「よし、じゃあ戻ろうか」
「待て貴様。まだ城から出て大した時間も経っていないぞ」
「いや、なんかもう覚悟決まったならなんでも来い状態というか」
むしろ心が統一されて、時間が経つにつれ馴染んだ結果、なにがなんでも幸せにしてやりたい人がたくさん出来ました状態だ。
しかも“俺”以外の北郷な皆様が、娘も幸せにしろとか、出来なきゃ男じゃないとか、なんともまあ勝手な後押しを意志に残して……!
そりゃね!? 俺だって幸せにするのは当然として心得ておりますよ! だからって娘と結婚!? その後は娘と初夜ですか!? 日本人として生まれて、そこに抵抗覚えないって嘘だろ!
(貴様に天下の何が見える? わしを止めたくば、相応の大志を示せ!)
(孟徳さん!?)
確かに天下の問題に影響する話ではありますがね!? あなたを止めたってなんの解決にも繋がらない気がするのですが!?
「………」
でも、そうだ。“天下のなにが見える”か。
幸せにする。これは確定。
泣かせるにしたって幸せの涙がいい。これも確定。
じゃあどうするか? 頑張るしかないでしょう。これは確定していた。
だから……ちと卑怯ではあるけれど、他の北郷一刀の感覚を少し借りようと思う。娘は大事だし幸せにしたいけど、だからといってかつての娘と結婚というのはさすがに抵抗が……!
「………」
「? お兄さん?」
ハテ。なんだかとても懐かしい感情が、我が胸の内に湧き出したのですが。
幸せにする。それはいい。でもどうやって? 他の北郷一刀の感覚で。幸せにしたいのは“俺”なのに? でも“自分”だって“俺”なんだし、いいんじゃないか? ───…………
「……否である」
「……? ど、どうした? 急に殺気が───」
思春が心配して俺を見るけど、今はちょっとごめん。
他の北郷一刀にとっては、娘たちはそりゃあ他人かもしれない。別の外史では好きな女性と北郷一刀の娘だって考えはあっても、全ての外史で考えればそうじゃない。
“きっと幸せになる”と信じて男に任せた娘たちは、一様にダメだったことをこの世界で唱えた。
じゃあ相手が北郷一刀ならどんな意志でもいい? それは違う。あいつらがこの人がいいと信じたのは……
「義務感、よくないね」
「……突然どうした」
「いろいろ考えたら目が覚めた。現実に目を向けよう。“娘だから”はもう現実じゃないよな」
「さっきからなにを悩んでいるかと思えば、それか」
「お兄さんは相変わらず悩むと長いですねー……」
「かつての娘と結婚って話になって、ここまで悩まないやつが居たら逆に怖いわ」
元から娘との結婚願望でもあったんですかって疑いたくなるわ。
や、そりゃあ宅の娘たちは目に入れても幸せすぎるというか、かわいくて大事でなんというかこういつまでも傍に置きたい存在ではあったけれど。
でも、現実はそうじゃない。
いつかは嫁に行くんだろうし、それを認めた時にもいろいろな悶着があった。心の中はいつだって穏やかじゃなくて、大事に思っていた相手にさえ“こいつでいいのか”とか“任せてもいいのか”なんて失礼な思考を散々と働かせたのを覚えている。
結果は……この世界で娘達から聞かされた通りだ。
幸福の影には黒がある。昔っから解っていたことだ。
子供の頃に読んだ絵本にもあったじゃないか。
英雄は悪を倒してお姫様と幸せになる。
悪は姫をさらったから殺された。
じゃあ例えば、悪が最初から平和的な方法で姫に求婚をしていたら、悪は幸せになれただろうか。
……そんなことは、きっとないのだ。物語の中、黒には黒の歩き方しか許されない。そんな世界が嫌だから、そんな世界が辛いから、外史は願われて世界が生まれた。
もし、悪とされた存在がただ純粋にお姫様が好きだっただけなら。攫う以外、傍に来てもらう方法を知らなかっただけだったら。英雄なんて呼ばれた存在は、勘違いをした多種族を斬殺した存在でしかないというのに。
「………」
俺達は、望んだ未来へ辿り着けて幸せだった。
幸せの先で、娘達は約束を守って、1800年後へ思いを届けてくれた。
……いつかを思い出そう。
天下が統一されて、雪蓮が呉を、桃香が蜀を任された時のことを。
他者の天下の下でも誰もが笑っていられる世には辿り着けた。
桃香が辿り着きたかった平和にも、きちんと辿り着けた。
じゃあ、俺達が得た統一の先の世界では、生前の娘たちが叶えられなかった幸福は得られないのか?
