ガンダムビルドダイバーズ-progress-   作:トロさん

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どうもトロさんです。

唐突ですが、前回のガンダム ビルドダイバーズ-progress-第一話「進化の始まり」を読んで頂けた方ほんっっとうにありがとうございます!前回の反省も踏まえ、少しは読みやすくなるよう努力しました。

早速ですが、期待(?)の第二話 「革命という名」を楽しんでいってください!

本編スタートです!


第二話 「革命という名」

 

機体専用武器。一度は憧れたことがあるだろう。文字通り、その機体でしか扱えない武器。それに憧れた少年がここに1人。

 

「ふぅ…やっとできた…」

 

フェーテの手に持たされた機体の全長より少し長い刀。フェーテに合わせて白、青と配色されている。刃の部分はGNソードなどを彷彿させるメタリックブルー。機械刀のような見た目をしている。

 

そんなフェーテの周りを囲むように机の上を占領するプラの粉、塗料、工具、筆、パーツ、その他諸々…。机自体は広く使えるはずなのに、作業する場所が小さい。そんなモデラーの運命に振り回されながら完成した。

 

「やっぱスクラッチだとオリジナル感出るねえ」

 

プラ板を用いり、1から作り出すスクラッチ。形にしていくのは簡単ではないが、その分完成した時の達成感は言うまでもない。

GBNで使うとなると取り扱いにやや難があるかもしれないが、そこはかっこいいから精神を貫く。

 

「10時か。そろそろ行こうかね」

 

机に置かれた時計を見る。愛機と新造した刀をケースに入れ、模型店に向かう準備をする。

 

「いつもの行ってくるー!」

 

「ご飯どうすっとねー?」

 

「あーなんか適当にたべるわ」

 

「んー。いってらっしゃい。」

 

「はーい」

 

今日も今日とてGBN。天気は曇り。もうすぐ梅雨かなとか思いつつ足早に模型店に向かう。

 

 


 

〜ロビー〜

 

「ランク5…まあまあ上がったね」

 

GBNに復帰して以来1ヶ月、着々とミッションをこなし地道にランクを上げてきた。1人で様々な立ち回りを考えミッションに挑むのはななかなか楽しい。そのうちTAとかやってみたいなとか思ったり。

 

そしてランク5からはフォース結成または参加できるランクだ。普通はフォースに所属したり、仲間内でフォースを作ったりなど複数人で楽しむことが多くなる。

 

「まあフォース入る気ないけど」

 

そう言いながら近くの椅子に座り、メニューを表示させる。これがログインしてからのルーティーンだ。っとメールのアイコンに赤い丸が表示されていることに気がつく。

 

(メールするような相手いたっけ?)

 

自虐しながらそれを開く。

 

差出人:GBN運営

 

「運営から…?なんかしたっけ」

 

身に覚えのないものに焦りつつ内容に目をやる。

内容はこうだ。

 

 

『バグ報告について

ダイバーネーム[トロ]さんから報告の件ですが、稀にGBNログイン時に意識が分離、それがバグとして出現する場合があります。当運営ではそれを「EL人格」と呼称していますが、通常、修正パッチが当てられ意識はダイバーの元に更新されます。また、現在はダイバーネーム[トロ]さんのEL人格も確認されておりません。不可解な点がございましたら、折り返し報告していただきますようよろしくお願いします。』

 

 

復帰後初めてのミッションで遭遇したもう一つのフェーテ。その件を一応バグ報告として運営に送っていた。

その回答が来たわけだが…

 

「長えし分からん」

 

それがパッと読んだときの感想だ。堅苦しい文章で長々と書かれている。

とりあえずは「あれはバグで、もう出てこないから安心しろ」っていうことなのは分かった。

ただこの長ったらしい文字の羅列をどうにかして欲しい、箇条書きでも良いじゃんと思う。

トロは大雑把なのだ。分かればいい。そんな性格。

 

「まあとりあえずは良かったよ」

 

