星野家の三女   作:星野家の概念的存在になりたい

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ハーメルンにもわたてんSSがもっと増えて欲しいと思いを込めて!

原作の時系列に沿った進行というのは作者としては初の試みですので頑張りたいと思います!

挿絵は作者の拙い絵ですが良ければご覧下さいませ。


※追記

完結まで書いてから投稿しようと2年間塩漬けになってきた本作ですがこれ以上伸ばしても続かなそうなのでモチベに繋がることを信じて投稿しようと思います。




みゃーお姉ちゃんに天使が舞い降りた!

小学5年生に上がってから約2ヶ月、春も終わりの気配を出し始めた5月も末の事。

学校が終わると脇目も振らずに家へ帰ってきた私、星野ちまりは最近何故か家にいる事が多いみゃーお姉ちゃんに甘える為に2階へと駆け上がる。

 

ちまり「みゃーお姉ちゃんただいま!何してるの?手伝うよ!」

 

みやこ「おかえりちまり。もうそんな時間かぁ……それじゃあ採寸に協力して貰おうかな」

 

ちまり「うん、じゃあ脱ぐねー」

 

みやこ「いや、別にタイトな衣装を作るわけじゃないからそのままで良いよ」

 

みゃーお姉ちゃんに言われるままに私は両手を広げて採寸を受けていると外からひなたお姉ちゃんの元気な声が聞こえて来た。

 

みやこ「ひなたも帰ってきたみたいだね〜」

 

ちまり「ひなたお姉ちゃんを出迎えに行こうっ」

 

みやこ「はいはい。ちまりは外でもこんだけ明るければ友達くらい直ぐに出来るんじゃない?」

 

お姉ちゃん達といる時みたいに?それは無理っ!だって私に取ってひなたお姉ちゃんとみゃーお姉ちゃんとお母さんは特別なんだもん!

それとあんまり帰ってこないけどお父さんも好きだよ?

困らせちゃうだけだから口にはしないけど私は四人が居れば充分なんだから。

 

でもそんな歪んだ願いを否定するような出来事が起きた。

ひなたお姉ちゃんがクラスの友達を連れてきたのだ。

 

あの黒髪の子は確か学校でお姉ちゃんと良く一緒にいる……。

 

ひなた「わたしのお姉ちゃんのみゃー姉と妹のちまり。二人ともすごい人見知りだから初めて会う人ととは目を合わせないんだ」

 

花「へぇ〜」

 

どうしよう、ひなたお姉ちゃんの友達だし……話した事は無いけどクラスメイトだし……あ、挨拶しないと……。

 

そうこうしている家に向こうから先に自己紹介をし始める。

 

花「えっと、初めまして。白咲花です」

 

みやこ「えっ……あの……みっ……みや……こ……です」

 

ひなた「返事出来てる!偉いぞみゃー姉、頑張った!」

 

うぅ……私も挨拶を……でも……

 

 

【挿絵表示】

 

 

ちまり「…………っ!」

 

みやこ「あっ、ちょっとちまり!?」

 

ひなた「あー、ごめんな花。ちまりはみゃー姉以上に人見知りなんだ」

 

花「私は良いけど……人見知り?確かに学校でもあんまり誰かと話してるとこ見た事ないけど」

 

ひなた「お母さんがそうだってー。あ、わたしの部屋はこっち!」

 

花「え?そっちって……」

 

うぅ〜……ひなたお姉ちゃんに迷惑掛けちゃったかな。

でもやっぱり他人と話すのは辛いよ。

 

ひなた「ちまり〜入るぞぉ!」

 

花「大丈夫なの?」

 

ひなた「大丈夫だぞ!ちまりは一人が苦手だからな!」

 

花「ひなたが言うなら良いけど、無理はさせないでね」

 

ひなた「おうっ!」

 

あ、ひなたお姉ちゃんが入ってきた。

何も言わずに逃げ出してしまった私のせいで白咲さんにも気を遣わせちゃってる。

 

ひなた「そうだ花っ!モンファン*1持ってるか?」

 

花「持ってるよ」

 

ひなた「じゃあ3人でモンファンやろう!」

 

花「良いよ」

 

ひなた「そういう事でちまりも集会所1に集合な!」

 

