グレイフィアside
「はぁ、はぁ、はぁ....」
『どうされました? 随分と息が上がっているようですが』
そう言いながら、私は自分の周囲に浮いている小さな鏡からレーザービームを放った。
「ぐっ!?」
カテレアは魔法陣で防御をするが、魔法陣に弾かれたレーザービームは近くにある鏡を
反射してカテレアの背中を貫いた。
『(エボルト様や誠二様達と比べたら旧魔王でもこの程度ですか....)』
そう思いながら、私はカテレアを見下ろしていた。私が変身したライダー、リベリオンの
能力は反射や屈折、レーザービームの放出、鏡で偽物を創るといったものだった。
どちらかというと誠二様やエボルト様とは違い物理アタッカーではなく、魔力を使った
特殊アタッカー、敵を翻弄するタイプの能力だった。そして、私の目の前にいる
カテレアはまんまと私の能力に引っ掛かり、すでに満身創痍の状態だった。
『さて、そろそろ終焉にしましょう』
そう言って、私はベルトのレバーに手をかけた。すると、突然カテレアは謎の瓶を
取り出した。その瓶の中にはオーフィス様の蛇が入っていた。
「まだよ....! 私にはオーフィスの蛇が....!」
『ドーピングなどさせませんよ』
そう言って、私は周囲に浮いている鏡の欠片にレーザービームを反射させてカテレアが
持っていた瓶を粉々に砕いた。
「そんな....!?」
『さぁ、最後ぐらい美しく死んでいってください』
そう言って、私はベルトのレンチを降ろした。
『スクラップエンド!』
レンチを降ろして音が鳴った瞬間、カテレアの周囲には私の偽物が十人ほど現れ、背後に
巨大な鏡を装備していた。そして、私の背後にも鏡が現れ、エネルギーがチャージされた。
『さようなら、カテレア・レヴィアタン』
そう呟いた瞬間、11枚の鏡から紫色の巨大なレーザービームが放たれた。
「グレイフィア....! グレイフィア・ルキフグスゥゥゥゥ!!!」
カテレアはそう絶叫しながらレーザービームの光に包まれ消滅した。
『....まずは一人』
そう呟くと、現れていた偽物は全て消滅した。すると、同時にあちこちから戦闘音が
聞こえてきた。
『(皆さんも始まったようですね。ならば、私も援護に向かった方が良さそうですね....)』
そう思いながら私はこの場から離れた。
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イリナside
『....弱いわね』
「くっ....!」
「まさかここまでエクスカリバーの力を引き出すとは....!」
今、私の目の前にはぼろぼろの姿で地面に膝をついたゼノヴィアとミカエルがいた。
『(本当に、今までこんなのがトップだった組織にいたのがバカみたいね....)』
そう思いながら、私は聖剣をゲイ・ボルグに変えた。
「イリナ! 何故だ! 何故お前はこんなことを! 仮にも、お前も天界勢力に所属していた
だろう!」
『えぇ、そうね。でも、それは過去の事よ。私は三大勢力を滅ぼすと決めたの』
「何だ! 一体何がお前をそこまで変えた!」
『変えた、ね....私は何も変わってないわ。むしろ、これが私の本性よ』
「なっ....」
私の言葉にゼノヴィアは絶句していた。
『一つ教えてあげるわ。どうして私が天界に手を貸していたか』
そう言って、私は近くの岩にもたれかかった。
『天界では成果を上げれば上げるほど神の恩恵を受けやすくなる。そして、ある程度の
ところまで恩恵を受けれたら死者との会話ができる....私はそれで初恋の人と会うために
天界に手を貸していたの。でも、その必要はなくなった。私の初恋の人は生きていたから』
「っ!」
『彼は自分を殺そうとした悪魔に強い怒りを覚えていてね。悪魔と一緒に、ついでに天使も
堕天使も滅ぼすそうよ。生きていくうえで存在が邪魔だから。ま、これもあんた達の
これまでの行いが返って来たと思いなさいミカエル』
「っ....」
私はそう言い終わると、もたれかかっていた岩から離れゲイ・ボルグを構えた。
『さて、じゃあそろそろ終わりにし....』
私はそう言いながらベルトのレンチに手を置いた。その時....
『おいおいイリナ。そいつらはまだ殺すなよ』
突然私の背後からスタークが現れた。
『スターク....』
『あいつらはまだゲームの駒としているからな。今日はここまでにしておけ』
そう言いながらスタークは私が構えていたゲイ・ボルグを下に向けた。
『....仕方ないわね』
私は渋々ゲイ・ボルグを聖剣に戻してそう呟いた。
『今日のところは引いてあげるわ。....今度戦う時は、もう少し楽しませて欲しいわね』
「っ、イリナ....!」
『さようなら』
そう言った瞬間、私とスタークは黒い煙に包まれた。