そう言い、立ち上がってミッションカウンターに行こうとした。

その時だった。

 

「ねえ!そこのお兄さん!」

 

多分、全く知らない人から声をかけられた。振り向くと黒髪の、トロと見た目同じくらいの歳の爽やかな印象の人がいた。

ただ身長がトロより上だ。目上げる感じになる。

 

「…。」

 

1秒経過。ほんとに知らない人だった。爽やかな表情、見た目をしているが、内心何されるか分からないのでめちゃくちゃ怖い。

 

「…?」

 

首を傾げる黒髪の人。呼んだよ?と顔に書いてあるぐらい表情に出ている。

対してトロは声を掛けたのは自分じゃないだろうと思い、足早にミッションカウンターへ行こうとする。

行こうとする、というかもう三歩歩いた。

 

「ちょちょ!そこの金髪のお兄さんだよ!」

 

肩を掴まれた。どうやらほんとに声を掛けたのは自分だったみたいだ。

 

「なんですか」

 

相手を警戒しながら一言。一応敬語で対応するが急に話しかけられたので少し顔がこわばっている。

そして次の発言が衝撃的だった。

 

「俺とガンプラバトルしない?」

 

前振りも何もない唐突な言葉がどう対応しようか思考していた頭をかき乱す。

前提としてこの人のことを全く知らない。そしてバトルをする義理もない。

 

「とりあえずあんた誰?」

 

気を取り直して、タメ口にはタメ口で返す。

突拍子もないこの黒髪の見た目爽やかボーイの詳細を知らないと、自分の身が危ぶまれる。

 

「自己紹介まだだったね。俺はタクト。ちょうど暇してたからさ?暇そうなあなたを誘って暇を潰そうと思ってね。

であなたは?」

 

とタクトと呼ばれる人は軽い自己紹介をする。暇暇多いなとかGBNなんだからすることたくさんあるやろとかなんとか思いつつ、こちらも礼儀はしっかりしないといけないと考える。

 

「俺はトロ。でガンプラバトルしたいの?」

 

「そうそう」

 

「じゃ、せんわ」

 

「いやする流れでしょこれはあ!」

 

少しからかってみたらツッコンでくれた。悪い人では無さそうだ。

ただ知らない人、タクトさん?を相手にガンプラバトルをするのはこちらにはメリットがない。勝っても負けても何も残らない。

ただ対戦するだけ。そんなんでバトルしたがるのか…?

 

「冗談。しても良いけどメリットが少なすぎる。」

 

ただ、こういうのは後からめんどくさくなるやつ。適当な理由つけて逃げる方が安全だし気持ちも楽。

バトルをしたらしたらで負けた時になんかされそう。

 

「んーじゃこういうのはどう?」

 

無邪気な笑顔で語りかける。嫌味などは全くなく、ただ良かれと思って接しているのだろう。話が早すぎて頭が追いつかなくなる。タクトは何がなんでも俺とバトルがしたいみたいだ。

自分に興味を持ってくれるのは嬉しい。

が、こんな俺と絡むくらいなら他をあたってもらった方がいい。相手を満足させるほど良い人ではないのだ。

 

 

 

…声かけを無視してミッションを受けに行っていればこの先楽だったのだろうか。

 

 

 

 


 

〜格納庫〜

 

機体状態は良好。今日は試そうと思った専用刀もある。装備は万全だ。いつでも出撃はできる。

 

ただ条件が条件だ。

 

 

ー俺、1人でやってるんだけどな?フォース作りたいの。だから俺が勝ったらフォースをあなた、えーとトロさんと作る。でトロさんが勝ったら…どうしても良いよ。あ、逃げてもフォース入ってもらうからー

 

格納庫に移動する前にこう条件付けられた。異論を唱えようとしたが、バトルをしても良いよと言ってしまっている。

もう少し考えてから発言すべきだった。

 

フォースとは。多人数で一つの理念、目標に対して協力する組織のようなもの。

 

