星野家の三女 作:星野家の概念的存在になりたい
ノア「みんなでコスプレ勝負よっ!」
みやこ「みんなでコスプレ勝負?」
ノア「そう!アタシの方がハナちゃんよりカワイイってことミャーさんに教えてあげる!」
花「お姉さん、ちょっと……」
みやこ「……うん……わかった」
花ちゃんがみゃーお姉ちゃんに何か耳打ちしてる。
みやこ「わ、わーやっぱりノアちゃんが一番かわいいなー」
花「私の負けね」
ひなた「?よかったなノア」
一体なんだろうと思っていると突然茶番劇が始まった。
ノア「バカにしないでくれる!?」
当然ノアちゃんが納得するはずもなくコスプレ勝負は開催されることになった。
ん、まって……
花ちゃんとノアちゃんの勝負じゃなくて?
ちまり「え、あの……わたしは……」
ノア「それじゃあルール説明ドン!」
私の言葉はホワイトボードに遮られ、ルール説明が進んでいく。
ルールは以下の通り
①みゃーお姉ちゃんの持ってる服の中から一つえらぶ
②それをきた姿のかわいさに
③点数が1番高かった人の勝ち
……これってもう優勝が決まってるんじゃ。
とはいえまたノアちゃんのかわいいコスプレ姿が見られるのは素直に嬉しい。
なので私はいつもと同じように部屋の隅でひっそりと皆の勝負を見守る事にした。
ノア「じゃあ一番はチマリちゃんね!」
一番手はやっぱり……って、え?
ちまり「わ、わたしっ!?え、なんで。ノアちゃんは?」
ノア「ほら、アタシが最初だとチマリちゃんがアタシのかわいさにやられちゃうでしょ?だから最初にね?」
言いたいことはわからなくないけどそれは無理だって!?ノアちゃんも花ちゃんもいる前でコスプレなんて心臓が持たないよぉー!
ちまり「わ、わたしは……その……」
ノア「それに……ミャーさんのコスプレ姿……見たいでしょ?」
ちまり「ふぁ!?」
ノアちゃんが私の耳元で囁いたその言葉はとても魅力的な提案だった。
確かに私が此処で着ればみゃーお姉ちゃんに振った時に断りづらくなると思う。
そして逆に私が着ないとそれが逃げ道になるかもとノアちゃんは言った。
うぅ、恥ずかしいから出来れば見られたくないけど……ノアちゃんもどうしてかみゃーお姉ちゃんに着せたいみたいだし、何より私自身も見たい。
だから私はノアちゃんに一つ頷くと、数多の衣装の中からお気に入りの一つを選んで着替えに行った。
10分後、みゃーお姉ちゃんの部屋に戻ってきた私へ皆の視線が集まる。
……帰りたい、家だけど。
でもここで逃げたらみゃーお姉ちゃんのコスプレも見れないしノアちゃんのも見れないから頑張らなきゃ。
ちまり「えっと……どう、かな?」
ノア「いいよチマリちゃん!カワイイよ!」
ひなた「流石だなちまり、似合ってるぞ!」
みやこ「おぉ、良いねぇちまり……ってそのしっぽはどうして!?」
花「お姉さん……?」
みやこ「あ、いや……(あれば私が着るように作った衣装のアクセサリー……他と同じように仕舞ってたはず……ま、まさかちまりにも私がコスプレしてるのバレてる!?)」
私が着てきた衣装は以前花ちゃんとひなたお姉ちゃんが着ていた黒猫を思わせる猫耳パーカーと赤チェックのミニスカート。
ただし今の私は前回二人が付けてなかったアクセサリーの猫しっぽをスカートに付けている。
折角ならとお気に入りを着てみたけど……想像以上に恥ずかしい!は、早く次の人に代わろう!
ちまり「き、着替えてくるね」
ノア「ダーメ、皆が着るまでそのままで、ね?」
ちまり「う、あう……はい」
ノアちゃんに止められてしまった……何処かに身を隠したいけど服を汚しちゃいそうだからそれも出来ない。
早く代わってぇー……。
ノア「じゃあミャーさん点数は?」
みやこ「あ、えと。じゃあ……97点……かな」
97点……そっか、良かった。
みゃーお姉ちゃんは優しいね、ありがと。
ノア「おぉー高得点、これはマケられないね!次はアタシ!」
なぜか対抗心に燃えるノアちゃんが部屋を出て数分、戻ってきたノアちゃんの姿を見て私のテンションは跳ね上がった。
やっぱりノアちゃんは凄い!
私みたいに服に着られる事無くかわいい服をかわいく着こなしてる!
その姿は本物のアイドル以上にアイドルだった。
ちまり「かわいいよノアちゃん!100点、いや100点満点なんかじゃ測れない!」
ノア「ち、チマリちゃん落ち着いて!?点数付けるのミャーさんだから!」
ちまり「ご、ごめん!でも写真撮っていい?」
ノア「後でね!今は勝負中だから」
ちまり「うんっ、わかった!」
みやこ「(ちまりがあんな感じになってるのって私のせいじゃないよね!?)」
ありがとうみゃーお姉ちゃん!お姉ちゃんが衣装をいっぱい作ってくれてたおかげで私は幸せです!
