INFINITE RE:BUIL-AID   作:Blood Knight FUP

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日常はたった一歩踏み間違えただけで……一変し、崩れ行く───




Prologue Ⅳ

外界の人達を探すべく、準備を始めた俺達は非常食や緊急時のペットボトル飲料を数本と、緊急時の医療キット、護身用の木剣を鞄に詰め込んで集合した。

 

「皆、持つものはしっかり持った?」

「あぁ、しっかり持ったぜ?」

「僕も持ったよ」

シアクフのその言葉に二人はそう返して笑みを浮かべる。

 

「おっ! それ持ってきたんだな?」

「ん?あぁ、うん。」

そう言い高示は、大事に俺とシアクフのとは少し違う木剣を抱える。

高示が抱えてる木剣は、ちょっと前に俺とシアクフで作った高示への()()()()()()()()で特別製であり、当然ながらほぼ全部一から作った手作りの木剣のため、雑貨屋には一切売られてない。

あの時は完成直後に見つかって三日ほど早く渡してお祝いしたんだが、受け取った後で高示が嬉しすぎて泣いていたのが印象的で記憶に残っていた。

 

「そっか、あれからそこそこ時間が経ったんだなぁ。」

「……どうしたの? キクシア。」

「あぁ悪い! 何でもない。」

「そう? なら良いけど。」

今は考えてる場合じゃない。とりあえず急ごうと、俺はそう考えながら気を引き締める。

 

「それじゃあ行きましょう?」

「あぁ! 出発だー!」

「お、おー!」

それぞれがそう言い、裂け目があったとされる森へと向かっていった。

 

 

 

 


 

 

 

「例の森ってここか。 んじゃまぁ、早速行こうか。」

目的地と向かってから数十分後に、その裂け目があるとされてる森への入り口へと辿り着いた俺達は、早速その中へと足を運ぼうとした。

 

「っ……待って二人とも!」

「ん? なんだよシアクフ。 早く行かねぇと───」

「……何だか、中から妙な気配がするの。」

「妙な気配って……何も感じないけど」

シアクフは怯えながらそう言うが、俺達はそれらしき気配は感じられず、気のせいだと解釈してしまう。

 

「嘘……私だけ? でも、うーん……なんと言うか。 さっきから殺気みたいなのを凝縮したような感じてて……」

「殺気? まさか、賊だったり?」

「ううん、人が出せるような感じじゃないし、感じ取れるのも多分ここまで強くないと思う。」

「人以外で? うーん、ヴィランってのはこの世界だと居ない筈だし……何だろう?」

俺は何かに怯えるシアクフを心配しつつ何が居るのか考えてみたが、全く検討が付かなかった。

 

「……とりあえずシアクフと高示はここで待っててくれ、俺が中の様子を見てくるから。」

「ご、ごめんね? 着いていくって言っておいてキクシアに任せちゃって……。」

「良いよ、提案したのは俺だし気にすんな。 それに何かあったら俺と高示が守ってやる!」

「え? あ、うん! 頑張るって守るよ。」

そう言い申し訳なさそうにするシアクフに気にするなと言って俺は森へ入って行った、その時に何か異変を感じ取ったシアクフは困惑し始める。

 

「え? ()()()()()()()()!?」

「へっ? それってどういう………こと……」

高示が、シアクフの方に振り向くと、何か恐ろしいものでも見たかのように固まり怯えた表情になった。

 

「こ、高示? どうしたの? 後ろに何かいる……の……」

そう言い、シアクフは高示が見てる場所へと視線を移して、高示と同じように顔が真っ青になり、恐ろしいものでも見たかのように固まる。

 

「………」

そこには、白いロングコートを羽織った鬼面の大男がおり、その手には血塗られた巨大な太刀の様な何かが握られていた。

その光景はまさにホラーそのものであり、シアクフ達はその男の圧と殺意にも近い何かを感じ取って恐怖で震えてしまう。

 

「「あ、あぁぁ……うああ(きゃああ)あああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」

そして恐怖に耐え切れずに悲鳴を上げた二人は森へと駆け出し、逃げ始めた。

 

「ッ!? この声、それにあっちから来てるのって……高示とシアクフ!? おーーーい! どうした!?」

俺はその声を聞き取り、二人の方へ戻ろうとしたが、目の前に猛ダッシュで駆けてく二人を見つけ駆け寄ろうとしたが、二人は俺のことなど気付かずただただ走って何かから逃げており、そのまま俺を通り過ぎて行った。

