ギャフターの外のこと   作:凍傷(ぜろくろ)

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支柱王①

番外のご/蒼い天の下で

 

 日々は少しずつ変化するもの、なんてことを誰かが言った。

 ありきたりな日常に欠伸をこぼすなんていつものこと。

 じゃあ毎日は本当に同じなのかと訊かれれば、そんなことはない。

 同じことに飽きたのなら一歩を踏み出してみよう。飽きたなんて言葉はその後からでも十分だ。

 面倒だという意識が先に走るなら、まだまだ世界には飽きは無い。面倒を越えた先にあるものを見て、一度心ゆくまで表情を破壊してみよう。

 

「あはははははは!! あはははははは!! ぷふっしゅ! ぷはははははは!!」

 

 さて、ここに全力で笑っている女性がおる。

 この者、プロポーズされた覇王の知り合いであるが、彼女がプロポーズされて気絶したことを知ると、それはもう遠慮もなしに笑い始めた。

 

「普段から人に察しなさいとか言っておいて、いざ大事な告白を受けたらっ……! きぜっ、気絶ってあはははははは!!」

 

 結局のところ、いろいろと悶着はあった。

 主に俺の思考内での悶着だけど、それも今は落着している。

 一夫多妻制度を受け入れることにしたし、あくまで門下生としてなら氣を教えることにも頷いた。

 ……大体にして、氣の在り方を探って引き出してやらなきゃ、使おうにも使えないだろうし。誰か一人が覚えて他の人に教える、なんて器用なこと、それこそ御遣いの氣があって相手の氣に干渉しやすい人じゃなきゃ無理だ。

 で、御遣いの氣を持っている人物は限られているわけで。

 ……結局のところ、門下生にならなきゃ覚えられないのだ。

 そのことを華佗と相談し合ったら、話を受けようってことで落ち着いた。

 教えるのはもちろん剣術メインでございますが。だってそういう道場だし。

 

「それで、どうするの、一刀。結婚はここでして、暮らすのは道場、ということになるの?」

「それはもうちょっとこっちの事情と向こうの事情を考えてからだなぁ」

 

 心配を口にしたのは蓮華だ。

 そうなのだ。結婚はこっちでしか出来ない。重婚ってことになるし。

 もちろん道場のこともあるから、向こうにも戻らないといけない。道場経営が始まればこっちにはなかなか戻れなくなるだろうし、やれることはやっておこうって話になる。

 そんな結論に到ったなら告白。で、告白したら気絶したと。

 

「あ、ところで前に送った手紙の返事が届いたんだけどさ」

「一刀のお爺様に送ったものよね?」

「へ~っ、どんなお返事かなぁ。あ、結婚式には来てくれるのかなっ」

「桃香様……前の手紙に結婚の話など書いてはいなかった筈ですので、それはないかと……」

「あれ? そうだっけ。ていうかどうして愛紗ちゃんがそんなこと知ってるの?」

「ああうん、ちょっと手伝ってもらったんだ。家族に手紙って、結構難しいというか恥ずかしいというか、複雑な気持ちだったから」

「むー、私も呼んでくれたらよかったのにー」

 

 まあ、日々は相変わらずだ。

 飽きることは、今のところ……無い。

 言う通り、変わらぬ騒がしい日々ばかりだけど、それでもだ。

 大変だなぁとは思っても最後には笑っているのだから、そんな苦労も楽しめているのだろう。

 

「それでご主人様? ご主人様はどんなお手紙出したの?」

「曾孫の名前……真名を考えてくれって」

「「「「………」」」」

 

 ぽんと出した言葉に、全員が停止した。

 けれど次の瞬間には元娘たちが騒ぎ出す。

 

「父さまっ! 私の真名は父さまがつけてください!」

「そうだぞ父よ! 見たこともない曽祖父に名づけられるのは怖いぞ!」

「って言ってもなぁ。お前たちが産まれる前に、約束したわけじゃないけどそれっぽい話をしちゃってな」

「あの~……お父さん? 話をしたってだけなんですよねぇ? だったらそうしなくてもいいんじゃないでしょうかぁ~」

「まあ、そうなんだけど。曾孫の名前をつけたいっていうじいちゃんの気持ちも、解らないでもないんだよな」

 

