(あべこべな)ドルフロ世界の配信者   作:ほろほろぼんぼん

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とうとう、タイトル回収の配信回までやってきた〜!!
人形ちゃんは5人出てますので、良かったら探してみてください。隠れミッキーくらいの難易度だと思います。


第6話 はじめてのはいしん

『皆さん初めまして!410(シドー)チャンネルの初配信を見に来てくれて、ありがとうございます!』

 

予めしていた宣伝が効いたのか、配信が始まったばかりにも関わらず30人近くもの閲覧者がいる。

 

 

リィザ:初めまして。

a:初めまして!

b:初めまして〜!

スコp:はっじめまして!

秘密兵器彼女:はじめまして

 

画面の端をコメントが流れていく。

その中に、幾つか目に止まるものがあった。

 

 

n:写真の通りめちゃくちゃカッコイイですね!

M:ナイスイケメン!!

猫丸:バーチャルでもないのにイケメンが動いてるにゃ!

 

 

なんか人形っぽい人が……

いや、今は1視聴者だ。とりあえず置いておこう。

やっぱり人形もこういうの見るんだな。想定内だ。(メガネクイッ)

 

宣伝の時から分かっていたことだが、俺の顔はこちらでは整っている分類に入るようだな。

とはいえ、お世辞の類もあるかもしれない。

実際にはどれくらいに見えるのか、探る必要があるかな。

 

 

『皆さんありがとうございます。

はい、初めましてー!

挨拶をすると、気持ちがいい!ということでね。

しっかり返させていただきますよ。』

 

『これから、この410チャンネルではですね。

ゲームの実況はもちろんの事、様々な面白いことを提供していこうと思います!

 

何かと暗いこの時代ですし、僕の放送で少しの時間でも明るく過ごせる人が増やせたらいいな。というのが目標ですね〜。』

 

『なんて、ちょっと大袈裟なこと言っちゃったかな?

とりあえず、そういう方針で頑張っていくつもりです!』

 

意識的に、ゆっくりと話す。緊張から無意識に早く話してしまうため、それでちょうど良くなるのだ。

 

 

b:頑張ってください!応援します〜!

M:性格めちゃくちゃ良さそうで草

k:こんな男が実在すんの?結婚しない?

モロカク:良い目標だと思いますよ。頑張ってください。

秘密兵器彼女:応援してます

 

概ね、好意的なコメントだな。

ネットの民度が前世よりも高いのか、男女比と顔が影響してるのか。

はてさて、どちらかな?ここら辺でさっくり聞いてみるか。

 

 

『応援、ありがとうございます。頑張りますね!

結婚はお互いのことを知らないので遠慮させていただきます。

申し訳ないですが。

 

あと、先ほどイケメンと言ってくださって嬉しいです!初めて言われましたよ。感動しちゃいました!』

 

 

間を取る。

 

 

b:そうなんですか?めちゃくちゃカッコイイですよ!!

リィザ:素敵だと思いますよ。

猫丸:絶対言われ慣れてるにゃ〜!

k:すごいかっこいいから、結婚して❤

スコp:みんなも言ってるけど、本当に言われたことないの〜?

モロカク:顔だけじゃなくて、声もカッコイイですよ!

今度なにか歌ってみるのはいかがでしょうか?

 

 

画面越しにかけられた幾つもの声が、俺イケメン説が本当の事だと教えてくれた。

ヨシ!!(指差し確認)

 

 

『ははは、そんなに言われると照れてしまいますね。

あ、モロカクさん、ありがとうございます。

声を褒められたのも初めてですね!

歌う企画ですか〜。

じゃあ今度、歌ってみたとかあげちゃおうかな。

もし上げたらみんな聞いてくれる?』

 

 

猫丸:もちろんだにゃ!

秘密兵器彼女:もちろん。私は聞くよ。

モロカク:絶対に聞きます!!