それは否だ。とても単純で簡単なことで、それは叶えられる。
幸福の影で黒を味わった娘たちが、今度こそ幸せで居られるよう───俺が、きちんと俺の意志のままに頷けばいい。
他の北郷一刀の意識を借りるなんてズルはしないで、だ。
「はぁあ……なんかつくづく、誰かに相談しないと長いなぁ俺……」
「血の繋がりにこだわっていたのはお前だけだろう」
「(あ、“お前”になった……)……思春は賛成なんだな」
「……こんな私でも幸せを感じられている。お前以外に誰が居る」
「…………」
トクンと胸が高鳴った。───いやトクンじゃなくて! なんでそんな格好いいんですか思春さん!
そんな薄く笑んだ顔で、風に髪をなびかせながらとか、どこぞのイケメンさんくらいしかやらないと思ってたのに!
「むしろあの頃のあの屑が……お前に散々と述を幸せに出来るのかと問われ、頷いたくせにこの有様とは……! 今生きているのであれば私が生きていることを後悔させてやりたいほどだ……!」
格好いいと思っていた朱の君が修羅でございました。
殺意の波動が体から立ち上っておられる。同意見だけど。
「だから北郷。……述はお前が幸福に導け。不幸にしたら幸せにするまで許さん」
「へっ!? ───……ああ、はははははっ……そりゃ、結末は物凄く幸せそうだ」
「思春ちゃんがいいこと言いました。そですねー、不幸にしたら許さないと言ってしまうよりは、幸せにするまで許さないほうがお兄さん的には効果的ですからねー。ちなみに思春ちゃんはどうお兄さんを許さないつもりですかー……?」
「常に命を狙うつもりで殺気を放ちつつ傍を離れん」
「怖いよ!?」
僅か一日で胃袋が壊死しそうだった。
だからもう全力で幸せにします宣言をしました。だだ大丈夫、これ強制されたわけじゃないよ? きちんと自分の奥底から沸きだした生きる目的ダカラ。生きる……生かす。主に胃袋を。
「よ、よぅし! 幸せにするための第一歩! いい加減真名を考えよう!」
「くだらんものだったら殺す」
「第一歩が重てぇえーっ!!」
幸せにするまで許さない大前提よりよっぽど重かった。
「だだだだだ大丈夫、大丈夫。丕と登と禅のはもう考えてあるんだ……! まずはそこから聞いてくれ……! そこらのセンスから、ちょっと考えてほしいかなーって……! あまりにもだめだったら考え直すから……!」
「ほう……? 述より他を優先した上、それを私に話して聞かせるとはいい度胸だ」
「あれぇ!? 地雷だった!? いやいや誰が先とかそういう問題じゃなくてね!? それだけ真面目に考えてるって受け取り方をしてくれると嬉しいナー!!」
「いつまで経っても、親にとっては子供は子供ですからねー。自分の子が優先されないのは寂しいものなのですよ、お兄さん」
「まあ、その気持ちは解る。解らなきゃここまで悩んでなかったしなぁ」
「というわけで武の真名も出来るだけ早く考えてくださいね。期待してますよ、お兄さん」
「……なんか穏やかな会話のままにハードルだけが穏やかじゃなくなった……!」
でも考える。