 

「って、おい! 待ってくれよ!? ったく、どうしたんだよ? 二人ともあんなに慌てて……」

俺は困惑しながらも、二人の後をつけていったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

一方で、洞窟にいた夕率いる箒達は、傷を癒しながらも張り詰めた空気がある中、奴等が来るか来ないかで常に震えていた。

このまま次に戦うことになれば、確実に殲滅されると分かっており今はひたすら来ないことを祈るだけであった。

 

「……少し気配を感じる。」

ふと夕がそれを口にし、周りは遂に来てしまったのかと息を飲んだ。

 

「もう、バレたの?」

「分からない。まだ彼奴等って決まった訳じゃないしな? でも、確実に誰かが来てるのだけは分かる。」

鈴は震えた声で夕にそう聞き、夕はまだ分からないと答えた。

 

「今の内に覚悟だけは決めとかなくてはな。」

「箒さん……」

「夕、私も行かせてくれ。」

箒は立ち上がり、夕に同伴を志願する。

 

「でもお前はまだ傷が──」

「そんなのはお前も同じじゃないか! お前一人に任せっきりだなんて嫌に決まってる。 それに、私だってお前の力になりたいんだ。」

箒は夕の言い分にそう返し、真剣な眼差しで夕の瞳を見つめる。

 

「箒……分かったって言いたいしお前の想いは伝わった。」

「ならっ……」

「でもダメだ!」

「なっ!? どうしてなんだ!? 私では力不足だと言いたいのか!?」

夕の拒否に対して箒は声を荒げて反論する。

 

「ちげぇよ! 本当なら一緒に戦ってくれるだけで心強いしありがてぇんだ。」

「だ、だったら、何故……」

「でもな、俺はお前に……お前達に消えて欲しくねぇんだ。 失いたくねぇんだよ……」

その言い分に箒は酷く戸惑い、夕はそう呟いて俯く。

 

「勝手だってのは分かってる……! 学園を出ていく前からもうお前達とは居れないって思ってた。 色々事情やら出来事が重なったのもあるけど、それでもお前達に酷いことをしてきた。 だから俺はもう近付くべきじゃない、俺にそんな資格は無いって思い込んでたんだ。」

「「……夕」」

シャルと鈴は夕の話に何も言えずにいた。

 

「でも、それは結局ただやったことへの()()から()()()()()()だったんだ。 俺はやるだけやって怖くなって、ちゃんと見るべきだったお前達を見ようとしなかった。」

「嫁……」

「夕、お前は……」

「それでもお前達は、俺を理解してまで……こうして付いてきた。もうきっと戻れないと、分かっていながら。 なぁ……話が変わるようで悪いけど教えてくんないか? どうして、どうして俺なんかに付いてきた? まだ戻ることだって出来ただろう?」

怯えにも近いような真っ青になった顔で、夕は箒達にそう問い掛ける。

 

「……夕。」

箒が他の皆を代表して前に出て、夕の目の前まで近付く。

そしてそのまま、夕の胸ぐらを掴んで引き寄せた。

 

「うおっ!? え?」

「私達の人を見る目が、私達の想いがそんなに信用出来んのか?」

「……そ、それは、でも」

「でもも何もあるか! 確かに、一度はお前の洗脳とやらにそうさせられたのかもしれない。 でも、二度目は私達の意思でお前に付いてきた。 何故だか分かるか?」

箒は悲しそうな表情でそう言い、夕の胸ぐらを掴んでいる手が震えていた。

 

「……」

「お前はあの時、幾らでも一人で逃げられたのに、そうせず損得何てモノを……自身の身の安全や今後の事、父親の一件と私達を天秤に掛け、お前は自身の事ではなく私達を選んだ。 その気になれば何処へでも逃げれたし、本当は私達の替えだって利いてただろう? なのにお前は、自身の事を省みずに……こうして私達を守ってくれたではないか。」

「それ………は……」

箒のその言葉に、夕は震えた声で言い返そうとするが、途中から言葉が出ず黙り込んでしまう。

 