トロにはなぜかこれが良いものとは考えられない。悪いとも考えられない。何がトロをそう感じさせているのかさえ。

 

「負けるつもりもないしいいか」

 

フェーテを見つめる。そろそろNPC相手に戦うのも飽きてきたし、たまにはいいだろう。最初は嫌々だったが少し乗り気にはなった。対戦するという行為に対しては。

 

ブザー音が鳴り早く準備を完了するように促す表示がモニターに映される。どうやらタクトは準備が完了したようだ。

 

「じゃ行くかフェーテ。」

 

念のためもう一回機体のチェックをして、機体に乗り込む。

 

『じゃそろそろ機体のお披露目だね』

 

[sound only]と書かれた窓から声がした。もちろん声の主はタクト。これから対戦する相手によくもまあ呑気なもんだ。そんなところがタクトの長所なのだろうが。

 

「発進していいか?」

 

一応確認する。相手への配慮は対戦する身として欠かさない

 

『じゃいこうか』

 

そう言われると同時にグリップを強く握る。いつになっても発進というものには飽きない。GBNの醍醐味と言っても過言ではないのではと思うくらいGBN、ガンプラバトルにとって重要な存在だ。ひとまず叫び出しそうになるこの高揚感を落ち着かせる。

 

「ガンダムフェーテ。…出る。」

 

『レボルシオンガンダム!タクト、出ます!』

 

両機体がカタパルトの火花を散らしながら光のその向こう、フィールドへと飛び立つ。

 


 

ーフィールドー

 

<<field ground>>

 

雲一つないカラカラの晴天。木も植物も水も、生物の全てが生き延びれそうにない乾いた荒野。岩のような山が点々とし、地面は砂地で平地で高低差が少ない。地面の水分が少ないのか少しの風でさらっと砂が舞う。だが地上戦での勝負はこの視界が良いフィールドがうってつけだ。

 

<battle start>

 

「目標確認っと…あれか」

 

相手、タクトの機体をモニター上で拡大表示させる。

カラーリングは白ベースに藍色なのが特徴的。age3-fx、サバーニャ、フリーダムなどの多くの機体がミキシングされており、プロポーションがとても良い。装備はバックパックに2基のスラスター、シールド、ロングレンジっぽいライフル、脹脛横に装着された刀のようなもの。ベーシックな武装の構成だが、実際戦ってみなければわからないものが多い。

 

対してフェーテは右手にライフル、左手に今朝新調したての刀を装備している。

 

バトルはもう始まっている。視界が開けているおかげで対応はしやすいが、いつ攻撃が来てもいいよう構えておく。

 

「…!」

 

早速、3本の光刃がこちらに向かって飛んできた。しかし正確には狙っていないのか、被弾はしなかったがその代償として周りの地面を焼く。

ビームの影響で砂埃が視界の邪魔をしない場所に移動しながらこちらも射撃する。タクトの機体同様3発。確実に当てるように撃った。

 

「…だめか」

 

2発避けられ、最後の1発はシールドで防がれた。ビームコーティングが施されているようで、直撃したビームは機体の四方へと拡散する。そう簡単にはいかない。

 

タクトは上空からトロは地上からの攻撃。

 

「流石に分が悪いか」

 

そう言い、上空に飛翔し接近戦に持ち込もうとする。

 

「…っく」

 

相手の射撃が迎え撃つ。ただ、かする程度で当たらない。あくまで牽制といったところか。

 

「なんだよほんと」

 

さらに飛翔、加速する。刀で切り込める範囲に入った。刀を相手目掛けて振るう。

がシールドで防がれる。

 

『そう簡単にはやられないよ』

 

[sound only]と書かれた窓が表示される。と同時に相手の機体レボルシオンガンダムの表示が出る。

 

「レボルシオン…革命…」

 

そう呟いた瞬間、ライフルの銃口が向けられているのに気付いた。盾と刀の鍔迫り合いをやめ、後方に下がる。

銃口から光線が放たれるが、フェーテはとっさにビームシールドで防御する。

 