M:このイケメンが歌うってま?

a:聞きたいです!

n:売り物以外で男性の歌とか聞いたことないしね〜

s:ほんそれ

スコp:だよね!男性の歌ってプロのしか聞いたことないよね!

 

なるほどね。男性とカラオケに行ったことのある人が少ないから、必然的にプロ以外の歌を聞いたことがある女性は少ないのか。

しかし、幾ら男性が少なくても、プロは存在するんだ。

 

それもそうか。こっちの人類も創作とか芸術は好きみたいだし、自己表現したがる男性はむしろバックアップされやすいのかもな。

 

 

ふむ、それにしても、だ。

観光地ではタクシーを使え。みたいな?

現地の人しか分からない感覚は、話さないと分からない。

配信を始めて、今世の感覚という思わぬ副産物を得た。

 

 

『皆さん、ありがとうございます!

じゃあ、今度歌ってみた上げてみますね。

……あの、恥ずかしながら流行には疎くて、今どんな歌が流行ってるか知らないんですよ。

折角ですし、発案者のモロカクさんに何を歌うのか決めていただきたいなと。』

 

 

モロカク:え、私でいいんですか?

 

 

『ええ、歌ってみたはモロカクさんの発案なので。

何か聞いてみたい曲とかありますか?』

 

 

モロカク:えっと、じゃあ

 

 

『はいはい。』

 

 

モロカク:ARC ENEMYさんの、イェスタデイって曲をお願いしたいんですけど。

 

 

『ARC ENEMYさんのイェスタデイ、ですか。

聞いたことがないので……今聞いてみます!』

 

 

秘密兵器彼女:あっ……

猫丸:私も聞いたことないにゃ

スコp:えー、えー……私が思ってるのと一緒なら、歌うの難しい曲だと思うよ〜。

リィザ:初めて聞きました。

M:何かを察してるヤツいて草

 

 

『あれ、あんまり知られてない曲なんでしょうか?

とはいえ、真っ先に名前が出るのは知られざる名曲みたいな感じで、それはそれでカッコイイですねぇ!』

 

 

モロカク:あ、ありがとうございます。私って、あんまり音楽の趣味が一般的ではないようで……私はいい曲だと思うんですけどね……

 

 

『そうなんですか?曲の趣味なんて人それぞれじゃないですか。

自分が好きならそれがいい曲なんですよ。

もちろん、人にも聞いて貰えたら嬉しいですけど、理解されないからダメって訳じゃないと思いますよ。』

 

 

モロカク:ありがとう、ございます。

M:めちゃくちゃカッコイイ語り始めて草

スコp:いいこと言うね!

猫丸:人生相談窓口はこちらかにゃ〜?

k:初配信にもかかわらず、人の悩みを真剣に聞くとか心までイケメンじゃん。結婚しない?(提案)

 

『自分の好き嫌いは誰にも否定できませんよ。

っと、見つかりましたね。

他国語に結構自信ありなので、もし知ってる言語だったら歌いますね〜』

 

 

よし、再生っと。

 

 

度肝をぶち抜かれた。というか、俺の度肝をぶち殺された。

 

 

不意打ち。そう、死角からの不意打ちと表現するのが正しいだろう。

有り得ないものを日常の中で見てしまったら、こんな感情を味わうのだろうか?

 

 

 

 

ふと後ろを振り返ったら、すぐ後ろに日本人形が立っていたり、シャワーを終えてふと目を開けたら、ニヤニヤと笑う男が顔を覗き込んできていたり。

 

 

 

 

 

痛みというのは、来ると分かっていれば我慢出来る。

堪えることができる。

しかし、いや、しかし!

