TS転生して強くなった俺が後の皇帝になる勇者に求婚される物語   作:花びら

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1話 快晴という求婚日和ですが、俺には関係ありません。

 「惚れました!結婚してください!」

 

 恨みがましいほど清々しく晴れ渡る青空の下、俺は町の中で求婚されていた。

 はあ、なんでこいつはこんなにも諦めが悪いのかね。

 

 「…………まだ懲りないんですか?まあ、断りますけど」

 「なん……だと…!?俺のどこがダメだって言うんだ……!」

 「結婚願望がないからですよ。いつかは結婚したい日が来るとは思いますが、それが今では無い。ただそれだけです」

 

 そうなのだ。

 俺はまだ結婚したくないのだ。

 だってまだ世界を見てないんだもん!

 あ、どうも自分シャーロットという者です。

 俺はどうも“転生者”という奴で、前世の記憶を持った者です。

 前世は男だけど、今世は女だけどな!

 そんな俺が今求婚されています(二度目)。

 まあ、すぐに断るがな。

 断られた男は四つん這いになって落ち込んでる。

 妹らしき人が必死に慰めてるが、それでも立ち上がる気配は無い。

 実は、彼が求婚してきたのはこれが初めてじゃ無い。

 もう三桁にいきそうなほどである。

 しかも拠点を移す度に。

 だから気になって聞いてみる。

 

 「毎回思うのですが、何で私を見掛ける度に求婚してくるのですか?よく諦めませんね」

 「そりゃあお前。この気持ちが治まるまでだな。お前を初めて見掛けたときから、俺はお前以外の女に魅力を感じなくなった。つまり、この気持ちを抑えるには結婚するしか無い!結婚してください!」

 「無理矢理と言って良いほど求婚に繋げてきましたね。断りますけど」

 「グハッ!」

 「兄様!」

 

 あ、また四つん這いになった。

 顔は悪くないんだけどなー。

 ごめんな、まだ誰とも結婚したくないんだわ。

 そんな事を考えてると、彼の仲間の一人らしき人が私に声を掛けてくる。

 

 「なあ、ちょっと「アーロン………お前もかあああああああ!」………違いますから落ち着いてくだせえ。とりあえず、いくつか聞いても良いか?」

 「良いですよ」

 「リーダーは性格はアレだが、顔も財産も強さも頭も良くてほとんど文句は無い優良物件だぜ?何故そこまで頑なに断るんだ?」

 「前にも言いましたが、私より弱い男に興味はありません」

 「ゴボハッ!(吐血)」

 「兄様あああ!?」

 

 事実、こいつは俺より少し弱い。

 俺は初めて告白してきた奴に必ず私より強い男と結婚すると言い、掛かってきた奴を返り討ちにしてきた。

 そんな中に現れたのがこいつだ。

 名前をルドラ。

 下の名前は忘れたが、今まで告白してきた奴らの中でも断トツ強かった。

 俺も何度か攻撃は喰らったが、終ぞ俺には敵わなかった。

 普通ならそこで皆諦めるはずなのに、それでも彼はめげずに俺に告白してくる。

 何十回と俺に挑む奴も希にいたが、どいつもこいつも三桁行く前に諦めてたからな。

 ここまで諦めの悪い奴はほんと初めてだよ。

 

 「会う度に強くなってるのは分かりますが、私とて成長してる身です。いい加減諦めたらどうです?」

 「さっきも言ったが、お前以外の女に魅力を感じなくなったんだよ。だったら、お前が認めてくれるまで俺は絶対に諦めるにはいかないんだよ」

 

 はぁ、そんな真剣な瞳で見られたら断ってるこっちが馬鹿みたいじゃないか。

 それでも俺は結婚をするつもりは毛頭無い。

 なのでここは逃げるに限る

 

 「今回は勝負する気分じゃないので私はもうおさらばします。それでは、お元気で」

 「あ、ちょ……………って、もういないか……」

 