述と武の真名……甘述と程武、姓名から連想するものは……特にない。
名前をつけるのって難しいよなぁ……娘たちは言った通り母親側がどんどんとつけていっちゃったから、実質的に俺がつけたのって呂姫くらいなんじゃないかってくらい、名づけの経験がない。
けれども真面目にいい名前をつけないと、思春さんが怖いデス。
いい名前、いい名前~……と、うんうん唸っていると、思春が小さく溜め息。次いで風が「それでお兄さん? 王の娘さまたちにはどんな真名を考えたんですかー?」と訊いてくる。
……そうだった、まずは考えたものを教えるって話だった。恐怖と焦りのあまり、記憶が飛んでいた。
「あぁああえっとそうだったな! あはっ、あはははは! は、はぁ…………うん。えっと」
深呼吸を挟んで、店で肉まんを三つ買ってまた歩く。
あんがとねー! とおばちゃんに見送られながら食べる肉まんは、なんとも懐かしい味だ。日本のコンビニじゃあ味わえない深い味わい……美味い。
「んとな。まず丕の真名だけど」
「ああ。丕に許可を貰うまでは口にしない。言え」
「え? あ、うん」
てっきり言う前から不安だとか言われるもんだと思ってたのに。許可を貰うまではってことは、結構期待してくれたり───
「ただし我々でも嫌悪するものであったなら、丕が聞く前に訂正させる」
「やっぱそうですよね! だと思ったよ!」
大丈夫、泣いてないよ?
結構自信あるから大丈夫、いい名前だと思うんだ。
「丕の真名は、
だから自信たっぷりに口にした。すると、思春からは“ほう……”って小さな息遣い。何故か風は俺の頭を撫でてくる。
「それで? 他二名は? 特に子高様の真名はどうなっている」
「禅のことも気にかけてやってね……子高は
「おおっ、きっと二人続けて“れん”がついているので、なにか“れん”の付く名前ですねー」
「残念、桜花だ。桜の花って書く」
「……一人だけのけものだーと文句が飛びませんかー?」
「そういうつもりで名付けたわけじゃないって。で、どうかな」
「悪くない。お前のことだ、その名も相当考えて決めたのだろう?」
「滅茶苦茶考えました。仕事しながらも鍛錬しながらも、とにかく考えました」
「そ、そうか」
その甲斐あって、思春にOKを貰えるいい真名が完成した。そうと決まれば早速三人に届けてやりたいんだけど───うん。
「なぁ思春、風。……真名ってどうやって授けるものなの?」
考えてもみよう。赤子に名前をつける時、赤子は意識せずにそれを受け取る。
やがて成長して、それが自分の名前であると認識するわけだけど───既に自分の姓名も持ってる人に名前を贈るのってどうすればいいんだ? あだ名チックでいいのか? 「お前今日から華煉なー!」って?
……はっきり言おう。それはない。
他がそうであっても俺が無理。
そうだ、欲していたものをあげるんだ、そんな軽いものじゃあ断じてない。
なにせ迂闊に口にすれば首が飛ぶとさえ言われる伝説の真名さまだ。つまりこう……おお! 書簡に書き連ねて、それを丸めた状態で贈るんだ! こう、戦略ゲームで忠誠度をあげるために施しを重ねるが如く!
