星野家の三女   作:星野家の概念的存在になりたい

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今日は何の日?

今日は九月九日。

 

ちまり「あ……あぁ〜……」

 

ノア「どうしたのチマリちゃん?」

 

とても大切な日……だと言うのに今年の私は今の今までそのことを忘れてしまっていた。

 

ちまり「う、うわぁぁぁぁん!ごめんなさいみゃーお姉ちゃぁぁん!」

 

ノア「チマリちゃん!?」

 

みやこ「うぐっ!?な、なに……いきなりどうしたのちまり……」

 

私はみゃーお姉ちゃんに飛び付いて泣きながら謝り続ける。

友だちが出来て浮かれてしまっていたなんてそんなの言い訳にもならない。

今日は忘れるなんてあってはならない1年に1度の特別な日、みゃーお姉ちゃんのお誕生日だというのに私は……。

 

ちまり「ごめんなさいぃぃぃ!私が……みゃーお姉ちゃんの……誕生日を忘れてたせいで……みゃーお姉ちゃんが誰にも祝ってもらえないよぉぉぉぉ~!!」

 

ひなた「あっ!?わ、わたしが……みゃー姉のたんじょーび……わ……わすれ……」

 

花「え、ひなたまでどうしたの?」

 

ひなた「みゃー姉のたんじょーびが誰にも祝ってもらえないなんて……そんなのあんまりだぁ〜……」

 

みやこ「いや、私も今の今まで忘れてたし……っていうか二人とも無意識に私を傷つけてくるね。私だって誕生日を祝ってくれる人くらい……人、くらい……」

 

ノア「ミャーさん、ムリしないで?」

 

花「私たちがいますよ?」

 

みやこ「うぅ……やめて、哀れまないでぇ」

 

ちまり「あ、そーだ!誕生日プレゼント……」

 

ひなた「そーだ!みゃー姉の欲しいものなんでもあげるぞ!」

 

みやこ「い、いや別に欲しいものなんてないしいいよ。祝ってくれるだけで十分」

 

ひなた「なんでもいいんだぞ!」

 

ちまり「なんでもっ!」

 

みやこ「なんでもは用意出来ないでしょ」

 

ノア「アタシたちに用意出来てミャーさんが好きなものっていったら……」

 

その一言で私とひなたお姉ちゃんとノアちゃんの三人は一斉に同じ方向へ顔を向ける。

 

花「……え?」

 

花ちゃんをもらえればみゃーお姉ちゃんは絶対に喜ぶ。

私はモヤモヤするけどみゃーお姉ちゃんの為ならなんてこともない。

 

ちまり「花ちゃん……お願い!」

 

ひなた「たのむ花!1日だけでいいから!」

 

ノア「イイじゃんちょっとくらいなら」

 

花「いや!」

 

私とひなたお姉ちゃんが手を合わせて頼むも、花ちゃんは断固拒否の姿勢を崩さない。

 

花「いい?お菓子のかわりにあんないかがわしい服着せてくるんだよ?」

 

みやこ「(いかがわしい……)」

 

いかがわしい……の?

確かにみゃーお姉ちゃんが作った衣装にはちょっと丈が短いのとか露出が多いのはあるけどそれは花ちゃんたちにはまだ着させて無かったはずだし……あ、それとも私の感性が少し変なのかな。

 

私が一人で傷付いてる間にも花ちゃんの説明は続く。

 

花「そんなお姉さんに私を差し出すとどうなると思う?」

 

ひなた「……わからん」

 

ちまり「どうなるの?」

 

花「……お姉さんが捕まる」

 

ちまり「ええっ!?」

 

みやこ「(花ちゃんの私のイメージ酷くない!?)」

 

ひなた「みゃー姉捕まるのか!?」

 

ノア「ミャーさんハナちゃんにナニする気!?」

 

みやこ「濡れ衣だー!!いくらなんでもそんなことにはならないよ!」

 

みゃーお姉ちゃんは必死に弁明しようとするけどその言葉を信じれない花ちゃんは問い詰める。

 

花「本当ですか?今までやってきたこと考えてそんなことないって言えますか?」

 

い、いくらなんでもみゃーお姉ちゃんなら大丈……夫じゃないかも。

みゃーお姉ちゃん自身もそう思ったみたいで、途中言葉を詰まらせていた所を花ちゃんに突っ込まれてた。

 

花「……というか、そもそも私だけって不公平だと思う」

 