「それがどう言う理由であれ、お前は身を挺して私達を守ってくれて、それでいてお前は去り際に私達にこれまでの一件の謝罪をし、私達の背負うはずだった罪まで自分一人で背負おうとした。」

「……ほう……き。」

夕は震え、怯えにも近いような声で掠れ気味にそう言い、今にも泣きそうになっていた。

 

「そこまでされてお前を嫌悪し恨み続けるなど、出来るわけが無いだろう? それどころか、お前のその本気の姿勢や行動に私達は本心からお前に惹かれ、付いていくと決めたんだ。 例えその道が何れだけ危険であろうと、何れだけ大罪であってもな?」

「そうですわ! 夕さん。」

「……セシリア?」

箒がそう言うと、それに続くようにセシリア達も夕の元へと足を進めそう言う。

 

「私達は皆、夕さんに助けられてきましたわ。」

「僕だってそう。 どうあれ会社を救って僕に自由をくれたのは紛れもない夕だよ!」

「私も同感だ。 嫁よ、あの時私を助けてくれ、私に力の在り方や生きる為の標を示してくれたのは嫁ではないか!」

「洗脳とかワケわかんない事もあったけど、それでもアタシ達はあんたに救われて、助けられた。 手口が判明して一度は複雑になったけど、それでも身を挺してアタシ達を守ってその上でその罪を背負おってあのカルト教団に入ろうとしてたってのに、アタシ達だけ無関係でのうのうと過ごそうだなんてするほど薄情な真似はしないわよ。」

それぞれがそう言い、今にも泣きそうな暗い表情の夕を励ましていく。

 

「皆……っ…………ごめん……俺は、お前達に酷いことをしておいて、こんな……」

「酷いことをしたのはお互い様でしょ? そんでもって、助けたのもお互い様。 それに、どちらにせよとっくの昔に一線なんて越えちゃったしね?」

泣きじゃくりただ謝り続ける夕に、鈴は小悪魔の様な妖しい笑みを浮かべながらそう言う。

 

「そ、そうですわ! 今更離れろだなんて方が無理な話ですのよ!?」

「確かに。」

「同感だな。 さぁ、夕……」

「僕達はもう何がなんでも夕と終わりの瞬間まで一緒にいる。 だから……」

そう言い、五人はそっと夕に手を差し伸べる。

 

「……」

「「「「「一緒に行こう(行きましょう)!」」」」」

「……あ、あぁ、一緒に─────」

そして夕に向けてそう告げ、夕はゆっくりとその手を取ろうとした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『『うああ(きゃああ)あああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』』

 

 

「「「「「「ッ!?」」」」」」

その時、森の方から子供の悲鳴が聞こえてきて、夕達は全員外の方に視線を移して驚いていた。

 

「子供の悲鳴!?」

「な、何が起こってんのよ!?」

「言ってる場合か! 急いで助けに行かなきゃ───」

夕はそう言いかけたところで立ち止まり、罠であることやこれによって自分達の隠れ場所が彼等に見つかる可能性を考えてしまい、動くことを躊躇ってしまう。

少女を助けたら箒達に命の危険が、とは言え何もしなければ子供の命が……そう考え葛藤してしまう。

 

「嫁よ、まさか迷っているとは言うまいな?」

「そ、それは……」

夕はに図星を突かれて何も言い返せなかった。

 

「私達は大丈夫だ。 だから……」

「子供の元へ向かうぞ?」

「し、しかしそれだとお前等が……」

「ええい! まだそんなことを言うか!?」

そう言い、箒は夕の胸ぐらを再度掴んで引き寄せ睨んだ。

 

「私達は死なない! 死ぬ時はお前と一緒だ! だから私達を……お前が信じ、想ってくれた私達を信じろ!!」

「っ……分かった。 でも、無茶だけはしてくれるなよ?」

「フッ……お前こそ無茶して倒れたりするんじゃないぞ?」

「分かってるさ。 ありがとう、箒。 それじゃあ、行くぜ皆!」

そう言い、夕達は洞窟を離れてそれぞれのISを展開し、そのまま森へと飛んでいったのであった。

 

 




神様アンチが必要かどうかのアンケートに関してはプロローグが終わるまでやってます。

神様アンチを諸事情で一度消したがしかし、とりあえず聞きたい。神様アンチあった方が良いと思う?

  • あっても良いと思う
  • 要らないと思う
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