 でも、そっか。

 だったら……

 

「まあ確かに、今じゃ“元”娘のお前たちの真名をじいちゃんに頼むっていうのは変か」

「は、はいっ、ですですっ! なので是非───」

「その場合、親でもない俺がつけるのもおかしくないか?」

「「「「いえ全く!!」」」」

「エー……」

 

 全員一斉に、そう返してきた。

 元娘達がとても元気でなにより……って言っていいのかなぁ。

 

「解った、じゃあ……そうだなぁ。今度こそ、産まれてきた娘達には名前をつけようか。お前たちの名前は女性親の皆様が俺の意見は一切関係無しに決めちゃったから、今度は……」

「「「「………」」」」

「……なんで、睨むかな?」

 

 娘が産まれる、という部分で元娘たちが何故か睨んで───って待て、あれ? 待って? なんかもう普通~に、娘が産まれることを確信してないか?

 ……い、いやっ、いやいやいやっ、次は本当に息子だよ!? 息子だもん! キャッチボールして遊ぶんだよ!? 本能的に認めてるとかそんなことは無い! 絶対に無いから!

 

「───」

 

 落ち着こう。

 状況的にもいろいろ余裕が出てきたし、ようやく腰もどっしり下ろせそうだ。

 でも下ろして固まるより先に、一度日本の道場に戻って纏められることを纏めておきたい。フランチェスカにも挨拶しに行きたいし。

 

「あ、手紙」

 

 まあとりあえずだ。

 まずはじいちゃんからの手紙を開けて、その内容を確認する。

 主な話題は…………

 

 1、中国文字が解らん

 

 2、国際電話をした際、どこぞのお嬢さんが応対してくれたが、中国語で何を言っているのか解らなかった

 

 3、だというのに10以上の名を考えろというのかお前は

 

 ……などなど。

 ワー、ソッカー、やっぱり普通に聞くと、ただの中国語にしか聞こえないのカー。

 

(……御遣いの氣ってすげぇ)

 

 初めてあの時代に降りた時も、羅馬に行った時も、言葉が解った理由はソレらしかった。だから及川も普通に会話出来る。……思えばあいつにもそういった氣があるんだよな。なにか頼もうか。……まあ、それはいずれ考えよう。

 ともかく、こんな手紙が来た以上、一度じいちゃんのところに戻ってじっくり話し合うのもいいだろう。道場のこれからのこともしっかりと決めなきゃいけないしね。

 

「これでよしっと。思春、この手紙を各国の王に出してもらっていいかな」

「手紙か。よく解らんが、けーたいとかいうもので知らせれば早いんじゃないのか?」

「いや、こういうことはしっかりと届けないと。ていうか時代が時代でもこういうことをメールで送るのはどうかと思う」

「そうか。お前がそう言うのなら、そうしよう」

「……思春も本当、一刀に甘くなったわね」

「蓮華様。これは私が支えてやらねば駄目になります」

「いやいや俺頑張ったよ!? あの時代で最後までしっかり頑張ったって!」

 

 思春がもはや甘やかしまくりのお方になっていて怖い。

 気を張ってないと仕事全部奪われそうなくらいだ。ただでさえ、やること少ないのに。

 

 

 

 ───……と。

 そんなわけで、各国の王に実家に帰らせて頂きます、と手紙を送った俺だったのだが……わざわざ高速移動絡繰を出してまで各国から伝令が届き、呆然。

 ここへ辿り着くために、氣の鍛錬をした女性が何人も全力放出をして昏倒したことを聞いて、唖然。

 町から町へ辿り着く度に操縦者を変えて、同乗してやってきたのは各国の王様であることを知って、愕然。

 まさかそんな絡繰に王が乗ってくるとは思わなかったのだ。

 それ以上に驚いたことに、皆、口を揃えて言うのだ。

 

  “王が国を出て何処へ行こうと言うのです!”