『いやーさすがに無理か』

 

射撃は遠距離だと当たらない。近距離では攻めた攻撃をしようとする。

もしかして…

 

「近距離しか…」

 

『どうだろうね?』

 

どうやら通信チャンネルはどちらも開かれているらしい。下手なことを言ったら予測されやられる。

フェーテは空中戦闘は得意とはしない。ここはひとまず地上での勝負に持ち込みたい。

ライフルで牽制しながら地上に誘う策略を講じる。

 

(せめてシールドは剥がしたい)

 

シールドさえ剥がせば被弾面積も多くなり勝利への道が開ける。がそう簡単には…

 

『おらよっと』

 

「…は!?」

 

シールドが飛んできた。先端にGNソードのような緑色の結晶がついている。飛んでくるまで気づかなかった。

ただシールドを剥がす手間が省けた。とりあえずは上に回避する。

 

『狙いはこっちだけどね』

 

レボルシオンがシールド目掛けてライフルを撃つ。撃たれたビームはシールドへと当たり…

 

「まさか…!?」

 

左腕のビームシールド発生器が損傷する。上に回避したのがまずかった。

機動戦士ガンダムseed destinyでシン・アスカがした技、シールドにビームを当て、反射を利用し不規則な軌道を描かせる。皮肉にもそれを目の前で再現された。

そこまでの予測ができていなかったフェーテは被弾により一瞬体制が崩れる。

 

『俺のターンだ』

 

突如ライフルを捨てたかと思うと、左脹脛に装備された刀を取り出し、切りかかる。

対してフェーテはライフルで防御しようとする。がレボルシオンの刀の威力は凄まじく簡単に、まるで豆腐を切るように二つに分かれさせる。

GBNでは原作同様、ガンプラの完成度が機体のステータス、能力に直結する。つまりガンプラ製作に関して相当な腕があるのだろう

とっさに手放し下がったが、爆発の衝撃で地面へと落下する。

 

何度かの攻防の後、両機は地上での戦闘となっていた。

 

「…まずいな」

 

正直出撃前の余裕はない。ここまで手強いとは思っていなかった。

 

「くっそ…」

 

右手に装備された刀を持ち直す。ちょうどレボルシオンも斬り込んできた。今度こそ本物の鍔迫り合いが起きる。

 

『フェーテってどんな意味があるの?』

 

タクトは呑気にも質問してくる。鍔迫り合い途中に聞く奴がいるかっと思う。

 

「見てれば分かるよっ」

 

斬撃を上に逸らし蹴りを入れる。同時にナックルガード内のバルカンを発射する。

スラスターの恩恵なのか、機体出力が高いのか、当たるように撃っているつもりだがほとんどを避けられる。

 

「当たんないのか…でもこれだったら」

 

接近しながらわざと銃口を下にずらし地面に放つ。

 

『…?』

 

タクトは何がしたいのかは分かっていないようだ。しかし何発か地面に放っているとわかる。

急にレボルシオンの視界が砂埃で覆われる。

 

『…!?どこに!?』

 

「後ろだ…!!」

 

背後から現れたフェーテは左スラスターを斬り込み、機体から離れさせる。

しかしレボルシオンも黙って攻撃を受ける訳にはいかず、機体を反転させ斬撃を加える。遠心力も相まって重い斬撃を受け止めることになる。さすがのフェーテでもこれは受け止めきれず後ろによろける。

 

「…っく」

 

よろけた隙をつき、レボルシオンが刀を縦に振るう。フェーテは寸前のところで避ける。

圧倒的な機動性の差。一進一退を繰り返す両者。正対する二機。

 

「そろそろ決着を着けたいところではあるが…」

 

『どうでしょうね』

 

先程の攻防により、十分の距離は取れている。

 

「これで…!」

 

先に加速したのはフェーテ。一気に距離を縮める。狙うは腹部。横薙ぎだ。

レボルシオンも刃を下げながらこちらに加速する。

 

(獲った…!)

