星野家の三女 作:星野家の概念的存在になりたい
こんなはずじゃなかったんや〜(><)
みゃーお姉ちゃんの誕生日以降、私とひなたお姉ちゃんは常にみゃーお姉ちゃんのそばに居続けた。
部屋でもお風呂でも……だけどトイレにもついて行こうとしたら、遂にみゃーお姉ちゃんに怒られてしまった。
みやこ「もーなんなの最近のひなた!何がしたいの!?」
ひなた「気にしないでくれ」
ちまり「うん、気にしないで」
みやこ「気にするわ!というかちまりも関係してるの!?」
ノア「そういえば最近ヒナタちゃんもチマリちゃんもミャーさんにベッタリだよネ?」
花「うん、ベッタリなのは前からだけど今は更にひどくなってる。学校が終わったらすぐ帰るし、ちまりもひなたよりお姉さんにずっとくっついてるみたいだし」
ノア「チマリちゃんアタシのコスプレ見ても前みたいにならないもんね」
ちまり「う……そ、それは……」
みやこ「ほら、花ちゃんたちもこう言ってるし事情を話して2人とも。事情によっては私も協力するから」
どうしよう、みんなに隠しごとは出来ないよ。
私はひなたお姉ちゃんの方を見るとひなたお姉ちゃんも同じ気持ちなのか俯いていた顔を上げて口を開く。
ひなた「今は……みゃー姉きょーかきかんなんだ!」
みやこ「なんて?」
ちまり「みゃーお姉ちゃんの誕生日を忘れてたのは私たちの思いが足りなかったから……だから」
みやこ「あー、つまり私の誕生日を忘れてたのがショックだったからその強化期間ってのに入ったの?」
ちまり「うん」
みやこ「え〜……」
二度と忘れることのないように、四六時中みゃーお姉ちゃんの事を考える為には必要な期間だから。
これだけはゆずれない。
ちまり「…………」
みやこ「(このままじゃ私がひとりになれる時間が……それにひなたやちまりがこのまま私につき合ってずっと家にいるようになったらひなたまで私みたいになっちゃうかも……すでにちまりが私みたくなりつつあるのにひなたまでそうなりかねない)」
みゃーお姉ちゃんにどう反対されても返せるように構えていると、みゃーお姉ちゃんの顔色が段々と青ざめていく。
みやこ「(もしそんなことになったら……私がお母さんに殺される!?)」
ちまり「みゃーお姉ちゃん?」
みやこ「2人とも!私の命が惜しかったら今すぐやめな!」
四人「いのち!?」
みゃーお姉ちゃんのいのちが危ない……それなら。
ちまり「大丈夫!みゃーお姉ちゃんは私が守るんだから!」
みやこ「あ、いや……そもそも強化期間をやめてくれたらそんな心配もないんだけどな〜?」
ちまり「え?それはやだ」
みやこ「……いやでもひなたとちまりのためでもあるんだから、お願い?」
ひなた・ちまり「やっ!」
みやこ「私のこと好きならずっと一緒じゃなくても……少し離れて、ね?」
ひなた「みゃー姉が何言ってるか分かんない!好きだからずっといっしょににいたいんでしょ!」
ひなたお姉ちゃんの言葉に私は力強く頷く。
みやこ「……はぁ〜、この手はあんまり使いたくなかったけど……」
ひなた「そ、それはっ……!?」
ちまり「誕生日にあげたなんでもやる券……!」
みやこ「ひなたとちまりは明日から5日間私と距離を置くように!」
ちまり「そんなっ!?」
ひなた「まってみゃー姉!それ以外ならなんでもするから!」
みやこ「ダメ、いい機会だから少しはお姉ちゃん離れもしな」
ひなた「みゃ〜ねぇ〜……」
ノア「こういうのも恋愛ドラマで見たことある」
どうしよう、みゃーお姉ちゃんに嫌われた……。
ううん、そういうことじゃない。
きっと私たちを思ってのことなんだって……何となくだけどわかる。
