【本編完結】魔法少女リリカルなのは~Eine noch von Buch der Dunkelheit Geschichte~   作:鈴木颯手

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第六話「二度と戻らぬ愛おしい日常」

姉ちゃんが倒れた。朝、起きると同時に胸に激痛が走ったらしい。倒れる音で気付いたシグナムたちによって病院まで運ばれた。幸い軽いショックだけで済んだが検査の為に入院する事になったらしい。

そして、何故かは知らないけど僕にも異常が出てきた。姉ちゃんに比べれば大したことではないんだけど睡眠時間が異様に長くなった。最近では夕方からお昼過ぎまで眠ったままになっている。大体一日の20時間は眠っているのだ。幸か不幸かそれ以外の異常はなく精々体が少し重く感じる程度だ。

シグナムたちも姉ちゃんが入院したせいか家にはほとんど戻って来なくなった。何でも姉ちゃんが入院したため今まで以上に遠くの場所まで蒐集に向かっているんだとか。因みにシャマルから聞いた日の翌日にシグナムたちにも話したため情報を共有している。その過程で、人からも蒐集したことを知った。特に12月に入ってから僕たちと同じ年頃の少女二人から蒐集したらしい。この街にも守護騎士たちの様な者がいたんだなと聞いた時は驚いたよ。ただ、守護騎士とは違い彼らは魔導師と呼ばれる者らしい。魔力を使い様々な事をするのは変わりないそうだが。

僕は蒐集に立候補した。あるかどうか分からないが僕からも蒐集出来るなら喜んで差し出すと言った。残念ながら魔力の源リンカーコアがないのか蒐集は出来なかった。すごく悲しかった。姉ちゃんの為に何か役に立ちたいと思っていたのに……。

 

「優斗くんははやてちゃんと一緒に日常を送っていてくれれば大丈夫ですよ。流石にはやてちゃんの弟に無理はさせられないですから」

 

シャマルはそう言うが何気ない日常を送っている間にもシグナムたちが頑張っている事を考えればとても知らんぷりで過ごせるわけがない。せめて、魔力さえあれば……!最近ではそう思う毎日を過ごしている。

ああ、神さま。どうか姉ちゃんが幸せに暮らせるようにしてください。その為なら、僕はなんだって投げだす事が出来ます。どうか、どうか!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【Ba…p…Vorbereitung】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「姉ちゃんの友達?」

「そう、覚えてない?前に図書館であった……」

「……ああ!月村さんか!」

「そう!すずかちゃんがね、お見舞いに来てくれることになってな」

「そうなのか!良かったじゃん」

 

クリスマスが後数日に迫る中久しぶりに良い話を聞いた。何でも姉ちゃんの友達、月村すずかさんがお見舞いに来てくれることになったらしい。そしてその日の夕方から夜にかけて姉ちゃんの外出許可が出たため皆で外食をする事になった。姉ちゃんが死に近づく中での久しぶりの良い話だ。

 

「それでな、優斗は何を食べたい?」

「いや、そこは姉ちゃんが選べよ。この外食だって姉ちゃんの為のものなんだしさ」

「そうやねんけど……、何を食べようか中々決まらなくてなぁ」

「……成程、姉ちゃんはきょにゅーを揉みたいんだな?」

「いや、誰もそんなこと言うとらんよ」

「うっそだー!顔にかいてあるもん!」

「何やて!?バレてもうた!」

「……」

「……」

「「ぷっ、ハハハハハ!」」

 

ああ、早くクリスマスにならないかな。久しぶりに皆揃って食べるご飯が楽しみだ。蒐集を始めてからというもの守護騎士が帰って来るのが夜遅い時もあってみんな揃って中々食べられなかったからな。しかし月村さんの友達って……女子だよね?何か想像しただけで気まずくなるな。おのれザフィーラ!何で唯一同性のお前は犬なんだよ!こんどのご飯はドックフードにしてやる!

 

 

 

 

「……っ!」

「どうしたザフィーラ?」

「いや、何やらよからぬ気配が……」

「!局の魔導師か!?」

「そう言う気配ではなく、何やら俺の尊厳の問題が……」

「?訳の分からない事を言うな。今はもっと蒐集を行わねば」

「……そうだな」

 

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