星野家の三女   作:星野家の概念的存在になりたい

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松本の星野家初訪問回は都合によりカットされました。

松本「うそ、私の話飛ばされすぎ!?」


お願いみゃーお姉ちゃんっ!

 松本さんが家にやってきてひなたお姉ちゃんと意気投合した日から早三日、特に何かあるという訳でもなく私たち四人はいつもの様に私たちの部屋でくつろいでいた。

 

私たちが先にゲームを始める中、ノアちゃんはとかした髪がいい感じにまとまらずに苦戦しているみたい。

私が声を掛けようと考えていると私より先に花ちゃんが動いた。

 

花「やってあげようか?」

 

ノア「いいの?おねがい」

 

うん、残念だけどノアちゃんが花ちゃんに頼んだのにここで私が名乗りをあげるのはおかしいよね。

あれ……でも花ちゃんって確か……。

 

花「うん、出来たよ」

 

ノア「ありが……うわぁ(そういえばハナちゃんってぶきっちょなんだった)」

 

花ちゃんはやりきった感出してる一方、ノアちゃんはその出来のひどさに言葉を失っていた。

はっ、でもこれならノアちゃんも他の人に頼むはず!

 

ノア「あ、ヒナタちゃんカミできる?」

 

花「えっ」

 

あ……そ、そうだよね。

ひなたお姉ちゃんは実際に自分で結ってるんだからそっちに頼むよね。

 

ひなた「できるけど、みゃー姉の方が上手だぞ?」

 

ノア「そっか、ミャーさんキヨーだもんね」

 

結局私は何も言えないまま、私たちはみゃーお姉ちゃんがいるリビングへと向かった。

……だって仕方ないよ。みゃーお姉ちゃんの方が上手だし、それに私があんな綺麗な髪にふれるなんて……!とか考えてる私がするべきじゃないからね。

 

ノア「ミャーさんカミやってー」

 

みやこ「うわっ、ノアちゃん髪ひど!!」

 

花「!?」

 

みやこ「どうしたの?こんなひどい……ひどすぎる……」

 

花「…………っ」

 

みゃーお姉ちゃんそれ以上はやめてあげて……花ちゃんがもう色々と限界だよ。

流石にいたたまれないので私は花ちゃんを元気付けようと励ましの言葉を掛けた。

 

ちまり「だ、大丈夫だよ。花ちゃんが頑張ってたのは私知ってるからっ、次は今より良くなるよ!」

 

花「ちまり……それって結局あれはダメってことだよね」

 

ちまり「…………」

 

花「沈黙が人を傷付けることもあるんだよ」

 

そんなこと言われても……流石にあれのフォローは私には出来ないよ。

 

みやこ「……そ、それで!どんなふうにする!?いつもと同じ?」

 

そんな私と花ちゃんのやり取りを聞いてたのか、みゃーお姉ちゃんは取り繕うようにノアちゃんにどんな髪型がいいか聞いていた。

 

ノア「んー、ミャーさんのおまかせで!」

 

みやこ「ノアちゃんが気に入りそうな髪型……じゃあ……」

 

そう言ってみゃーお姉ちゃんが選んだ髪型は後ろ髪をふんわりさせたクラウンハーフアップだった。

 

ノア「さすがすごい……」

 

みやこ「ありがと」

 

ノア「さすがアタシ、チョーカワイイ!」

 

みやこ「……」

 

すごい……さすがみゃーお姉ちゃん。

私にはここまでは出来ないよ。

 

……というか。

 

ちまり「ノアちゃんふわふわでちょーかわいいよぉぉぉ!すっごく似合ってるよぉぉっ!!」

 

ひなた「おっ!ちまりが暴走したな!」

 

ノア「あははっ、ちまりちゃん大丈夫?」

 

はっ!?しまった……こんなはずじゃないの!おちつくんだ私!

