ううう…なんでこの人形ちゃんは俺の元に来てくれないんだ……
持ってない人形ちゃんだから解釈違いがあったら介錯されても構わない(HHEMの村)
追記ー人形ちゃんの名前を間違えるとかいう神をも恐れるミスを犯したためセルフで介錯します、サヨナラ!!
ある実況者様(3人)の実況を聞きながら書いていたため、多分に影響を受けております。偉大なる実況者様へ感謝の気持ちでいっぱいです。
それでは、どうぞ。
ハロ〜!私はRFBだよ!
ここ最近、長期の任務を任されちゃってて、疲れちゃった〜〜……。
ちょっと休んだところで、早速、いつもの動画サイトにログインする。
私はここで、コンビの配信者K&Rとして活動してるんだ!
Kは誰かって?気になる人は私の動画を見てね!
さてさて、他の人の動画をチェックしないと〜。
お気に入りの人や、仲良しの人が投稿した動画を眺めつつ、ニュースアプリを開く。もちろん、ゲーム関連のもの。やっぱり流行っていうのはあるからね!
ふむふむ……えっ!あの2020年の伝説のクソゲー『ラストソード』がVRとしてリメイクされる!?
へぇ〜。出たらやってみても良いかも!
もしかしたら、リメイクに伴って面白くなってるかもしれないし?
動画に使えそうなものや純粋に興味を惹かれた記事を保存していく。
そうやって眺めていくと、変な記事をひとつ見つけた。
なになに、イケメン配信者の乳首流出……?そんなエロゲーみたいなことが、現実に!?
その記事を開くと、その元となった動画が載せられた記事が出てきた。
投稿者の名前は【410】
名前の通り、410と大きくロゴのかかれた帽子を被っているイケメンの姿が出てきた。
「へ〜。有難いけど、ちょっと可哀想かな。
それにしても、なんかラノベヒロインの設定みたいな感じだね。イケメン配信者で隙だらけって。」
他意はない。
ないんだけど、とりあえずネタにはなるかもしれないと思い、彼のページをブックマークしておこうかな。
配信者のページにまでたどり着くと、彼は現在生放送中だという。
え、え!?タイミング良すぎない?もしかして確定イベントだったのかな?
初回の放送で事故を起こしたのに、放送を続けるなんて、結構メンタルが強いね
いやいや、それはいっか。
とりあえず見てみようっと!何事もチャレンジだよね、ゲームも現実も!
開くと、そこには記事にも載っていたイケメンがリアルに動き、話をしていた。
どうやら偽物ではなく、加工などもしていないようだ。
本物のイケメンが配信している。
けれど、それへの感情が来る前に、彼の口から驚くべき言葉が飛び出してきたので、私の思考は止まってしまった。
『それは、僕の…その、ち……ち……』
『僕に関するセンシティブな動画です!!』
おおっと!何やら衝撃的な発言が飛び込んできたね……彼が流出動画の人っていうのは間違いないみたい。
さらに、驚く事は続いていく。
ypa91:贈ったゲーム、早速楽しんでくれてるみたいで嬉しいです。
『あ、あなたが⑨さんですか!
わ…わいぴーえー?91さん。本当にありがとうございます!マジでありがとうございます!!
初めてこういったゲームをしたので、めちゃくちゃ楽しいです!!
こういってしまってはなんですが、正直VR機械を入れてたのはネタとしてだったので……まさか周辺機材とソフトまで頂けるとは……本当、ありがとうございます。』
へ〜。今やってるPL10VR、貰い物だったんだ。
あれを貰うなんて凄いなぁ。周辺機材も含めて、なんてね!……送り主の名前にちょっと見覚えがあるけど、まさかあの子じゃないよね……?そんな子だったかなあ。静かで、本が好きなイメージだったし。
ま、いっか!
ふーん。ゲームは初めてなんだ……そっか、本当?
彼のプレイを見てると、どうしても違和感が拭えない。
ゲームは、その内容によって、ある程度お約束が存在している。
これはゲーム内だと当たり前だが、ゲームを知らない人は驚くような内容のことも、勿論ある。
それは、【回避の無敵時間は敵の攻撃に突っ込んだ方が良い。】ということだったり、
【死にゲーのザコ敵は無視して走り抜けても良い。相手をするにしても、集団から離してから一人一人倒す。】ということだったりする。
彼の動きはぎこちない。VRゲームを遊ぶのは本当なのだろう。けれど、おそらく、彼はそういった【お約束】を知っている。
【レベルを上げた際、どのような能力を強化すると何が変わるか。】や、【どんな通路に宝箱が配置されてそうか。】などは分かっているのだ。
ここら辺は攻略サイトを見れば分かることだろうけど、彼はプレイしながら攻略サイトを見ている余裕や時間は彼にはなさそうだ。
そこが不思議だった。VR初心者なのに、ゲーム自体は中級者から、ものによっては上級者かもしれない。そんなチグハグさ。
もしかしたら、レトロゲーしかやった事がない、とか?
