-_-/北郷一刀
で……なんで俺まで呼ばれているのか。
「北郷さん! お久しぶりです!」
「い、いえ、自分は後藤、ただの隠の後藤にござりますれば、ははは柱様にお声がけされるほどの者では……!」
「あのー……北郷さん? その木刀と纏う氣。それで違うと言われても」
「相変わらずですね、北郷さん……」
「………」
水柱さんに話しかけられ、咄嗟に嘘を並べてみたけれど……花柱さんと蟲柱さんにあっさりと論破された。
そうか……木刀のことと氣のことは考えてなかった。
「イ、イエ、コレハ北郷サンニ、チョット持ッテテッテ言ワレタダケデ……」
「そうなんですか。では氣は?」
「………」
「後藤さんは氣を使えない筈ですが?」
「……ナンカ急ニ目覚メタヨ」
「後藤さん、泣きますよ?」
蟲柱さんが冷たい。
まあなにはともあれ、連れてこられたんじゃあ仕方ない。
「で、訊くまでもないけどこれからなにを会議……って、どっちかっていうと裁判か」
「そういうことだ、北郷。これからド派手に裁かせてもらうぜ」
「地味でお願いします」
「嫌だね、派手に行く。それもド派手に。派手派手に」
派手好きの音柱、宇随さんや? ド派手な裁判ってどんなんだい?
「うむ! 北郷さんには世話になったがそれはそれこれはこれ! 裁判をかけるまでもなく鬼は滅殺だ!」
「あ、杏寿郎久しぶり。瑠火さんの調子はその後どう?」
「とても良好だ! ほうっておけば危険だったことも手伝って、父上が今頃になってべたべたと世話を焼きまくっているな! 正直顔が相当だらしのないことになっている! が、両親ともに健康で、仲が良いというのは実に良い! うむ!」
「そっか、そりゃあよかった。よかったついでに見逃さない? 鬼になっちゃった妹さん」
「それとこれとは話が別だ! 断る!!」
「じゃあ見てから判断してくれせめて」
煉獄さん家の炎柱、杏寿郎くん。元気で熱い。やかましいって方向に。
「判断もなにもないだろう。それを罰するための隊律だ。違反であるなら即座に罰する。そういう基準があるならそうするべきだ。そうだろう? そうであるべきだろう」
「みつりん。ああいうねちねちした男ってどう思う? ああいう男ほど妻になった相手を束縛しておいて、自分は自由に適当にを好むんだぞ、結婚するならああいうのはだめだ本当にだめだ」
「やめろお前やめろ……やめろ! おいやめろ! やめっ……やめろぉおっ!!」
キャプテンイグロ、もとい蛇柱の伊黒くん。ねちっこい。甘露寺方向でいじるととても面白い。
オッドアイだけど、片目を常に隠している、蛇鬼が支配する家に閉じ込められていた少年だ。
人間の方が鬼に依存して生きる家系って、おっそろしかった。助けられたのはよかったんだけど、蛇鬼を斃してみせたら“これからどう生きていけばいいんだ!”って逆に怒られた。いや、本当にひどい家だった。
当時子供だった伊黒くんも、それまではぶくぶく太らせようと様々なものを献上されていたらしいけど、鬼が滅んだ途端に手の平返し発動。お前みたいな子はいらないと言われて家を追い出され、俺が引き取って藤屋敷で育てた。のだが。
「どうしてお前はそうなんだ、どうしてお前は……お前は! お前のことは尊敬してるし感謝もしてるが、それは違反を起こしても構わないことには繋がらないだろう、なんのための隊律だ」
藤屋敷の中でもルールを守り、他人同士でも家族であることに安心を得ていた子だった。だからルールを破る者を、群れの調和を乱す者を許さない。
それをして家族を潰しかねないような状況、人には遠慮はしないタイプだ。
特徴として蛇鬼に口を斬られた過去があって、しっかり癒して傷口も綺麗に無くなったんだけど、口回りをやたらと気にしている。心配しなくても綺麗だし、たとえ傷が残ってたとしても、みつりんなら気にしないと思うぞ~? って言ったら真っ赤になって激怒した。した割に舌が回らなくなって、やがて……ぽしゅうと空気が抜けたように俯いて何も言わなくなった。
うん、ねちっこく絡んできた時にからかうのが面白い子だ。
ちなみに甘露寺蜜璃に惚れている。
(北郷さん、今日も隠の服を着ていて顔がわからないわ……でもあの伊黒さんのねちねち攻撃を慣れた風にあしらうところ……素敵! あとみつりんって呼んでくれた! 呼称での仲がとても近いわ! 嬉しい!)
