星野家の三女 作:星野家の概念的存在になりたい
お母さんに言われて外に出た私たちはひなたお姉ちゃんと前に鬼ごっこをして遊んだ公園にやってきた。
ひなた「外だし鬼ごっこしよ!」
みやこ「私はパス。ここから見てるから遊んできな」
ひなた「ぶーぶー」
一緒に遊びたいひなたお姉ちゃんはふくれっ面で抗議するけど運動が好きじゃないみゃーお姉ちゃんはてこでも動く気は無さそうだ。
ひなたお姉ちゃんもそれが分かったのかすぐに切り替えて二対二のチーム形式の鬼ごっこをすることになった。
ひなた「じゃあ私とちまりが花とノア捕まえるところちゃんと見ててね!」
みやこ「はいはい。がんばれー」
ひなた「よしちまり!花たちがどっち行ったかわかるか?」
みやこ「いや、そんな無茶な」
ちまり「えっと……こっち方面かな?」
みやこ「わかるの!?」
大まかな方向しか分からないけどね。
ひなた「あ、花みっけ」
花「え、はやっ!?」
どうやら聞こえてた足音は花ちゃんだったみたい。
ひなた「まてー」
花ちゃんを追いかけるひなたお姉ちゃんについて行きながら私はノアちゃんを見つける為に周囲を見廻す。
ひなた「ちゃんと見てるかみゃー姉!」
ちょっ!?ひなたお姉ちゃんなんで後ろ向いてるの!
みやこ「見てるから前見て前!」
みゃーお姉ちゃんに注意されて前を向くようになったけど相変わらずみゃーお姉ちゃんに声を掛け続けている。
ひなた「みゃー姉見ててー!もうちょっとでつかまえられそうだからー!」
みやこ「みてるよー……うう〜ん……みてるぅ〜」
あれ?みゃーお姉ちゃんもしかして寝そうになってる?
ひなた「みゃー姉見てた?つかまえたぞ!」
花「はぁ……はぁ……喋りながらなのになんでそんなに早いの?」
みやこ「見てるよー見てる見てるー……」
というかもう寝ちゃってるよね……ってみゃーお姉ちゃんの後ろに息を荒らげた変な人がいる!?
立ち止まってからみゃーお姉ちゃんの方を振り向いたひなたお姉ちゃんはすぐに声を上げた
ひなた「みゃー姉あぶない!」
みやこ「え……?」
???「ぎゃっ!?」
ひなたお姉ちゃんの声に反応して反射的に顔を上げたみゃーお姉ちゃんの後頭部が変な人の顔に直撃する。
???「いったぁ〜……」
みやこ「え、え?なに!?」
変な人が怯んでる!今のうちにみゃーお姉ちゃんを助けなきゃ!
ちまり「みゃーお姉ちゃん逃げて!」
ひなた「そいつが後ろからみゃー姉のことおそおうとしてたぞ!」
みやこ「ええっ!?」
???「ちがっ!わ、私は星野さんの友だちだから!心配しないで!」
ひなた「うそつけ!みゃー姉に友だちはいないぞ!」
ちまり「そ、そうだ!だまされないもん!」
みやこ「なんてこと言うの!?」
ひなたお姉ちゃんによって変な人のうそはすぐに暴かれた。
ひなた「あやしいやつめ!みゃー姉になんのようだ!」
???「怪しくないわよ!」
ノア「ヒナタちゃんおちついて。きっとこれ友だちサギだよ」
ひなた「サギっ!?」
???「詐欺でもないから!!」
ちまり「……あやしい」
???「もーなんなのこの子たち……ちゃんと言ってあげてよ星野さん」
みやこ「えっと……誰ですか?」
???「えっ!?」
みゃーお姉ちゃんが知らない人……やっぱりあやしい人だ。
私はひなたお姉ちゃんの後ろからさらに警戒を強めた。
防犯ブザーの輪っかに指を掛けていつでも鳴らせる準備も出来てる。
ひなた「やっぱりサギだ!花、ひゃくとーばん」
花「ん」
???「やめて!後ろの子も防犯ブザーから指を離してもらえる!?」
ちまり「…………」
あやしい人の言うことは聞かないもん。
???「ちょっと冗談はやめてよ、高校の時同じ部活だった松本よ。松本香子」
みやこ「松本……ああ!松本さん」
あれ、ほんとにみゃーお姉ちゃんが知ってる人だったの?
香子「もー、やっと思い出したの?ちょっと会わなかっただけで友だちの顔忘れるなんてひどいなぁー」
みやこ「え?友だち?」
香子「え?」
みやこ「え?」
む〜……まだあやしい。
花「結局二人は友だちなんですか?」
香子「友だちよね?」
みやこ「ち、違うと思うけど……」
香子「あぁ……そう、ね。私たちは友だちじゃなかったわね」
やっぱり友だちじゃない!?じゃああやしい人だ!
