【本編完結】魔法少女リリカルなのは~Eine noch von Buch der Dunkelheit Geschichte~ 作:鈴木颯手
『どうしたヴィータ?油断でもしたか?』
『うるせーよ。こっから逆転するところだったんだ!』
ヴィータの周りから敵を排除したシグナムはヴィータに話しかけた。ヴィータは子供の様な発言をするがどう見ても逆転なんて不可能だっただろう。
『そうか、それは邪魔したな。すまなかった』
そう言うとシグナムはヴィータを拘束しているバインドを破壊する。解放されたヴィータは手を握ったり開いたりしてしている。
『だがあんまり無茶はするな。お前が怪我でもしたら我らが主が心配する』
『わーってるよ。もう……』
『それから、落とし物だ』
『う?』
シグナムはヴィータの頭に帽子を乗せる。それは先ほど高町の攻撃により損傷し落ちていった帽子であった。シグナムが修復したのだろう。破損した部分は完全に元通りになっていた。
『破損は直しておいたぞ』
『ありがとう……。シグナム』
『状況は実質3対3……。1対1なら、我らベルカの騎士に』
『負けはねぇ!』
そう言って二人は下へと向かっていく。ふむ、屋上を突き破りに屋内に押し込まれたフェイトの様子を知りたいが流石にそこまでは詳しく知るのは難しい。まぁ、フェイトの戦闘スタイルから屋内で戦闘する事はないだろうし時期に出てくるか。……ん?戦闘区域を挟んで奥にはシャマルもいるのか。これはフェイトたち、かなりきついだろうな。
やがて屋外から出てきたフェイトといつの間にかいたユーノが戦闘に参加する。フェイトはシグナムと、ユーノはヴィータと、犬耳女性はザフィーラと戦っている。フェイトもシグナム相手に善戦しているがカードリッジによるブーストを行うシグナムに苦戦をしているようだ。デバイスへの負担が大きくなっているのが確認できる。
ユーノも何か魔法の準備を行っているようだが結界を突破できていないようだ。それに加えてヴィータたちの攻撃もあり上手く集中できていない。このまま行けば遅かれ早かれ守護騎士たちに押し切られるだろう。尤もカードリッジだって無限ではない。カードリッジを使い切らせればフェイトたちにも勝機はあるだろうがそれまで持つとは思えない。
……お?なんだこの魔力。高町のデバイスを中心に魔力が集まっている。これは……収束のレアスキルか。己の魔力と周囲に散らばる魔力を用いた砲撃魔法。しかもこれだけの魔力……。エグいな。
高町のデバイスがカウントを始める。高町はデバイスを上空に向け標準を合わせる。これが決まればこの結界も破壊できフェイトたちは撤退する事が出来るだろう。
とは言えそんな事をさせるほど守護騎士たちは甘くはない。思った傍から高町の胸から腕が生える。確かシャマルが使用する旅の鏡だったか?万全の相手なら使用は出来ないだろうが負傷し、バリアジャケットが損傷し砲撃魔法のチャージ中という今なら問題なく通るだろう。
シャマルはそのまま蒐集を行っていき高町の顔が苦痛で歪む。しかし高町はそんな状況でも砲撃魔法を発動した。その威力はすさまじく結界は一瞬にして破壊された。しかし高町も蒐集されその場に倒れ込む。それを合図に守護騎士たちは一斉に別方向へと転移しその場を離れていった。
……中々興味深い戦闘ではあったな。これ以降高町たちはカードリッジをデバイスに組み込み守護騎士たちと互角に戦う事になる。そうなれば蒐集速度もかなり落ちるだろうな。加えて姉貴を悲しませないために殺すような事はしていない。特定されていない俺が動くことで支援を行うか。
今は魔力反応を探知されないように潜みある程度落ち着いてから転移をして蒐集するか。狙うは地球からでは転移が難しい遠距離の世界。あの魔法の試運転も兼ねて。本番で失敗しましたでは済まされないからね。