 俺はスキルを使って町の近くにある森の中に転移した。

 この森は魔物が少なく、極稀にとびきり強い魔物が現れることもあるが、周期的であり去年に私が倒してしまってるので当分の間は現れない。

 なので、一人になるには持って来いの場所だ。

 俺は転移してすぐに倒れた木を見つけ、そこに腰を掛けることにした。

 ……………俺が死んだ原因は昔すぎてよく覚えていないが、なんか一瞬で逝けた気がする。

 恐らく銃かなんかで即死したのだろう。

 まあ、そんな事は良いとして、RPGものが好きだった俺としては、生まれて数年してここがファンタジーみたいにモンスターがいる世界だと知ったときはそれはもう滅茶苦茶嬉しかった。

 だから、少しでも“頂点”に近づくことを目標にし、自力で歩けるようになってから必死で鍛錬を始めた。

 鍛錬をしてる途中で思い出したが、俺が死ぬ間際に聞いた声から何やらスキル名らしきものを獲得していた。

 俺はそれを駆使し、強くなるために自己鍛錬だけじゃなく魔物とも何度も戦い、死にかけ、その過程で得たスキルもあった。

 それよりも嬉しかったのは、あるときに俺が“仙人”に進化したことだろう。

 そのときの俺は人間にも可能性はあるんだと嬉しくて堪らなかった。

 それから必死に頑張って、今の俺は“聖人”という人間を超越した存在になったがな。

 まだ先があるんじゃないかと模索途中だけど、俺はその先があることを信じてる。

 だって俺自身が究極能力(アルティメットスキル)と言う世界でも最強クラスのスキルを手に入れられたんだから。

 その一つは、『希望之王(サリエル)』。

 この世界に来たときに得た『希望者(サキヲノゾムモノ)』が“暴風竜”ヴェルドラとの死闘の際に俺が聖人に進化したついでに派生して獲得したスキルだ。

 能力は、未来視や属性付与と言った、主に攻撃系に特化してるとだけ言っておこう。

 これは俺が転生してから獲得したユニークスキル『未来視(ミエルモノ)』と『切断者(キリサクモノ)』を生贄にすることによって『希望者』を『希望之王』へと進化することができたのだ。

 スキルの詳細は追々確認することにして、もう一つへ行こう。

 もう一つの究極能力の名前は、『純潔之王(メタトロン)』。

 これはどこぞの赤髪野郎が急襲してきた際に覚醒したスキルで『守護者(マモルモノ)』と『純潔者(ケガレナキモノ)』を犠牲にしてまで進化させたものだ。

 能力は、混ざり合う全ての法則を選り分けて、純粋なエネルギーを選別するというもの。

 簡単に言えば、元を純粋な金属として、そこに他の金属をごちゃ混ぜしても、元の金属以外の金属を取り除いて元の金属だけを取り出せるようなものだ。

 俺に出来るのはこれのエネルギー板だと考えて良い。

 しかもこの能力、光属性寄りだから対魔族における最上位スキルなのだ。

 これもあって、あの赤髪のクソ野郎と殺されない程度までにはなったが、戦闘レベルはまだあっちのほうが高くて俺だと勝利には持って行けない。

 けど、敗北するほど俺も弱くは無い。

 やっぱあいつ人より何倍も生きてるだけあるわ。

 え?

 赤じゃなくて紅だろ?

 良いんだよ、あいつは赤のほうがしっくりくる。

 それに、他の奴らからも赤とか言われてるんだから問題ないっしょ。

 あ、そういやこれからどうしよう?

 その場凌ぎで逃げてきたから特に何も考えなかったや。

 確か、この森を抜けた先にあったのは…………リュウグウ王国だったな。

 海産物が豊富で、海鮮丼とか寿司とか魚介類関係の料理がとても美味しい。

 俺は月一で食べに来るほど気に入ってる。

 そういや、今月は一度も行ってなかったな。

 ならば、転移で森の出口付近にでも……………ん?

 何か、デカい気配がこちらに向かってきてるな。

 この気配は……………あいつか。

 

 どごおおおおおおおおん!!!!!