 

先に攻撃を仕掛けたのはフェーテ。

レボルシオンを捉え、右から左へと刀を渡し、切り裂いた。

 

 

 

 

実際切ったのは虚無。何もない空間。

 

『太刀筋が読みやすいね』

 

下方からの危険を示すアラートが鳴る。

 

「下!?」

 

予想外の攻撃には咄嗟に反応することができず、虚無に遊ばれた右腕が関節から切り離される。

 

「…っ!何が!ぐぁ!?」

 

続いて背後からの強い衝撃を受ける。数m先に飛ばされるフェーテ。損傷は右腕、左ビームシールド発生器。

 

ーなんでー

 

唐突なフラッシュバック。

 

(なんだこれ…?)

 

レボルシオンを確認する。するとレボルシオンの背後に違和感を感じる。ない。スラスターが。背後には右のスラスターだけ残っているはず。

 

『バックパック重いからね。外しちゃった』

 

レボルシオンの少し前にスラスターのついたバックパックが落ちていた。

刃を入れられる寸前にバックパックとの接続を解除、加速を利用し本体は懐に潜り込み…とそういうわけか。

 

『ちょっと調子乗りすぎた?』

 

発想はとても良い。そしてその行動力も。

 

「ただ嬉しい誤算があったみたいだな…」

 

 

戦いは地形をも自分の物とし、利用し、状況を打開する。

それは時として勝負の要にもなる。

 

 

目の前にある細長い金属の塊を手に取る。

 

『…!?』

 

「あそこで捨てなければな」

 

ロングレンジな見た目をしたライフル。

 

それはレボルシオンが空中から地上へと落とした、贈り物。

 

銃口に光が灯る。

 

引き金を指にかける。

 

 

ーなんでっー

 

 

今銃口から放たれる光線が革命の名を持つ機体を貫く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はずだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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この世のものとは信じがたい雑音にも言葉にも似た不快な音声。心が思考が引き剥がされるような感覚。

そしてそれに相殺されたビーム。

 

 

「…!」

 

 

進化の名を持つ機体と革命の名を持つ機体の間に立つ、もう一つの“進化”を名乗る機体。

 

『何これ!?チート使ってんの!?』

 

「んな訳あるか!!」

 

疑われるのもそのはず、間に立つ機体の姿はフェーテ。同じ機体が2機もフィールドにあるのだ。疑って当然だろう。

だがトロが操縦しているフェーテとは別の存在…と言いたい。

 

 

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「っく…なんなんだよ…!」

 

不快な音が発せられたかと思うと、もう一つの進化の機体に赤黒い眼光が灯る。

そしてそれはフェーテへと、軋むような音をたてながら向きを変え向きを変え、両腕はライフルの形状へと姿を変える。

 

 

「武器が…!?」

 

 

必死に機体を立て直そうとするが、何故か機体の操作がおぼつかない。

 

「機体が…!」

 

そして、圧縮された粒子がフェーテに向かって放たれる。

 

 

 

 

 

ーっ

 

 

 

 

 

 

 

モニターは生きている。というより機体が生きている。

 

 

「…っ?なんで動け…」

 

『ぎっりぎり間に合った…良かった…』

 

気がつくとフェーテはレボルシオンに抱えられていた。攻撃される前になんとか機体ごと避けられたようだ。だが無事に回避、とはいかずにレボルシオンの半身の装甲、刀が犠牲となった。装甲は損傷軽微のようだが、破片が周辺のあちこちに散らばっていた。

 

『何が起きてるか分からないんだけど、とりあえずあれはやばいよね』

 

「そう思うよな」

 

トロとタクトは機体を立て直す。どちらも武器の消耗、機体の損傷が激しい。

そして依然として”フェーテ“はこちらをその赤黒い燻んだ眼光で見つめている。

 

