星野家の三女 作:星野家の概念的存在になりたい
他の子も勝手に動き始めたら原作ブレイク待ったなし……かな。
モヤっとした気持ちを初めて感じた日から数日が経ち、そんな事もすっかり忘れていたある日の事。
今度のお休みに花ちゃんが泊まりに来るみたい。
みやこ「は、花ちゃんがウチに泊まりに来る!?」
ひなた「うん、後はみゃー姉が良いならだけど」
みやこ「え?お母さんとちまりがいいって言ってるならいいけど」
ひなた「やったー!みゃー姉ありがと!」
みやこ「でも初めてだね。ひなたが友だち家に泊めたいだなんて」
ひなた「みゃー姉家族以外が家にいるのイヤがるからな」
みやこ「なんか気を使わせちゃってごめんね?けどちまりはよくオッケーだしたね」
ひなた「ちまりと花は友だちだしな!」
ちまり「うん、人と話すのは苦手だけど……花ちゃんは……と、友だち……だから」
みやこ「そっか、よかった」
ひなた「じゃあ明日の学校の準備してくるー!おやすみみゃー姉!」
ちまり「みゃーお姉ちゃん、おやすみ」
みやこ「おやすみふたりとも」
今度のお休みかぁ……意識したら少し緊張してきたかも。
早くもお泊まり前日、今日のみゃーお姉ちゃんはとっても張り切ってた。
みやこ「今日はいっぱい作るからひなたもちまりも手伝ってね」
ひなた「任せろみゃー姉!」
ちまり「ん、頑張る!」
みやこ「それで何を作ったら良いと思う?」
ひなた「おいしいもの!」
ちまり「あまい物!」
みやこ「……そうだね、それでその甘くておいしいものってなんだと思う?」
あまくておいしいもの……
ひなた「カレー」
みやこ「甘……口はあるけど、お菓子でお願い」
あまくておいしいお菓子みたいなもの……
ちまり「みゃーお姉ちゃん……」
みやこ「ちまりは何か思い付いた?」
「うん、あまくておいしそうなお菓子みたいな匂いがするみゃーお姉ちゃんが良いかなって」
ひなた「ちまり……それは名案だ!」
みやこ「名案じゃないっての。お姉ちゃんは食べられません」
ちまり「ふふ、冗談。そういえばみゃーお姉ちゃんが前に作ったマカロンとか花ちゃんの食い付き良かったよ」
私はみゃーお姉ちゃんに冗談だと伝えると、真面目に花ちゃんが喜びそうな物を答える。
みやこ「……じ、じゃあマカロンは作るとして他にも色々色々作ろっか!(じ、冗談……だよね?)」
最終的にマカロンを始めクッキーやドーナッツ、パウンドケーキなどの多種多様なお菓子を用意して翌日を迎えた。
お泊まり当日、沢山のお菓子を目の当たりにした花ちゃんはこれまでに無いくらいキラキラと目を輝かせていた。
花「これでコスプレ着せてこようとしなかったら理想のお姉さんなのにな」
みやこ「マジで!?」
ちまり「じ、じゃあ花ちゃんがコスプレを着るのが好きになれば問題解決?」
みやこ「それは素晴らしい!じゃあ花ちゃんにはもっと着てもらわないと!」
花「なに話を進めてんですか、好きになんてなりませんからね」
ちまり「かわいい服……着たいって思わないの?」
花「むぐっ……か、かわいい服と
確かに花ちゃんの
でも本当はちょっとくらい興味があったりしないかな?
ひなた「おぉ、今日のちまりは花にも積極的だな!」
ちまり「え、ええと……は、花ちゃんがお泊まりに……来てくれたから?」
と言うのも本心なんだけど、実際はそれだけじゃなかったりする。
私は昨日の夜にじっくりとお布団で考えた結果、みゃーお姉ちゃんと花ちゃんの二人の仲を取り持つ事に決めたのだ。
とは言ってもそこまで私が動く必要は無いのかな。
みゃーお姉ちゃんのことを花ちゃんが知っていけばきっと充分だから。
でもその為なら私はちょっと悪い子になるよ。
お姉ちゃんには迷惑掛けちゃうけどごめんね。
私は心の中で謝りつつお母さんに一通のLANEを送った。
『今ね、みゃーお姉ちゃんが美味しいお菓子いっぱい作ってくれたの!お母さんも一緒に食べよ?』
それから暫くして、お母さんの所に行っていたひなたお姉ちゃんが部屋に戻ってきた。
ちなみに花ちゃんはおやつの時間から一時間半の間そこそこのペースでお菓子を食べ続けていた。
どこにあんなに入って行くんだろう?