「と、こんな感じでいいのか!? いいよな!?」
胸のうちを明かしてみる。と、「違いますよー」とばっさり。
「えっ……じゃあどうするんだ!? だってそうしたほうが、迂闊に誰かが口にしたりとかしないだろ!? こう、玉座の間にみんなを集めて、それを授けて……受け取った丕がその場で開いてみんなに見せる~みたいな……ほらっ!」
「いえいえー、いいですかお兄さん。真名は特別ですから、名付ける親が子と二人きりで渡すものなのですよ。きちんと向かい合って、しっかりと。そこまでするからこそ、認めた相手のみに明かす名、と呼べるのですねー」
「そ……そうだったのか……!」
「うそですけどねー」
「真面目に話して!? 頑張って考えてる自分が物凄く惨めだから!!」
「………」
「おやー、思春ちゃん、そんなに睨んでもこの肉まんはあげませんよー?」
「そんなものはいらん」
「……思春はあんまんの方がよかったのか……気が利かなくてごめん……」
「なっ!? い、いやっ、そうじゃないっ! そういう意味じゃっ……! おい貴様……! あまり私をからかうな……!」
「いえー、からかうだなんてとんでもありません。風としましてはあまりに難しく考えすぎているお兄さんに、落ち着きの瞬間を与えたかっただけなので」
「どこが落ち着いている。明らかに混乱しているだろう」
「思春~、あんまん買ってきたぞー!」
「うなっ!? こっ……行動が早いにも程がっ……!」
「魏呉蜀、都に、麗羽たちに拾われた世界で得た経験は伊達じゃない!」
「……威張れることなのか? それは……」
胸を張ったら呆れられた。けど気にしない。
主に買い食いばっかりしたり、人を案内したり、サボったりばかりだから買い物なら任せておけ!
そこに俺の氣の操作が混ざれば、もはや買い食いマスターを自称しても許されると思うんだ。誰にとは言わないけど。
というわけでハイと思春にあんまんを渡して、真名を考えながら歩く。
うーむ、思春の娘……俺の娘……思春が春だから、夏を混ぜてみるとか? 思夏……シカ? シナツ? いや、ここは“思う”という字を捻って“想”にして、想春……ソウシュン? それともやっぱり夏にしてソウカ、秋だとソウシュウ、冬ではソウトウ。……難しいな。
ちなみに、無理に俺の名前を入れるとヘンテコになりそうだから却下。
思刀とかだと死闘とか使徒っぽくなりそうだからだめ。あ、じゃあ俺の一と、思春の四季の文字からもじって一夏……あれ? なんだかどこぞの天然ジゴロっぽく……よしダメだな。人の話を“なんか言ったか?”で流す存在になりそうだからだめだ。
じゃああれだ。思うと想うをそのままつけて、思想。……死相っぽくてだめだな。逆だとなんか曹一族っぽくなるし。
「んー……」
「真剣に考えてくれていますねー……お兄さん? もちょっと気を抜いてもいいですよ?」
「“もうちょっと”じゃないのか」
「ほんのちょっぴりのほうが、気安さも難しさも兼ね備えているので丁度いいのです。なんとなくですがねー」
「もちょっとか……うーん」
軽く力を抜いてみる。いつの間にか眉間に力が入っていた。
ほうっと息を吐いて隣を見てみれば、ほくりとあんまんを半分に割った思春さん。丁度目が合って、わたわたと慌てたあと……なんか半分くれた。
「………」
ああ、なんだろ。もんのすごく力が抜けた。安心って方向で。
「あぁーっ! 隊長ずっこいのーっ!」
と、差し出されたあんまんをぱくりと食べたあたりで聞き慣れた声。
視線を向けてみれば、沙和を先頭にぱたぱたと駆けてくる三羽烏。
「沙和たち頑張ってみんなに呼びかけてたのに、隊長があの部屋に居ないんじゃ意味ないよー!」
「あかん……隊長、これはあかんで……サボるときはみんな一緒てあの時誓いあったやん……!」
「誓ってないぞ」
「なはは、まぁ固いこと言わんで。なぁなぁ隊長~? もっちろんウチらにも奢ってくれるんよなぁ~? ウチら、隊長のために頑張ったんやし~……なぁ?」
「訊きもしないで奢りであること確定なんだな……まあ奢りだったけどさ。よし凪、なにがいい?」
「あれ!? ウチのこと無視!?」
「お前、奢りってことになると容赦ないからなぁ……まあ冗談だから。肉まんとあんまん、どっちだ?」
「あ、なんや新作でメンマまんとか出とったやん。誰が提案したのか丸解りやけど、あれどない?」
「よし、真桜はメンマな。凪と沙和は?」
「はーい! 沙和はあんまーん!」
「あ……私もあんまんで。あの、私が買ってきますから隊長は───」
「いいっていいって。代わりに風を預かっておいてくれ」
言いつつ風をひょいと肩から下ろして、はいと渡してみる。
「や、隊長、渡されても困るんやけど」
「にゃー」
「大丈夫、今の風は猫だ。無心で肩車していれば、女の股に首をうずめる変態として映るそうだぞ」
「全っ然大丈夫やないやん! 猫って話どこにいったん!?」
「まあまあ」
ともかく渡して、早速走る。いろいろ考えた後って、なんだか走りたくなる。これは癖なんだろう。思えば鍛錬ばかりをやっていた頃、考え事が増える度に走っていた気がする。
……うん、まあ、今でも鍛錬は続けてるんだけどさ。
だって筋肉がちゃんと成長するんだぞ!? やらないのは損だろ!
