410君の乳首がワールドワイド!
SNSでも掲示板でも話題になったよ
スローにしないと見れない乳首を生放送で見抜いたMはやばい
独自設定のタグが火を吹いたり吹かなかったりする第8話です。
ネタバレにならないようにボカして説明させていただきますと、1部のキャラクターの設定を、変えております
気軽にキャッキャウフフさせるためだけに誰かの人生を歪める作者は神。ワタクシがGOでしたの……?
……原作ストーリーを読んだことがある人は、私に石を投げることを許そう。
「そっかそっか。ありがとう。なら、タメでいかせてもらうよ。俺は祠堂透吾。君は?」
「私はーーー」
彼女はーーー
「ウェデリアよ。よろしくね。」
(UMP45だ)
んっ???
「…………ウェデリアか、よろしく。」
「よろしくね〜、トーゴ。」
名前を呼ばれた。推しに、名前を呼ばれた!!
アプリだと指揮官としか呼んでくれない(当たり前)彼女から、である。
天にも昇りそうな俺だったが、そう浮かれている訳にはいかなかった。
目の前の【彼女】は特殊部隊の隊長であるUMP45か?
それとも、ただ同じ見た目をしただけの同型の人形に過ぎないのか?
その疑念が胸を渦巻いているからだ。
もしも彼女が俺の知っている【UMP45】でないのなら何も問題はない。問題はそうであった場合だ。
ということで、問題があった場合を前提にしよう。彼女が45姉と同型の人形だっただけなら、疑ってかかった俺の心が痛むだけである。
「それにしても、今凄い溜めなかった?」
いきなり突っ込んできた…いや、それとも純粋な疑問か?
・・・彼女を45姉だったとして、その任務は(おそらく)お偉いさんであるリナさんの護衛、或いは不審者である俺の監視・排除だろう。
とりあえずここをサラッと流さないと。
45姉に殺されるのは理想の死に方ランキングの中でトップに入りそうな勢いだが、まだ死にたくないからな。
ここで考え込むのは、彼女がどっちだったとしても、不審に思われるだろう。
「ああ。引っ越してきた時に挨拶をして回ったはずだし、ここで暮らし始めて2週間くらい経ってるのに、ウェデリアに会ったのは初めてだからさ。
そんなに生活リズムが合わないこともあるのかなって。」
「なるほどね〜。私は時々、泊まり込みの仕事になることがあるから…会わないのも仕方ないわね。」
「へー、長期で泊まり込みの仕事かあ。どういうことをしてるんだ?」
「スクラップ漁りよ。放置された地区とか、軽度の汚染地区から使えそうな物資を回収するの。この前なんて、宝石屋の跡地から宝石を見つけることが出来たの!ラッキーだったわ。」
そう語る彼女は、裏の顔さえ考えなければ、嘘をついてるなんて少しも思えないような笑顔だった。
けれど。
ここにいるのは、なんの後ろ盾もない特殊小隊なんかの長をやっている人形、UMP45かもしれないのだ。
45姉の仕事が俺の監視だったとすると、あの時に出会わなかった彼女が俺の近くにいるのは、俺が【UMP45が404小隊の所属・隊長をしていることを知らない】前提であると考えられる。
……しかし、こちらは観測世界での知識なんていう訳の分からないもので個人情報も真っ青なプライバシーをぶち抜いているのである。
この世界がその通りだとは限らないが、404小隊との接触の時を思い返すに、【あんまり】外れてはいないはず。
つまり、あちらの想定とは違い、俺は【45姉が404小隊だと想定して行動できる。】
これは、明確な情報アドバンテージだろう。
そういえば、45姉の公式グッズとしてまな板が売られてたが。実物は……
チラリと目を向けると「どうかした?」とニコリ、笑い返してきた。
写真で見れば、可愛いのだろうが。
非常な圧を感じた。
笑顔とは、本来威嚇のための行動なのだという。
と、何処かで聞きかじった雑学を彷彿とさせるような、そんな笑顔だった。
「ああ。ちょっと前、ウェデリアに似た子に会ったことがあるのを思い出してさ。親戚だったりしない?」
「私には親戚なんて居ないよ。天涯孤独ってやつ。
それにしても、へぇー。女の子と話してる時に別の子のことを考えてたんだ〜。良くないよ、そういうの。」
9のことを引き合いに出してみたものの、サラッと誤魔化された。偽名を使ってくるくらいだし、それもそうなのだろう。
「そうだな。……答えにくいことを聞いてしまったり、色々とごめん。」
「別に大丈夫よ〜。気にしない、気にしない。今の世の中じゃ、ありふれた話だしさ。」
「ありふれた話だとしても、配慮に欠けたことに代わりはないからさ。悪いな。」
「トーゴって、変に真面目だね〜。そんなに畏まられてもこっちが困っちゃうわよ。」
緊張のあまり、ガッチガチに固くなってんぜ?
