アクセルワールド 悪意の使者   作:オメガリバイブ

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第四話 共鳴する悪意

 アークがとりあえずの体を手に入れてから数日後。アークはコスモスに呼ばれ、無制限中立フィールドにダイブし、合流地点である東京ミッドタウン・タワーに向かう。

 

 東京ミッドタウン・タワーに着くと最上階らへんに2つの生命反応を確認した。

 

(──恐らく、コスモスとバイスだな。さて、素直に登って行くのは効率が悪い……跳んで行くか)

 

 アークは足に跳力強化の心意を纏わして、飛び上がる。今、この無制限中立フィールドは《黄昏》になっていて、ミッドタウン・タワーの外壁がその影響で崩れており、アークはその崩れた所に着地する。

 そして少し歩くと、コスモスとバイスが目玉の様なもの前に立っていた。

 

「来てくれてありがとう、アーク。今日は頼み事があるの」

 

「そこにあるものことか?」

 

 アークは目玉の様なものを指す。

 

「そう。これに以前手に入れたレッド・ライダーのデータ(・・・・・・・・・・・・)と貴方の心意をこれにインストールして欲しいの」

 

「それで何をするつもりだ?」

 

「レッド・ライダーのアビリティ《銃器創造(アームズ・クリエイション)と貴方の負の心意を使って、誰でも手軽に心意技を使えるようにするアイテムを作る。……確か負の心意は使えば使うほど、増幅していくのよね?」

 

「ああ、そうだが」

 

「良かった。それで、増幅された負の心意をこれに貯めて、私達の新しい切り札を作るの。それにこれはサーバーと繋がっていて、貴方に使用者のデータが行くように設定すれば、貴方の完全な復活に大きく近付くじゃあないかしら?」

 

 コスモスの提案はアークにとってレッド・ライダーのデータと釣り合う物だった。

 

「なるほど、そう言うことなら良いだろう」

 

 そう言うとアークはキーを出して、目玉に突き刺すし、データと心意をインストールする。

 

「インストール完了」

 

「ありがとう、アーク。それでもうひとつ頼み事があるの」

 

「なにかね?」

 

「近々、ヘルメス・コードを縦走するレースがあるの。そこに貴方が参加して、ギャラリーを巻き込んで心意を発動して欲しいの」

 

 ヘルメス・コード。

 何年前に東太平洋に建設された宇宙エレベータである。

 

(確かソーシャルカメラがそこに輸出されると、父さんが言っていたな)

 

「なるほど……心意は一般に知られていないから、レースで心意を見せれば、心意を使いたがる奴が現れる。そこでこいつを使ってお手軽心意キットを造ってバラ撒き、使った奴の負の心意のエネルギーを回収するといことだな」

 

「ええ、流石はアーク。だからお願いね、レースの予約はバイスが取ってくれているから」

 

「そうか助かるよ、バイス。……もしかしたら奴も参加しているかも知れないな」

 

 アークの脳裏にシルバー・クロウの姿が浮かぶ。

 

─────────────────────────

 

 数日後、あの後でバイスからもらったレースの招待状に書いてあった指定された車に近付く。

 

 アークはまだ自分の正体がばれないよう、姿は全損する前に戦ったことのある名も忘れたバーストリンカーの姿になっていた。

 

(レースゲームをやるのは久しぶりだが、まぁなんとかなるだろう)

 

 アークは車に乗り込み、競い相手を見る。そこにはシルバー・クロウ達もいた。

 

(今日にでも目覚めて貰うぞ)

 

 そしてカウントダウンが始り、レースを見に来たバーストリンカー達の声が響き渡る。

 

「……今日がブレイン・バーストの変革の日だ」

 

 そしてカウントの光が赤から青に変り、アクセルを目一杯に踏み込んだ。

 

 アークは最初の方は他の車と離されないようにアクセルを目一杯踏むが、ある程度まで進むと、アクセルから徐々に足を話して行き、わざとスピードを落として最後尾まで落ちる。

 

「このくらいまで落とせば良いだろう」

 

 アークは体から心意のエネルギーを出して、車を先程まで出していたスピードを超えるスピードを出すために、車を改造していく。

 

 改造が終わるとまたアクセルを目一杯踏み込み、徐々に前の相手を抜かしていく。そしてスピードは先程の倍になり、先頭を走っていたシルバー・クロウ達の車を軽々と抜いて行き、目の前に出たワープゲートを抜け宇宙空間にでる。