 

 ……と。

 王……王? …………OH?

 しばらく硬直していたこの北郷めに、三人はどこか胸を張って続けました。

 なにか忘れてるなー、なんて何かが引っかかっていた俺へと、真っ直ぐに。

 言われた言葉が頭の中で渦巻き、やがて形になると……静かに涙を流しました。

 そう、言っていた。言われていた。知っていた筈だったのに。

 

  今の大陸は実力至上主義。強いからこそアマゾネス状態。

 

  強者こそが王になる、なんてこともやることがある、と。

 

 ……はてさて。

 この北郷めは果たして、三人の王になにをしちゃいましたっけ。

 問答無用で掌底ブチ込んだり、お尻ぺんぺんしたり、緊張感に欠ける王を正座させて説教地獄したり…………わあ、結果として勝っちゃってる。魏王や蜀王なんて特にで、お尻ぺんぺんや説教地獄で泣かせちゃってる……。

 そんな、自室にて各国の王に……───も、元王に詰め寄られて、頭を抱えそうな俺に、元魏王が真面目な顔で言葉を放つ。

 

「王。日本に帰ったとして、あの人数を養うだけの貯蓄がおありですか?」

「王って言わないで!? ……っ……ぐぅ……無いけどさ……!」

「ならばこの大陸で一夫多妻制度を受け入れ、根を下ろしてください。強きあなたになら、先祖が愛したあなたになら、民も時代も託せます」

「きみたち面倒になったとかじゃないよね!? なんか凄く嬉しそうなんだけど!?」

「強き男に出会え、他の男たちも強さに欲求を出し始めました。こんなに嬉しいことがありましょうか!」

 

 魏王さん、フンスと鼻息も荒く目をキラキラさせている。

 お尻ぺんぺんされても相手をこんな目で見ることが出来るって、ある意味すごいよな……。

 

「そうだ。あたしもあなただったら文句などない。天の御遣いといえば、大陸に生きる者にとっては憧れの存在だ。長い歴史の中、唯一と言っていい強き男の伝説……誰もが書物を読み、どうせただの誇張だろうと笑いつつも目が離せなかったものだ。1800年後を託されたあたしたちからしてみれば、その日を待ったには待ったが……はっきり言って信じちゃいなかった。仕方ないだろ、伝説ってのは過去のことだから。なのにまさか本物でっ……あああああたしの胸にっ……か、“覚悟完了”をしてくれるなんてっ……!」

 

 呉王さん、まるでヒーローショーのヒーローを前にした子供のような燥ぎっぷり。

 あとその言い方だと誤解が生まれるからやめようねー!?

 俺がやったのはキミの手を取って、キミの手をキミの胸にぶつけるみたいにしたノックであって、俺がキミの胸に触ったとかじゃないからねー!?

 

「そうだよ~、私も飾りの王みたいなのではあったけど、心配してたのは確かだし。それにあんなに真っ直ぐに、思いっきり叱ってくれる人なんて今まで居なかったから……」

 

 平和そうでいいなぁこの蜀王様。

 なるほどー、こんな状況になってみると、覇王になった直後の華琳の言葉も解るなぁ。

 いっそ三人に国を任せて、自分は自分のためを全力で、と……そんな選択をしたくなる。

 

「ちなみに各国を私たちに任せて、自分は極力係わらない、という提案は受け入れられません。お言葉ですが、男たちの勢いが安定するまで、男に王として立っていてほしいのです。なにもあなたが強いから、というだけの話ではありません」

「そうそう。あたしたちがあのまま王をやったって、解決することとしないこと……いや、違うか。出来ることと出来ないことがあったんだ。その大半が男の問題さ。だからあなたに頼みたい」

