番外のよん/普段穏やかな人が怒ると怖い。……怖い。
───朝が来た。
東屋横の坂に座り、どこかを見ている俺。
どこ? どこを見ているんだろうか。なんかもうわからない。
鳥が飛んできて、肩に留まったりしてるけど、なんかもうそれすら気にならない。
ウフフ、キミタチはいい子ね……とか口からこぼれそうだ。
森の奥におわすエルフ少女とかがやりそうだ。やらないけど。
「華琳様……さすがに強引が過ぎたのでは……」
「仕方ないじゃない。ああでもしないとずうっと先延ばしにするわよ?」
「それはそうですが……」
東屋では華琳と秋蘭がお茶をしている。
彼女らが来る前からたそがれていた俺は、いったいいつからここに居たのかさえ思い出せない。
エ、エート……なにをしてたんだっけ。なにをすればいいんだっけ。
ア、ソウダー、仕事シナキャー。
書類整理がきっとある……あるから仕事シヨウ。
「ジャア華琳サン、僕仕事ニ戻ルカラ」
「ないわよ仕事なんて」
「………」
「………」
「無職の俺にどうやってこの人数を幸せにしろとォオオーッ!!」
泣いた。
限界であった。
いや、言った言葉に偽りはない。
けど、言ったあとに現実と向き合いつつ思考して、その間に気づけば元娘たちとのデートが終わっていて、さらに気づいたらこの場で朝を迎えていた。
ああ、うん、一個だけね? 一個だけ、全員を迎え入れる方法はあるんだよ。
以前だって出来たことだ、やろうと思えば出来ること。
ただ…………ただなぁ。
「悩むくらいなら踏み出しなさい。私はあなたが決意するまで、なんて面倒なことは言わないし実行もしないわよ」
「う……華琳……」
「現状、この国の王は───名前こそ違えど、かつての娘だった子たちの親でしょう? なら、その親に男の力というものを見せ付けてやればいいのよ。辻褄が多少変わっても、私たちがここに居るからには招かれた事実は変わらない。あなたはここに、男として帰り、その強さを見せ付けるために存在する」
「………」
そうなのだ。
みんなとともにあるためには、この地にて、力を見せ付けなくてはいけない。
男なぞこんなものと見下してしまっている王たちを見返して、発言権を得なくては。もはやかつての御遣い、という言葉だけでは笑われるだけだ。今、この地では力こそ全て。男であるというだけで見下されるのが簡単に想像出来る。
今はまだ都に居るからいいけど、魏呉蜀、何処に行こうとその在り方は存在するだろう。
だから。
「………」
目標、出来たな。理由も出来てしまった。じゃあ立たないと。進まないとだ。
そうだ、なにもかつての娘を嫁にしたいから、なんて考えで動かなければいい。
幸せにしたいのだ。
理由なんて、それでいい。それだけで……立てるから。
「誰かある!」
「ここに」
呼んでみれば、いつから居たのか述がシュタッと現れた。
「よしっ、片春屠の準備をせよ! これから魏呉蜀回って戦争だ! 最強を謳ってる天狗の鼻を折りにいくぞ!」
「───……父、上……! ついにご決断を……!?」
「ふふっ、戦争ね。確かに、今の大陸の在り方はどうかと思うわね」
「華琳様……それでは?」
「いい加減、呉の子たちも限界でしょう? 三国の願いは我らの願い。“誰もが笑っていられる国”を穢した罪は重いわよ」
「……はい。我々の時代、民も兵も良い顔で笑っていました。それを見下すような行為……私も我慢なりません」
「良い心掛けね。子孫だからと甘い顔をする理由など捨てなさい。今の三国は、非道を歩んだ。───さあ、生きることへの必死さも、死ぬことへの苦しさも知らない甘ったれた世界の王に、力というものを教えに行くわよ」
「「「「応ッ!!」」」」
いざ開戦。
笑顔の尊さを投げ捨てた者達へ、鼻で笑うのではなく心から笑うことの楽しさを叩き込みに……!
