神獄塔 メアリスケルター AnotherFinale 外伝短編集   作:謎のコーラX

2 / 2
たぶんこれで終わりかと思います、これ以上はネタバレとか情報不足で思いつかん(´・ω・`)


2話 ある宗教と都市の話

夜、満月が空に上る夜、ある聖堂で、100人はいるであろう人達が月に祈りを捧げていた。

 

「おつきさま!、おつきさま!、我らの罪を許してくだされ!」

 

「おつきさま!、おつきさま!、竹取の翁様!、我らの罪は許されるのでしょうか」

 

「はい、月は如何なる場合でも我らを照らし、見てくださる、さぁ、今日は美しき満月の日、共に祈りましょうぞ」

 

顔を白い布で覆い、顔のついた三日月の真ん中に歯車のようなものがついたシンボルがついた白い服装をしている竹取の翁と呼ばれる者は、天を仰いだ。

 

白月教、血戦都市の1勢力であり、血式少年少女達が統治する現状に不満を抱き、人による統治を目的としている、空に浮かぶ白く大きな月を崇拝しており、最終目的として月をこの地上に降ろすこととなっている。そして他の都市民からは忌避されている、その理由は明白である。

 

「・・・ふん、この程度カ、そっちはどうダ?」

 

都市外、豚の耳に両肩に豚の頭を持った男は、最後のメルヒェンを踏み潰すと、兎の耳を生やした女に話しかける。

 

「3匹の子豚、そなたとわたし、因幡の白兎は上司です、もっと敬いなさいませやがれ、下衆」

 

因幡の白兎と名乗る女性も飛んでくる虫型メルヒェンをキックの衝撃だけで吹き飛ばし、粉砕する。

 

「まぁわたし一人でこんな低能なメルヒェンなど、いや全てのメルヒェン、ナイトメアなんて、一蹴だかなですが」

 

「ふむ、さすがオレら月の使徒の総隊長だナ、傲慢が服着て歩いてるゼ」

 

「褒め言葉として聞き流そう、さて副隊長、お帰るぞ」

 

「ヘイヘイ」

 

因幡の白兎と3匹の子豚が都市に入ると、忌避の視線を浴びる。

 

「おい、あれが」

 

「あぁ、ナイトメアを身体に取り込んだっていう月の使徒だ、不気味だぜ」

 

「早く血式少女達に殺されねぇかなぁ」

 

上級月の使徒、もとい血式兵器、ナイトメア・スケルター、本来なら取り込めば擬態化により、自我を破壊され、異形になるが、白月教の研究により、一部の人間のみが適合し、童話のモチーフの部位が現れ、血式少女クラスの力を持てる、ただし、定期的にメルヒェンの血液が必要であり、暴走の危険性などは血式少女達と同様である。

 

「なぁ、どうするヨ、殺すカ?」

 

「やめてくださいやがれ、竹取の翁様に怒られたらどうするつもりだ、民には危害を加えないのが教義に入ってるでしょ」

 

「わかってるサ、冗談冗談、さ、こんな月の夜ダ、教会に帰るゾ」

 

「そうですね・・・ところで、先程からこちらを見てるおやつ、今すぐ帰れば何もしないでおいてあげてやる、本当にオヤツになりたいなら向かってこい」

 

「―――ちっ」

 

何処か遠くからの視線が消えたのを感じた後、因幡の白兎は教会に帰っていった。

 

彼らの位は一番下に下弦隊、次に上弦隊→三日月隊→満月隊と言った感じになっている、それら全てを統括するのが因幡の白兎率いる月兎隊(ムーンラビッツ)名前は無かったが彼女が独断で付けた。

 

 

「ふむ、やはりバレたみたいだね」

 

血戦都市、本部ビル、最上階 血戦隊長室、そこで先程尾行していた兵士から報告を受けていた。

 

「す、すみません、まさかあそこまで早くに気づかれるなんて」

 

報告を受けているのは姿は10代半ばの少女、白く長い髪、麗しき美貌は幼いながらも女神のようであった。

 