「もちろん補佐なら頑張ってするよ~? あ、でも失敗したら思いっきり叱ってくれると……」

「そ、そうだな。長年の王としての暮らしで天狗になっている部分もある。王、そういった場合はまた遠慮無用で……し、尻だろうとどこだろうと叩いてくれて構いません」

「あの腹への一撃は芯に響いたからなぁ……あ、べつにわざと失敗するつもりはないぞ? あたしたちだってこれでもきちんと王をやってきたんだ。進み方はそりゃあ先人の願いを潰す結果に到ったけど、これからは全力であなたを支えるさ! うん、だからまた叱ってくれ!」

「───……」

 

 前略、華琳様、雪蓮様、蓮華様、桃香様。

 現代の王が、なんだかいろいろな血が混ざった結果、叱られたがりになっている気がします。こんな時代だった上に、アマゾネスワールドだった所為か、それこそ叱られたことなんかなかったのかもしれません。

 本当は誰かにそれは間違いだって叱られたかったのかなぁ……そう思わずにはいられない。なんだいこれ、まるで頑張って大人の気を引こうとやんちゃする子供じゃないか。

 一緒になった男はいったい何をしていたのか。

 

「……今さらだけどさ。きみたち、相手の男はどうしてるんだ?」

「相手? ……ああ、子供を産むための相手か」

「居ません。医学も進歩しましたし、精子のみを採取しました」

「えっとね? 対等として認められない相手に肌を晒してはいけないと、昔から言われてたんだよぅ?」

「───……」

 

 OH……なんということだろう。

 そこまでだったのか、この大陸での男の弱さは。

 ……と、いうかだ。まさか、まさかだが───

 

「ええっと、だな。あー……まさかだとは思うけど。……三人とも、誰かを好きになったこととかすら……」

「「「…………!」」」

 

 ───恋をしたこともないそうです。

 俯いて顔を赤くする三人を前に、この大陸が相当危険な方向に向かっていたことをさらに知った瞬間だった。

 

「だ、大丈夫だっ! 最近じゃ男も随分と自信をつけてきたし、ふとした瞬間の男の笑顔に目を奪われている女を見たこともあるっ! というか、そもそも今までの男どもが俯きすぎていたんだ! 人と目を合わせようともしない、笑いもしない、ただ黙々と小さな仕事をするだけ! そんな存在にどう惹かれろっていうんだ!」

「うん? しかしお前は過去、一緒に居た男が急に変わって泣いたことが」

「黙れ」

「あ、知ってるよそれ。最近は頑張ってる姿を見て、少しホッとした顔を」

「黙れ!」

 

 ともかくいろいろあるらしい。

 まあその、頑張ってください。きっと良い青春になります。

 夢に年齢制限がないように、青春だってまだまだこれからだ。

 というか三人ともまだまだ全然若いんだから、……あれ? ほんと若いよな。いったい何歳でこの時代の丕や登や禅を産んだのか。

 

「ま、まあその、青春しているようでなによりだよ。じゃあそういうことで、俺は日本に───」

「ですからそれは無理だと言っているのです!」

「安定するまでは最低でも都からは出ないでくれっ!」

「まだまだ男の子を見下す子が居るから、そんな子を叱ってくれると嬉しいかなっ!」

「どこまで他力本願なのきみたち! 気持ちは解らなくもないけどさぁっ!」

 

 確かに今、王だとしても女の口から“男を見下すな”なんて圧力をかけたって逆効果だ。

 むしろ一時的でもいいから、強者である女王を打ち下した男として、各国に圧力をかけるくらいのことをしたほうがいいくらいだろう。むしろ冥琳や朱里や雛里にそう言われたこともありました。こうならないことを願いつつ、むしろ望みつつ、様子を見ていたんだけど……まさか自室まで突撃されるとはなぁ。

 でも、だからって…………えぇえ……?

 や、やるしかないのか? 本当に?