 

 その数秒後、目の前に何かが着地した反動で砂煙が起こり、俺の視界を奪う。

 俺は腰に差していた剣で煙を晴らすと、その着地した何かの正体が明らかになる。

 赤い髪をした美丈夫。

 高身長で、俺より頭一つ分くらいデカく、その妖艶な見た目は一目見ただけで堕ちる女性の数は計り知れないだろう。

 そんな男の名は……………

 

 「はぁ、いきなり面倒くさいのがやってきましたね。ギィ」

 「んなツレネーこと言うなよ。シャル。今日とてお前と存分に()りあいたいところだが………………今回はちょっと報告に来たんだよ」

 「報告………?あなたが?」

 

 数いる悪魔の中でも最古の時を生きる“原初の悪魔”。

 七体いる最強の一角、(ルージュ)

 それが目の前にいる男の正体。

 まあ悪魔は性別を自由に変えられるので男とか女とかあまり関係ないんだけどね。

 今は現世で受肉してギィ・クリムゾンだなんて名乗ってる。

 しかし、あの傲慢で自由奔放なギィがわざわざ俺に来るほどの“報告”って……………世界滅亡の危機か、()()()()のことしか………

 

 「そんな怪訝そうな顔するなよ……。ま、今はそんな事より、報告だ」

 「分かった」

 「ヴェルダの野郎が、お前と話したいことがあるそうだ」

 「!」

 

 あらまあ……。

 本当に()()()()関連だとは…。

 俺のいうあの御方と言うのは、ヴェルダナーヴァ様のことだ。

 世界を創造した伝説の竜であり、世界にたったの四種しかいないと言う“竜種”の中でも最強の存在である。

 つまり世界最強である。

 あの御方との出会いは、俺が聖人に成り立てだった頃、早速慢心していた俺はその名前を聞いたとき速攻で勝負を挑んだ。

 しかし、結果は惨敗。

 手も足も出なかった。

 その出来事から俺は改心し、その人の部下として生きることを誓った。

 まあ、部下とはいっても何か仕事があるわけじゃ無く、“調停者”としてこの世界を壊さないようにするだけなんだけどね。

 俺が生まれてからそんな事は一度も無いので、いつ起きても構わないように準備してるがな。

 閑話休題。

 しかし…………あの御方が俺に話したいことってなんだ?

 そう思って内容を聞くと……………

 

 「それは聞かされちゃいねえ。けど、お前にしか話せないこと、ということしか聞いてないぜ?」

 

 らしい。

 俺だけにしか話せないこと?

 よく分からん。

 ん~~……行ってみたほうが速いか。

 

 「分かったよ。じゃあ早速行ってみる。じゃあね!」

 「あ、こら待ちやがれ!」

 

 最後にギィが手を伸ばしてこちらを留めさせようとしたが、それよりも早くに俺は転移する。

 なぜかって?

 あのままいたら、絶対に喧嘩吹っ掛けてくるからね。

 どうせ、私がいなくなったら近くにルドラがいるからそっちに突撃するだろうし、問題ないな。

 それで、俺がどこに転移したかというと……………

 

 「随分と早く来たね」

 「貴方様のお呼びとあらば、お待たせするわけにいきません。ヴェルダナーヴァ様」

 

 ヴェルダナーヴァ様の所だ。

 この場所はかなり特殊で普通の者ならば入ることはおろか、その場所を認知することすら不可能だ。

 ここは、天界よりも更に上にあるヴェルダナーヴァ様専用の空間で、彼が認めた者しか入れないので彼の部下すら認めて貰えなければ入ることはできない。

 え?

 俺がどうやって入ったのかって?

 天界から突撃してこの部屋の扉にノック代わりに全力攻撃を叩き込んでいたら、いつの間にか入っていた。

 ちなみに、扉は堅すぎて傷一つおわないとかやべーよ、どんな素材でできてんだよ……。

 一応これでも究極能力二つ持ってるんだぞ……。

 まあ、そこから先は前にも言ったが、挑んでの惨敗でヴェルダナーヴァ様から言葉も有り、俺は彼の部下となった。

 しかし、今回どんな事で俺を呼んだのだろうか?