恋柱、甘露寺蜜璃。女性。危険。女性、近寄ル、俺、キット種馬呼バワリ。近寄ラナイ。
「行冥、禰豆子が下弦を倒していても、鬼を五十以上倒していてもやっぱりだめか? 人の意思を持って、ちゃんと鬼と戦えてるのに?」
「可哀想に……北郷殿は目を患ってしまったのだ……!」
「お前ね、慈しみの心を持ってるならまず信じてみない? 患ってないからね? あと、隊律どうこう言うなら、隊のための善を行なっている奴を可哀想とか言うのは無しだ」
岩柱、悲鳴嶼行冥。盲目。よく泣いてる。フランダースの犬を話して聞かせたら、めっちゃ泣いた。
ネロ少年の境遇にではなく、ああいう行動にしか出られない大家のハンスさんの心に涙した。可哀想に……と。
「いや、北郷さん。今の悲鳴嶼さんのは北郷さんに言ったものだと思う」
「わかってたけどね!?」
水柱、錆兎。鱗滝さん大好き。あえて逸らそうとしていた事実をゾブシャアとつついてくる。
ほっといてください、実際俺結構可哀想だと思うので。
「けど北郷さん、柱合会議以外に顔を見せないのは本当によくないと思いますよ?」
「姉さん、注意なんてしたってこの人は来る回数を増やしたりはしないわよ」
「そりゃあそうだろう。だって鬼殺隊じゃないし。柱にだってなった覚えもないよ。俺に隊律違反がどうとか言っても知らない」
「でもそのー、炭治郎くん? には関係ありますよね?」
「ちなみにここで全員が禰豆子を認めないって言っても、俺禰豆子を連れて逃走するからね?」
「あのー……それはさすがにまずいんじゃないかなぁと私は思いますよ……?」
「鬼殺隊やめさせれば隊律違反じゃないじゃない。ただの俺の藤の家族になります。そして俺は家族を傷つけるヤツは全力で許さん」
「相変わらず理屈が無茶苦茶ですね、まったく。ほら姉さん、言った通りじゃない。言っても無駄なんだから」
花柱、胡蝶カナエ。姉。ほんわか。妹大好き。見ていて結構危なっかしいけど、鬼殺の能力は柱になるだけはある子。鬼とも分かり合えるのでは、と言っているお方。
蟲柱、胡蝶しのぶ。妹。結構厳しい。姉大好き。鬼の首を斬る力が無いけど鬼を憎んでいる。突きにはかなりの適正があるものの、突きで鬼の首は斬れないわけで。なので毒を使う。鬼を滅ぼせる氣についてをしつこく訊かれたことはあるけれど、俺か玄弥しか使えないから無理と断った。……以降、なんだか当たりがキツい気がする。
「禰豆子のことはさ、人を襲ってないし、これからも襲わないんだから普通に認めてくれればいいんだよ。なんなら───」
ちらり、と周囲を見渡す。と、こちらへやってくる実弥を発見。
「あ、実弥ー、こっちこっち」
「あァ? ……ッ!? 叔父貴!? いつこっちに!?」
声をかけると風に乗ってゴヒャウと距離を詰めてきた。
風柱、不死川実弥。目付きはすごいけど、家族思いで心意気は真っ直ぐタイプないい子だ。
さねみん、と呼んだら一瞬ぽかんとしたけど、なんかちょっぴり嬉しそうだった過去がある。ただし弟の玄弥があだ名の付けようがなかったために、何度か呼んだだけで、以降はそのまま実弥呼びである。
げんやん、ってなんかちょっと違うよな? 玄、からとってクロちゃん、クロやん、くろっち? んん……なんか違う。まあ二人とも名前呼び捨てが一番喜ぶので、あだ名案はやっぱり却下だったわけで。
「いやそれがな? 世話した子が鬼だからって理由で問答無用で殺されそうだから、ちょっと物申しに」
「………」
「不死川さんはどう思いますか? 鬼殺隊が鬼を庇うー、なんて」
胡蝶妹が訊ねる。さて、実弥の反応は?