防犯ブザーをならそうとした時、あやしい人は誇ったような顔でこういった。
香子「私たち……ライバルだものね!」
みやこ「え!?」
あやしい人の良く分からない発言に私たちが唖然としている間に、あやしい人は唐突に自分語りを始めた。
香子「そう、あれは高校2年の秋──」
簡単にまとめると部室でみたみゃーお姉ちゃんに憧れて嫉妬したから目標にしてライバルにしたらしい。
香子「ちょっと!?なんで飛ばすのよ!」
ちまり「ひっ!?いきなり何……怖い」
ひなた「ちまりを怖がらせるなー!」
ノア「コワがらせるなー!」
香子「えっ……と、とにかく!あれから私は星野さんを観察してたわ!どうしたらあんなふうになれるのかって」
花「……それでいつお姉さんと友だちになったんですか?」
みやこ「私松本さんと喋った記憶ない……」
香子「ん?一年以上毎日ずっと一緒にいたら流石にもう友だちでしょ?」
みやこ「私には一緒にいた記憶ないんですけど……」
花「なるほど……お姉さんのストーカーですね」
ストーカーっ!?あやしい人は危ない人だった!防犯ブザーだけじゃダメかも知れない、やっぱり通報しないと!
香子「誰がストーカーよ!誰が!」
花「じゃあ今日ここであったのも偶然ですか?」
危ない人相手に花ちゃんが一歩も引かずに立ち向かってる!?すごい頼もしい!
香子「当たり前でしょ!日課の星野さん家の周りの散歩をしていたら“偶然”星野さんを見かけただけよ!」
花「それは偶然とは言いません」
ひなた「やっぱりわるいやつじゃないか!みゃー姉に近づくな!!」
ノア「ちかづくなー!」
ちまり「ちか、づくなっ!」
香子「ちがっ、私は……」
花「通報しますね」
香子「え!?ぐっ……今日の所はこれくらいで勘弁してあげる!でも星野さんの親友である私にこんなことして星野さんが黙ってないんだからね!!」
みやこ「(どうしよう……この人が何言ってるのか全然分からない……!)」
捨て台詞を吐いて危ない人は走り去っていった。
ノア「大丈夫?ミャーさん」
みやこ「うん……ありがとう」
香子「ふふ、もうみんな私が帰ったと思ってる……まだまだ甘いわね!」
ちまり「…………」
香子「何あの子……もしかして私に気付いてる!?」
ちまり「む〜……」
香子「くっ……やるわね。でも次は負けないわよ!」
ノア「そんなに怖い顔してどうしたのチマリちゃん」
「あ、ううん……もう大丈夫。それよりみゃーお姉ちゃんはどうしてあんなにショックを受けてるの?」
ノア「なんかミャーさんの今の気持ちは花ちゃんのミャーさんに初めてあった時の気持ちと同じらしいよ?」
ちまり「あ……そういえばみゃーお姉ちゃんも最初花ちゃんと握手した時に通報されそうになってたっけ」
ノア「あー、なんかソーゾー付くかも」
うーん……良く考えたらみゃーお姉ちゃんも花ちゃんに対しては結構危ないひとなのかな。
あれ、でも待って……それじゃあ花ちゃんを撮ってる時のみゃーお姉ちゃんみたいって言われてる時の私も……?
ちまり「そ、そんな……私も危ない人だったなんて……」
ノア「何っ?どうしたの!?」
ちまり「みゃーお姉ちゃんが危ない人ってことはノアちゃんを撮ってる時の私も危ない人ってことにぃ……」
みやこ「えっ……予想外の所から追い討ちが来て泣きそう」
ノア「チマリちゃん落ち着いて!?アタシがそう思ってないからチマリちゃんは危ない人なんかじゃないよ!」
ちまり「ノアちゃん……あ、ありがとう」
うぅ〜、ノアちゃんが天使過ぎて直視出来ないよぉ。
でもノアちゃんがそう言ってくれるならきっと大丈夫。
みやこ「ち、ちなみに花ちゃんはぁ……私のこと危ない人って思ってない?」
花「……前にも言いましたけど最初あった時は危ない人だと思いましたよ」
みやこ「うぅ……ですよね」
みゃーお姉ちゃんはまたショックを受けてたけど……あの様子だと花ちゃんの言い回しには気付いてなさそう。
でもそれは私から伝えることじゃないよね。いつか花ちゃんが自分からみゃーお姉ちゃんに伝えられるように暖かく見守って行こうと思う。
香子「ふっふっふ……いくらあの子でもマンションの屋上から双眼鏡で見てるとは思わないでしょう!星野さんに対する私の情熱を見くびらないでもらいたいわ!あぁっ、星野さんっ!!」
ヒント:文字反転