けれど、そんな事は有り得ない。自分の変な想像を切り捨てる。
VRではないゲームなんて、数十年前に生産が終わっているし、その数十年の間に、人類は今まで対面した事がないような未曾有の危機に何度も直面してきた。
だから、大戦前や北蘭島事件前の遺物のゲームなんて、それこそおいそれと手が出せないコレクター向けのものでしかないし、それよりも今のゲームの方が技術は進んでいるし、没入感も強い。
そういう理由で、今更昔のゲームをやるのはその手のマニアしかいない。
そこまでのゲームマニアが、幾ら最新機種とはいえ最大手の据え置き機を持っていないのも考えにくい。
彼は…………面白い!
私の中で、彼は【警戒心の緩いイケメン】から、【興味深い新人配信者】へと変わっていった。
というわけで、コメントをしてみる。
私の事は知ってるかな?知らないかな?
ワクワクしてきた、送信ボタンに指をかけると、知らず、口角が吊り上がる。
新しいゲームを始める前のようだ。
ビニールを破り、本体に差し込む前のドキドキ感というのだろうか。
彼の秘密、というかどんな背景があるのか気になる!
イケメンで警戒心が緩く、配信者と言うだけで不可思議の塊なのに、そこにVRゲーム初心者なのにゲーム初心者ではないという事までもが加わり、摩訶不思議の闇鍋とかしているのだ。
気分は推理ゲームの証拠探し。誰かの秘密を暴くとか明かすとか、そんな気分!
彼がどんなゲームをしてきたのか、気になるしね!
天才ゲーマーR:初めてのゲームにしてはかなり上手いね!センスあるよ!
e:こマ?R来てんじゃん
t:マジか、早くコンビチャンネル更新して❤
l:KとRのドンカツお代わり動画すこ
n:Kの方はどぶ森で1日でローン返済をしてからやること分からなくなったってまじ?
a:Rさん色々な配信見てるっぽいもんな
g:いや、本物なのか?
私のコメント、気づいてくれるかな?
嬉しいことに、ファンの人達もいるみたいだし!
人の配信であんまりコメントを取るのもマナー違反になっちゃうし、ワガママだけどあんまり反応されるのは、遠慮したいんだけどね……
『Rさん、ありがとうございます!
まあ、VRは初めてなんですけど、ゲーム自体は初めてじゃないんですよね〜』
コメントに気づいてくれた!あれだけ他のコメントも反応してくれたら、そうだよね。
……っと!いきなり確信を突いてきた。
概ね、私の予想通りだ。
さて、彼の言う【ゲーム】って何を指してるのかな?
s:VRじゃないゲーム?
b:それスマホアプリじゃね
g:わんちゃんレトロゲーしかしたことない説
y:それは草
同じような考え方に行き着いた人もいるみたいだ。けど、それは本当に非現実的なこと。
もし居たとしたら、合成豚肉を食べたことはないけど猪肉は食べたことがある人みたいに稀有な存在だ。
彼の言ったことは本当だろうけど、それだけでは無いのだろう。
まだあまり深入りはしない。
とりあえず、アドバイスでも打っておこうかな。
天才ゲーマーR:なるほどね〜。あ、バースティトの速い動きが苦手なら魔法で遠距離した方が良いかも?バースティトは魔法に弱いしね。
『おお、ありがとうございます!次はそれで行ってみますね。』
彼の動きは、初心者にしては中々上手いものがあった。人からのアドバイスを聞き入れ、一つ一つ試していく。負けてもやられても反省を生かし、先程より長く戦えるようにする。
それらは死にゲーで特に大事な事だけど、他のゲームでも大事な事だ。
やっぱり彼は、【ゲームが分かっている】んだろう。
『この距離なら槍は振れないな!』
懐に潜り込んで、小剣を振るう彼はそう叫んだ。
直後、ボスはバックステップしながら槍を薙いできた。彼は、その一撃を前に踏み込んで、生み出された距離を殺しつつ回避する。
『神回避!今の回避見たみんな!?初見の攻撃を神回避しちゃったぞぉ!』
【ここも】だ。
咄嗟の回避で前に飛べるのは、アクションゲームに慣れてるか、よっぽど器用な人だ。彼は、プレイからはあまり……器用には見えない。それに、反射的に口から【神回避】とすぐ出てくる辺り、ゲーム好きな人種だろう。
「やっぱり、面白いな〜」
ついつい、ニヤニヤしてしまう。
それからも彼は
『術の硬直が長すぎるっ!!』
『あー、やっぱりね!!こういう所には隠し通路と宝箱があるよなぁ〜。』
『躱しただろ今の!疑わしい判定だなおい!』
『軸合わせスギィ!ターンテーブルが足元に生えてんのか?』
『敵の硬直時間に刺しこんでいくぅ!!気持ちいいねえ!』
『(溜め攻撃しつつ)顔がついてるから取ってあげる』
『何そのビーム!ワンサイドゲームがお望みか?ビームばっか撃つな?無理はしなくていいんだよ?楽になっちゃいな?楽になっちゃお?』
『おいおいおいおい!こっちを嵌めて1人だけ気持ちよくなってんじゃねーぞ!!俺にも気持ちよくやらせろ!』
『は?そこで薙ぎ払いのループするん?IQ2億だろこいつ!』
『起きハメはやめろ!繰り返す!起きハメはやめろ!』
『ピヨったあ!やめろ、死にたくなーい!!』
など、ある程度ゲームに精通していないと出ないだろう言葉を繰り返していた。
時々、独特な言い回しが混ざっていたけど、ゲーム中につい出ちゃう言葉って結構地域差が有るしね。
けど……あんまり、男の人が気持ちよくっていうのは良くないと思うかな……それに、それってゲームで使う言葉?
