ガンダムビルドダイバーズ-progress-   作:トロさん

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どうもトロさんです
前回から4ヶ月くらいから空いてるトロさんですどうも
検定とかで忙しいandモチベが下がりまくっててね…すみません
っというわけで四話書き上げられました。今回はとてもゲストが多いです

特に言うこともないんで、第四話をどうぞ楽しんでいってください!はい!


第四話「星が照らす宇宙」

 

「はぁーっい⭐︎!ガンプラアイドルのミミだよー!」

 

歓声と熱気包まれた会場。ピンク髪の1人の女性のダイバー、否、アイドルがスポットライトに照らされている。

 

「さてさて!今回もやってきたよ!フォースバトル!!選ばれし3人のフォースが力を合わせ、優勝を目指してもらうよー!!」

 

「うぉぉぉぉぉ!!」

 

GBN公式の人気のガンプラアイドルのようだ。ピンクの髪に、アクセサリー、華やかで派手な衣装が彼女の魅力を最大限に引き出している。

そして応援する熱狂なファンが一体となってステージを引き立てている。

 

フォースバトルとは。

フォース対フォースで勝敗を決めるチーム戦。今回の場合、3人で構成されているフォースが対象だ。

 

「今回も抽選で選ばれた20組が4ブロックに分かれて競ってもらいます!」

 

20組。人数で表すと80人。結構な数だ。

そしてまさかの抽選。しかも当選。世界大会と比べ、定期的にある小規模な大会なためこのような形が取られているようだ。

 

「5組1ブロックか」

 

「そうやろなあ」

 

「楽しみだね!」

 

この大会にエントリー、見事当選したフォースF.A.L.はオープニングをフォースネストで見ていた。

フォースとしてはじめての公式大会出場だ。

 

「そして!今回の大会からの新ルール!!各ブロックを勝ち抜いたフォースは各ブロックとのバトルの際、3名以上6名以下のフォースで挑んでもらいますっ!」

 

ブロック内でのバトルは3人、対ブロックによるバトルは3〜6人という異例のルール。

 

「各ブロックの敗退フォースと組んでも良し!別のダイバーとも組んで良し!とにかく自由!」

 

つまりはブロック敗退しても運が良ければ、拾ってもらえるというわけだ、

取組としては面白い反面、ルール上疑問に思うこともあるが小規模な大会でそんなことをする人はいないだろう。

 

「それでは早速!!組み合わせを決めていきたいと思います!!」

 

「まずはAブロックから!!初めは—•••」

 

これから組み合わせが決まるようだ。

どこに入るかさえ分かればいいので適当に流しておく。

モニターから発せられる音が雑音と化した中、トロが口を開く。

 

「そういえばフォースネストのこと完全に忘れてたな」

 

フォースネストとは、フォース内で共有する拠点のようなもの。自由度が高く、船や城なんてものもある。

そんな多彩な種類の中、選んだのが"喫茶店"だ。カウンター前に椅子がいくらかあり、他にも机、椅子もある。

天井から吊り下げられた照明、目に優しい観葉植物、壁面にはGBN内で得たインテリアを飾るスペースがある。

どこか暖かみを感じられる雰囲気だ。

 

「それにしてもカフェか」

 

「俺はおしゃれでいいと思う!」

 

そう言いながらカフェ内を物色しているタクト。

それぞれ飲み物を片手にのんびりとしている。

 

「味とか分かるんだな…」

 

GBNでは五感は再現されるようだ。今飲んでいるのはオレンジジュース。柑橘系特有の爽やかな甘い味が舌にのるたびに感じられる。

しかし、たとえGBN内で食事を取ろうとしても現実の腹は満たされないだろう。あくまで感覚だけだ。

 

『Cブロック第一バトル!フォースF.A.R.!対するは、フォースイレディエート!』

 

自然と視線が音声の主へと向く。

フォースF.A.Rで敏感に反応した3人はモニターを見る。どうやらCブロックでの対戦、第一試合目らしい。

 

「?どこだろ」

 

「調べて作戦会議やな」

 

「やるか」

 