それもそうだろう、目の前に憧れの人(人形)がいるのだ。
さて、こういう時に謝罪を撤回するのもそれはそれで相手に悪い気がするので、軽いお詫びをして手打ちにしよう。ガバへの対処が走者の腕、はっきりわかんだね。
「そうか……あ、そうだ。ウェデリアは今時間はあるか?それと、もう朝食は取った?」
「時間は大丈夫よ〜。今日は休みだしね。
朝ごはん?まだだけど、それが?」
「なんだけど、朝食を作らせてはくれないか?
それでまあ、色々と手打ちにしてくれると助かるんだが。」
「え?」
さて、どう来るか。
彼女が45姉だとして、俺の身元を探るなどの指令を渡されているとしたら。
対象と話せる機会を逃したりはしないはず。
なんで俺にお薬だしたり(意味深)、肉体に聞きにかかったり(直球)しないのかは謎だが。
それはまあ、健康診断と同じ類の【穏便な調査】の一環なのだろう。
この2週間のうちに幾らでも仕掛けるタイミングはあっただろしな。
なら、こちらから情報を積極的に開示した方がいい。
古来より、尾を振る犬は叩かれず、ともいう。
相手方が俺なんかのどこにそんな興味を示しているか分からない現状、とりあえず全部おっぴろげて神妙に待とう。
……っていうか。45姉とご飯を食べたい。うだうだ言ったがぶっちゃけそれがメインである。
「それじゃ、お願いしてもいいかしら?」
「もちろん、こっちから誘ったんだからさ。」
ヨシ!!(チェックシート確認猫)
45姉とご飯だぁぁぁあああ!!!
…………
さて、俺の思惑通りに事が進んだ訳だが。
大事なことはただ1つ。
45姉(少なくとも、その同型機)が、俺の部屋に居る!!
ただそれだけである。
正直、生配信の時よりも緊張しているのが分かる。
俺の心臓の鼓動の音がうるさ過ぎて聞こえていないだろうか?
やばいよやばいよ〜!(出川)
こうなることが前もって分かってたら、もっと部屋を掃除しとくとか、いい感じのインテリアを買いに行っていただろう。
いま部屋にあるのは、扇風機・コタツ・机・やたらと充実したパソコン関連……しか、ない。
キッチンに行けば冷蔵庫もあるぞ!
こうなるなら、ペットロボットの1つでも買っておくべきだったろうか?
……とてもじゃないが、推しを招けるような状況ではない。
「今から料理作るからさ、そのクッションしかないけど、のんびりしててくれ。」
「ええ、どうも。」
ご飯に誘ったはいいものの、そんなに手先が器用な訳では無い。
男料理という名の雑味がうま味みたいな物しか作れないのである。
とりあえずスクランブルエッグかなと思い、殻がなく白身と黄身だけが個別包装で入っている人工卵を冷蔵庫から取り出す。
「そうだ、アレルギーとかはある?」
「ええ、ありがとう。私は人形だから、そういうのは大丈夫よ。」
「そっかそっか、了解。アレルギーがないなら、花粉症とかにもかからないのか?」
「人形のアレルギー?そんな話は聞いたことがないわね。」
「へ〜、便利なもんだな。」
雑談の合間に調理を進めていく。
と、その最中。
「トーゴって、ファミリーネームはシドーだったよね?」
「まあ……そうだね。」
「トーゴって引っ越してきたばかりだし、部屋にあんまり物がないのに、パソコン周りだけはヤケに充実しているのね?」
「趣味だからね、オンラインのとかよくするんだよ。」
「もうひとつ質問いいかしら?昨日、【話題】になった配信者の410。 知ってる?」
(カンのいいガキは嫌いだよ……)
「へえ…知らないな。俺の名字にそっくりな名前だ。」
「そうね、そっくりだわ。
……あら?このロゴの着いた帽子は、」
「それはっ……ー!!」
料理から気がそれ、彼女の方へ目を向けたその刹那。
ーーー俺は、敗北を悟った。
嵌められた。そう、彼女は帽子なんて持っちゃいない。
さっきのは、タダのカマかけだった。料理中というのもあったのだが、あっさりと引っかかってしまった……!!
これが、特殊部隊の小隊長の実力だと言うのかっ!?
