【本編完結】魔法少女リリカルなのは~Eine noch von Buch der Dunkelheit Geschichte~   作:鈴木颯手

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第十話「最後の日・Ⅳ」

守護騎士たちは吸収されるように存在を消していった。それを目の前で見せられた姉ちゃんの顔は絶望で歪む。

 

Es ist die Zeit der Erweckung(覚醒の時です)

 

姉ちゃんの事なんかお構いなしにナハトヴァールはそう言う。すると姉ちゃんの足元に魔法陣が現れる。姉ちゃんはあまりの出来事に守護騎士たちがいた場所を見て固まっている。

それにしても……。姉ちゃんの絶望した顔はとても良かった!訳も分からず屋上に召喚され目の前で家族(守護騎士)を失った時のあの表情!もう最高だよ!本当は僕が!この手で!あの表情を!作りたかっ……た。

……は、はは。なんだよ……、これじゃまるで僕はやばい人じゃんか。何でこんな事思ってるんだろう。

そんな風に思っていると姉ちゃんは黒い渦に飲み込まれていた。中の様子は見えないが明らかに何かが起きている事だけは分かる。

そして直ぐに渦は破裂しあたりに爆風を飛ばす。……どうやら拘束から抜け出した高町さんたちが救援に駆け付けようとしていたみたいだけど一歩遅かったようだ。二人とも爆風が直撃している。

闇が晴れその中心部にいたのは銀髪の女性だった。先ほどまで姉ちゃんがいたはずなのに……。これは……管制ユニット?ユニゾン?

 

「また……、全てが終わってしまった……」

 

その管制ユニットは涙を流しながら絶望しきった声で呟く。まるで何もかもを諦めた、そんな感じが伝わって来る。見ているだけで悲しくなるような女性だった。

 

「我は魔導書。我が力の全ては……」

『Diaboli emission』

 

そう言うと管制ユニットは右手を天にかざす。それに反応して闇の書が輝きだす。

管制ユニットの右手より黒い雷を帯びる球体が現れる。それは毎秒ごとに大きくなり圧倒いう間に屋上の面積を超えた。

 

「忌まわしき敵を、うち砕くために!」

 

これは空間攻撃か?……というよりもう頭から浮かんでくるこの謎の情報には突っ込む余力もない。多分闇の書が言っていた封印と関係あるのだろうがそれよりもこっちだ。

 

「闇に、沈め」

 

管制ユニットがそう呟くと球体は一気に収縮し先ほどの何倍もの威力と面積で解き放たれた。それはある程度離れた場所にいた高町さんたちにも届くほどだ。流石は闇の書と言った所、か?こんな攻撃が出来るなんて思わなかった。

 

「自動防衛、一時停止。これよりしばしは我が主をお守りする」

 

先ほどの空間攻撃、ディアボリック・エミッションを放った管制ユニットは涙を拭うとナハトヴァールに命令する。……どうやら、まだ管制ユニットの方が権限を有しているみたいだ。

 

「ナハト。ただの防衛プログラムであるお前を責めはしない。全ては、私に責がある」

 

そう言うと管制ユニットはナハトヴァールを無造作につかむ。ナハトヴァールは管制ユニットの左腕に巻き付きパイルバンカーとなった。

 

「せめて、あと少し大人しくしていろ。……我が主、どうかしばし。私の中でお休みください」

 

そして、映像はそこで一旦途切れた。

……闇の書、いやナハトヴァールは僕にこれを見せて何をさせたいのか。

 

【|Ihr Ziel ist es, meinen Herrn zu unterstützen.《あなたの存在意義は我が主のバックアップです》】

 

ふと、僕の考えに答えるように後ろから声が聞こえてきた。後ろを振り向けばそこには先ほどまで映像に移っていたナハトヴァールがいた。どうやらここは管制ユニットの中らしい。違うかもしれないけど。

それにしても……バックアップ?要は代替え品って事か?

 

Ja(はい).|Lassen Sie sie im Namen des Herrn handeln, wenn es schwierig ist, sie zu sammeln oder bei einem unerwarteten Unfall zu sterben, bevor Sie aufwachen《覚醒する前に不慮の事故で蒐集が困難、もしくは死去された場合に主の代理として活動してもらいます》】

 

……姉ちゃんは闇の書の主として完全に覚醒した。なら僕は解放されてもいいんじゃないか?

 

【……Nein(いいえ)

 

?僕にまだ何かを求めるのか?

 

【|Sie sind das beste Meisterwerk, das Sie jemals gesichert haben. Speichern Sie es wie es für den nächsten Herrn ist.《貴方は今までのバックアップの中で一番の傑作品です。次の主の候補としてこのまま保存します》】

 

何だよそれ。まるで僕を作ったみたいな言い方……

 

Ja(はい).|Du bist ein Android, das aus meinen Genen erstellt wurde.《貴方は私の遺伝子から作成された人造人間です》】

 

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