 

ちまり「はぁ……はぁっ……だ、だいじょうぶ……今のノアちゃんもちょーかわいいよ」

 

ひなた「だなっ!ちょーかわいいぞ!」

 

ノア「ヤッタ♪」

 

ふぅ……あぶないあぶない。

いくらノアちゃんがいいって言ってくれてるからって自制が効かないのはよくないよね。

 

ひなた「みゃー姉わたしも髪やって!」

 

みやこ「別にいいけどどんなの?」

 

ひなた「みゃー姉はどんなのが好き?」

 

みゃーお姉ちゃんの好きな髪型かぁ……短いのと長いのどっちが好きなんだろ?

 

みやこ「んー……坊主?」

 

ノア「!?」

 

なっ!?坊主……坊主かぁ……どうしようかな。

 

ひなた「じゃあそれで」

 

ノア「!!?」

 

え、ひなたお姉ちゃん即決なの!?お願いだからそこは悩んで!

私は坊主のお姉ちゃんなんて……意外とかわいいかもだけどダメ!

 

 

 

 

 

 

 

みやこ「はい、出来たよ」

 

ひなた「みゃー姉ありがと」

 

ノア「よかった……ぼうずじゃなくて」

 

みやこ「さすがに冗談だよ」

 

だよね、びっくりした……。

 

ひなた「わたしはみゃー姉が好きならぼうずでもいいぞ」

 

みやこ「お姉ちゃん時々ひなたの愛が怖い時あるよ」

 

ちまり「女の子なんだから髪は大切にしなきゃね」

 

ひなた「おうっ!わかった!」

 

ノア「そんなこと言って〜、チマリちゃんもけっこうホンキで考えてたでしょう?」

 

ちまり「そ、そんなこと……ないよ?少なくともすぐには決められないから」

 

ノア「選択肢に入ってるだけでもソートーだと思うよ?」

 

ちまり「うぐ、そう……かな?」

 

花「いくらなんでもぼうずはないよね」

 

うぐぅ……まさか花ちゃんにまでいわれるなんて。

 

みやこ「あはは……それじゃあ私は部屋に戻るね。レポートの途中だし」

 

花「えっ……」

 

みやこ「え?」

 

私が膝を着いて項垂れている間に花ちゃんは部屋に戻ろうとしていたみゃーお姉ちゃんを呼び止めた。

 

花「あ……えと……わ、私も……その……」

 

みやこ「(かわぁ……!)」

 

どうやら花ちゃんも髪をやってほしいらしい。

コスプレは恥ずかしいのかあんまり乗り気じゃない花ちゃんだけどやっぱりおしゃれには興味があるみたい。

それにみゃーお姉ちゃんに対して気をゆるしてきてるのが分かる。

二人の距離が近くなっていくほど出てくるモヤモヤは無くならないけど、この前お母さんが言ってたことを思い出したら少しはおちついていられる……これもいつか大事な気持ちだったって思えるような気がして。

 

みやこ「それで、どんなふうにする?」

 

花「私もお姉さんにおまかせします」

 

みやこ「わかった、まかせて」

 

それにしても花ちゃんの髪は長いからけっこう色々出来そう。

みゃーお姉ちゃんもそう考えてるのか花ちゃんの髪を手に取ったままさっきからじっと眺めている。

 

みやこ「……スン」

 

……なんだろう、花ちゃんの髪を嗅いでるみゃーお姉ちゃんを見てるといつもよりもモヤモヤする。

 

みやこ「フガフガ……」

 

みゃーお姉ちゃんが花ちゃんに夢中だから?

