武昭が佐倉に自身の血肉を食べさせてから一晩経っており、武昭は近くの壁に背中を預けて眠っていた。
そんな中……
バシャッ! ドシャッ!
近くに合った水の球が割れて中にいた佐倉が出て来たが体の傷は治っておりゾンビの様だった肉体は普通に戻っていた。
「ん……あれ?……私は一体……?そうだ!……え?なんで腕の傷が、それに体も……」
「ふわぁ……何か音がすると思ったら佐倉先生でしたか」
佐倉が慌てていると声がしたので見ると武昭が起きていた。
「えっ?えっと……あなたは……何処かで……」
「佐倉先生、以前来た学校案内の時はお世話になりました」
「学校案内って……あぁっ!あの時の……確か、龍舎君……だったわよね?」
「はい、そうです……それで佐倉先生……
「え?何処までって……確か……私は、あの子達を守ろうとして……そうだ……奴らに噛まれた筈……けど……そうだ!なんで私は元に戻ってるの!?」
佐倉は自身に起こった事を思い出して噛まれた所を見るが完治していた事に驚いていた。
「もしかして……龍舎君が何か……したの?……」
「まぁ……詳しい事は話せませんけど、今は“そうです”としか言えません……」
「龍舎君……分かったわ、けどいつかは話してちょうだい」
「分かりました佐倉先生……そうだ、俺も聞きたいんですけど……この建物内で……
「えぇ、私がアイツらに噛まれるまで一緒にいた子達が……そうだ!早く戻らないと!!」
「待ってください佐倉先生……今、外に出たらアイツらと鉢合わせするかもしれませんよ」
「そうかもしれないけど……だからって私だけがここにいる訳にいかないわ!!」
武昭は佐倉を止めようとしたが、その表情に決意が見えた。
「優しいですね佐倉先生は……なら俺に任せてください……(ディス、この校舎内の
《あぁ、この建物位なら問題はないぞ……》
「(そうか、なら……やるか……)虚空に漂いし精霊達よ……」
「え?……龍舎君……それって……」
「まぁ、俺は魔法が使えるんですよ……
武昭が右手を床に触れて呪文を唱えるとそこから魔法陣が発生し今いる場所の床全体に広がると光り輝いた。
暫くすると光が収まると同時に魔法陣が小さくなっていき消滅した。
「うん、生命エネルギーの反応は
「え、えぇ……そうよ……丈槍由紀さんに恵飛須沢胡桃さん……それと……
(若狭……悠里?……もしかして……ルーちゃんの……)」
「どうかしたの?龍舎君」
佐倉は武昭が何かを考えてる事が気になり声をかけた。
「いえ、ちょっと広範囲に魔法を使ったから少し瞑想してただけです」
「そうなの……龍舎君、あなたが魔法を使えたとしても無理をしたらダメよ」
「はい、分かりました 佐倉先生……とりあえずはここの調査をしませんか?」
「そうね……私も詳しくは見てないから、してた方が良いわね……そう言えば、ここにアイツらは……」
「いませんよ、さっきのサーチでも俺達以外の反応はありませんでしたから……じゃあいきましょうか」
武昭と佐倉は一緒に地下区画の探索を行った。
ちなみに武昭が[めぐねぇ]と呼ばないのは以前会った時と同じ呼び方をしてるからです。