ノア「じゃあミャーさん、点数は何点?もちろん100点よね?」
みやこ「うーん、98点かな?」
ノア「あと2点は!?」
みやこ「いや、まだ二人も控えてるのに100点は出したらダメかなって」
ノア「そんなテレビみたいな気づかいいらないから!」
ノアちゃんが私と1点しか違わないなんておかしい……あんなにかわいいのに。
みやこ「ちまり……顔が怖いよ?ちまりもかわいかったし、それにほら100点満点中だから、ね?」
むー、わかった。みゃーお姉ちゃんが公平に審査してるなら我慢する。
ノア「じ、じゃあ次はハナちゃん!」
花「はぁ……お姉さん、そのジャージの上貸して貰えますか?」
みやこ「へ?い、いいけど」
みゃーお姉ちゃんからジャージを借りた花ちゃんは制服の上からジャージを着込んだ。
うわぁ、やる気のない花ちゃんはとことん面倒臭がりだ。
花「はい、完成」
ノア「なにその服、ミャーさんのジャージじゃない!やる気あるの!?」
花「ない」
ノア「ま、まあでもこれでアタシの勝ちはかくじつ、ミャーさん点数を──」
みやこ「むげん」
ノア「むげん!?」
…………みゃーお姉ちゃん?
みやこ「花ちゃんがさっきまで私が着てたジャージを着てることに無限の可能性ぐぁっ!?」
ちまり「100点満点中……?」
みやこ「ちまり!?うごごご……腰がしまるぅ。ついでに匂いを嗅ぐのもやめてぇ!?」
スンスン……ふぅ、少し落ち着いた。
まぁ私も100点満点じゃノアちゃんに点数付けられないし仕方ないよね。
みやこ「ふぅ……ちまりって意外と力あるよね」
ちまり「みゃーお姉ちゃんを守る為に毎日ラジオ体操頑張ってるからね」
みやこ「今はちまりにやられかけてたけど??」
ちまり「みゃーお姉ちゃんが無責任なこと言うからだもん」
みやこ「あ、はい。気を付けます」
ノア「チマリちゃんも落ち着いた所で次はひな……ひなたちゃん!?」
ひなた「おうっ、着替えて来たぞ!」
みゃーお姉ちゃんの後ろから顔を覗かせるとそこには花ちゃんが大好きなあのキャラが立っていた。
花「ひげろーだぁ!」
ノア「え、何?キモ……何あれ?」
みやこ「ひげろー、花ちゃんが好きなゆるキャラ」
ノア「あんなキモイのが好きなの?」
みやこ「あんなキモイのが好きなんだって」
そう言えば初めて花ちゃんが私服で遊びに来た日にみゃーお姉ちゃんが作り始めてたんだっけ?
衣装だけじゃなくて着ぐるみまで作れるなんてみゃーお姉ちゃんは凄いなぁ。あれは着たくないけど。
ノア「もー、アタシとチマリちゃんしかちゃんとしたの着てないじゃん。あんなのに点数もなにも──」
みやこ「100点」
ノア・ちまり「「なんで!?」」
みやこ「花ちゃんがよろこんでるから」
ノア「かわいさを点数にするの!」
みやこ「あは、あはは……ちまり?そんなに冷めた目で見ないで?」
予想はしてたけど想像以上に酷い結果だった。
花ちゃんの優勝は分かってたけどみゃーお姉ちゃんが花ちゃんが喜んでるって理由でひげろーに満点を付けるとは思わなかった。
とはいえお姉ちゃんも悪気がある訳じゃないし仕方ないか。
ノア「アタシがヒゲローにまけた……やっぱりアタシってかわいくないんだ……そうだったんだ……」
……と思ったけどやっぱりさっきのは無し。みゃーお姉ちゃん、覚悟してね?
ひなた「わたしはノアが一番かわいいと思ったぞ!」
ノア「えっ!」
落ち込むノアちゃんにヒゲロー姿のひなたお姉ちゃんが声を掛けた。
ノア「ひっ……ビックリした……と、ところでホントにアタシが一番かわいい?」
ひなた「?おう、ノアが一番かわいい」
ノア「あ、ありがとう……」
ひなたお姉ちゃんは被り物を取って笑顔でそう答えた。
はぁ〜……私もあんな風に言えたらなぁ。
さて、もちろんみゃーお姉ちゃんにも着てもらうからね。
ノアちゃんが着てもらおうとしてた服は……これかな?
あ、折角だからこれも着てもらおうっと!