配信中という、気が抜けているとは言えないが、周囲を警戒していなかった状態での【これ】は、あまりにも無防備だった俺の心へ直撃した。

 

それ即ち、

 

 

 

 

 

 

デスメタルである。

それも、耳元のヘッドホンからの大音量で。

 

 

 

 

『おゔっ!?』

 

びっくりした、めちゃくちゃびっくりした。

普段じゃ有り得ないような太い声が出た。

具体的には椅子ごとひっくり返った。

クッションがあったため怪我はしなかったものの、コントのようにひっくり返ってしまった。

初配信でこれはまずい。

やべぇ、めちゃくちゃ起き上がりたくない。

コメントが凄いことになってそうだ。

 

 

けど……もしもモロカクさんが【あの人形】だったとしたら、気にしてしまいそうだ。

 

確か、あの人形は趣味の音楽がみんなからのウケはあまり良くないことを知ってるはず。

もしも、それを知っててなお俺に教えてくれてたんだとしたら、今の心境は、察するにあまりある!

 

人を笑わせるためのエンターテイメントなんだから、落ち込ませてしまったら意味が無いんだ。

さっさと起き上がろう。

 

 

『い、いや〜。ははは。音量の設定ミスしててびっくりしちゃいました。皆さん、驚かせてすみません。』

 

コメントは、今までにない速度で流れていっている。

 

 

a:コントみたいな転げ方してて草

g:人間ってあんな転がり方するもんなんですねえ

d:実は仕込みだったりしない?

k:結婚してくれたら許すよ。

スコp:大丈夫だった?怪我してない?

r:転ぶ時のへそチラ……いい……

猫丸:ひっくり返った時頭うってない?

秘密兵器彼女:転ぶ時の声ちょっと色っぽかった。

M:はえ^〜、コメントから人間性の差が見える見える

モロカク:だ、だいじょうbでしたかわ

 

 

案の定というかなんというか、気にしてしまったらしい。

人形なのにキーボードも怪しくなってるぞ。そんな気にしないでいいんだけど、どうしようか。

 

 

リカバーが・走者の腕の・見せ所。(我らがbiim神に捧ぐ575)

 

 

『皆さん、心配してくれてありがとうございます。モロカクさんも、大丈夫ですよー。

いい曲を教えてくれて、ありがとうございます!この曲の歌ってみたを今度投稿しますね!』

 

 

モロカク:え、大丈夫なんですか?あの曲のせいで今転んでしまったんじゃ……

 

 

『いやいや、僕が音量調節ミスっちゃっただけなので!心配させてごめんなさいね〜』

 

そう笑って、手を合わせる。

 

『モロカクさんがあんまり気にしちゃうと、音量ミスしてすっ転んだ自分の間抜けさが際立っちゃうんで……気にしないでください〜〜!お願いします!!』

 

 

モロカク:は、はい。歌ってみた、楽しみにしてますね。

 

 

まあ、これで大丈夫かな。

 

 

『はい、ありがとうございます!

じゃあ、ちょっとしたハプニングもありましたがそろそろ時間的に締めさせて頂こうと思います。』

 

『これからも、410チャンネルをよろしくお願いします!それでは!!』

 

そう言って放送を終了した俺は、哀れなことに、こちらに来てから最大のミスを犯してしまっていたことに気がつかなかったのだ。

 

もし転ばなかったら、あるいは、モロカクさんに気を取られずにコメント欄をちゃんと見ていれば。

そんなもしもを考えても意味は無い。

事実、俺はあのコメントを見逃してしまったのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

M:転んだ瞬間に乳首見えたったwww思わず保存しちゃったわww

 

 

 




このあべこべ世界で乳首を保存されてしまった弊害が、主人公を襲う!
頑張って、主人公!ここを耐え切れば、有名配信者になれるんだから〜〜!!
次回、アナザーサイド・お母さんは見た!!
次回もサービスサービスゥ!

(追記:話のTMPを重視して、次回はアナザーサイド・一方その頃に変更します。許してくれ、許してくれ……(かりんちゅ))


これは全く本編に関係ないんですけど、ドルフロの影響でデスメタル聞くようになりました。
ARCHE ENEMYさん(スウェーデンのバンド)のyesterday、聞こう!!
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