『あいつ倒せるの?てかあれ何?』

 

「俺にも分からんし、倒せるかも知らん」

 

『ふぇ…』

 

その返答は推測でも予測でもなく、経験からだった。しかも前回遭遇した時と様子が違う。

前回遭遇した時は武器を使ってはいなかった。使えなかったというのが正しいのだろうか。だがこれは憶測に過ぎない。

 

「倒す?」

 

『無理って言ったじゃん』

 

「じゃ行くぞ」

 

え?ちょ…というタクトの声を振り切りフェーテは”フェーテ“の元へと加速する。

 

「今度こそ…!」

 

フェーテは刀を”フェーテ“に突き刺す。がすぐさま刃を掴まれた。

刀身にヒビが入る。

 

「それでも…!!」

 

軽く空中へと跳ね、足を上げ、足首裏のビームサーベルを展開し頭部に向かって振り下ろす。

 

(今度こそ確実に…!)

 

 

<<error>>

 

「エラー!?」

 

後数cmのところでビームサーベルが強制的に収縮した。そして気がついたときには”フェーテ“はその場におらず、力の行き場所を失った脚部は地面へと叩きつけられる。

 

「…!?どこに」

 

<<caution >>

 

そう表示された瞬間、メインモニターが何かによって遮られる。

 

それと同時に機体状態を示す画面がcautionの文字で埋まっていく。

 

「またこれかよ…!」

 

頭部が軋み潰され、今度こそ起動停止になる。そう覚悟した…。

 

 

 

 

『離せよ!』

 

 

鈍い金属音がした。機体のバランスが崩れたかと思うとメインモニターに僅かながら光が灯った。

 

『もうリタイアするよ!』

 

<<Do you want to retire the battle?>>

 

『yes!』

 

2つの機体がフィールドから消えた。荒野に残されたのはもう一つのフェーテ。

 

 

 

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     な           

 

荒野に響く雑音のような音声。何かを吐き出すような、怒りを表すようなそんな叫びに似た音声。

 


〜ロビー〜

 

「で、ちゃんと説明して欲しいな?」

 

タクトの爽やかな表情の裏側に微かな怒りを感じる。

相手の機体がもう一機出てきて相手は相手の機体に向かって、ああもうややこしい。

結局あのフィールドからは離脱した。もちろんバトルも中断。

 

「EL人格っていうのらしい。多分」

 

「EL人格?」

 

「GBNにログインする時に意識の一部が独立してどっかに行くことがあるらしくて、

それが人格として再構成されて、な感じらしい。」

 

「さっぱり分からん…」

 

「ほんとにね」

 

沈黙の時間。

正直あれがEL人格と言われているものなのかすら怪しい。運営が言うからにはそうなのだろうが、いまいち信頼できない。

というかEL人格そのものが存在しているのか。

 

「結局勝負付かずに終わったけどどうする?フォース」

 

おもむろにタクトが口を開く。

 

「あー…」

 

フォース、記憶はないが嫌な感じがする。否定し続けなければ自分が壊れてしまいそうな気はする。それは理屈ではなく感覚だった。

でもまあ…

 

「条件付きならまあいいよ。俺にも責任の一端がありそうだし」

 

「まじで!?でその条件は?」

 

今までの感情、記憶を押し込むように息を吸う。

そして吐く。これから起こるであろう全てを覚悟するように。

 

「あのEL人格のフェーテ、あいつが出た時に一緒に倒してくれるならフォースを組む」

 

「よし!じゃあ組も…

 

「後もう一つ」

 

タクトの言葉を遮るように付け加える。

 

「リーダーの権限は全員に。立場は対等だ。あと仲間を簡単には増やしたくない。以上!」

 

「二つじゃんかよ…別に良いけど…ところで名前どうする?」

 

フォース名。フォースの顔と言っても過言ではないだろう。ファーストコンタクトとなる大事な要素の一つだ。

フォース名次第で今後に関わってくる。

 

「プログレイラーズ…」

 