「……俺の母親は鬼だ。俺がガキん頃に鬼にされた。それをオジキに助けてもらって、以降何年も人を襲ってねェし、飯だって普通に俺達と同じモン食ってるぜェ……?」
「そうなんですか?」
「鬼になりたての、誰も、一人も食ってない鬼なら、俺は半分人の状態まで戻せる。日に当たったって即座に燃え尽きるわけでもないし、そもそも人の時の意識も感覚も戻るから、人なんて食えないんだよ。実弥の母も、炭治郎の妹も、誰も食べてないし血もすすってない」
「だからといってこれからもそうであるとは限らねぇだろうが。地味に答えになってねぇぞ北郷」
「なってるよ。禰豆子も実弥の母親も、人は襲わないし食わない。代わりに───」
「代わりに? なんだ。まさか代用物があるとでも言うのか? それはなんだ。まさか自分を食って、なんておかしなことを言うつもりじゃないだろうな。ないだろうなぁ、どの道竈門ってガキも、意外だったが不死川も隊律違反だ。それとも二人の鬼に共通して、人を食わない理由でもあるのか? あるなら言ってみればいい。俺を黙らせられるような、人を食うまでもないような理由なら飲み込んでやろうじゃないか。どんな───」
「ご飯をいっぱい食べる。みつりん並みに」
「───」
「……、……? …………!?」
甘露寺の名前を出すと、ネチ……ネチ……と区切って区切って文句を飛ばす伊黒がぴしりと停止。
そして、突然出された比較対象が自分であることを理解したみつりんは、少しずつ真っ赤になり、固まった。
「それは…………その、……、…………」
「い、伊黒さん!? なにか言って!? 青い顔で頭押さえて目を伏せないでなにか言って!?」
言葉もないらしかった。
“そりゃそうだ、あんだけ食えばもう人を食うとかそんな次元じゃねーよ”みたいな顔で、額に手を当てるようにして伊黒は黙った。クリティカルである。
「届けられた情報に寄ると、鬼になった少女……竈門少女は水の一門らしいな! 水と言えば鱗滝! お前は会ったことがあるのだろうか!」
「ああ、ある。そう答えた上でこう言おう。禰豆子は大丈夫だ。男として断言しよう! なんなら命だって懸けてもいい!」
「杏寿郎、俺も命懸けられるぞ? 禰豆子も、実弥の親も大丈夫だ」
「むう! 北郷殿は炎の呼吸の祖からの知人と聞く! 言葉自体に重みはあるが、やはりそれはそれこれはこれだ!」
笑顔なのに言うことキツいよ杏寿郎。
「というかよう。北郷、お前いい加減その地味な服、脱げ」
「あっ、そういえば私、北郷さんの素顔とか見たことがないっ……! 見てみたい……素敵!」
「おいー、声に出てるぞみつりんー」
「おいお前、無駄口はいいから、人から信頼を得るなら自分も誠意を見せたらどうだ。思えば蛇鬼から助けられた時から、一度としてお前の素顔を見たことがないぞ。
「みつりんみつりん、ここぞとばかりにネチネチくる男ってどう思う? 自分が見たいだけなら言えばいいのに誰かに便乗してなんて」
「おいだからやめろおい……おいやめろ! やめろ!!」
「いーからお前はとっとと降りてきなさい、バナ」
「バナと呼ぶなお前……! 俺は……!」
「みつりんみつりん、伊黒のことあだ名っぽく呼んであげて? いぐろん、とかバナさんとかバナナンとか」
「やめっ……、……、……っ! ……っ!!」
「みつりん、ほらごらん。あれがみつりん相手ならちょっと呼ばれてもいいと思う蛇柱様だ」
「バナさん……可愛いわ! 素敵!」
「───!!」
ドシャア。
あ、真っ赤になってフラついて落ちた。松の木の上になんか乗ってるからだよばかもの。
「はぁ、本当、騒がしいしうるさいばっかりだな」