ちまり「あ、確かに花ちゃんだけじゃ不公平だよね」

 

ひなた「それもそーだな。じゃあわたしたちも同じことやるか!」

 

ノア「そうだね、ハナちゃんだけにやらせるのはチガウよね!」

 

花「え……」

 

ひなた「そーだ、せっかくだからちゃんと形にしてプレゼントしよーよ。肩たたき券みたいに」

 

ちまり「いいねっ」

 

ノア「楽しそう!作ろ作ろ!」

 

ひなた「よし、作るぞ!花、ノア、ちまり!」

 

花「(もしかして私もやることになった感じ!?)」

 

 

 

 

 

 

 

 

それから5分もしない内に私たち三人分のなんでもやる券は完成した。

 

ひなた「はい、みゃー姉。1回なんでもやる券4人分!」

 

みやこ「わーありがと、すっごいうれしいよ!」

 

ひなた「イエーイ!」

 

みゃーお姉ちゃんが喜んでくれてひなたお姉ちゃんも上機嫌でノアちゃんとハイタッチしていた。

 

あ、みゃーお姉ちゃんがいますっごく悪い顔してる。

恐らく花ちゃんに何をしてもらおうか考えてるんだと思うけど……ほんとに捕まったりしないよね?

 

花「……なんでもいいですが、ひなたやちまりをかなしませるようなことしないでくださいね?」

 

みやこ「!?もも、もちろんわかってるよ!?」

 

花ちゃんに指摘されて動揺を隠せないみゃーお姉ちゃん。

一体花ちゃんに何をさせようとしてたんだろう?

 

みやこ「ま、まぁこれはなにか思いついた時につかうとして」

 

花「(なんか弱み握られたみたいでやだな……)」

 

みやこ「そうだ、プレゼントもらったお礼ってわけじゃないけど誕生日だしケーキでも作ろうか」

 

ひなた「まじか!」

 

ノア「ヤッター!」

 

花「ケーキ!!」

 

みやこ「みんなも手伝ってね」

 

ひなた・ノア・ちまり「はーい!」

 

花「がんばりますっ!」

 

花ちゃんの食い付きがすごいことになってるけどみゃーお姉ちゃんの作るケーキは花ちゃんじゃなくても気分が上がるから仕方ないね!

 

みやこ「あ、花ちゃんは見てるだけでいいから」

 

花「え?」

 

うん、花ちゃんには悪いけどそれは仕方ない。

 

花ちゃんを除く私たち3人はみゃーお姉ちゃんに続いてキッチンに入りケーキ作りの手伝いを始めた。

 

みやこ「ひなたはノアちゃんと生クリーム作っておいて」

 

ひなた「任せろ!」

 

ノア「ヒナタちゃん作り方わかるんだ、スゴーイ!」

 

みやこ「ちまりはこっちを手伝ってね」

 

ちまり「うん!」

 

私もノアちゃんにすごいって言って貰えるように頑張るんだから!

 

私たちがケーキを作っているその光景を反対側から暫く眺めてた花ちゃんだったけど、ふと思い出したように用事があるからと出掛けてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから1時間。

 

みやこ「これで完成っと……」

 

ひなた・ノア「イェーイ!」

 

あ、玄関が開く音がした。

花ちゃんが戻ってきたのかな?

 

ちまり「……あれ?いない」

 

私は音が聞こえた玄関の方に目を向けるもそこに花ちゃんの姿が無く、不思議に思っていると不意に背後から声が聞こえてきた。

 

花「お姉さん」

 

ちまり「えぇっ!?」

 

みやこ「うわっ?びっくりした!花ちゃん何時の間に戻ってきてたの!?」

 

突然の登場に驚いてる私とみゃーお姉ちゃんを気に止めず花ちゃんはみゃーお姉ちゃんが手に持っていた生クリームを見つめたまま続けた。

 

花「手に持ってるそれもらってもいいですか?」

 

みやこ「……それは超えちゃいけない一線だよ花ちゃん」

 

ちまり「花ちゃん……」

 

私、花ちゃんの将来が心配だよ。

 

結果的にみゃーお姉ちゃんの頑張りによって花ちゃんはどうにかその一線を越えずにすんだ。

 

ノア「あ、そーだ!ヒナタちゃん、チマリちゃん!こっち来て」

 

ひなた「おうっ!どうしたノア?」

 

ちまり「どうしたの?」

 

