだろうが。結構前の廃工場のことや
廃教会のこと忘れたのか』
「部長だって頑張ってるんだよ! その頑張りを知らないお前が言うな!」
『ほぉ....頑張ってたら人間が死ぬのは仕方ないと』
「そ、そこまでは言ってないだろ!」
『言ってる事はそういう事なんだよ性犯罪者。....テメェと話してると本当にイライラ
してくる』
俺はそう言いながらドリルクラッシャーをブレードモードに変えてクズ兄に向けた。
『あまり俺を怒らせるな。....本気でここで消してもいいんだぞ』
そう言って殺気を放つと、この部屋にあるガラスや窓が全て割れた。
「わ、わかったわ! 眷属するのには諦めるから、せめてこの部活には入って! あなたを
監視しておかないと、野放しにしておくのは危険すぎるわ!」
『町の管理をできてないやつがふざけたことをぬかすな。....そもそも、監視って言うが
俺が暴れたらお前らの中で誰が俺を止められる』
「っ! イッセーが本気を出せばあなたなんて簡単に止められるわ! そうよねイッセー!」
「当たり前です部長! コイツなんて俺とドライグが力を合わせれば一瞬です!」
『ほぉ....なら、俺と一戦交えるか? お前が勝てばそっちの条件をのんでやるよ。
ただし、負けたら変に俺に絡んでくるな』
「良いぜ! やってやるよ!」
『....てなわけで、会長。審判頼んでもいいすっか?』
「....はぁ。まぁいいでしょう」
会長はどこか呆れた表情でそう言ってくれた。
『さて、じゃあ表でやろうか』
俺はそう言って旧校舎の外に向かった。