相手はフォース、イレディエートだそうだ。

ダイバーはヒビキ、グラン、ルナの3人。それぞれ特徴的な機体を使っている。

ヒビキはセイヴァーストライク、グランはガンダム クアンタム・グローリー、ルナはスタールナゲイザーだ。

近接特化のクアンタムグローリーを軸に、近接支援用の機体のセイヴァーストライク、スタールナゲイザーだろうか。

どちらにせよ油断はできない。

 

「近接は俺らの得意分野やな?」

 

「得意か…?」

 

「ふふーん余裕余裕♪」

 

少し疑問が残るが問題ないだろう。

連携に関しては事前にミッションで確認しておいた。あとはどれだけ成果が発揮できるかだ。

 

「メンテナンス行ってくるな」

 

そう言ってユウが立ち上がる。

バトル開始までには少し時間がある。機体を万全に整えておくことは大事だ。

 

「ちょっと出てくる」

 

そう言うと、戸の鈴が子気味よく鳴り、戸が閉まる。

 

「おー…」

 

生返事になるユウ、タクト。

どこに行くかは分からないが引き止める理由もなかったので特に気にしなかった。

残された2人は格納庫へと向かった。

 


〜GBN内ロフト〜

 

トロはフォースネストから出て来てから、GBN内を散策をしていた。理由は特にないが、バトル前に気持ちを落ち着かせるのは必要だろう。

今までまともにGBN内を見て回ったことがない。そういう意味では良い機会だろう。

フェンスに寄り掛かり、ふと空を仰ぐ。

 

「GBNの空綺麗だな…」

 

所詮データで作られた見せかけの空。しかしそうは思えない何かを感じさせる。

この空を自由に飛べたらな。そんな思考が脳裏をよぎる。

 

『…ーサ…スの勝利!!』

 

バトルの進捗を見るために中継を表示させた。

どうやらBブロックの第一バトルが終わったようだ。

 

—ん?Bブロックの第一バトル終了?

 

「やっば」

 

空に見惚れている内に時間が経っていたらしい。

急いで格納庫へと移動する。

 


 

「それではこれよりCブロックのバトルを開始しますっ!」

 

観戦者はそう多くないみたいだ。それでも熱いガンプラバトルが見たいと集まっている人たちがいる。

どこかの白い悪魔ならこんなに嬉しいことはない、とでも言うだろうか。

 

「ごめん。遅れた」

 

バトル直前ぎりぎりに調整が終わった。ほんとに危なかった。

 

「せーふ!」

 

「どこ行ったか分からんくて焦ったわ」

 

心配しながらも受け入れる2人。

出会ってから日は浅いが信用してくれているみたいだ。

 

『第一バトルのフォースは出撃準備に入ってください!』

 

ミミのアナウンスで準備を促される。3機がカタパルトに固定される。

 

『それではCブロック第一バトル!フォースF.A.R.対フォースイレディエート!』

 

三者、アームレイカーを握りしめる。目の前の光が刺す扉を見つめる。

 

—これからだ

 

「タクト!レボルシオンガンダム!」

 

「ユウ!アポロンガンダム!」

 

「トロ!ガンダムフェーテ!」

 

「出る!」

 

「いきます!」

 

「出ます!」

 

3機がカタパルトに火花を散らす。光の照らす先を目指して。

 


 

『field colony』

 

人工音声が告げたバトルフィールドは”コロニー“。一見すると普通のビルなど建物がひしめき合う都市。しかし上を見上げるとここにも街が点在するという地球民から見たら異様な光景だ。それがコロニーだ。

 

「あれか」

 

画面に映し出される2機。

 

「残り一機は?」

 

飛行しているのは2機だけだ。

 

「地面から来てるで」

 

飛行している2機の下にビルの間を飛行する機体がある。

 

「イレディエート捕捉」

 

トロが報告。情報通りの機体だ。特に変化は見られない。

今回、フェーテはソードビットは装備していない。ライフルと刀だけだ。

 

「撃ってきた!」

 

タクトが警告。各機回避または防御に徹する。

レボルシオンが盾でビームの攻撃を相殺、拡散させる。こちらはいつもと同じ装備だ。

 