それでも……
〜1日目〜
今日から5日間みゃーお姉ちゃんと喋ったり近づいたりしちゃだめだと言われ希望を失ったかのような表情を浮かべるひなたお姉ちゃんを連れて学校へと向かった。
学校についてもそのままのひなたお姉ちゃんを心配したノアちゃんが声をかけた。
ノア「どうしたの?ヒナタちゃん大丈夫?」
ひなたお姉ちゃんはうわごとのように朝起きた出来事を話してた。
花「あー、本当にやってるんだ」
ノア「あれ?でもそれってチマリちゃんもだよね?」
ちまり「うん、そうだよ」
ノア「それにしてはチマリちゃんは落ち着いてるように見えるけど大丈夫なの?」
ちまり「うん、大丈夫。ひなたお姉ちゃんが大変な時だし……私がしっかりしないと」
ノア「そっか、エライねチマリちゃん」
ちまり「そ、そんなことないよ。普段から助けてもらってばかりだから」
落ち着いてる……うん、それならまだ大丈夫。
この調子で5日間我慢出来ればいいな。
〜2日目〜
ひなた「みゃー姉ぇ、みゃー姉ぇ!」
ノア「ヒナタちゃんがチマリちゃんにベッタリしてる!?」
花「これは珍しいね……逆ならよく見るけど」
ちまり「いい子だね〜よしよし」
ひなた「えへへ〜みゃー姉ぇ〜」
朝起きるとひなたお姉ちゃんが私をみゃー姉って言い始めたから私もみゃーお姉ちゃんを演じることにした。
これでひなたお姉ちゃんが元気を取り戻せるなら頑張りたいけど……みゃーお姉ちゃんのことを考えてると不安で胸が苦しい。
花「…………」
〜3日目〜
分かってたけどやっぱり私ではみゃーお姉ちゃんの代わりにはなれなかった。
結局元気を取り戻したのは昨日一日だけでひなたお姉ちゃんはまたへにょへにょになってしまった。
ひなた「ア"〜〜〜……」
ノア「大変!ヒナタちゃんがヘニョヘニョしてる!」
花「ちまりもあんまり大丈夫じゃなさそう」
ちまり「大丈夫、大丈夫だよ」
今回の件でひなたお姉ちゃんにとってみゃーお姉ちゃんがどれだけ大きな存在かが改めてわかった。
じゃあみゃーお姉ちゃんにとっての私たちは?
みゃーお姉ちゃんに聞いたならきっと私が望む答えが返ってくると思う。
だけどそれはみゃーお姉ちゃんの本当の気持ち?
こんな事考えるなんてみゃーお姉ちゃんを信じてないようで自分が嫌になるけど、1度浮かんでしまった不安はいくら考えないようにしてても決して無くならない。
あぁ、みゃーお姉ちゃん……ごめんなさい。
学校から帰りひなたお姉ちゃんと一緒にソファーで崩れているとノアちゃんがみゃーお姉ちゃんの姿であらわれた。
その瞬間、私は考えることをやめた。
〜4日目〜
みゃーお姉ちゃんがいっぱい甘やかしてくれる。
ひなたお姉ちゃんも嬉しそうだし、私も嬉しい。
〜5日目sideノア〜
ノア「はい、ヒナタちゃん。あーん」
ひなた「あー、んっ!」
「みゃーお姉ちゃん私もっ、私も〜!」
ノア「慌てなくても大丈夫だよ〜。チマリちゃんもはい、あーん」
「あー、ん!」
花「……ちょっと甘やかしすぎじゃない?」
ノア「え?そお?」
アタシがミャーさんの格好でヒナタちゃんたちのお世話を始めて早くも2日経っていた。
ヒナタちゃんもチマリちゃんもアタシにベッタリ甘えてきてホントもう最っ高にイイっ!
ノア「ウェッヘッヘ」
花「なんか気持ち悪い時のお姉さんみたいになってる」
みやこ「えぇ、キモチわるいっ!?」
アタシ的には最高に嬉しいけど今のチマリちゃんには少し違和感を感じる。
だけどそれが普段ミャーさんにしか見せない姿なら少しうらやましいとも思う。
まぁそれは置いといて、今は2人ともアタシにベッタリなんだから堪能しなきゃソンだよね!