「あ、その前に宣戦布告はしよう」
「当然ね」
不意打ちはいけません。
思い出したのは麗羽のことや、毒矢で雪蓮が死んだ時のこと。
いろいろ混ざったことで冷静になれることもある。
華琳を見ると、彼女は困ったように笑った。
───それからの話をしよう。
別になにか難しいことがあったわけでもなく、宣戦布告は受け入れられた。
男が勝負を挑むとは、なんて笑っていたらしい。むしろ“来るなら来い、遊んでやろう”といった態度だそうで、警備もろくに待機させずにふんぞり返っているそうな。
こちらとしては、まあ都合が……いいのか? まあいい。
この時代までに散々と改良された片春屠で突撃を仕掛け、建業に着くや女性の皆様戦闘体勢。といっても、あの時代のように兵が何万も居る、なんて状況にはならない。せいぜい十数人かそこらがニヤニヤ顔でこちらを見て構えるだけだ。
こちらは単身。みんなにはあとからゆっくりとどうぞと言ってあるだけあって、のんびりと来るらしかった。
対する建業の女性たちはとても血気盛んであり、ニヤニヤ笑いつつも“男が宣戦布告とはいい度胸だ”などと言って襲い掛かってきた。
……まあその、
(宣戦布告のお手紙を七乃に任せたのは失敗だったかなー)
とは思った。一体なに書いたんだ、七乃。
ただまあ、こっちがやることはな~んにも変わらない。
血が薄かろうがどうなろうが、間違った家族にはゲンコツ制裁。
超曽祖父として、怒りのままに行動することを許してほしい。
「はああ……」
王が出るまでもないとばかりに襲い掛かる皆様を、襲い掛かってきたなら敵であると断じ、ブチノメす。
遠慮? いや、する理由が建業に来るまでに全く無くなった。
途中でいくつか町に寄ったんだけどさ。いや、本当に……男の扱いがっ……まるで奴隷でね……!
「お前ら……いったい過去から何を学んだぁあああああっ!!」
当然、あの時代を必死に生きてきたみんなを見てきた俺にとって、遠慮を無くす理由としては十分すぎたわけだ。
おかしな話、俺だってただ平凡に生きていた頃は、過去から学んだものなんて僅かだと思う。戦争を知識としてしったって、実際に死線を駆けたわけでも、間近で人死にを見たわけでもない。
“戦争するなんて馬鹿だろ”なんて適当に思って、せいぜいでしかめっ面をするくらいだっただろう。
でも、だめだ。
実際にあんな世界を見て、歩いて、駆けて、その中で立派な志を以って、人の未来を信じた人達をこの目で見た。
あんな世界を知ってしまっては、こんな未来はあんまりだ。
だから……暴れた。
それはもう暴れた。
平凡だった頃の俺が見れば、“見ていないんだから仕方ない”なんて苦笑するところだろう。こうして強く拳を握ってみても、“そう思える自分”も確かに自分の中には存在している。
でも……ああ、“でも”も“だって”もいくらでも使おう。
頑張って、苦労して、泣きながらでも目指した夢の果てを、別の誰かに壊されて笑っていられるほど、我慢強くなんてないのだから。
(とはいえっ……ごめん、じいちゃん)
こんなところで、練習した“多対一”を実践することになるなんて思ってもみなかった。じいちゃんが知ればきっと呆れるだろう。
けど、皆が笑っていられる国を穢した罪は重い。ああ重い。
それを叶えるためにどれだけの人が苦しんだと思っているのか。
どれだけの人が死んだと思っているのか。
考えれば考えるほど我慢ならず、向かってくる者には片っ端から喝を叩き込んだ。
相手が吹き飛んで地面を転がり滑ろうが関係ない。
襲い掛かる者全てをブチノメしながらゆっくりと城までを歩き、やがて玉座の間でふんぞり返っている女性を視界に納めたまま、歩いてゆく。