ひなた「はなー、お母さんが少し早いけどお風呂入れって」
みやこ「お、おふろっ!あ……おふっ……わたっ……わたしも」
みゃーお姉ちゃん……もし花ちゃんと一緒に入れる機会が有っても絶対にカメラは置いてってね。
ほんとに通報されそうで私は心配だから。
ひなた「あとみゃー姉、お母さんが呼んでたぞ」
みやこ「もー、お母さん何ー?」
本当にごめんね、みゃーお姉ちゃん。
と、その時【いんがおーほー】とTVで前に聞いた言葉がふと頭に浮かぶ。
意味はあまり覚えて無いけど、なんだか嫌な予感がする。
気になった私はスマホのGeegle検索で調べる。
えっと、良い行いや悪い行いに対して相応の報いを受ける事……?
つまり悪い事をしたら自分に返ってくる……みたいな感じ、かな。
ひなた「食ってないで行くぞ花。ちまりもスマホは後で、お風呂行くぞ」
ちまり「あ、うん。今行……あっ」
えと……あ……ど、どうしよ。
私は恥ずかしい事に小学5年生にもなって未だにひとりじゃお風呂に入れない。
だからそれを知ってるひなたお姉ちゃんは何時もの様に誘ってくれるけど……。
みゃーお姉ちゃんは今ごろお母さんにお説教を受けてるからお風呂は遅くなっちゃうし……家族以外と一緒にお風呂……うぅ……どうしよう。
はっ……これが【いんがおーほー】……うん、頑張ろう。
お風呂場で頭と身体を洗った私達は湯船で温まっていた。
因みにひなたお姉ちゃんと花ちゃんが洗いっこしていた後ろで私は一人で洗ってた。
花「はふぅ〜おいしかったぁ」
花ちゃんはさっきまで食べてたお菓子を思い出してほっこりしてる。
ひなたお姉ちゃんはそんな花ちゃんの背中を見ながら何か考えてるみたい。
私はそのひなたお姉ちゃんの後ろで背中合わせで体育座りをしている。
緊張で心臓がバクバクいってすぐにでものぼせてしまいそうだけとすぐに出ちゃうと身体が冷えちゃうし……ブクブク
お姉ちゃんに心臓の音が聞こえちゃってると思うと更に恥ずかしくなってくる。
もしかしたら花ちゃんにまで聞こえてたりして……。
ひなた「花って大きくなったら絶対に太るよな」
花「なっ……!?」
私は花ちゃんの様子を伺おうとそっと振り返ると丁度ひなたお姉ちゃんと目が合った。
ひなた「ちまりもそう思うよな?」
ちまり「ふぇ!?」
えぇっ?いきなり話を振られてもそれどころじゃなかったから何の話してた分からないよ〜!
だから花ちゃんもそんなにこっちを見ないで〜!?
あうう……もう限界!こうなったら……
ちまり「わっ、私さきに出るね!」
花「あっ」
ひなた「お、もう上がるのか?」
私は逃げる様に脱衣所に出て身体を拭くと早々にパジャマへ着替えて廊下に出る。
ふぅ、やっぱり家族以外の人とお風呂はまだ早かったよ……ってみゃーお姉ちゃん!?
みやこ「うぅ……」
廊下ではなんとみゃーお姉ちゃんが布団で簀巻きにされて吊るされていた。
辛そう……だけど今の私に心配する資格はない。
それにこのままならお風呂上がりの花ちゃんやひなたお姉ちゃんの目に止まる筈だから。
私は胸が痛むのを堪えながら今は何も言わずに頭だけ下げてからリビングへと向かった。
ちまり「お母さん、あのね?」
千鶴「ん?どうしたちまり。みやこならしばらくはあのままだぞ」
ちまり「……うん」
流石はお母さん。まだ何も言っていないのに私の言いたいことが分かってる。
どうしよ、お母さんに何とかみゃーお姉ちゃんを許して貰おうと思ったのにどうすればいいのか分からない。
お母さんに伝えたのは私だけどみゃーお姉ちゃんは実際にお菓子を花ちゃんに食べてもらう為に作ったわけだし……良く考えたらお姉ちゃんを助ける方法を私は持っていなかった。
ちまり「………………」
千鶴「…………はぁ、しょうがないねぇ。今回はちまりに免じて夕飯までには降ろすよ。それでいいかい?」
ちまり「え、ほんと!?ありがとうお母さんっ!」
千鶴「全く、その代わりちまりには夕飯の支度手伝って貰うからね」
ちまり「うん、分かった!」
みゃーお姉ちゃんを早く解放するためにも頑張らなくちゃ!
