氷の竜はヒーローと出会う   作:シニカケキャスター

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襲撃 序

「今日のヒーロー基礎学だが、俺とオールマイト、そしてもう1人の3人体制で見る事になった。内容は災害水難なんでもござれの人命救助(レスキュー)訓練だ」

 

 ちなみにオールマイトは遅刻だ。先ほどキュレムの元に、ヴィランと戦ったから遅れるというメールが届いた。先に職場に連絡した方がいいと思うのだが。

 

「バスの席順でスムーズにいくよう番号順に二列で並ぼう!」

 

 緑谷から学級委員長の座を譲り受けた飯田は、ホイッスルを持ってやる気満々だ。いったいなにが彼を突き動かすというのか。

 

 

 

 

 

「こういうタイプだったか、くそう!」

 

「意味なかったねー」

 

 市営バスによくある三方シートと呼ばれる座席だった。

 

「私、思ったことは何でも言っちゃうの。緑谷ちゃん、あなたの個性、なんだかオールマイトに似てる」

 

 キュレムもそう思っていた。あの破壊力は並の個性ではない。

 

「そそそそ、そうかな、いやでも僕はその…」

 

 そう慌てることはない。正直に話せばキュレムは何もしない。

 

「まあ待てよ。オールマイトは怪我しねえぜ?似て非なるアレだって」

 

 もともとの体が違う。あちらはゴリゴリのマッチョだが、緑谷はそこまでムキムキというわけではない。

 

「シンプルな増強系は羨ましいぜ。やれることが多くて派手だしよ。俺の『硬化』は対人にゃあ強えんだが、いかんせん地味でなー」

 

「そんなことないよ、切島くん!僕は凄くカッコイイと思う。プロにも十分通用する個性だよ!」

 

「プロなあ…。しかしやっぱ、ヒーローも人気商売みたいなトコあるぜ?」

 

 オールマイトも人気と実力を兼ね備えているからこそNo.1プロヒーローの地位にいるのだ。実力だけ、人気だけでは一番にはなりえないのだ。

 しかしキュレムはこんな性格であるからNo.1にはなれないだろう。そもそもキュレムはNo.1になりたいから雄英高校(ここ)にいるわけではない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すっげー!USJかよ!?」

 

 キュレムにはUSJがいかなるものか理解しえない。テレビで見たことはあるが全容がまるで見えなかったのだ。

 

「水難事故、土砂災害、火事…etc. あらゆる事故や災害を想定し、僕がつくった演習場です。

 その名も、『ウソの災害や事故ルーム(U S J)』!!」

 

「「「ほんとにUSJだった!?」」」

 

 その名称は大丈夫なのだろうか。

 

「えー、訓練を始める前に、お小言を一つ二つ…三つ…四つ…」

 

 いったいどこまで増えるのだろうか。

 

「皆さんご存知だとは思いますが―――」

 

 個性がどうだのと言っていたようだが、キュレムは聞き流した。

 

 

 

 

 

「――-以上!ご静聴ありがとうございました!」

 

 キュレムは全く聞いていなかったが、まわりに合わせて手を叩いた。内容は個性で人を殺せるから活用方法を考えましょう、といったところだっただろうか。

 

「さて、そんじゃあまずは…」

 

 イレイザーヘッドが何か言いかけたが、キュレムは異変に気が付いた。

 

「ひとかたまりになって動くな!」

 

 現れたのは黒い靄。

 

「あれは、ヴィランだ!」

 

 

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