「良いんですよ、ここで嘘をついたなら貴方の子供を拐おうかと思っていましたよ」

 

なかなか恐ろしいことを笑顔で少女は言った。

 

「ま、マリア様も冗談を言うんですね」

 

()()()()()()()()だ二度と間違えるな」

 

「ひぃ!失礼しました!」

 

鬼の形相となったマリアチャイルドを見て兵士は急いでこの場から出ていった。

 

「・・・はぁ、何故皆マリアと呼ぶのだろう、私などにそのような高名な名前は相応しいとは思えません」

 

マリアチャイルドは椅子にもたれ掛かり、天井を見やる、これまでのことを思い出しながら。

 

「確かー、大多数のメルヒェンやナイトメアを殺し回っていましたね、そのせいなのか知りませんが人々から敬れてー、カーレンの一言から私が隊長にさせられたなー」

 

「まぁ、あんたが一番強くて頭が回るからな、当然当然よ」

 

扉を開け、ポニーテールの黒髪の少年が入ってくる。

 

「牛若丸さんですか、何かごようでも?」

 

「なに、都庁の近くに監獄塔が地下にあっただろう?、あれがついに開放されたってさ」

 

マリアチャイルドはそれを聞いて、椅子から立ち上がる。

 

「なるほど!、それは最重要ですね!」

 

「あぁ、そうだな、とりあえず椅子から降りろまた壊れる」

 

「あ、すみません」

 

マリアチャイルドは静静と椅子に座り直す。

 

「で、何か過去のこと言ってたね、それから血式少年少女戦線として兵士の育成から自らの鍛錬とかで一年経って、千人くらいなった後に、都市作ろうってカーレンが言い出して、10年くらいでここまで来た感じだな」

 

「その頃は私8歳だったから今は18ですかぁ、時が流れるのは早いものですね」

 

「あんたの時は止まってるようだがな」

 

「言うな・・・言わないで、気にしてることなんだから、そうよ、後一年くらいすれば伸びるし胸にドーンと」

 

マリアチャイルドは椅子の上で体育座りになりブツブツと言い出した。牛若丸は何時ものことかと、頭をかきながら、耳元で手を叩いた、その衝撃でわれに帰った。

 

「うわっ、あ、すみません、私って心が弱いですね」

 

「そうかな、拙僧から見たらかなり強靭だと思うぞ、いくら批難を浴びても動じないしね」

 

「ありがとう、さて、そろそろ迎いに行きましょうか、カーレンも拾って」

 

「そうだな、行こうかマリアチャイルド」

 

マリアチャイルドはクローゼットから血戦の隊長服、赤と白を基調とした軍服に着換え、というよりマントのように羽織った。

 

「デカイの予め作ったのに悲しいねマリアチャイルド」

 

「次言ったら」

 

「わかってる、さ、行こうか」

 

「おー」

 

血式少女 マリアチャイルド。

血染め聖女の異名で恐れられ、人間開放の聖女で親しまれている血戦都市の長、頭も回り、心も強固で、戦闘もこなせる、まさに才色兼備の少女、本人は最初は乗り気では無かったが、今では板についている、性格としては物腰の柔らかいが血式リビドーに嘘をつかせない、つきたくないがあり、嘘をつこうものならその子供を攫う、あるいは都市から追放など非情な面がある、身長を気にしており、威厳がないなど思ってるが他者からは可愛がられ、ある者からは恐れられている。ちなみに年齢は18、好きなのはパン

 

血式少年 牛若丸。

血戦都市の軍隊長を任されている少年、年齢はマリアチャイルドと同じ18ながら、厳しく、鬼隊長として呼ばれている、強さはマリアチャイルドには劣るが軽業と剣技でメルヒェンやナイトメアを翻弄する、性格は軽薄に見えるが案外真面目でカーレンやマリアチャイルドの暴走を止めるストッパー、二重の意味で

 

 

 

 




カーレンに関しては本編の後書きに、ちゃんと登場します

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。