星野家の三女   作:星野家の概念的存在になりたい

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皆様のわたてんSS作品待ってます。



みゃーお姉ちゃんの趣味

白咲さんが遊びに来た日から数日、学校では休みたくなる位クラスメイトに囲まれて耐えられなくなった私は自由帳にその時の正確な状況だけ書いて机に突っ伏していた。

だけどついてない事にそれでも凄いと噂になってしまい人が減ることはなかった。

 

白咲さんが人払いをしてくれてたのもあって数日の間は人の圧力に耐えてたけど、遂に我慢の限界に達した私は帰宅一番にみゃーお姉ちゃんに飛び付いた。

 

みやこ「おかえりちまり──っておおぅ!?どうしたの?」

 

ちまり「ん〜、エネルギー補給中〜」

 

みやこ「最近疲れてるみたいだけど学校で何かあったの?」

 

心配掛けないようにいつも通りを装ってたつもりだったけど流石にみゃーお姉ちゃんには気付かれていたみたい。

私は観念してここ数日学校であった事を話した。

 

みやこ「あ〜……それは辛いねぇ。分かった、私からもひなたに言っておくよ」

 

ちまり「それはダメ〜、ひなたお姉ちゃんは悪くないからぁ……それにあれは私の為でもあるから叱っちゃダメなの〜」

 

みやこ「もう、仕方ないなぁ。でもだからってちまりが無理するのはダメ。そこまで言うならひなたは叱らないけどちゃんと今の状況は伝えるからね」

 

ちまり「んや〜らぁ……らめぇらの……むにゅ……」

 

みやこ「全く、溜め込み過ぎなんだから……って、疲れて眠っちゃったか……お疲れ様、ちまり」

 

ひなた「みゃー姉たっだいまー!ちまりも帰ってたのか!」

 

みやこ「おかえりひなた、ちょっと話があるからこっち来てくれる?」

 

ひなた「どうしたみゃー姉?一緒にお風呂入るか!?」

 

みやこ「違うよ、ちまりの事」

 

ひなた「ちまりも一緒に入るか!?」

 

みやこ「取り敢えず話は最後まで聞こうね?」

 

ひなた「おうっ!」

 

みやこ「それでね──」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ん……あれ?いつの間にか寝ちゃってたみたい。

えーと、何か話してる途中だったような。

あ、そうだ……学校の事を話しちゃったんだった。

目を開けると椅子に座ったみゃーお姉ちゃんに抱っこされていた。

 

ちまり「みゃーお姉ちゃん?」

 

ひなた「大丈夫かちまり!?」

 

ちまり「え、ひなたお姉ちゃん?私は大丈夫だけど……」

 

右を向くとひなたお姉ちゃんが心配そうに見上げていた。

 

ひなた「良かったぁー!安心しろちまり!明日からわたしが守ってやるからな!」

 

ちまり「えっ……と?」

 

みやこ「守るって言っても人払いとか辛そうなら保健室に連れてってあげるとかそういう事で良いんだよ?」

 

ひなた「おうっ!」

 

むむむぅ……お姉ちゃん達に心配掛けたくなかったのに、私のバカ。

……でも、お姉ちゃん達が私を大切に思ってくれてることは素直に嬉しい。

 

ちまり「みゃーお姉ちゃん、ひなたお姉ちゃんもありがとう」

 

みやこ「どういたしまして……って家族なんだからそんな気を遣わなくて良いのに」

 

ひなた「そうだぞちまり!なんでも言ってくれ!」

 

ちまり「ふふ、じゃあひなたお姉ちゃんもこっち来て?」

 

私はみゃーお姉ちゃんに首に手を回したまま、近付いてくれたひなたお姉ちゃんの首にも抱き着いた。

 

ちまり「ひなたお姉ちゃんエネルギーも補給させて」

 

ひなた「!わたしもみゃー姉とちまりエネルギーをほきゅーするぞ!」

 

ふへへ、これで明日からも頑張れるね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日、先生からも注意があった為昨日ほど人集りが出来ることはなかった。

まぁ授業の開始が遅れてたしそりゃ怒られるよね。

そういった事情もあり私は数日ぶりに落ち着いた日を送る事が出来た。

 

その日の夜、ひなたお姉ちゃんがみゃーお姉ちゃんと寝るのでそれにくっ付いて三人で寝る事にした。

私がひなたお姉ちゃんの隣で漫画を一緒に見ていると、隣で衣装を作っていたみゃーお姉ちゃんは不意にひなたお姉ちゃんに話し掛ける。

 

みやこ「ねぇひなた、花ちゃんうちに遊びに来ないの?」

 

ひなた「花?たぶんこないぞ。この前誘ったら『お姉さん居ないなら行くけど』って」

 