勝てねぇ、勝てねえよ……
今の気分は、高校生に負けた特殊部隊の隊長と同じものだった。僕はヒロイン達の中だとおじさんが好きです(鉄の意志)
「それは〜?何かしら?帽子自体は持ってるのね〜。【シドー】さん?」
こちらをニヤニヤと嘲ってくる彼女。
猫じみた金の瞳を三日月のように湾曲させ、こちらを小馬鹿にしてくる彼女。
不思議なことに、敗北感の中で少し特別な感情を抱いてしまっていた。悔しい、でも感じちゃっ(略
とりあえず料理を作り終わったため持っていったのだが、散々からかわれた。
さて、食べ終わって直ぐに追い返すというのも申し訳ない(もっと45姉(仮)と一緒にいたい)ので、お茶を出すことにした。
とりあえず、紅茶を入れる。
女の子には紅茶を出すと相場が決まってるですわぞ〜!(お嬢様部)
俺は猫舌なのでアイスティーといきたいところだが、この時代になって合成になったとしても、ティーパックはやっぱり熱湯らしい。
いや、ただの紅茶じゃ気が引けるな……
合成ミルクに合成紅茶を入れた天然物一切不使用の人工ミルクティーにして……
それだけじゃありきたりだからもう一味変化が欲しい。
ネタ帳にあったアレを作ろう。
ミルクティーにこれまた人工ココアパウダーを振ったミルクティー・ショコラ。
ココアはバンホーテンのものを使用しているのかな?(自問痴呆)
「粗茶です。紅茶しかなかったけど、いいかな?」
「お気遣いどーも。あら、随分とオシャレなものを作ってくれたのね?……うん、味も良いわよ。」
「お褒めの言葉、恐悦至極です。お嬢様」
会話を交わしながら、俺は感動の海に溺れそうだった。この喜びを叫びとして体の外へ吐き出してしまいたいが、それは余りにも不審がすぎる。
立場的には不審者だとしても、実際に不審者にはなりたくないのである。俺は。
いや、だってさ。
推しが、俺の入れた紅茶を、飲んでいる。
好きな人の体内へ俺が作ったものが入っていき、その活動や体の元となるのだ。
何故かいつも弁当を作ってきてくれる系ツンデレ幼なじみの感情が理解出来た。え、ちょっと怖い?……怖くない、怖くないよ(NUSK)
朝ごはんの時はそんなこと考える余裕がなかったからな。今更、その感動に浸っているという訳だ。
「……?……お、おじようさ、ま!?わ、私が?え、え?きゃ、あつっ!?」ゴホッ、ゲホッ
???なんか目の前の特殊部隊長様(暫定)がパニクってらっしゃるぞ。人形もむせるのか……
今までの傾向からして、お嬢様ってのが効いたんだろうなあ
何でこんなに効いてるのかは分からないが。
ま、趣味は人それぞれだし、多少はね?
多分、これは偽物……というか、同型の別の人形だろうなあ。
あの45姉が、初対面の人間を相手にこんな感情を表に出すだろうか?いいや、出すまい(反語)
さっきのカマかけは、かなり手の込んだものだったが、これはこの型の人形のメンタルモデルに特有のものなのだろう。
そう考えると、気がだいぶ緩んだ。
や、いくら推しでもスパイ(ガチ)相手にしてたら怖いでしょ。
モンハンならティガレックス好きな俺だけど、もちろん現実じゃ会いたくないし。
この子は45ちゃんだな。ちゃんだちゃん。
45姉の筈がない。
そう。
分かったならば、やるべきことはただ1つ。
自分が元々そういう資質があったのか。
はたまたこの異常な環境が目覚めさせたのか。
俺は最近、ちょっとしたやばい趣味が出来てしまったのだ。
それは……
女の子をドキドキさせることである(精一杯のオブラート)
前世じゃ滅多な事じゃ見ないような美少女が、俺なんぞを相手に焦ったりテンパったりする場面をこちらに来てから何度も拝んだのだ。
ちょっとくらい趣味が歪んでも仕方ないね(ノンケの屑)
と、いうわけでだ。
むせている彼女の背後に回って、背中を優しく摩ってあげることにした。
後ろに回った際、髪の隙間から見えた白く艶めかしい首筋にドキリとする。
背中の美しいカーブに手をかけて、そのまま下ろす。同じように、ゆっくりと手をあげていく。
手触りが良すぎる……めちゃくちゃサラサラやんけ……それに、手から伝わる体温がちょっと高めで完璧だ。抱き枕にしたら凄い安眠出来そう
「どうされました?お嬢様。」
「そ、その……お、おじょう、さまって、何?」
「言葉通りの意味ですが?」
めちゃくちゃテンパっている上に、ただでさえ可愛らしいお顔を真っ赤にしている姿は大変可愛らしいものがある。
「なんで、急にそんなことを……それに、口調も、またかしこまってるし……」
「紅茶を飲むウェデリアが様になっているように見えてな。そんなにびっくりするとは思わなかった。ごめんな?」
「様になってるって、何よ〜……。それ……」
からかいは関係なく、事実としてラフな格好だとしても、紅茶を飲む45ちゃんは深窓の令嬢といった佇まいだったのだから。
部屋と食器が役不足(誤用)な感じが否めないが。
顔を近づける。背を撫でていたから、かなりの至近距離には元からいたのだが。
上半身を傾けて彼女の方へよっていく。
「な、何よ?」
もっと、もう少し近づく。彼女からフワリと広がる甘い香りが強くなる。
「ねえ、なんなの?ちょっと、何か言ってよ……」
互いの距離は、既にお互いの息がかかるような距離だ。
「あの、ね、ねえ?どうしたの?」
一旦、止まる。彼女の顔を見つめる。人工物だからだろうか。シミひとつ、荒れひとつない美しい顔が視界いっぱいに広がっている。語彙がないため言葉には出来ないものの、人間離れした美しさだ。
先程はイタズラに歪んでいた瞳も、今では気恥しさからか挙動不審に揺れ動いている。
「う。あの、ちょっと。ね、ねえ。」
「ウェデリアは美人だしさ。姿勢もいいから、紅茶を飲んでるとお嬢様みたいだなって。」
ドタンッ!!ガシャン!!パリン!!「ひうっ!!」
なんの音か、お分かりだろうか。
45ちゃんが、俺からダッシュで逃げ出して道中にあった机とコップをなぎ倒して行った音である。
彼女はまるで猫のように俺の対角まで逃げてしまい、こちらの様子を伺っていた。
……効果は バツグンだ !!