「フェーテがクアンタムを、レボルシオンがセイヴァーを。俺はスタールナゲイザーとや。」

 

ユウが指示。各機目標へと加速していく。

最初に加速していくアポロン。こちらも装備は変わらない。

 

「了解っ…!」

 

「おっけー!」

 

今回フォースでの戦闘に備え、役割分担を組んでおいた。

トロが具体的な状況を報告、タクトが持ち前の反射神経で警告、ユウが経験を活かした戦闘の指示だ。フォースの連携のためには全体の流れを把握、共有しなければならない。そしてこれが今できる最適解だった。

 

フェーテがクアンタムグローリーに向かって右手の刀を振るう。

それに呼応してクアンタムも赤い刃を振るう。

ガンダムクアンタムグローリー。クアンタとルナゲイザーを主にミキシングされており、青、白、緑がベースのカラーだ。また、左右の大きなバインダーが特徴である。スタイルが良い印象だ。

 

『君がフォースのリーダーか?』

 

接触回線を利用してガンダムクアンタム・グローリーのダイバー、グランが問う。

 

「どうだか」

 

左手に持ったライフルの引き金を引く。

 

(コロニー…!!)

 

最小出力で撃つ。不意を狙ったはずの攻撃だがフィールドが敵となった。

そして当のクアンタムグローリーにあっさり避けられてしまう。

コロニーでビーム兵器を使ってしまった場合、コロニーに穴が空けてしまい全てが抜けていく。バトルにも影響が出てしまう可能性がある。考えなしで攻撃してはこちらが不利になる。

 

『少しは頭が切れるようだがな…っ』

 

射撃後の生まれた隙に脇腹に蹴りを入れられる。そのまま落ちていくフェーテ。

通常の機体より少し脚が長い分リーチが広いため避けようにも避けられなかった。

 

<<caution>>

 

地上と接触することを知らせるアラートが鳴る。落ちる前にバーニアを全開で吹かす。

体勢を整えるため、地に足をつけようとする。

 

「川!?」

 

地に着くはずの足が勢いよく沈み込んでいく。

大きな水飛沫を上げる。

 

『楽しませてくれそうだ』

 

グランの口角は上がっていただろうか。

クアンタム・グローリーが背部のバインダーユニットを足へと装着し、急接近する。その赤い矛先を向けて。

 


 

『なかなかやるじゃないの…!!』

 

「当たり前っ!!」

 

空で接近、後退を繰り返し、光と刃とが交差する。

スタールナゲイザー。一見するとスターゲイザーに見えるが、ルナゲイザーをベースに製作されており所々にその意匠が見られる。武装もビームサーベルにビームシールドとシンプルだ。シンプルすぎる。

 

「っら!!」

 

ビームサーベルを後方へと受け流し、その勢いで回転する。

踵の刃を展開し、相手に目掛け突き出す。

 

『そんくらい読めてるっつの!』

 

「なっ…」

 

胴体を捕らえたはずの刃が空を切る。

華麗に後方に避けたスタールナゲイザーは連続でビームサーベルを突き出してくる。

 

「っく…!」

 

ビームシールドを展開し対応し、攻撃を試みるが隙がない。

 

操縦者の技能でここまで差が出るものなのか…

 

「このっ!」

 

サーベルを突き出してくるタイミングを狙い、被弾承知で頭部のバルカンを発射する。

 

『んあ!?』

 

弾が装甲に弾かれながらも確実にダメージを蓄積していく。

そして運良く右のデュアルアイに命中。相手の動きが一瞬鈍る。

 

「今だっ…——

 

『川!?』

 

仲間からの音声通信。近くでは大きな水飛沫を上がっている。

思わず攻撃の手が止まる。

 

「トロ!?」

 

想定していなかった展開に、戦闘への意識が薄れる。

モニターの表示を見る限り稼働状態ではあるようだ。しかし、何があってもおかしくはない。損傷が甚大な場合も考えうる。

 

『よそ見してる場合じゃないのよ!!』

 

はっと我に帰る。目の前にはサーベルを構えたスタールナゲイザー。

サーベルはアポロンへと向けられる。

 

「っく!?」

 