成程、だからあの日以降白咲さんは来てなかったのか。

あ、でもそれは表向きで本当は私に気を使ってとかだったらひなたお姉ちゃんに申し訳ないなぁ。

 

みやこ「(こうなったらもう一度うちに来て貰って今度こそ仲良く……)ひなた、花ちゃんにこう伝えて──」

 

ちまり「ひなたお姉ちゃん、私からもこう伝えて欲しいな──」

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

 

 

 

ひなた「花〜花〜」

 

花「どうしたの?」

 

ひなた「みゃー姉がおいしいお菓子あげるから今度の休みうちにおいでだって」

 

花「(変質者の誘い方だ)」

 

ひなた「あ、あとちまりからもまた一緒にゲームしようってさ」

 

花「え?うん……わかった(てっきり避けられてるかと思ったけど……気のせいだったのかな)」

 

白咲さんから視線を感じるけど学校で直接誘えるほど私は強くないの。

 

 

 

 

 

週末

 

 

 

 

白咲さんが遊びに来てくれる事になってみゃーお姉ちゃんからとても感謝されたけど、多分みゃーお姉ちゃんの誘い方でも来る様な気がするのは気のせいかな。

 

とはいえ、自分から誘ったんだから今回はちゃんと挨拶しないと……。

私は白咲さんの到着予定10分前から玄関の前で直立不動の状態を保っている。

どうしよう、緊張し過ぎて頭がボーッとしてきた。

 

みやこ「大丈夫?ちまり、これ使いな?」

 

ちまり「みゃー……お姉ちゃん」

 

フラフラし始めた私を後ろから支えてくれたみゃーお姉ちゃんの手にはマスクとサングラスが握られていた。

お姉ちゃんの気配りはとても嬉しかったけど、流石にそれ付けて出迎えたら白咲さんが反射的に防犯ブザーを抜いてしまうかも知れない。

私はサングラスとマスクは丁重にお断りして普段は出している片目を髪を降ろして隠す事で気持ちを落ち着かせる。

 

普段はお母さんに危ないからって止められてるけどこっちの方が落ち着いて話せるし、今ならみゃーお姉ちゃんも近くに居るから大丈夫だよね?

 

そうこうしてる間に遂にインターホンがなった。

 

みやこ「あっ!!き、きた!い、いらっしゃい花ちゃん」

 

花「……おじゃまします」

 

来たっ……!だ、大丈夫……落ち着けば。

 

花「ひなたは?」

 

みやこ「あ……うん、少し出てる。すぐ帰ってくるって(なにあの服ダサっ!?)」

 

花「どうしたんですか?こっちずっと見て」

 

みやこ「え?いや……その服……ダサ……んんっ!か、かわいいなって!」

 

みゃーお姉ちゃんが咳き込んでる、どうしたんだろう?

髪の隙間から白咲さんの格好を確認すると……クソダサいキャラクタープリントのTシャツを来ていた。

 

花「そうですか?ありがとうございます。ヒゲローって言うんですよ」

 

かわいい?……あ、でもあれを見ながらなら挨拶出来そうな気がする。

 

ちまり「あ、あの……いらっしゃい……白咲……さん」

 

花「ちまり、今日は呼んでくれてありがと。それと花でいいよ、みんなもそう呼んでるし」

 

ちまり「あ、その……えと……じ、じゃあ……は、はな……ちゃん。ち……まり……です……よ、よろ……し……く」

 

花「ん、よろしくねちまり」

 

ちまり「あ……えと……また後で!」

 

花「え、ちょっと!?」

 

今回の目標だった挨拶は出来た……はず、だけどもう限界だった私はキッチンに逃げ込んだ。

 

花「……それで、なんのごよーでしょうかお姉さん」

 

みやこ「えっ?そ、そうだね!まずはこっちで食べてから話そうか」

 

花「はい!そうしましょう!」

 

みやこ「(心配になるくらい食い付きいいな!?)あ、あのね花ちゃん。知らない人にお菓子貰ってもついて行っちゃ駄目だからね。その人はキケンだよ」

 

花「お姉さんがそれをいいますか。大丈夫です、私はそんなに馬鹿じゃないですから」

 

みやこ「そ、そうだよねぇ!」

 

花「はぁ……それで、おいしいお菓子ってなんですか?」

 

みやこ「プリンだけど」

 

花「プリン!!」

 

みやこ「(本当に大丈夫かなぁ……)」

 

 

 

 

 

 

 

 玄関前でしばらく話し込んでいたみゃーお姉ちゃんが花ちゃんを連れてリビングへとやって来た。

花ちゃんの様子を見てると本当にお菓子だけでも来たんじゃないかと思えてくる。

 

花「んぅ〜〜〜〜っ!」

 