 俺も過去から何を学んだー、とか言って殴っちゃったけどさ。これって俺が最後まで始末をつけなきゃいけないこと…………なんだろうなぁ。

 だって、この時代の決め事に倣うなら、俺……王になっちゃってるらしいし。

 

「~……ああもう! 解ったよ! 叱るためとはいえ打ちのめしちゃったのは確かだし、そういうことのためでも暴力を振るった俺の自業自得だ! ───思春! みんなを中庭に集めてくれ!」

「任せろ」

「「「ひゃわぁっ!?」」」

 

 気配を全く感じさせずにその場に居た思春に、三人が心底驚いた。

 しかも驚いた頃には既にその場から消えていて、出入り口の扉がいつの間にか開いているんだから仕事が早い。……っと、俺も行こう。呼んでおいて遅れるとうるさいからな……主に桂花が。

 

「ほらっ、お前たちも来るっ! 嫌な気分とか味わうかもだけど、各国を一緒に回ってもらうからな!? 女性が負けたなんて信じない、なんて言ってる子が居たらいろいろ対立するだろうし、一時的に、本当に一時的にだけど負けたって事実を解ってもらうために一緒に歩いてもらうから!」

「お、おお……なんか急に慌しいな。でもこういうの、嫌いじゃないあたしが居る」

「思えば男に強気で物事を言われたことなんて今回が初めてだからな……」

「二人は賛成なんだね。私はむしろ、いい方向に転んでくれたらな~って思ってるけど」

「話してないでさっさとする! ほらっ、ついてこい!!」

「「「っ! は、はいっ!!」」」

 

 なにやらひそひそと話し合っていた三人に、歩きながら声を投げる。

 娘、孫、曾孫と散々相手にしてきた所為か、こういう時はつい声を張り上げてしまう。

 怒鳴るんじゃなく、言葉通りに急かしているわけでもない。ただ、待っているからここまで来て手を取りなさいって感じに。

 なのに……どうしてでしょうね覇王様。

 慌ててぱたぱた駆けて来た三人が、なんだか目をきらきらさせて俺を見るんです。

 「“ついてこい”か……な、なんかいいな……なんかいいなっ、こういうの……!」とか、「ついていこう、って自然に思ってしまった……自信を持った男はこうも違うのか……!」とか、「また怒られちゃった……えへへ、やっぱりいいなぁ、ただ怒鳴るだけじゃなくて、きちんと叱ってくれる人って」……なんて言っている。

 イヤ……アノ。ワタクシといたしましては、結局はソノー……ホラ、娘の娘の娘の娘の……アルティメット娘って感じだから、ついこう、身内気分で声をかけるようになってしまうだけであって、早速王としての在り方に倣った~とかそんなことは一切無いのデスヨ? 打ち勝った男として偉ぶるつもりも全然ございません。

 だというのにいったいどうして……!

 

「………」

 

 いい加減目覚めなさい、北郷一刀。

 なんかもうこういうのもいつものコトだって、長い人生で学んだではありませんか。

 娘や孫や曾孫に散々と振り回されて、様々な意味での女性経験だけは無駄に積みました。だからもはや迷うまい。突撃あるのみです、一刀よ。

 

「───……」

 

 笑顔でホロリと涙しつつ、中庭へ向かった。

 昔から続いていることだ……女性のことで振り回されたり頭を抱えることなんて今さらだ。…………今さらだ。うん、本当に……うん……今さら……今さらなんだよな、ほんと……うん……今さら……。

 だから、頑固で我が儘で解らず屋に育った子孫に喝を刻みに参りましょう。

 ああもちろん、そんな状況に便乗して調子に乗り、勝気になって女性を見下す男が居たら、過去のこの北郷めのように空を飛んでいただきましょう。およばずながら全力で拳を振るわせていただきます。

 なにかの勢いに便乗するなとは言わないけど、人を見下したり罵倒したりしたいなら自分だけでいきなさい。後ろ盾を持たず、己自身のみでだ。親が偉いからとか後ろにはなになにが居るだとかそんなのは抜きにしてだ。集団の強みで誰かを見下すような存在は、この御遣いめが許しません。

 

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