ううん、それもあるけどそうじゃない。

分からない……分からないけど、なんか嫌だ。

 

ちまり「みゃーお姉ちゃん?」

 

みやこ「ひっ!?ど、どうし……たの?(も、もしかして見られた!?)」

 

みゃーお姉ちゃんは思わず花ちゃんの髪から手を離した。

それを見て何故かホッとしてる自分が更に嫌で顔を背けてしまう。

だけどこのままだと変に思われちゃうから私は誤魔化そうと言葉を紡いだ。

 

ちまり「私も……髪、やってほしいな?」

 

みやこ「あ、えと……い、いいよ!(よ、良かったぁ……!今のバレてたら終わってた!)」

 

花「……?」

 

花ちゃんは不思議そうにしてたけどみゃーお姉ちゃんに気付かれなかったならよし。

 

みやこ「あっ、花ちゃんはどんな感じがいいとかある?」

 

花「そうですね、折角なので自分じゃ出来ないようなのとか」

 

え?それってほとんど全部じゃ……ってそういうことじゃないよね。

みゃーお姉ちゃんは花ちゃんの髪で手際良く三つ編みを二つ作り、それぞれを輪っかのようにしてピンで止めた。

 

みやこ「はい、完成」

 

花「ありがとお姉さん」

 

ノア「ハナちゃんもカワイイー」

 

ひなた「さすがみゃー姉」

 

ちまり「うん、かわいいね」

 

折角だから服も着替えたらいいのにと思うのは私だけかな?

あの全然可愛くないクマ?のプリントTシャツはどこで見つけてくるんだろう。

 

みやこ「じゃあ次はちまりだね。どんな感じがいい?」

 

ちまり「ん〜……私もみゃーお姉ちゃんにおまかせ」

 

みやこ「そうだなぁ……あ、いつもは私と同じ髪型だから……」

 

む〜……残念、やっぱり花ちゃんだけみたい。

分かってはいたけど何かふくざつ。

あ、でも匂いを嗅がれるのって考えたらけっこう恥ずかしいかも……そう考えたらこれで良かったのかな。

 

みやこ「はい、出来たよ」

 

ちまり「あ、ありがとうみゃーお姉ちゃん」

 

そんなことを一人で考え込んでいるうちに完成したらしく、私はみゃーお姉ちゃんにお礼を伝えつつ鏡を覗き込んだ。

 

ちまり「わっ、ひなたお姉ちゃんみたい」

 

みやこ「こういうのも良いでしょ?」

 

鏡の中にはひなたお姉ちゃんそっくりな女の子(わたし)がこっちを覗き返してた。

 

花「すごいね、ひなた二人になったみたい」

 

ひなた「おぉー!わたしがいるぞ!」

 

ひなたお姉ちゃんがキラキラと目を輝かせながら右手を上げる。

その意図に直ぐに気付いた私は鏡のように左手を上げた。

 

ひなた「!」

 

ひなたお姉ちゃんは右手を下げたり上げたりを繰り返す。

私もそれに合わせて左手を下げたり上げたりを繰り返した。

 

ふふ、なんだか楽しくなってきたっ。

 

ひなた「あっはっはっは!」

 

ちまり「あははっ!」

 

ノア「……」

 

しばらく鏡ごっこをしていたけど、私の方を見つめながらボーッとしているノアちゃんの様子が気になりそっち側に顔を向けた。

けど私は自分の今の髪型を思い出し後悔した。

 

ちまり「どうし、あっ……えと……」

 

私は今普段のひなたお姉ちゃんと同じ髪型にして貰ってる……つまり両目とも髪から出ているのだ。

 

ちまり「あ……あう……うぅ……」

 

ノアちゃんと目が合った途端に鼓動が早まり、顔が真っ赤に染まっていく。

そこに追い打ちをかけるようにノアちゃんは笑顔でこう言った。

 

ノア「チマリちゃんってやっぱり目を出した方がもっとカワイイと思う!」

 

かわいい……か、かわわ……あうあう……

 

その直後、頭が瞬間湯沸かし器のように沸騰してしまいこれ以上なにも考えられなくなった私は、顔を真っ赤にしたままふらふらとリビングを後にした。

 

その後少しして頭が冷えてきた私が慌てて戻ると、そこにはみゃーお姉ちゃんの前髪鬼の角のようにまとめられた悲惨な姿があった。

みゃーお姉ちゃん……どんまい。

 

 

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