「お前が北郷一刀か。ははっ、随分とまあ遅かったなぁ。騒ぎが聞こえてからここまで来るのにいったいどれだけかかってるんだ。のんびり話でもしていたのか?」
「ああ。情けない子孫達にゲンコツをな」
「ゲンコツ? 全員に? はっはっはっは! 噂の御遣い様は随分と冗談が好きみたいだな! それだったら逆におかしいだろう! くっくっく……あの人数だぞ? いちいちゲンコツしていたらいくら時間があっても───」
「なぁ。大切にしていたものを穢される悔しさって知ってるか?」
玉座へ続く階段に足をかけ、ゆっくりと登る。
「あぁ? おいおい、今あたしが話してるだろう。王の発言を遮るなよ、御遣い騙りの偽者野郎。今あたしが───」
「いいから。……質問に答えろ」
怒りは胸の奥で渦巻くばかり。
ノックではなく殴りつければ、すぐに爆発でもしそうな意思がそこにあった。
我慢は……きっと、必要ない。
いつでも好きな時に爆発出来る。
「……ああ、今知った気分だよ。人様の国にずかずかやってきて、今さらなんだってんだ。散々逃げ回って運よくここに辿り着いたんだろ? いいよ、もう見逃してやるからとっとと散れ」
「へえ……そうかそうか、見逃してくれるのか。それはよかった、王自らの言葉なら保証されたも同然だ。まさか前言撤回するなんてことはしないだろうしな。立派なもんだなー、宣戦布告を受け取っておいて、敵を前に“散れ”か。“見逃してやる”か。ははっ……平和なもんだな。じゃあ、王を殴った罪も見逃してくれな。……こちとらっ……いい加減、本気で頭に来てるんだからな───!!」
“一歩”が届く距離まで、あと数歩。
3、2、1───……引き金を殴りつけた。
「あぁ!? 何げはぁっ!?」
一気に近づいて一気に一撃。腹に、氣を充実させた掌底を打ち放った。
拳で思い切り殴ってくれようって瞬間、握り拳を開いてしまったのは……やっぱり甘さなんだろうか。
あー……でも吹き飛んで柱に激突したし、その良心も余計なものだったのかも。
氣って凄いね。人が簡単に吹き飛んだよ。今さらだけどさ。
「いいことばっかりが続いてくれるわけじゃないよな……やっぱり」
女性は確かに強くあって、三国を大事にしていたかもしれない。
けど、いつしかそれを振り翳してしまって、曲がっていった。
男が下を向いて女が高笑う世界。
あっちゃいけないと言うわけじゃない。
それでもみんなはそんな世界を望んで必死に生きてきたわけじゃない。
今には今の生き方があるんだって言われたらそれまでだろう。
じゃあ、こっちは正当な理由でブチノメすだけだ。
なにせ、呼んだのは三国の皆様なのだから。
男の強さを証明してみせろというのなら、存分にやってやるまでだ。
「あぁ、でも、ちょっと落ち着こう……頭冷やそう」
怒り任せに力を振るっちゃいけない。
もう振るっちゃったけど、振るったからこそ落ち着こう。
深呼吸しながら歩いて、柱の傍でぐったりな女性を起こす。起こすというか、癒しの氣を流しつつ、頬をぺちぺちと。
「う、ぐ……?」
「あぁ起きた」
「っ……て、てめうあっ!?」
「───まだ、やるか?」
胸倉を掴んで、ゴッと額と額を合わせ、遠慮無用で殺気を放つ。
ひっ、という声なのか音なのか、低く小さななにかが聞こえ……彼女は涙をこぼした。
戦闘意欲より先に、心が敗北を認めたのだ。……ウン、その気持ち、よーくわかります。男としてどうなんだーとか言われそうだけど、春蘭に追い詰められた俺が、こんな様子だった気がする。客観的に想像してみると、鮮明に想像出来るよ。
「……そか。正直でよろしい。じゃあ説教だ」
「え……? な、なんで」
「きみらは先祖を大事にする。廟が立派だったってだけで簡単に想像がつくし、あの頃に書いた本が原文のまま残ってるってだけで十分だよ。そうだな?」