「しょうがないよ兄さん、柱なんてそんな集まりばっかりなんだから」
「お前らも好きに喋ってよかったんだぞ? まあ、ともあれ久しぶり。屋敷に会いに行ったら鬼狩りになったって聞いて驚いたぞ? しかも柱だなんて」
「そりゃあ、驚かせてやろうと思ったしね」
「むしろ
「通気性はいいから暑くはないよ。暑くなっても氣で調整出来るし」
「相変わらずなんでもありだな、刀兄……」
「僕たちもそれくらい自在に操れるようになりたいな。今度教えてよ。厳しくてもいいからさ」
「ああ、いいぞー」
双柱、時透無一郎。弟。派生・霞の呼吸を使う。口調はやさしいけど嫌いな相手はとことん煽る。
「まあ顔見せろっていうならいいけど。禰豆子と炭治郎のこと、くれぐれもよろしく」
「北郷殿……もし全員が許さぬと言ったらどうするおつもりなのか」
「行冥、いーからまずは様子見てくれ。責任がどうとか、人間同士でやいのやいの言ってる暇はないんだよ。戦力は腐るほどあってもまだ足りない」
「可哀想に……北郷殿はきっと頭がおかしく……!」
「だから違うから! お前はまず人を悲しむ癖をなんとかしようね!?」
そんな漫才をしている内に、「お館様のおなりです」の声で一同がピシッと沈黙し、跪いた。
そんな、みんなが頭を下げてる中で、ぱさりと隠の黒子頭巾を取り払う俺。
「よく来たね。私の可愛い
「目の調子、良さそうだな、耀哉」
「……驚いた。素顔を見せるなんて、初めてではないかな……?」
「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」
「見せる理由がなかったからなぁ……まあみんなは耀哉が許可を出すまで顔を上げられないから、見られないわけだけど」
「ああ、そうだったね。みんな、楽にして───……それは少し、意地悪ではないかな、北郷さん」
「見せる理由がないからなぁ……」
すぐに黒子頭巾を被り直した。
柱の皆様が顔をバッと上げたところで、そこに居るのはいつもの隠な俺だ。
「男として我先に! お館様に失礼申し上げます! そのっ……どういったお顔だったのでしょうか、北郷さんは!」
「とても整った、綺麗な顔だったよ」
「派手派手でありましたか!」
「うん、派手派手だったね」
「格好よくて素敵でしたか!?」
「甘露寺!?」
「そうだね、格好いいと思う。落ち着いていながらも、年齢を感じさせない姿だった」
「南無阿弥陀仏……人を守り導ける面持ちでありましたか……?」
「それは私が言わなくとも、この場に居るほぼすべての者が知っているのではないかな?」
「オジキの顔……! 気になるが、オジキはオジキだ。どんな顔だろうと関係ねェ……!」
「まあ、僕は知っているけどね」
「マジか!? オイどんな顔だ時透! 派手派手の中でもどんな感じの派手さだ!?」
「あ、あの、時透くん、人相書きとか得意だったり……する?」
「姉さんっ!?」
「だってお姉ちゃん気になる!」
「恩人を暴くようで心苦しいが気になるものは仕方がない! 時透少年! 是非教えてくれないか!」
「あんまり勝手なことばっか言うなよ。まったくこれだから柱になる奴らは……おい無一郎、お前もあんまり視線を集めるようなことを言うなよ」
「ごめん、兄さん。でも兄さんだって柱じゃないか」
「双柱なんだから当たり前だ。半人前って思われてるんだよ、俺とお前でようやく一人前だ」
「うん」
「……何度も言ってるけどな、あんたら。俺達は刀兄に“氣”さえ教えてもらってない奴なんか家族だなんて思わないからな。俺と無一郎は継国だ。継国と北郷は氣と絆で繋がった親友だ」
