【本編完結】魔法少女リリカルなのは~Eine noch von Buch der Dunkelheit Geschichte~ 作:鈴木颯手
「話を戻すけど要は私は闇の書の主として、守護騎士みんなの衣食住きっちり面倒見なあかんゆうことや」
「「「「「えっ……?」」」」」
「幸い住むとこはあるし料理は得意や。後はお洋服」
その後姉ちゃんによる採寸が行われた。因みに姉ちゃんはシグナムとシャマルを、僕がヴィータとザフィーラの採寸をする事になったんだけど……。案の定姉ちゃんは鼻息荒くしながら明らかにシグナムやシャマルの胸を揉んでいた。それも何度も。シグナムたちは困惑しつつ主だから抵抗できず成すがままとなっている。それをヴィータは自分の胸を押さえながら見ている。……これが格差社会か。
「ほら、姉ちゃんこっちは終わったよ。早くしてくれよ」
「くっ!なんて胸や……!ここまで揉み心地がいいなんて……!」
「あ、主。そこは……アンッ!」
……どうやら姉ちゃんはスイッチが入ったようで本格的に揉み始めた。こうなると姉ちゃんが満足するまで止まる事はない。まぁ、強制的に止める方法はあるけどね。
「えい」
「ひゃあっ!?」
昨日の様に胸を揉めば姉ちゃんの動きは止まる。……ふむ、相も変わらぬ断崖絶壁。これで姉ちゃんは現実に戻って来れるわけだけど問題が一つ。
「何すんねん!馬鹿弟がぁ!」
「ぶふぉっ!?」
このように顔を真っ赤にした姉ちゃんに報復を受ける事だ。八割の確率で顎をターゲットにしたアッパー。残り二割をそれぞれボディブローと頭突きが占めている。その為昨日の頭突きは大変レアなのだ。対して嬉しくないけど。
「(……何なんだ今度の主とその弟は)」
倒れ込む瞬間に困惑とドン引きをしているヴィータの姿が目に移ったが僕はそのまま意識をシャットアウトした。正直眠かったしこのまま寝ちゃおうかな。
【……】
僕が目を覚ましたのは夕暮れ時だった。どうやらあの後採寸を終えて服を買いに行ったらしい。その後に病院に定期診察もいったとか。守護騎士も付いてきた為石田先生には遠い親戚が面倒見にやってきたと言ったらしい。まぁ、異世界からやってきた魔法の本とそれに付随する守護騎士なんてファンタジーな事実よりも怪しい嘘の方が信じられるだろうしね。
「主はやては仰られた。『みんなで一緒に、静かに暮らしていけたらそれでいい』と」
「姉ちゃんらしいな」
夜、姉ちゃんとヴィータが一緒にお風呂に入っている間に僕はシグナムと話をした。正直まだ信じられてないから少しでも相手を知るためには必要な事だからな。そして先ほどの言葉を聞いた。姉ちゃんらしい。それが感想だ。姉ちゃんは他者を傷つけてまで力が欲しいとは思っていない。むしろ、誰かと一緒に暮らすという事の方が願っている。お風呂に向かう姉ちゃんの表情は久しぶりに見る心の底からの笑顔だった。
……ふと、僕だったらどうしていただろうかと思い浮かべる。姉ちゃんの様に守護騎士を家族として迎え入れただろうか?力を手に入れるために蒐集をさせていただろうか?分からない。ただ、力を手に入れたなら姉ちゃんを守るために使う事だけは間違いない。姉ちゃんを悲しませないための力。何でも叶えられるなら僕はそれを真っ先に選ぶ。
【……ホントウニソウナノ?】
「っ!?」
「どうされました?」
「……いや、何でもない。です」
今の声は一体……?気のせいか?
「ふぅ、いいお湯だった。あ、優斗も入ってきたらどうや?今から晩御飯の支度するから」
「んじゃ入ろうかな。ザフィーラも一緒にどう?」
「ご同行します」
「んもう、もう少しフレンドリーに話してくれてエエのに」
「申し訳ありません。主」
話していて気付いたことだがシグナムとザフィーラはかなり口調が硬い。まさに騎士という感じだ。一方でシャマルやヴィータは親しみやすい性格をしている。ヴィータなんて妹が出来たみたいだしな。
お風呂に入った後晩御飯を食べた。予想通りと言っていいのか守護騎士たちは箸を使ったことがなく姉ちゃんに教わりながら使っていた。シャマルが煮物のジャガイモを上手く使えず何度も宙に飛ぶ姿は何となく笑えたしヴィータが姉ちゃんのご飯の美味さにかき込んで食べた時なんて皆で笑った。因みにザフィーラは狼になれるらしく一人犬用のご飯入れで食べていた。それでいいのか?
そんな感じで何とも濃い一日を過ごしたけど姉ちゃんは覚えている限りで一番いい笑顔を見せていた。
ああ、本当に……
グチャグチャニシタイナァ