花ちゃんはみゃーお姉ちゃんのプリンにご満悦の様子。

みゃーお姉ちゃんもそんな花ちゃんを見ながらニヤけていた。

と、そこに外から帰ってきたひなたお姉ちゃんが一目散にリビングへと駆け込んできた。

 

ひなた「花!もう来てるのか!ってうわ!花、服ダサッ!!」

 

みやこ「こらひなたぁ!?」

 

ひなたお姉ちゃんは花ちゃんを見つけるや否や、みゃーお姉ちゃんが止める間もなく率直な感想を述べた。

 

花「ださっ!?……え、ダサい?」

 

ひなた「うん、ダサいな」

 

花「でもお姉さんはかわいいって」

 

ひなた「みゃー姉が?無い無い、みゃー姉こう見えて服作るの得意だからそういうの分かるし」

 

思い切り咳払いして誤魔化してたもんね。

 

花「うそ、ついたんですか?」

 

みやこ「か、かわいい……よ?」

 

花「うそついたんですね」

 

みゃーお姉ちゃんは花ちゃんの疑いの眼差しから目を背けたまま、しどろもどろになりながら言い張るが誰が見ても誤魔化せそうになかった。

 

ひなた「そうだ、みゃー姉の作った服貰ったら?」

 

花「でもサイズとか……」

 

ひなた「わたしと同じくらいだろ?わたしやちまりに合わせて作ったのがいっぱいあるし」

 

みやこ「ひなた良いこと言った!えらい!」

 

花「え、いや私はこのままで……」

 

みやこ「待ってて花ちゃん!そんなクソみたいな服よりかわいいものすぐに用意するから!!」

 

花「く、クソみたいな服……!?この服……そんなに駄目なの?」

 

流石に着てる本人の前でクソみたいは可哀想だと思う。だからといって出て行って花ちゃんに気の利いた言葉が言える訳でもない私は成り行きを見守ることにした。

暫くしてみゃーお姉ちゃんが持ってきた服は黒を基調としたドレスに白いレースが幾つもあしらってあるいわゆるゴスロリと呼ばれる服装だとみゃーお姉ちゃんが力説していたのは記憶に新しい。

 

花「勢いに負けて来たけど……この服、なに?」

 

ひなた「みゃー姉の作る服はコスプレだからな。かわいくても外に着て行けねぇ」

 

確かに……可愛いけど流石にこれを着て外に出る勇気は無くてもいいよね?

因みに私がお姉ちゃん達に内緒でこっそり来てるのは秘密である。

可愛い服は好きだけどお姉ちゃん達にも見られるのは恥ずかしいからね。

 

そんな事考えている間に気付けばみゃーお姉ちゃんは花ちゃんを携帯のカメラで撮り続けていた。

 

花「はぁ、着替えよ」

 

みやこ「着替えるの?じゃあ次はこっちのやつに」

 

花「着ない」

 

みやこ「じゃあネコミミのやつを!」

 

花「絶対着ない」

 

断固として拒否する花ちゃんに対してみゃーお姉ちゃんは遂に切り札を切る。

 

みやこ「もし来てくれたらさっきのプリンもう一個あげるよ?」

 

その一言で花ちゃんの動きがピタッと止まった。

みゃーお姉ちゃんはもう一押しだと更には続ける。

 

みやこ「今後も私が作った服来てくれるなら花ちゃんの食べたいものいつでもなんでも好きなだけ食べさせてあげるよ」

 

傍から見たら通報されそうなやり取りを経て花ちゃんは陥落。

撮影会第二部が開催され、みゃーお姉ちゃんは暴走した。

 

 

 

 

 

結局その日は撮影会で一日が終わり、ゲームは行われる事無く花ちゃんの帰る時間になった。

 

花「結局ゲーム出来なかったね」

 

ちまり「うん……で、でも……みゃーお姉ちゃんが凄く……楽しそうにしてたから……あ……ありがとね……」

 

花「あー、あれじゃなきゃ素直に受け止められたんだけどね……それじゃあ、ひなたもちまりもまたね」

 

みやこ「い、何時でも遊びに来てね……は、はなちゃん!」

 

花「…………お邪魔しました」

 

花ちゃんはハイライトが消えた目でみゃーお姉ちゃんをしばらく見つめた後、その呼び掛けに応えることなく一度頭を下げてから家を後にした。

 

私とひなたお姉ちゃんの視線は自然とみゃーお姉ちゃんへと向く。

 

みやこ「はぁっ……はぁっ…………あ、あぁ……私はなんて事を……」

 

みゃーお姉ちゃんは火照った熱がやっと引いてきたらしくそのまま顔を覆い隠して反省していたけど、私はみゃーお姉ちゃんの新たな一面が見れて嬉しく思うと同時に何だか寂しくも感じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




あぁ、星野家に生まれ直したい……みゃー姉ぇ!
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