ノア「ウェヘヘ……」
花「今日の17時まででいいんですよね?」
みやこ「……ん?あー、そうだね」
「フフン♪ヒナタちゃんもチマリちゃんももうアタシにベッタリ。17時になってもアタシからはなれないよ」
アタシはけっこうホンキでそう思っていた。
でも同時に2人のミャーさんに対する想いがそんなに軽いものじゃないことも何となく分かってた。
花「17時になったよ」
だからハナちゃんの魔法を解く一言が放たれた時、アタシは覚悟していた。
ひなた「みゃー姉っ!」
ノア「あっ!」
みやこ「うおっ!?」
ひなた「みゃー姉みゃー姉!本物のみゃー姉だぁー!!」
覚悟はしてたけど……やっぱりショックが大きいなぁ。
ノア「わかってた、アタシはしょせんミャーさんのかわりだって……アタシわかってた」
ひなた「ノア、今日までありがとな!」
ノア「イイヨイイヨ、アタシたいしたことしてないし……ミャーさんのコスプレしてヒナタちゃんたちをなぐさめるなんてダレでもできるし……」
そう、ダレでもできることをたまたまアタシがやれることになっただけ。
花「誰でもはできないと思う」
そんなすこしヤケになっていたアタシのコトバをヒナタちゃんは否定してくれた。
ひなた「なに言ってんだ?誰でもいいわけないぞ。みゃー姉のかわりできたのはみゃー姉とおなじくらい好きなノアだからだぞ」
ノア「アー……ウン。アリガト」
もー!そういうところだよヒナタちゃん!
そんなこと言われたらマトモに顔見れなくなっちゃうじゃん!
って、あれ?まだ右腕を掴まれてる感じがするんだけど……え?ち、チマリちゃん!?
ノア「チマリちゃん?も、もうミャーさんのところ行ってもダイジョーブだよ?」
ちまり「……や」
ノア「え?」
ちまり「やっ!」
ノア・みやこ「「ええっ!?」」
アタシはなにがどうしたのかわからなかった。
チマリちゃんもヒナタちゃんと同じようにミャーさんに飛び付くだろうと思っていたから。
だけどチマリちゃんはそれを拒否してアタシに組み付く力を少しだけ強めた。
花「お姉さん、もしかして嫌われたんじゃ」
みやこ「ま、まさかぁ?ほら、ちまり。ノアちゃんも困ってるからはなしなさい」
ちまり「やっ!」
みやこ「え、いやまさか……ほんとに?」
ちまり「お姉ちゃんも……私といるの、イヤ?」
ノア「お、お姉ちゃん!?」
チマリちゃんが上目遣いでアタシに向かってそう聞いてきた。
それに対するアタシの答えは……
ノア「もちろんオッケーだよ!」
みやこ「ちょっ、ノアちゃん!?」
ミャーさんが慌ててる姿を見てるとなんだからイジワルしたくなっちゃう。
もしかしたらこれがチマリちゃんが言ってたソソルってことなのかな?