自分勝手な私をいつも気に掛けてくれるひなたお姉ちゃんには感謝しかない。

きっと他に誰も居なければ感激のあまりすぐにでも飛びついていただろう。

さっきまでの鬱屈とした気分なんて何処かへと吹き飛び、私はルンルン気分で集会所1に入って行った。

 

花「え、ちまりの装備って……」

 

ひなた「おう、メイド服が可愛いから作ったんだって」

 

花「これって一人で訓練所の高難度クエストを回らないと揃えられない奴だよね」

 

ひなた「ちまりはモンファンのプロだからな!」

 

ひなたお姉ちゃんはまた勝手な事言ってる……。

善意100%だから止めるのも気が引けるけど放っておくとクラス中にあらぬ噂が拡がっちゃうから先手を打っておかないと。

 

私はひなたお姉ちゃんへプライベートチャットで軽く弁解しておく。

 

ひなた「お?ちまりからだ」

 

花「どうしたの?」

 

ひなた「『プロじゃないよ、時間を掛けただけだから。学校では話さないでね』だって!ちまりは謙虚だな!」

 

花「それでも凄いと思うよ。周りでもその装備着けてる人殆どいないし」

 

うぅ……確かにこの装備を作る為にモンスターの動きを観察したりとか色々頑張ってやっと作れた装備だから褒めて貰えるのは素直に嬉しい。

けど、その話がクラス内で広まるのは困る。

ただでさえ同じ学校に通う双子ってだけで目立ってるのに、その上話題の人物になんてなったら私は耐えられそうにない。

 

私は装備の印象を薄くする為に直ぐに防具を初期のものに着替えて戻る。

そして貼られたクエストに参加して戦闘に集中し始める。

 

暫く戦っていると、不意に二人の動きが止まった。

不思議に思いながらも攻撃的なモンスターが居ないエリアなのでまあいっかと思い戦闘を続けようとした直後、ドスンと何かを床に落とした様な大きな音と共にひなたお姉ちゃんがみゃーお姉ちゃんに助けを求める声が響いた。

 

ひなたお姉ちゃんが危ない!?

 

ちまり「ひなたお姉ちゃんっ!!」

 

私は慌てて押し入れから飛び出すとそこにはお腹を抱えて蹲るみゃーお姉ちゃんが。

 

ちまり「ひなたお姉ちゃんっ!みゃーお姉ちゃんこっち!」

 

ひなた「なに!不審者じゃなかったのか!?もービビらせるなよみゃー姉ぇ」

 

みやこ「うぐぐ……あ、ごめんね!?今外すから!」

 

サングラスとマスクを付けた顔が見えた時は思わず泣きそうになったけど、直ぐに外してくれたから私は安心して抱き着く。

 

みやこ「うぐぅ……よしよし(って何しに来たんだっけ……あ、そうだ。花ちゃんと友達になろうと思って)」

 

みゃーお姉ちゃんは私の頭を撫でながら思い付いたように白咲さんに声を掛けた。

 

みやこ「は、花ちゃん……わ、私と友達になって……」

 

花「……?いやです」

 

みゃーお姉ちゃんの一世一代のアプローチ。

しかし白咲さんは首をかしげつつ断った。

 

みやこ「え?そ、そこをなんとか……」

 

花「お姉さんと友達になる理由がないですし」

 

諦めずに食い下がるみゃーお姉ちゃんに止めの一撃とばかりに放たれた言葉。

けれどそれはひなたお姉ちゃんによって返される。

 

ひなた「理由ならあるぞ花!みゃー姉は友達が居ないんだ!可哀想だろ!!」

 

みやこ「ちょっとひなたっ!?」

 

ひなたお姉ちゃん……それ私にも流れ弾飛んできてない?

まあ私はお姉ちゃん達が居れば友達が居なくても別に良いんだけど。

 

花「え、そうなんですか?」

 

みやこ「いや、違うよ!?友達いるから!」

 

花「そうですか……」

 

お姉ちゃん、誤魔化すのはもう無理じゃないかな。

それでも必死に言葉を探してくみゃーお姉ちゃんに白咲さんは哀れみの表情で言った。

 

花「友だちになりましょうか」

 

みやこ「哀れまないでぇ〜!!」

 

ひなた「良かったなみゃー姉!」

 

花「元気出して下さい」

 

白咲さんがそう言ってみゃーお姉ちゃんの手を引くがお姉ちゃんは立ち上がろうとはせずに怪しい笑い声を上げ始めた。

 