ちまり「みゃーお姉ちゃん?」
みやこ「な、なにかなー?」
ちまり「はいこれ、最後はみゃーお姉ちゃんの番だよ」
みやこ「えっ!?私は審査員なんじゃ」
ちまり「ひげろーが100点とか言っちゃうみゃーお姉ちゃんは審査員失格。それにノアちゃんが言ってたでしょ?みんなでコスプレ勝負だって」
みやこ「た、確かに……で、でもムリ、ムリムリ絶対ムリだから!」
ちまり「それ三人を見ても言えるの?」
ノア「わくわく……♪」
花「お姉さん……!」
ひなた「みゃー姉着るのか!?」
みやこ「う、ぐぐぐ……」
あと一押しかな。
ちまり「私も恥ずかしくても頑張ったのに……みゃーお姉ちゃんは着てくれないの?」
みやこ「うっ……い、いいよ」
ちまり「やった!みゃーお姉ちゃん大好きっ!」
みやこ「はぁ、少しだけだからね?」
みゃーお姉ちゃんは私から袋を受け取って部屋を出ていく。
ノア「チマリちゃんナーイス!」
ちまり「ノアちゃんの……おかげ……だよ」
ノアちゃんからの褒め言葉が気恥ずかしくて照れ隠しに微笑みながらそう返した。
ノア「……っ!じ、じゃあミャーさんが戻るまで少し休憩にしよっか!」
花「そうだね、さっきから何となく立ちっぱなしだったからね」
みんな立ってたから何となく座るタイミングをつかみそこねてたんだよね。
ふう、じゃあ今のうちに写真の整理してようかな。
この後いっぱい取るから容量を空けておかないとね、ふふ。
みゃーお姉ちゃんが部屋を出てから10分後、着替え終わったお姉ちゃんが遂に戻ってきた。
みやこ「(よ、よりにもよってこの格好……もしかして最初からノアちゃんと結託して!?)」
ひなた「みゃー姉かわいいな!!」
ちまり「かわいい!」
みやこ「そういうお世辞いいから……自分でも似合わないの分かってるし……」
花「かわいいですよ?」
ひなた「そうだぞ!ノアよりかわいいぞ!」
ノア「えっ!!?ち、チマリちゃんはどう思う!?」
ちまり「これは……選べないね……ノアちゃんは惹き込まれるようなかわいさだけど……みゃーお姉ちゃんは……なんというか……そそる?」
ノア「え、どういうこと……?まぁでも確かにミャーさん元が良いから似合うよね」
自分でもちょっとよく分かってないからこれ以上は説明は出来ないけどやっぱり選べないからどうにか納得してくれて良かった。
あ、そうだ。貴重なシーンだからちゃんとカメラに収めなきゃね。
みやこ「ちまり!?だ、ダメっ!お願いだから消して!?」
ちまり「やだ、絶対に消さない!」
みやこ「意志が固い!?あ、そうだ!今度ちまりにかわいい服作ってあげるから!」
ちまり「うっ、じゃあ……また着てくれるなら……」
みやこ「う、うん……消してくれたらいいよ?」
ちまり「わかった、それなら消す」
みやこ「はぁ、良かった……(あれ?勢いでOKしちゃったけど失敗したのでは?)」
私は名残り惜しみながら今撮った写真を削除していく。
みゃーお姉ちゃんがまた着てくれるって約束してくれたし今回は大人しく引き下がろう。
ちまり「それじゃあノアちゃん、さっき言ってた写真をとってもいい?」
ノア「あ、ちょっとミャーさんがアタシに話があるみたいだからちょっとごめんね?」
ちまり「話?わかった、じゃあ今のうちにみんなの分のジュース持ってくるね。」
花「私も運ぶの手伝うよ」
ひなた「わたしも手伝うぞー!」
ちまり「ありがとう二人とも」
私はひなたお姉ちゃんと花ちゃんの三人で下のリビングに降りてった。
あ、さっき見つけたお姉ちゃんサイズの猫耳パーカーも後で来てもらうからね?
みやこ「……っ!?」
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みやこ「もぉ……内緒にしてくれるって言ったのに」
ノア「アタシは何も言ってないよ?チマリちゃんにも着てもらう為にミャーさんのコスプレ見たくない?って聞いただけだし」
みやこ「ヘリクツ……ってそうなの?てっきり二人は結託してるのかと思ったよ」
ノア「よっぽどミャーさんのコスプレ姿が見たかったんだね。ホントならアタシが言おうと思ってたからチマリちゃんから動いたのはアタシもソーテー外。でも一人で着るよりみんなで着たほうが楽しかったでしょ?」
みやこ「ええと……うん……ノアちゃんってなんていうか……」
ノア「なに?かわいい?」
みやこ「うん、かわいいね」
ノア「でっしょー!」
みやこ「あはは……あ、そうだ。ちまりの事……これからもよろしくね。家族以外とあんなに楽しそうにするちまりを見たのは初めてだから」
ノア「チマリちゃん……うん、勿論だよ。だって友達だもん!」
みやこ「うん、ありがとね」
花ちゃんには勝てなかったよ(決定事項)