頭部の真横をビームが通り過ぎ、アンテナを溶かす。

なんとか直撃を免れることはできたが、今ので左バルカンが掠めた熱で狂った。ほんの一瞬の隙が命取りだ。

 

「こんの!!」

 

背部スラスターにわずかに左に逸らす。

膝下のサーベルを展開し、スタールナゲイザーの脚に目掛けて体を捻らせる。

 

『きゃっ!?』

 

関節から下が別れ、置き土産と言わんばかりに爆発する。

これで地上戦は不可能になる。脚部スラスターを失ったであろうスタールナゲイザーが体勢を崩す。

背部にバインダーの恩恵で、空中での姿勢制御が容易なアポロンガンダムにとってはアドバンテージとなる。

刀を構え直し、接近する

 

——ここから一気に…!

 

「はあああ!!!」

 

<<caution>>

 

「!?」

 

下方からの危険を知らせるアラート。

攻撃の手を止め、即座に後方に避ける。

 

「ストライカーパック…?」

 

一瞬見えただけだが、シルエットからそう判断できた。

というより見覚えがあるような…

 

「セイヴァーストライクの…?ってあ、逃げんな!!」

 

セイヴァーストライクのストライカーパックに掴まるスタールナゲイザー。

急いでバーニアを吹かせ追いかける。

 


 

ビルが崩れ一つ一つが破片となっていく。

ビルの間を器用にかいくぐりながら銃撃し合う2機。

 

「やっぱ当たんないなあ…」

 

相手に放ったビームは灰色の構造物の一端を溶かすばかり。

しかし相手から攻めてくる気配がしない。

 

「ま、いっちゃお」

 

ビームライフルを捨て、自慢の刀を鞘から引き抜く。

ビルの上を飛び、接近戦を試みる。

 

『しつこいですね…』

 

「まあねぇ♪」

 

刀は持ち前の盾で防がれたが、相手がここでようやく足を止めた。

 

セイヴァーストライク。ビルドストライクがベースだろうか。各部にイージスガンダムのパーツが取り付けられており、刺々しい見た目になっている。特徴的なのが背部のバックパック。大きな翼が印象的で、恐らくウィンダムのストライカーパックを改修しているのだろう

ミサイルが装着されている。

なんと言っても武装が多い。注意が必要だ。

 

「!!」

 

モニターの左端、シールドの影に光るものが映る。

咄嗟に後ろに向かって地面を蹴り、シールドを構える。

 

「あっぶな!!」

 

案の定ビームライフルだ。

反射神経のおかげでシールドで防ぐことができた。

 

「よいっしょっ!!」

 

ライフル目掛けて縦に振るう。

ライフルは中央で分断され小爆発し、爆煙が上がる。両者とも盾で小爆発の被害を最小限に留めさせる。

 

「へへ」

 

『はあぁッ!!』

 

満足したのも束の間、爆発の向こう側からセイヴァーストライクが迫り来る。

爆煙をかき分け、近接武器を手に突進し、大きく振りかぶる。

 

「は!?」

 

予想外のことに即座に反応できず、シールドを振り落とされてしまう。

主を失ったシールドはビルへと力無く叩きつけられる。

 

シールドを取りに戻ろうとするが、既にセイヴァーストライクは次の攻撃へと移ろうとしている。

 

「くっそっ!」

 

刀を構え前方へ振るう。セイヴァーストライクも同じタイミングで交わる。

セイヴァーストライクの近接武器、ロングソードとレボルシオンの刀が激しく競り合う。

 

『こんの!』

 

途中、上空で爆発が起きる。アポロンとスタールナゲイザーだろう。

うまくやり合えているようだ。

 

『ルナ!!』

 

鍔迫り合いの向こうで何かが火を吹き、空へと昇っていく。

セイヴァーストライクのストライカーパックだ。

 

「バックパックが独立!!」

 

『しつこい割にうるさいとか…』

 

セイヴァーストライクが後方へと重心を動かし、鍔迫り合いを中断させる。

セイヴァーストライクのストライカーパックが独立稼働し仲間の支援に向かった。支援前提の装備なのだろう。

 

「ちょ!?」

 