 そして宇宙空間にでると先程通ったワープゲートから10㎞進んだところでアクセルから足を外して、ブレーキを目一杯踏み、ハンドルを180°回転させる。

 

「一度こういうことをしてみたかったんだな」

 

 車を止め、車から降りる。このヘルメス・コード自体に重力が発生していて、体が浮くことはなかった。

 そしてギャラリー達がアークが車から降りたことにざわめく。

 

「なんだあいつ?車を降りたぞ」

「あんな加速をしたんだ、故障するだろ。自業自得だな」

 

 そんなギャラリー達の声をアークは……

 

「……その反応は予測済みだ。そして君達はこれから“私”という存在を認証し、その圧倒的な力に屈服するのだ。……………変身」

 

 アークは腰についてるベルトのボタンを押す。

 

《アークライズ!》

 

 ベルトから3つの黒い流体金属が流れ、様々な動物に変化しあらゆる悪意の声が流れる。

 そして黒い流体金属はアークの本来の姿を形取り、今のアークの体を上書きする。

 

《オール・ゼロ!》

 

 変身したアークを見て、ギャラリー達が再びざわめいた。

 

「おい!あいつ姿が変わったぞ!」

「あんなアバター見たことねえ!」

「おい!急いでレギオンへの勧誘の準備をしろ!」

 

 そんな声をよそに、アークは急速に負の心意のエネルギーを貯め始め、体が薄く黒く光る。

 

「さあ!変革の時だ!──マリス・ワールド(悪意の世界)!」

 

 放たれた負の心意のエネルギーは、波となってヘルメス・コードを黒く侵食していって、波はギャラリー達が居るところの一部まで到達した。

 

「なんだこれ!力が出ない!それにHPバーがすごいスピードで削れ……グァァァァァ!!」

 

 心意攻撃の対策を知らない物達が次々と倒れ消えていく。

 そしてシルバー・クロウ達が心意攻撃の影響を受け、乗っていた車が徐々にスピードが落ちていく。

 

 この心意攻撃はその空間内にいる者にスリップダメージと強制的に零化現象(ゼロフイル)させるものであり、対策をしても零化現象(ゼロフイル)を避けることが出来ない。

 

 その中、一人だけ動ける者がいた。シルバー・クロウだ。

 シルバー・クロウは他の者の様子を見て、アークの方を向き、そのまま突っ込んで来る。

 

「ウオオオオオ!!!」

 

 シルバー・クロウは右ストレートを打つが、アークの左手に止められる。

 

「いいストレートだ。だが、甘い!」

 

 アークはシルバー・クロウの手を持った左手を横にずらし、シルバー・クロウの鳩尾を右手でパンチする。

 

「グハッ!」

 

 シルバー・クロウが少し怯むと、右手を首に持っていき、首を持ち上げる。

 

「……不思議に思わないか?なぜ自分は他の連中らと違って動けるのか。その答えは、お前が私と同じものを持っているからだ!」

 

 アークは首を持っている右手から負の心意を送る。

 

 すると、シルバー・クロウの尻から鋭い尾が生えて、アークの胸甲を傷付け、アークは傷付けられた痛みで首から手を放し、少し後ろに下がる。

 

「さあ、目覚めの時だ。──クロム・ディザスター」

 

 シルバー・クロウの体が徐々に変化していって、二足歩行のドラゴンの様な姿になった。

 

「■■■■■■■■───!!」

 

 変化したシルバー・クロウはアークを攻撃しようとするが、アークは一歩も動かない。

 アークはシルバー・クロウが動いた瞬間、2億通りもの攻撃パターンを予測し、それに自分がどう対応するかを立体的なイメージを見る。その時間は0.5秒ほどである。

 

「予測完了。二手で決まる」

 

 アークはベルトのボタンを押す。

 

《オールエクスティクション!》

 

 シルバー・クロウはアークの予測の一つの飛びかかり攻撃をしてくる。

 アークはそれの対応に軽く身を屈め、シルバー・クロウの顎に向けてアッパーをかけ、次に必殺技のエネルギーを右足に集中させて、踵落としを決めて、シルバー・クロウを地面に叩きつける。

 そして叩きつけられたシルバー・クロウの頭を踏みつけ、見下ろす。

 

「まだその程度なら、回収する価値もない。もう少しクロム・ディザスターとして強くなった時に回収させてもらう。──さらばだ、今日の私の目的は全て完了した」

 

 アークは心意攻撃を止めると、ヘルメス・コードから落ちて、現実世界に帰った。

 

 

 




 次回もお楽しみに(* ̄▽ ̄)ノ~~ ♪

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