 なので早速聞いてみる。

 

 「ヴェルダナーヴァ様…………早速ですが、ギィから聞きましたが私にしか話せないことがある、とのことですが…………」

 「………ああ、そうなんだ。これは僕の知ってる中でも君にしか分からないことだろうからね」

 

 途端、空気が変わった。

 あのヴェルダナーヴァ様がそこまで深刻になることとは一体…………!?

 

 「ヴェルダナーヴァ様がそこまでお悩みになるとは……………何があったのですか!?」

 「え?あー、多分君が思ってるほど重要なことじゃないんじゃないかな?」

 「何を仰ってるのですか!?貴方様がそこまでお悩みになることなんて、私は生まれてこの方見たことがありません!どうぞ、私めに仰ってください」

 「そうか……………なら、言わせて貰おうか」

 

 …ごくり。

 

 「実は………好きな子ができたんだ」

 

 「ふぁぁぁ…………?」

 

 ふぁぁぁ…………?

 今、なんと……?

 

 「実はね、気になって気になって仕方が無い子がいるんだ…」

 「…………」

 「いや、くだらないことを言ってるのは分かるんだ。だけど……その子は人間だから、元人間である君にならなにk」

 「真で御座いますかーーーーーーー!?」

 「ふぇ!?あー、うん」

 「名は?」

 「ルシア、ていうんだ」

 「ルシア…………ルシア…………って、その名は!?」

 「うん、ルドラの妹だ……」

 「………経緯を聞いても?」

 「構わないよ。けど、これはずっと前からなんだ。彼女を一目見たときから何か感じるものがあってね。ずっと分からなかったんだけど、ルドラが君に恋をしたと聞いてね。彼の話を聞いてくと自分にも似たような気持ちがあって、よく考えてみたらこれが恋だと気付いたんだ」

 「………なるほど、それでしたら何がお困りなんでしょうか?ルドラが兄になることですか?そうならば、即座に首を狩ってきますよ?」

 「いやいやそこまでしなくていいからね!?あと、気にしてるのはそこじゃないから!僕が気にしてるのは彼女とどう接したら良いか分からないんだ…………」

 

 oh、悲壮感が漂ってるヴェルダナーヴァ様。

 珍しい……どころか初めて見たかも。

 ん?

 彼女との接し方が分からない?

 なるほど、ヴェルダナーヴァ様も可愛らしいところがある。

 

 「なるほど、乙女心が分からないと?」

 「うん、正しくその通りだ。ルシアといくらか面識があるとはいえ、ストレートに言ってしまえば普通に気味悪がられるだろう?」

 「気味悪がりはしないと思いませんが、信用が無いのは確かですね。………なら、人型になってしばしの間共に活動してみれば如何でしょう?名目はルドラの監視とかちょっとした特異点の修正とか色々付け足せるので、そこは問題ないでしょう」

 「…………大丈夫だろうか?」

 「ルシアはルドラに対しては厳しいけど、それ以外の人達には余程の外道じゃない限り優しいから大丈夫ですよ。何なら、私が細工でもしてきましょうか?最近新たな究極能力に目覚めそうな気がするのです」

 「そうなのかい?ギィやルドラでさえ一つだけしか獲得できていないのに……」

 「あの二人のは正直反則だと思ってますよ?ギィに関しては見せれば見せるだけ技が奪われますし、ルドラのなんか、私の攻撃が効かない時もあるんですからね?……………ここは私も悪魔系を取った方が良いのでしょうか?」

 「うーん、僕でも天使系と悪魔系の究極能力を同時に目覚めさせた者はいないから流石の僕でも分からないな。…………って話が脱線してないかい?」

 「確かに。ですが、この件はラミリスに相談すれば大丈夫でしょうし、必要だったらダグリュールやディーノ、他の天使どもも使います」

 「ギィは良いのかい?」

 「アイツは先読みしすぎて間違いなく余計なことをする未来しか見えないので」

 「…………なんか、ごめんね」

 「謝らなくて大丈夫です。どうせならアイツはルドラ側に付けますよ。それじゃあ、私はラミリスの所に行ってきます」

 「ごめんね。僕の我が儘に付き合って貰って」

 「何を言ってるんですか、ヴェルダナーヴァ様。私は貴方様の部下です。世界が貴方を嫌っても私は貴方の元に居続けるぐらいに忠誠を誓ってますから。それでは…準備が出来次第連絡しますので、失礼します」