顔マッカォな45ちゃんマジかわいいな。
「こ、こんな厳つい私が?び、美人?さ、流石にその冗談は笑えないんだけど……」
「いや、本心だが?」
「え、その、でも……私、見てわかると思うけど、労働用の人形だから、ゴツく作られてるし……お嬢様なんて、そんな……」
労働用だからゴツく作られている?
……あー、確かに肉体労働を任せる人形はゴリゴリに作るよな。
ターミネーターとか筋肉モリモリマッチョマンの変態だし。
とはいえ、俺からしたら本当に45ちゃん……というか、ウェデリアちゃんは可愛い。それこそ文字通り、【人形】にしか見えない。
そういえば、人類種が違うんだった。そこら辺の美的感覚は違うのかもしれない。
俺、イケメンすぎるゴリラ以外もだいたいイケメンに見える。
いや、フクロウの美醜とかは分からなくても、全部可愛く見えることの方が感覚としては近いのか?
ふむ。この世界の感覚からしたら道行く人は美人ばかりじゃないのかもしれないのか。またひとつ賢くなってしまった。
が、そんなことはどうでもいい。
「背筋を伸ばしながら紅茶を飲む仕草、俺にとっては1番可愛らしく見えるよ。」
だって、俺にとっては可愛い人形にしか見えないのだから。
「お、お、お……」
お?
「おじゃましまひたっ!!」
ドアまで爆速で逃げられた。
後に残されたのは俺と、机が吹き飛びコップの倒れ、嵐の過ぎ去ったあとのような部屋だけだった。
最初はああ思ったものの、物が少なくて良かったか……
・
・
・
・
・
・
どこかの薄暗い路地裏にて。壊れた通信機が最後に送信した音声データ。
・もしもし。こちら【リンクス】、聞こえてる?
【任務】の方は順調よ。【対象】と接触したわ。
こちらに不信感も持っていないみたい。まったく、呑気なものね。
・こちら【ジェロニモ】。随分と可愛い悲鳴だったじゃない?隊長様。いえ、お嬢様の方がいいかしら?……なんで私のコードネームはこんなのなのよ…(ボソッ)
・こちら、【レーヴェ】!リンクス姉はやっぱり可愛いねぇ〜!
ミシミシ
・ ……ん?なにぃ〜?あ、【カッツェ】だ。
おはようぅ……ここに居るのは珍しいね……。
どうしたの?え……そんなこと言ったら怒られちゃうよ〜。大丈夫?保証する?責任持ってくれる?
え、ラズベリーアイスもくれるの?……わかった、伝えるね……。 (ゴニョゴニョ)
こちら【ベルーガ】、お嬢様にお伝えしたいことがあります。
「……お嬢様が大変立派に育ってくださり、私としては歓喜の涙を偲ぶのに精一杯で御座います。これからも尚いっそう、お嬢様が淑女として活躍なさることを、私は心のそこからお祈り申し上げていますよ。」
バキッ!!
・あっはっはっ!ありがとう、ベルーガ。
こちらカッツェ。まさか、あの泣き虫の4グシャッ!!
……が……お嬢……
……………
最後に通信していた5人組は、いったいどこの誰なんだー!!??
コードネームは趣味が6割、ちゃんとした意味も4割くらいありをりはべり。
次回【実況者410、暁に死す】デュエルスタンバイ!!
久々の放送回です(タイトル回収)
UAがなんかいきなり3倍の1万くらいになっていて、オッパげた!!まさかそんなに読んでいただけたとは……感謝の極みです!!
本当にありがとうございます!