加速させレボルシオンから逃げるようにビル群を抜けていく。

 

『5…。時間稼ぎはできましたね』

 


 

クアンタムグローリーの猛攻撃。避けるので手一杯だ。

上空へ逃げようとしても横に逃げようとしてもそれを妨害される。川の表面をなぞるように下がるしかなかった。

 

「っ…」

 

相手はバインダーをホバーユニットとして装着しているため自由度が高い。クアンタム・グローリーが赤い剣でフェーテを狙うたびに川に水の壁ができる。

なんとか打開できないか—

 

「これだ…!」

 

くるりとクアンタムの方を向き足を川面のぎりぎりを滑らせる。

と同時に目の前に煙のようなものが立ち込めた。

突然の出来事にクアンタムの動きが鈍る。

 

『そんな悪足掻き…そこか!』

 

何かが飛んできたタイミングに合わせて剣を振るう。

2つに分かれたのは白い棒状の…

 

『ビームサーベル!?』

 

「良く見ろ…!!」

 

視界を遮る奥から青緑のデュアルアイが鋭く相手を捉え、光が横に伸びていく。

クアンタムグローリーの背後に回っていたフェーテが刀を突き出す。

虚をつかれたクアンタムは対応が遅れ、片腕を肩から突き落とされる。

 

クアンタムグローリーの使用する剣は刃の部分が高温になる仕組みのようだった。そして、その刃が川の表面に触れると水が“蒸発”する。

それを利用し、足首裏のビームサーベルを展開。一気に蒸発させ水蒸気を発生させた。

 

『ッ…』

 

地形を生かした戦術。

ここで先程まで好戦的だったクアンタムの攻撃が衰える。

というよりは攻撃が止んだ。

クアンタム・グローリーが反対方向、フェーテの前方側を向き加速し始めたのだ。

 

『ああっとここで!フォースF.A.R.が優位に立っています!』

 

「っせぇな…」

 

実況に小言を吐きながら退き続けるクアンタムを追いかける。

背部のスラスターのおかげか距離を段々と離されていく。

 

—逃げてる…?

 

『1…。今か』

 

背中に鮮やかな緑の円を描き、クアンタムが一気に速度を上げる。

 

「待っ…!?」

 

そしてそれは突然起こった。

 

「なんや!?」

 

急な爆発音。ビルなどの建物が破片となり散り、宇宙の一部が顔を出す。空は天候の処理が追いつかず、曇り、嵐となる。

コロニーは回転を止める。

そこに紛れイレディエート3機がコロニー外に出ていく。

 

「なんでなんで!?!?」

 

引き込む力に抗いながら、レボルシオン、アポロンがフェーテの下に集まる。

コロニーが自ら暴発することがあるわけがない。

周辺の情報をスキャンする。

 

「残骸の中に地雷の破片…」

 

つまり元から仕掛けらていたということになる。

 

意図的に宇宙に誘っている——

 

「追うか」

 

「なーんで宇宙に行ったんだろね」

 

3機が宇宙へ(いざな)われる。

 

 


 

〜宇宙〜

 

宇宙。重力は存在せず、自己の推進力のみで動く暗い世界。

3機が瓦礫や残骸をかき分け、コロニーの外壁へと出る。

 

「熱源反応!ミサイル来るよ!!」

 

反応を見るに、ミサイルが4発。

各機が爆発に呑まれないよう散開する。

 

『はあァァッ!!』

 

爆発したミサイルの間を縫い、一機が接近してくる。

セイヴァーストライクがロングソードを構え、フェーテに振り下ろす。

 

「ッ…」

 

フェーテはあえてそれを受け止めず回避する。

 

回避したのは目標にしていないのもあるが、イレディエートの配置が気になる。

奥からスタールナゲイザー、クアンタム・グローリー、そして今攻撃してきたセイヴァーストライク。

何故、スタールナゲイザーが奥にいる?そしてどこを見ている?

