氷の竜はヒーローと出会う   作:シニカケキャスター

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プロローグ
氷の竜はヒーローと出会う


 吾輩はキュレムである。名前はまだ無い。どこで生まれたのかの見当は付いている。

 そんなフレーズが似合うかどうかはわからないが、とある山の奥地にそれはいた。

 

「ヒュララ…」

 

 キュレムはさみしかった。雪雲から生まれたフリージオという仲間はいる。しかしどうしようもなくさみしかった。

 この山は一年中氷雪が覆っているため人など来ない。仮に来たとしてもキュレムの棲家まではたどり着かないのだ。

 

 

 

 どうしようもない。この一言に尽きる。

 

 

 

 いつしかキュレムはフリージオを人里に赴かせ、その際の話を伝え聞くことにした。

 フリージオの内の一体からキュレムは人と言う存在を聞いた。

 

 いわく、様々なものを造って暮らしている。

 いわく、たくさんの仲間に支えられて生きている。

 いわく、自分たちとは全く違う力を持っている。

 

 キュレムにとって人は遠い存在だった。だが同時にあこがれる存在でもあった。

 

 願わくば、人になりたい。

 キュレムはそう思っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ある日、キュレムは人になっていた。人に詳しいフリージオが言うには、個性と言うものだという。

 キュレムは虚ろな心の中に喜びを感じた。

 いままであこがれていた人と同じ存在になれた、と。

 

 

 

__________

_______

____

 

 

 人になれたうれしさからキュレムは人里に下りた。しかし体から漏れ出す冷気が人里を凍てつかせる。人からすれば迷惑極まりない。

 結局山にいたときと同じく、何人(なんぴと)もキュレムに寄り付きはしなかった。

 

 

 

 

 ある時一人の男がやってきた。

 その男は人里を凍らせる冷気を止めるように言ってきた。

 しかしそれは土台無理な話だった。なにせこの強力な冷気はキュレムの体すら凍らせてしまう。制御などできなかった。

 キュレムは正直にそれはできないと答えた。自分でも止められないと付け加えて。

 

 男は驚いた。そして笑顔でこう言った。ならばその冷気を吹き飛ばして見せる、と。

 キュレムには理解できなかった。いくら吹き飛ばそうが一緒にフリージオが吹き飛んでいくだけだ。いくらでも冷気は吐き出されるから、その行為には何の意味もない。

 

 しかし男は笑った。そんなものは関係ない、君を苦しめるものから救い出して見せると。

 実際は人と話もできなくて困っているというだけで、そこまで苦しんでいるわけではない。むしろフリージオたちが体を保つためにはこの漏れ出す冷気が必要なのだが、男にはそう見えたらしい。

 キュレムは疑問に思った。なぜそんなことをするのかと。自分を殴って吹き飛ばせば解決する話だ、わざわざそんなことをする必要はない。

 

 だが男はその選択をしなかった。そして彼は言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私が来た!」

 

 




今投稿してる作品のストックがなくて辛い。本編も浮かばなくて辛い。

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