みやこ「ふえ……ふひひ……」

 

花「どうしたんですか?」

 

みやこ「花ちゃんの手すべすべで気持ちいいね?」

 

花「気持ち悪っ!?」

 

みやこ「気持ち悪い!?ち、違うよっ!変な意味じゃないから……!」

 

花「近付かないで!それ以上近付いたら……通報するから」

 

白咲さんは直ぐに振り払うとスマホを取り出して110番を打ち込む。

 

むぅ……ずるい、私だってすべすべだもん。

 

みやこ「ちょ……ちょっとひなた助けて」

 

ひなた「みゃー姉……わたしの手のほうがすべすべだぞ!」

 

ちまり「私の手もすべすべだもん」

 

みやこ「ふ、ふたりともややこしくなるから張り合わないでくれる!?」

 

ひなた「ほら、みゃー姉」

 

ちまり「みゃーお姉ちゃん……」

 

みやこ「わ、わかったから知ってるからぁ。それよりあそこで通報寸前の花ちゃんをどうにかして」

 

ひなた「花の機嫌を取るのなんて簡単だぞ?」

 

みやこ「本当!?どうしたらいいの?」

 

ひなた「ちまり、リビングの棚にある菓子パンを取ってきてくれ!」

 

ちまり「わかった!」

 

私はリビングに向かい棚に入っていたメロンパンを持って再び部屋にもどる。

 

ちまり「はい、ひなたお姉ちゃん」

 

ひなた「いいぞちまり!」

 

ひなたお姉ちゃんは私からメロンパンを受け取ると袋を切って白咲さんに手渡した。

 

ひなた「食べ物あげれば大人しくなる」

 

みやこ「ちょろい!?でも可愛い」

 

ひなた「こうなった花は食べ終わるまで殆ど動かない」

 

そういってひなたお姉ちゃんは白咲さんの頭を撫でて見せた。

みゃーお姉ちゃんも撫でようと手を伸ばすが残念ながら払いのけられてしまった。

 

ひなた「・ ・ ・そうだ!私が花を撫でるからみゃー姉は私を撫でれば良い!」

 

ちまり「じゃあ私はみゃーお姉ちゃんを撫でる」

 

みやこ「…………(なにこの状況……)」

 

みゃーお姉ちゃんの髪サラサラしてて気持ちいいなぁ……スンスン……ふぅ〜落ち着くぅ。

 

みやこ「(んん?ちまり今私の匂い嗅いでなかった!?流石にお風呂には毎日入ってるけど……ああでも緊張して変な汗でちゃってたからなぁ〜……)」

 

ちまり「みゃーお姉ちゃん……」

 

みやこ「ああそうだっ!まだやる事あったんだった!じゃ、じゃあゆっくりしてってねー?」

 

みゃーお姉ちゃんはいきなり慌てだすと私を降ろして部屋を出て行ってしまった。

甘くていい匂いがするねって伝えようと思ったんだけど……まぁ後でいっか。

 

それよりもいつの間にか白咲さんの視線がひなたお姉ちゃんと私を行ったり来たりして辛いから私は逃げる様に押し入れに帰る。

 

花「……ひなたの姉妹って個性的だね」

 

ひなた「だろ!自慢の家族だ!」

 

花「一人っ子だからああいったやり取りがちょっと羨ましいかな」

 

ひなた「〜〜〜〜……みゃー姉もちまりもわたしの姉妹だけど……す、少しだけなら貸して上げても良いぞ」

 

花「ん、お姉さんは要らない。それにちまりの場合あっちが無理じゃない?」

 

ひなた「それな!」

 

それね、例えひなたお姉ちゃんに頼まれても無理かな。

あ、そういえばクエスト途中だっけ?

後り時間10分切ってるけど頑張れば間に合うかな?

 

頑張った結果、今日の事は初期装備で集会所Gクラスクエストをソロで五分以内にクリアしたとか(実際は三人で追い詰めて最後の方だけ一人で戦っただけ)あらぬ噂が拡がり私は一躍有名人になってしまったのだ……ひなたお姉ちゃんの影響力がテレビ並に強すぎて辛い。

 

 

 

 

 

*1
モンスターファンタジーハンティングの略称。()()()()()のハンティングゲームである




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