「う……そうだよ。あたしらは親を、祖父を、先祖を大事にする。それがどうしたって───」
「じゃあなんで、呉でこそ一番大切な、“みんなが笑っていられる国”を手放した。ここじゃあ女しか笑ってない。男はびくびく怯えて、女はそれを見下してるだけだ」
「っ……それはっ……だって……」
「うん。だって?」
殺気はさっさと引っ込めて、どっかと座って話す体勢。
相手はぽかんとしたが、体を起こすと正座で座って、話を続けた。
……こんな時になんだが、やっぱり正座なんだな……。
「……男が最初に変わっていったって聞いてる。女の強さが怖くなった、って……。あたしらだって、べつに最初から見下していたわけじゃないさ……最初は一緒に笑ったりしてたんだ……。けど……最初に喧嘩した時さ。取っ組み合いになって、殴り合いになって……。……一方的だったよ。信じられなかった。男のほうが大きいのに、筋肉だってあるのに……。信じられなかったのは男のほうだって同じだった。まるで化物みたいなものを見る目であたしを見たんだ」
「………」
そうだった。
俺だって疑問に思ったことだ。
明らかに兵の方がガタイがいいのに、それより細い女性の方が何倍も強い。
得物を振るえば人が何人も飛ぶ、なんて状況が平気で起こった。
「それでも手を伸ばしたんだ。友達だったんだ。幼馴染だったんだ。でも……伸ばした先にあったのは、あたしに怯えて下を向くだけの“男”だった」
「……それは」
「なぁ。どうすりゃよかったのかな。怯えるなって言えばよかったのか? 声をかける度に肩が震えるんだ。近づく度に一歩離れるんだよ。なぁ、どうしたら───、……え?」
泣きそうな顔で俺を見る女性。
その頭を、ぽむぽむと撫でる。
あぁ、もう……男、弱し。事情知ったら余計に引けなくなっちゃったじゃないか。
「信じてやれ。見下すな。友達ならとことんまで信じてみろ。子供の頃から大人になるまでずうっと信じてやって、それでも怯えるならそいつが馬鹿だ。殴ってよろしい。でもな、ただ殴るんじゃなくて……目を覚ますためのキツケの一発として、だな。うん」
「そ、そんなの言葉だけじゃ……」
「だから、本当に友達だ、幼馴染だって思ってるなら、その思いの分をぶつけてやれって言ってるんだ。相手のためにってやったことが裏目に出ることなんてしょっちゅうだけどさ、“ここまで”っていうのを考えて実行すれば、そこまで酷い結果にはならないと思うぞ? ……まあ、その前に、まずは本当に三国の男たちを鍛えないとだな」
「……無理だよ。どいつもこいつも、“男だから弱い”っていうのを受け入れてるんだ。だからせっかく道場があったって通いもしない。見下して当然じゃないか。努力もしないでくよくよしてばっかりで……。昔はあんなやつじゃなかったのに……」
「───」
うん、なんかいろいろ理解した。
支柱の名の下、男女平等に鍛え直します。その根性、その性根ごと。
でも、その前に。
「な、子孫よ。この国に笑顔が増えればいいって思うか?」
「え……そ、そりゃ」
「ハッキリキッパリ!」
「え、笑顔が欲しい!!」
「よし。じゃあ───」
ニカッと笑って、彼女の手を取る。
そしてトンッ、とノックさせると、
「覚悟、完了だ」
言って、頷いた。
しばらく呆然としていた彼女は少しののちにハッとすると、何故か目をきらきらさせて俺の胸を見たのちにもう一度自分の胸を見て、自分でノック。そうしてから「ああっ!」と力強く返事をして、笑った。
はい。そんなわけで。
───魏。
「うん……!? 下がれ下郎! ここは男子禁制の、や、ひゃんっ!? やっ……ちょ、なにすっ!? 痛ぁああーっ!?」
玉座の間へ入り、ずかずかと歩いて、王っぽい人を小脇に抱えてお尻ぺんぺん。
ただし存分に氣が篭っているため、音からして異常だったりした。