 

 俺はそうしてヴェルダナーヴァ様のお部屋から転移して消えた。

 しかし、その時ヴェルダナーヴァ様が何か仰っていたが、俺には聞こえることは無かった。

 

 「全く………僕が何のために君たちを自由に行動させてるのか分かってるのかい?……いや、分かっていたとしても彼女たちの意志は変わることはない…か。僕はそろそろこの世界を去る。後の事は頼んだよ、みんな」

 

 俺が転移したのは神秘的な森の中。

 荘厳な自然が辺りを支配し、エフェクトのような光が空中を舞っている。

 ここはとある()()()()()の中。

 現実にある世界とは違い、視界に映るものが全てキラキラ輝いて見えるほと、ここは美しかった。

 俺がそうして、久し振りに来たな~、と辺りを見回してると

 

 「おひさ~!」

 

 突然俺の後ろに抱き着く者がいた。

 俺はいつものことなので驚くことも無く後ろを見やる。

 そこにいたのは綺麗な金髪を三つ編みで結び、黒を基調としたドレスを来た美少女がいた。

 その少女はこちらを見てニパッと笑っている。

 やめてくれ、その笑顔は俺に効く。

 別に魅了されたわけでもないのに、俺を無自覚に堕とそうとしてくるこの少女の名は、ラミリス。

 こう見えてあらゆる精霊を統べる精霊女王だ。

 彼女は“勇者”に加護を与える聖なるものの導き手で、RPGで言う聖剣の護り手のような存在だ。

 

 「久し振り、ラミリス。今日は頼み事をしに来たの」

 「ん~?珍しいねアンタから頼み事なんて……ヴェルダ絡み?」

 「流石に分かっちゃうか。実はねーーーーーーーー」

 

 ~事情説明中~

 

 「ウッソ!?マジで!?」

 「ホントでマジ。そこで、貴女の固有スキル『迷宮創造(チイサナセカイ)』を使って欲しいのよ」

 

 彼女の固有スキル『迷宮創造(チイサナセカイ)』は文字通りに迷宮を創るスキルだ。

 しかも、その創った迷宮を自由自在に弄くる事ができ、内装や構造は彼女の意思次第。

 その上、迷宮内ならその中に存在する魔物が死ぬことは無い。

 正確に言えば死ぬには死ぬが、時間が経てば復活するので不死身に近い存在となる。

 そして、最も恐ろしいのが…………彼女は迷宮内なら万能と言うことだ。

 彼女の意思次第で中に迷い込んだ者の命も、やろうと思えば軽く殺せる。

 だけど、彼女はそんな簡単に人殺しをするような真似はしないし、どんな外道だろうと半殺しにして街に返す優しさはあるのだ。

 そんな彼女はその言葉を効いた途端、悪い笑みを浮かべた。

 私もまた同じように悪い笑みを浮かべる。

 

 「ねぇ?好きにして良いんだよね?」

 「勿論。だけど、私にも一枚噛ませてね?」

 「交渉成立ね。制限とかはある?」

 「特には。けど、なるべく早くした方が良い」

 「了解。フフ、これから忙しくなるね♪」

 

 言葉と顔が噛み合ってないぞ、友よ。

 俺としてもやぶさかでは無いがな!

 

 「そうだね。じゃあ、ある程度出来たら連絡頂戴。それまで()()()()してるから」

 「流石我が友、分かってらっしゃる」

 「何年の付き合いだと思ってるの?それじゃあ、私は行くよ」

 「またね、シャル」

 

 俺は友人の言葉を聞き届け、別の場所へと転移する。

 ここはジュラの大森林。

 今の人間達のレベルでは簡単に殺される程の強力な魔獣が跋扈する場所だ。

 さ~て………狩りの時間だよ♪




 ヴェルドラ「嫌な予感?」
 ヴェルグリンド「恋敵の予感!!」
 ヴェルザード「友人が近いうちに来る予感がする」
 ヴェルダナーヴァ「弟妹達が暴走する予感がするんだけど……」
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