【本編完結】魔法少女リリカルなのは~Eine noch von Buch der Dunkelheit Geschichte~ 作:鈴木颯手
「世界を震わし霜の巨人よ。長い時を経てその力を解き放て」
優斗は右手をなのは達に向けて詠唱を始める。瞬間、優斗を中心に巨大な魔力が渦巻き始める。
『これは……!いけない!全員その場から避難を!それには触れてはいけない!』
「っ!全員退避!」
優斗の魔法に気付いたリインフォースが全員に退避を呼び掛けその魔法の危険性に気付いたクロノも呼びかけ自身も退避する。
クロノたちが退避を完了するのと優斗が魔法を発動するのは同じタイミングだった。
「
そう叫ぶと同時に世界は凍った。まさにそう表現できるほど優斗の魔法は強烈であった。なのは達の目の前が巨大な氷で覆われたのだから。なのはがいたところを中心に凍っておりもしその場に居たらまともに食らう事になっただろう。もし直撃を食らっていたら。回避に成功したなのは達が体の心から凍るような寒さに襲われている事からもその想像はあまりにも恐ろしかった。
「なに……、これ……」
『……かつて異世界に存在した賢者が編み出した究極の氷結魔法だ。もし喰らっていればバリアジャケット事凍り一瞬で凍死していただろう……』
リインフォースが話す内容に誰もが驚く。だが同時に納得できる威力でもあった。しかし、そんななのは達に第二撃が襲いかかる。
「地を司る精霊たちよ。我が命に答え敵を穿て。
詠唱の完了と同時に茶色に輝くスフィアが五つ生成される。それらは信じられない速度を持ってなのは、フェイト、クロノ、シグナム、ヴィータに襲いかかる。
「今度は何!?」
『気を付けろ!それらは周囲の魔力を吸い取り対象が息絶えるまで攻撃を行うスフィアだ!破壊するか対象になった者が死ぬまで攻撃を続けてくる!』
「なんて厄介な……!」
「くっ!バルディッシュ!」
主力と言えるなのは達はそれぞれスフィアに攻撃を加えるがそれぞれ不規則な軌道を描き攻撃を回避しそれぞれの対象に突撃する。まるで生物の如き動きになのは達は翻弄され、身動きを封じられた。
一方で優斗はこの機を逃さずに次の攻撃を繰り出そうと右手を出す。しかし
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突然ナハトヴァールが現れその動きを止めた。突然のナハトヴァールの出現に優斗を含めて誰もが視線を向ける。
「……どうした?」
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「……ああ、そう言えばまだ展開していなかったな」
優斗の現在の格好はお見舞いに来た時の服装で服にははやての返り血などが付着していた。
優斗は目を閉じ自分の騎士甲冑を思い浮かべる。優斗の体を魔力の光が包み込む。そしてその優斗をナハトヴァールの黒ヘビが更に包み込む。そして数分程が経過した頃だろうか?黒ヘビたちの内側から一対の翼が出てくる。それはまさに化け物が好んで付けそうな翼をしていた。次に尻尾が出てくる。付け根の方が太く先端の方が鋭い尻尾は翼と同じく化け物に相応しい姿をしている。
そしてついに優斗が黒ヘビを破り現れた。全身を黒い生物の様な鎧に覆われており顔にも怪物に食われるような形で覆われていた。目の部分にはバイザーの様に覆われ露出しているのは口と鼻のみだった。
優斗は自身の体を軽く見ると口角を上げた。
「……なんだよ。俺の意見はあんまり採用されてないじゃないか。流石は破損したプログラム」
そう、ナハトヴァールに文句を言うと改めてなのは達を見る。
「待たせたな。さっさと続きを行おうぜ」
「待ってください!」
臨戦態勢に入る優斗になのはが待ったをかける。なのはは話し合いで済むならそれでいいと考える優しい娘で未だに優斗の行いを信じ切れていなかった。
もしかしたら守護騎士の様に何か事情があるのでは?そう考え優斗に話しかける。
「なんでこんなことをするんですか!はやてちゃんにも……、あんなひどい事を……」
「酷い事だと?何処かだ?」
優斗はまるで何が悪いのか分かっていないように問いを返す。
「それは……!」
「これは姉弟喧嘩だよ。生まれてから初めての八神はやてと八神優斗による
そう言うと優斗は再び臨戦態勢に入る。優斗には話し合いなど行うつもりはない。命を懸けたこの姉弟喧嘩を優斗は心の底から楽しんでいるのだから。