私はみゃーお姉ちゃんが作ってくれたエプロンを巻いて意気揚々とキッチンに入っていった。
今日のメニューのカレーとサラダが出来上がり、これでようやくみゃーお姉ちゃんが解放される。
みやこ「うへぇ〜……1時間も吊るされるとは思わなかったよ」
千鶴「何言ってんだい、ちまりがあんたの為に夕飯の支度してくれなきゃ後二時間は吊るしとく予定だったんだからちまりに感謝するんだね」
みやこ「え、うそ……ありがとうちまりぃ〜!」
ちまり「う、ううん。気にしないでみゃーお姉ちゃん」
みゃーお姉ちゃんが私を抱き締めてお礼を言ってくれた。
いつもならこれ以上無いくらい幸せなはずだけど、今はお姉ちゃんに対する申し訳ない気持ちがチクチクと胸を刺して来て素直に喜べなかった。
そんな私の様子を隣で見ていたお母さんはみゃーお姉ちゃんに対してこう付け足した。
千鶴「まぁ、今回はあんたが菓子食べさせてんのに早く気付けたから花ちゃんもご飯食べられるみたいだしこれくらいにしとくけど……みやこ、次は無いからね?」
みやこ「ひいっ!?肝に銘じます!」
千鶴「ならいい。解ったらさっさとご飯にするよ。花ちゃん達待ってんだから」
みやこ「はい……」
落ち込むみゃーお姉ちゃんが気付かない所でお母さんは一瞬だけ私にニッと笑いかけるとリビングへと戻ってった。
どうやらお母さんには私の事なんてお見通しだったみたい。
お陰で私の胸にチクチクと刺さってたトゲは取れていた。
ありがとう、お母さん。
ご飯を食べ終わって食休みをした後、今は花ちゃんとひなたお姉ちゃんの三人でモンファンをやっている。
因みに花ちゃんは少し少なめのカレーを残さず食べれていたので、みゃーお姉ちゃんがあれ以上怒られずにすんで私はほっとした。
ひなた「次は何やるー?」
ちまり「ひなたお姉ちゃん、そろそろねる時間だよ?」
ひなた「もうそんな時間か!じゃあちまり!花!みゃー姉と一緒にねるぞー!」
ちまり「おー」
花「……うん」
花ちゃんは渋ることなく頷く。
これが花ちゃんとみゃーお姉ちゃんの仲を取り持つ為の私の作戦。
みゃーお姉ちゃんに申し訳ない気持ちを持った花ちゃんが夕飯の時からずっと謝るタイミングを伺ってたのは知ってた。
だからちゃんとみゃーお姉ちゃんと話す機会を逃すはずはないと思ってた。
そうして私達三人はみゃーお姉ちゃんの部屋へとやってきた。
ひなた「みゃー姉一緒にねよ!」
みやこ「今日は花ちゃんがいるでしょ?」
ひなた「だから花も一緒だぞ!」
みやこ「!!?」
みゃーお姉ちゃんは取り乱してたけど四人で並んで眠る事にした。
みゃーお姉ちゃんの隣は花ちゃんとひなたお姉ちゃん。そしてひなたお姉ちゃんの隣に私が横になっている。
私は寝たフリをしつつ二人の様子を見ていようと目を瞑った。
翌朝。
ちまり「んん〜っ……あれ?」
気が付くと外から光が差し込んで来ていた。
どうやら目を瞑った途端眠ってしまったみたい。
二人はあれからどうしたんだろう?なにか話したのかな。
みゃーお姉ちゃんと花ちゃんの姿を追って視線を下げると……そこにはぐったりとしたふたりが……。
みゃーお姉ちゃんはいつもだけど一体何が起きてるんだろう?
ひなた「あはは、みゃー姉は知ってるけど花も寝相悪いんだな?」
ちまり「ふぁ……顔、洗ってくるぅ」
ひなた「わたしもいくぞー!」
私は寝ぼけ眼を擦りながら洗面所へ向かったのだった。
花「……お姉さん、良く二人と寝てるんですよね」
みやこ「うん……」
花「なんというか……頑張って下さいね」
みやこ「うん……」
まあそうなったらそうなったで行くとこまで行きます。
その時には作者も暴走してることでしょう。