「……ところで三人とも、三国と都、ほぼ四国の上に立つ王様に買い物を頼んだ自覚はありますかー?」
「「「───あ゛」」」
今、走りたいのだから走るッッ! なんか後ろから「隊長あかん! 待ってやぁーっ!」とか「隊長! やはり自分が! 隊長ぉおお!!」とか「止まってなのたいちょー! 華琳さまに怒られちゃうぅう!!」とか聞こえたけど知らない。
そうして走り、香りとともに常に湯気を立ち上らせている印象のある肉まん屋まで辿り着くと、財布を取り出して……財布を取り出した右手を、思春に掴まれた。え? なに? と振り向いた瞬間、左手は凪に。
「お、おお? どうしたんだ二人とも。そんな息切らして」
「おっ……お前はっ……! 少しは自分が王である自覚をっ……だなっ……!」
「隊長……! 買い物などは我々がしますからっ……! 今までのような軽い気持ちでの行動は、出来るだけ控えていただけると……!」
「?」
よっぽど慌てていたのか、珍しくも息を切らしている二人。
王である自覚っていったって、俺の中の王の象って、視察と称して美味を求めて店の味にダメ出しを叩き付ける金髪王様と、なにかといえば酒を飲んで仕事をサボって民と一緒に果実の収穫をする色黒王様と、子供たちに引っ張られて願われるままに遊んで仕事をほったらかしにして美髪公に怒られる王様、って印象ばっかりなんだが。
蓮華は立派だね。ほんと立派だ。
「とにかく隊長。いえ、一刀様。あなたは王であるのですから、不用意に単身での行動は控えていただきた───」
「凪。華琳にも散々言った俺だから、常に王であるつもりなんて全然ないぞ? むしろ街に居るときだからこそ羽目を外さなきゃもったいないだろ。あと呼び方変えるのやめて」
むしろ常に王以外のなにかで居たいとは思っている。思っているだけで、それをやったらいろいろと未来が閉ざされるのでやらない。
責任問題っていろいろ面倒だよな。個人が個人として動けなくなる。
「はぁ……解った、じゃあ買い物は───」
「私に任せろ」
「はい、ここは私が」
「「───」」
「え?」
買い物はどちらかに任せようとしたら、ほぼ同時に思春と凪が手を出した。財布を奪うとかではなく、私に任せてくれとばかりに。
え? これ、俺が選ばなきゃいけないの? 何故か二人からモシャアアアと謎のKIが溢れて、ソレ越しに見える景色が歪んでらっしゃるのですが。
「思春殿。街のことは私のほうが知っています。ここは私が」
「何を言っている? 街もなにも、買うものは決まっているだろう。場所はここで、買うものは饅頭だ」
「あ、そうそう。喧嘩するなら買わないからな。真桜たちの文句は二人が受け取ってくれ」
「ぐっ……! 北郷、お前は……!」
「……なんというか、慣れてますね、隊長……」
「いろいろと馴染めば、そりゃあなぁ……」
どの世界でも苦労人してたもの。
それを支えてくれた人(主に愛紗)ほどじゃないだろうけど。