唐突にノアちゃんから声が掛かったので私は不思議そうにしながらも集まる。

 

ノア「えっとね、折角ミャーさんの誕生日なんだからサプライズしたいなって」

 

ひなた「いいなそれ!」

 

ちまり「でも今から出来るサプライズってあるかな」

 

ノア「ふっふっふ、アタシにいい考えがあるの。コショコショ……」

 

ひなた「おおー、でも花がやった方が喜ぶんじゃないか?」

 

ノア「ハナちゃんは乗り気じゃないからね。それにハナちゃんにやらせたらミャーさんハナちゃんに夢中になっちゃうから」

 

ひなた「たしかに」

 

ちまり「み、みゃーお姉ちゃんの誕生日だし……うん、頑張る」

 

ノア「決定〜!じゃあミャーさん!楽しみに待っててね!」

 

みやこ「え、どういうこと?」

 

突然過ぎて頭にハテナを浮かべるみゃーお姉ちゃんを置いて私とノアちゃんとひなたお姉ちゃんの三人はリビングを出ていった。

 

 

 

 

 

 

しばらくして着替えて戻ってきた私たちはみゃーお姉ちゃんが作ったメイド服を披露した。

 

ちまり「ノアちゃんがメイド……そのギャップがイイっ!」

 

ノア「ありがとっ!でも今日の主役はミャーさんだから落ち着いてね?」

 

ちまり「あぅ……つい」

 

いけないいけない。

みゃーお姉ちゃんの為に着てきたのに私が舞い上がってどうするの。

 

ひなた「というわけでみゃー姉」

 

ノア「誕生日オメデトー」

 

みやこ「え、なんでメイド?」

 

ノア「サービス!撮影もオッケーだよ!」

 

みやこ「へー」

 

そういいながらケーキを堪能してる花ちゃんへ視線を向けるみゃーお姉ちゃん。

 

花「私は着ませんよ」

 

やっぱりみゃーお姉ちゃんは花ちゃんに着てほしいんだよね。

 

ノア「なんでも券を使うとおさわりオッケーになるよ!」

 

ちまり「ふぁっ!?」

 

ノアちゃんにおさわりオッケー!?なにそれ欲しい!

 

みやこ「あ、結構です」

 

ノア・私「!?」

 

そんな、だったら私にその券を……ってちがうちがう。

ん〜最近どうにも自分本位になり過ぎてる気がする。

今私がこうしていられるのもお母さんやお姉ちゃんたちのおかげだ。

なのに私はみゃーお姉ちゃんの誕生日も忘れてしまって……うん、反省しなきゃ。

 

私が緩んだ気持ちを引き締め直している間にみゃーお姉ちゃんは花ちゃんからプレゼントを受け取っていた。

 

みやこ「ありがとう」

 

花「じゃあプレゼントあげたのでなんでも券返してください」

 

みやこ「え?まってまってなんで……?」

 

突然の返却依頼に動揺するみゃーお姉ちゃん。

しかし花ちゃんは当然のように理由を伝える。

 

花「だってあれプレゼントのかわりに用意したものですよ。ちゃんとしたプレゼントあげたんだから返してください」

 

花ちゃんの言い分は間違っていないがどうしてもどっちも欲しいみゃーお姉ちゃんは簡単には引き下がらなかった。

悩みに悩んだ末に出した答え、それは……

 

みやこ「さ、三倍の値で買い取るよ」

 

花「最低ですか」

 

みゃーお姉ちゃん……気持ちは分かるけどその方法はどうかと思う。

 

花「はぁ……冗談ですよ、普通にあげます」

 

みやこ「え?ほ、ほんと?」

 

花「はい、それはいつものおいしいお菓子のお礼とかそんな感じです」

 

ノア「ハナちゃんってさー、なんだかんだいいながらミャーさんのことスキだよね」

 

ひなた「みゃー姉のこと一番好きなのは私だからな!」

 

花「は?」

 

花ちゃんは否定したけどノアちゃんの見立てはきっと間違ってない。

そしてそれはお姉ちゃんにとっても喜ばしいことだから、ちゃんとお祝いしないとね。

 

……おめでとう、みゃーお姉ちゃん。

 

その後花ちゃんが選んだ普通にかわいいヘアピンに合わせるためみゃーお姉ちゃんもメイド服に着替えたり、それを窓から覗いていた松本さんが飛び込んで来たりと色々あったけどみんなが楽しそうだったから大成功だね。

 

 

 

 

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