え? ええ、当然泣くまでやめませんでした。
───蜀。
「だ、誰かなきみは! 男の子がこんなところに来たら、部下の人にひどいことされちゃうんだよ!? 出ていかないと危ないよ!?」
「? ……あれ? お前は男が嫌いとか見下すとかは、しないのか?」
「え? え? しないよ? だって可哀相だもん」
「………」
蜀王は平和な人だった。
ただし、平和すぎて町の様子にも気づいていなかった。
愛紗が居なかったら桃香はきっとこうなってました、を現実に見せられた気分だった。気分だったけど、部下の行動は見過ごせなかったので全員に修正を行った。ゲンコツという名の。
ただしこの蜀王様、ポケポケしているのに腕力が凄かった。
あ、あー……そうだったね、今のこの大陸、強さがモノを言う場所だしね……ウン……。
さて、これらの騒動。
戦争と言ったからには将のみんなや元娘らも参加していて、彼女らは主に町や村を。俺が城に突貫するという役割で突き進んでいた。
王にこそ男の強さを示さなきゃ意味がないからだ。
そうしてコトが済めば絡繰で高速移動をして、次なる場所へと繰り返している内、我らの戦争は一年どころか一ヶ月を待たずして終わった。
「歯応えが無いわね……」
とは、覇王様の言葉である。
これなら馬鹿みたいに突撃を繰り返す麗羽の方が厄介だったと。
というかだ。
「なぁ丕、登、禅。現在の王たちが、俺が覚悟完了ってやるとやたらと目を輝かせてたんだけど……あれってなにかあったりするのか?」
「えっ!? あ、い、いえ、そのぅ」
訊いてみると、丕と禅がとても動揺した。
けれど登は「そのことですか」とケロリとした表情で、
「それでしたら簡単です。あれは子供の頃なら一度は誰もが真似をするものでして、現在の母も魏王も蜀王も、強い男の象徴、天の御遣いが大好きでしたから」
「登ぉおおおおーっ!?」
説明した途端、丕に叫ばれていた。
「と、登姉さま……それは秘密にしておこうと……!」
「え? ───……あ」
「…………」
「あ、あの、父上? 今のは……」
いや……つまり……なんだ、その。
呉や魏や蜀の城に辿り着いた時点では、宣戦布告したにも係わらず俺が北郷一刀だとは信じておらず? 力技で勝ったあとは強い男と認めただけであって? 最後の覚悟完了でようやく理解した……と?
ア、アー……そういえば呉王なんて、やってみた途端に目を輝かせて……あー、ナルホドー。でも……え? 子供が一度はやるって……カクゴカンリョウ? え?
「と、父さま……つまりその、この大陸に生きる者は皆、基本的に英雄が好きなのです。先祖に感謝しながら生きていることに間違いはありません。その中でも、時間と一緒にひねくれてしまった女性にしてみれば、たとえ伝説でも強かった男、つまり天の御遣いは眩しい存在であり……覇王曹孟徳を始めとした、様々な英雄を虜にした伝説の男なわけでして……あの、父さま?」
丕が説明してくれるが、顔が灼熱状態。
顔を覆って背中を向けて、悶えるしかなかった。
子供の頃なら一度は憧れるって……子供たちが街角でカクゴカンリョウごっことかしてる状況を想像してみたら、もう……もうっ……!!
コッ……コロセーッ!! いっそコロセーッ!!
刻むことに恥と感じることなんてないけど、自分のポーズを真似られてるって想像したら、そればかりが恥ずかしい!
「え、えっとその、ととさま? つまりはそういうわけなので……ととさまが本当の御遣いだと理解された以上、話はきっと簡単に済みますよ」
「えっ……ほんとに?」
「は、はい……ですからあの、顔を真っ赤にして泣かないでください……」
「───……」
いい歳こいて、元娘の前で泣く精神年齢お爺さん。
……うん、なんかもう……死にたい。