ふと口にした。特に深い意味はないが、脳裏にぽんっと浮かんだのがこのワードだった。

 

「いいんじゃない?」

 

「いいか?これ」

 

「それにしよ」

 

「え、ちょまっ…

 

[Force name : PROGREYRAERS]

 

トロの制止も虚しく、フォース名が決まってしまう。いつの間にかフォース結成の作業を進めていたようだ。

 

「後で変えられるしいいじゃん?減るもんでもないし」

 

「まあいいけどさ…」

 

はあ…。と一つ小さいため息をつく。

たったの一回のバトルをしただけ人とフォースを組む、というのは正直不安でしかない。多少の信頼は得たが、リアルで会ったことのない人間だ。まだまだ警戒はする。

 

「あー正直不安でしょ?はいこれ」

 

メッセージ画面にメッセージが送られてきたかと思えば、数字と英語の羅列。

 

「なにこれ?」

 

英語と数字だけじゃ何か分からない。なんかの暗号か?

 

「それチュイッターのID。後でいろいろ話せるようにね」

 

めっちゃくちゃいい奴やん。信頼度上がったぞ?と思わず心の中で歓喜する。

コミュニケーションをとるのは得意ではないが、フォースの仲間としては一応コミュニケーションは取っておいた方が良いだろう。

 

「ありがと」

 

「じゃ俺用事あるから!楽しかったよ」

 

「じゃ」

 

そう言ってタクトはログアウトする、かと思うとこちらを向き、

 

「フェーテってなんか意味あるの?」

 

戦闘中聞かれたきり答えていなかった。

そういえば言ってなかったなと思いつつ、タクトの問いに答える。

 

「進化」

 

「進化?」

 

「そう」

 

戸惑っているのか少し考えている。何かおかしかっただろうか。

 

「なんか…変?」

 

「ああいや、だからプログレスなのかなって…」

 

progressは進化、進歩などを意味する言葉だ。

 

「…気づいた?」

 

「そうなのかなって思って…うわまじでやばい!じゃ!」

 

「あうん。じゃ」

 

今度こそログアウトした。嵐のように現れては去る、そんな人なのかなと思った。

1人残されたのトロは、適当な椅子に座り込む。

 

「フォース、プログレイラーズ、か…」

 

ふと口にする。少し口角が上がる。

この先どうなるかは誰にも分からない。フォースの規模が大きくなったり、実力派が集まるフォースになるかもしれない。

一抹の不安がよぎるが、過去に何か嫌なことがあったなら、未来で楽しいこと、嬉しいことをそれ以上に積んでいけばいい。

 

心配しなくても、いい。

 

 

 

 

 

そう自分に言い聞かせた。

 

 

 

 

 


 

 

「ええな…なかなか手応えありそうなガンプラや」

 

進化と革命の名を持つ者が刀を交えているモニターを見ながら、そう少年は言う。

 

“進化”の過程には“革命”がある。そしてそれを照らすのはいつも“太陽”のような存在。

 

太陽の名を持つ者は熱い闘志をその身に宿し、熱い闘争を求める。

 

「トロ…ガンダムフェーテ、か。」

 

 

 

 

 

第二話「革命という名」

 




⭐︎キャラ設定⭐︎
トロ  高校一年15歳。金髪のメガネに、ポンチョのようなものを着用している。
冷静な判断で戦闘する。調子に乗ってくるとゴリ押す。
ガンダムフェーテの制作者 兼 操縦者。

タクト トロと同じぐらいの年齢。黒髪のラフな姿で、見た目は爽やかだが、子どもっぽい面もある。
近接戦闘を好み、大胆な発想で戦況を覆す。
レボルシオンガンダムの制作者 兼 操縦者。

??? 太陽の名を持つ者

⭐︎出演者⭐︎
タクト ガンダムレボルシオン制作者様
Twitter:@s62tXeBG88LgW7A

トロさん
Twitter:@Torosan__1063
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