何度目かの挑戦の後。
彼は、バースティトの前半戦を完全に凌げるようになっていた。
【屍喰鬼の懐刀】はリーチが短い代わりに手数が多く、攻撃後の隙も小さいのが取り柄だ。
彼は、槍の攻撃を見抜く代わりに予兆を見て回避を重ねている。リズム感いいね!音ゲーとかもできそうかな?
そこで、彼は私を再び驚かせた……というか、私の興味を、とても惹いた。
HPを半分まで減らし、第2形態。彼は一方的に遠距離から攻撃を撃ち込んでいた。
しかし、彼はいつもこの後のワープからのバックスタブにより殺されている。
これを繰り返していたら、また同じ目に合うだけだ。彼は、どう対処するつもりなんだろう?
案の定、バースティトはワープを繰り出した。
彼はその場で棒立ちになった。この動きは、さっきからもう何度か見ている。先程まではそのまま死んで行ってたけど……
数瞬の後、バースティトがワープを行って、攻撃を繰り出してくるであろうその瞬間。
彼は、【野獣の咆哮】を用いてカウンターを取った。
これを、これを狙っていたんだ!!見てて凄いかっこいいし、楽しくなれる良いプレイ。
彼は、見せ場を作ることを、というか、視聴者さんを楽しませることを意識しているのかな?
ゲームの中でとはいえ、勝ちよりも楽しませることを念頭に置いているのは、同じ動画投稿者として好感が持てるね!
だけど、彼はそれだけじゃなかった。
倒れたバースティトへ【顔無きスフィンクスの爪剣】を当てる。
そして、起き上がったバースティトはもう瀕死の状態。
なんでもいいから当てさえすれば勝てる状況で、彼は……
遠距離攻撃の【異浸伝神】ではなく、溜めが必要な近距離攻撃である【顔無きスフィンクスの爪剣】をわざわざチョイスしたんだ!
彼は、どこまで人を楽しませることを優先しているんだろう。
もし、もしも、これが決まったら……それは相当に【気持ちいい】んだろうな。
果たして、結果は彼の狙い通り。カウンター判定で威力の増した溜め攻撃が、バースティトの体に突き刺さった。
勿論それは、オーバーキル!バースティトは倒れていった。
ああ、彼の言っていた言葉の意味がようやく分かった。
これは本当に、【気持ちがいい】なあ。
ゲームをしているワクワクとか、上手く決まった時のドキドキとか、全部ひっくるめて気持ちよくなれる。
それがゲームの良さとか楽しさだと思うし、彼の言い方はそれを端的に言い表していた。
最初にちょっとだけ持っていた、顔だけの配信者かなとか、男だから人気がでたのかなとか、そういう嫌な気持ちはプレイを見てるうちに吹き飛んでしまった。
彼のことは全然よく分からないけど、伝わってくることがある。
彼は、ちょっと怪しいところがあるだろう、ゲームが好きなんだろう。
でも、それ以上に、本当に人を楽しませたくて、配信者をしているんだ!
やばいね。ちょっと胸がドキドキがしてる……さっきの興奮が体を熱くしている。この人ともし遊べたら、どんなに楽しいんだろう!!
コラボ実況とか、出来ないかなあ?
私は、どうやら、この配信者、【410】の、ファンになってしまったようだ。
そう思っていたら、どうやらマルチプレイの募集をするらしい。好都合かな。
このマルチプレイは、彼がイケメンで人気があるだろうし人がいっぱい集まるだろうね。
久々に、本気で入力しよう。
彼とゲームがしたいし!ここは、負けられないからね!
すいません、お客さん。それ勘違いなんすよ!
とはいえ、410くんが出来るだけ視聴者を楽しませようとしていることと、ゲームが好きなのは本当です。
自分で書いておいてなんですが、VRゲームしたことないくせにレトロゲーやったことあるやつを、合成豚肉食ったことないのに猪肉食ったことあるやつと例えたのは秀逸だなって(自画自賛)
えー…事務連絡になるのですが、ストックの霊圧が……次回で消えます。
更新ペースはもちろん落ちますが、エタるつもりはないです。
ある程度進めたところからは、短編集のような形を想定していまして、とりあえずそこにたどり着くまでの構想はあるので、安心してください!
次回【第15話 人形(ニンギョウ)Aの献身/人形(ヒトガタ)の道化師】
僕はWもガリレオも好きです(お気持ち表明)