「そして、継国が……縁壱さんが呼吸と型を託した竈門家も僕らにとっては家族なんだよね。……見も会いもしないでさぁ、家族を殺すなんて言っておいて、なんで僕たちが知ってる情報だけを寄越せとか言えるの? 頭湧いてる?」
「ぬっぐ……! 相変わらず地味に煽ってきやがるぜ時透弟……!」
「あの……私、北郷さんに氣を教わってないんだけど……」
「や、みつりんはいい」
「うん。みつりんはなんだか刀兄も気安い感じだからいいと思う」
「時透くんたちにもみつりんって言われちゃった……!! どうしよう照れちゃう!」
「甘露寺!?」
「まあ氣ってののことはこの際派手でも地味でもどうでもいいんだが……気になるのはやっぱそれだな。北郷の名前は“刀”っていうのか? それともそのまま“とうにい”か?」
「拙者、後藤なるものでありますれば、柱の皆様に質問をされましても」
「北郷さん、後藤さんに言いつけますよ?」
「ヤメテ……」
どうにも胡蝶妹には苦手意識が……。
胡蝶姉は桃香みたいで、妹が愛紗みたいなんだよなぁあもう……!! その所為か、呆れを込めた目でじとりと睨まれると、どうにもこう……。
え? 甘露寺? ……興奮したら鼻血が出ちゃいそうなイメージ、ありません? きっと春蘭と鈴々と稟を足して割ったら……ほら。
「というわけで耀哉。禰豆子のことは前に報告した通りだよ」
「うん、届いているよ。みんなには敢えて今日まで伏せていたけれどね。実際に見てもらわなければ、きっと納得できないと思ったから」
「まあ……」
ちらりと、並んで跪く面々を見る。
まあ……ウン、ソウデスネ。頑固レベルが高い子ばっかだしね、柱。
「ああそれと、炭治郎は人を鬼にする張本人、つまりは鬼舞辻無惨の匂いを完璧に記憶してる。禰豆子だって顔をしっかりと見た。殺しちゃうのは……どうかなぁ?」
「なっ……そりゃあ派手にマジか!?」
「ド派手にマジだ」
「どんな能力だ。それは聞いたのか? 聞いただろう? 聞いたよな?」
「みつりんみつりん、こんな時にまでネチネチする男とかって───」
「だからやめろお前! なんでおまっ───やめろ!」
「前みたいに“にーちゃん”って呼んでくれたら考える」
「お前ぇえええええええっ!!」
「まあほら、聞いたけどここで俺が言ったら“じゃあもう用なしだ”とか言いそうだろ? 言うわけないだろ約束取り付けるまで」
「くっ……!」
(行動を予測されて悔しそうにしている伊黒さん、可愛い……!)
柱っていうのは個性的な奴が多い。癖が強いとも言うけれど。
元は“柱”という文字の画数、九つまでを柱の数として、9人までとしていたけれど、今は違う。
何故って、実力が高いのに柱が一人も引退しないために階級がずうっと甲のままの者が居る、という日々が続くとかじゃあ、頑張る人たちのモチベーションにかかわるだろうって話。
実力が現在の柱よりも上になれば、そいつの代わりにっていうのもあるだろうけどね、違う呼吸を編み出せた、とかで実力もあるなら採用しようってことになった。
現在の柱は、岩、水、炎、風、恋、蛇、双 (霧、霞)、音、花、蟲と10個 (11個?)存在している。ここに、近い内に日と鳴が加わるかもしれないわけで。あ、玄弥の場合どうなるだろう。結構なペースで鬼を狩ってるみたいだけど、呼吸は使えないから……氣柱? 素柱? 拳柱? うん、まあそれは耀哉に任せよう。どの道これから連れてこられる炭治郎たちを、こいつらが裁いてからじゃないと話が進まないわけだからして。
……しっかり人の意識を持っていて、人食いとか冗談じゃありませんって状況なら問題ないと思うんだけどなぁ。この子たちはなにが憎くて意地でも殺そうと……あ、憎いの鬼一択だった。考えるまでもなかった。