アタシはチマリちゃんの頭をなでながら勝ち誇ったように胸を張ってミャーさんにいった。
ノア「あれれー?ミャーさん自分から遠ざけたのにもしかしてさみしいのー?」
みやこ「うぐ……たしかにそう、だけど……」
ノア「ジョーダン、取り敢えずはアタシに任せて」
みやこ「……わかった。悪いけどもう少しちまりのことお願いね」
ノア「オッケー、じゃあ部屋に行こっかチマリちゃん」
アタシはチマリちゃんを連れてチマリちゃんの部屋へ向かう。
この格好だからか自分の部屋だからか分からないけど今日のチマリちゃんはミャーさんたちが近くにいなくても平気そうだった。
さて、2人の為にも頑張らなくちゃ。
チマリちゃんがアタシにベッタリなのは嬉しいけどミャーさんとチマリちゃんがこんななのはアタシもイヤだからね。
部屋についたアタシはベッドに腰掛けて甘えてくるチマリちゃんをわしゃわしゃしながら話を聞き出すことにした。
ノア「ねぇ、チマリちゃん。どうしてミャーさんを避けたの?アタシにこうして欲しいから?」
ちまり「う……ええと……」
アタシの冗談半分の問いかけにチマリちゃんは顔を真っ赤にしながら口ごもる。
きっとそれも本心なんだと分かり嬉しくなったアタシは更にわしゃわしゃとあやしていく。
ノア「うりうりうり〜♪」
ちまり「んん〜♪」
っと、いけないいけない。
いつまでもこうしていたくなっちゃうけどそろそろ本題に入らないとね。
ノア「それで、ミャーさんと何かあったの?チマリちゃんがミャーさんを避けるなんて相当なことだと思うけど」
ちまり「そ、それは……」
チマリちゃんはとても言いづらそうに口にしようとしては閉じるを繰り返していた。
それでもアタシがなにも言わずに待っているとチマリちゃんは気持ちを落ち着かせてから遂に話し始める。
ちまり「私に……みゃーお姉ちゃんと一緒にいる資格なんて無いの」
ノア「シカク……ってどうして?」
ちまり「私はみゃーお姉ちゃんのこと信じられなかったから……私は、私はみゃーお姉ちゃんの近くにいちゃダメなのっ」
ミャーさんの信用出来ないところはけっこうあると思うケド……多分チマリちゃんにとってだいじなトコロで信用出来なくなっちゃったってことかな。
ノア「チマリちゃんはミャーさんのドコが信じられなくなっちゃったの?」
ちまり「みゃーお姉ちゃんが私をどう思ってるのか……私が嫌いだから遠ざけようとしたんじゃないかって……」
ノア「で、でもミャーさんがそういったんじゃないんでしょ?」
ちまり「うん……みゃーお姉ちゃんはそんなこと言わないってわかってる。わかってる……のにっ!私は……私はぁ……っ」
チマリちゃんは突然引き離された不安で考えがワルい方に傾いちゃってたんだ。
そんな中でもミャーさんを信じたいのにそれが出来ない自分に苦しんでる。
ここでアタシがチマリちゃんをなぐさめても余計に追い詰めちゃうだけかもしれない。
チマリちゃんがアタシに相談してくれたのに……ううん、アタシまで落ち込んでちゃダメ!
ノア「チマリちゃん、今からミャーさんところ行こう!」
ちまり「い、いやっ!待って!」
アタシはイヤがるチマリちゃんの手を強引に引きつつ扉を開けた。
するとそこには少しだけ目が赤いミャーさんが立ってた。
ノア「あ、ミャーさん?」
ちまり「あ、あぁ……」
みやこ「ノアちゃん、ありがとうね」
ミャーさんはアタシにお礼を言ってからゆっくりとチマリちゃんの前にしゃがみ込んだ。
多分扉の前でアタシたちの話を聞いてたんだと思う。
ミャーさんは何も聞かずにただチマリちゃんを抱きしめた。
みやこ「よかった……嫌われちゃったかと思ったよ」
ちまり「え、みゃーお姉……ちゃん?」
みやこ「ごめんねちまり、突然突き放されたら不安になるよね」
ちまり「で、でも!みゃーお姉ちゃんは私たちのために……」
みやこ「ちまりだってお姉ちゃんの為に離れようとしてくれたんでしょ?それでもちまりが私のこと嫌いになっちゃったんじゃないかって不安だったんだよ」
ちまり「お姉ちゃん……も?」
みやこ「うん、花ちゃんたちの前で少し泣いちゃったしね?」
ちまり「くすっ……泣かないでみゃーお姉ちゃん」
みやこ「からかわないの。でも私だって直ぐにそう考えちゃうのに、何日も信じようとしてくれたんだよね。ちまりは偉いよ」
ちまり「みゃーお姉ちゃん……うぅ……ぐすっ……みゃぁぁぁお姉ちゃぁぁぁぁぁぁぁん!!」
チマリちゃんはミャーさんに思いっきり抱きつくといっぱい泣いてた。
チマリちゃんがもう甘えてこないと思うとちょっとザンネンだけどやっぱり三人一緒の方がしっくりくるよね。
でもいつかミャーさんの代わりじゃなくてチマリちゃんに……ってあれ?
そういえばアタシって、チマリちゃんのこと……どう思ってんだろう?