 

『よそ見とは愚かな!』

 

思考していた隙に、セイヴァーストライクの接近を許してしまった。

しかし対応は簡単だ。ロングソードを受け止めれば良い。

そして、恐らくこれから何かアクションを起こすであろう、スタールナゲイザーに攻撃すれば—

 

「っな!?」

 

ロングソードを持った腕が振り下ろされることはなく、代わりに脚部が飛んできた。

咄嗟に防御しようと左腕を出したが、想定外なのがその左腕がフェーテから離れた。

セイヴァーストライクの脚部にはビームサーベルが仕込まれていた。

 

ロングソードの攻撃だとばかり思っていたトロは驚きを声に漏らす。

爆発に巻き込まれないよう両機とも、離れる。

 

「このままルナゲイザーに…」

 

『させませんよ!!』

 

イーゲルシュテルンで行く手を阻まれる。

 

「行かせろっての…!」

 

絡み付くように攻撃を繰り出すセイヴァーストライク。

これでは先程から止まっているスタールナゲイザーへの攻撃のチャンスを失うことになる。

 

「任せろ!!」

 

ユウだ。どうやらクアンタムをレボルシオンとの戦闘に持って行かせたらしい。

フェーテとセイヴァーストライクを脇目に飛翔していく。

 

「何するか知んねーけど!!棒立ちじゃあなっっっっ!!」

 

急接近したアポロンが大きく刀を構え振り下ろそうとする。

 

右手に太陽の光が差し出した。

 

振り下ろした刀が装甲面に接する刹那———

 

 

『…ヴォワチュールリュミエール!!』

 

刀がスタールナゲイザーに触れようとした時、機体から緑に輝く輪が複数現れた。

直後その輪がしなりを加え、攻撃に転用される。

 

「なっ!?!?」

 

刀は一瞬のうちにふたつに分かれ、右肩から腕が切断される。

アポロンは攻撃の輪から離れるために後退する。

 

「まじかよッ!!」

 

「ヴォワチュール…」

 

「スタゲのやつだあ!?」

 

ヴォワチュールリュミエールとは。機動戦士ガンダムSEED C.E.73 STARGAZERの登場するスターゲイザーガンダムの推進システムだ。

このシステムは本来惑星間航行用のためであったが、副次効果としてエネルギー変換の際に周囲に荷電粒子が対流し攻撃に転用ができる。

GBNでは太陽の光が当たる環境、もしくは強力なエネルギーを受けられる環境のみ発動可能である。多くは副次効果を得るため搭載する機体が多い。良い例としてこの目の前にいるスタールナゲイザーが挙げられる。

 

『これでもう勝ち確っしょ』

 

『一気に片付けるぞ』

 

『了解です』

 

相対する2つのフォース。

どちらとも万全と言える状態ではないが、勝敗をつけるのには十分だろう。

 

「損傷は?」

 

「俺が右腕がちょっとな」

 

「俺は全然動ける!」

 

タクトが駆るレボルシオンが1番損傷が少ないようだ。

 

「だとしたら、タクトがセイヴァーストライクやな」

 

「了解!了解!」

 

そう言った途端、目標へと接近していく。

 

「トロはどうする?」

 

「スターゲイザーに行く」

 

「そっか」

 

次いでアポロンが、クアンタム・グローリーの元へ行く。

ここからが決戦だ。

 

深い宇宙に、緑を漂わせる白と青が残る。

 

『へえ。あんた勇気あるね?このスタールな…

 

「うっせえ。賭けだ」

 

食い気味に言葉を被せる。

わざわざ回線を開いてくるのは相当自信があるようだ。

正直言って気に食わない。かと言ってこちらに勝てる見込みがあるわけではないが。

 

モニターに通常では使用できないようにしてある武装を表示させる。

 

「セーフティアンロック」

 

「各部装甲パージ。出力最大設定」

 

ビームシールド発生器、脚前面装甲、脚部ブースター部が勢いよく辺りに飛び、漂う。

 

『なに…?』

 

流石に少し動揺するようだ。無理もない、既存のシステムではない武装を使うのだから。

 

-caution-

 

関節部から限界を示すように煙が吹き上がる。

そして、関節部や装甲パージ部分、クリアパーツ部から炎上したように赤い炎が吹き上がる。

やがてそれが一つの炎となりフェーテを包む。

 

「…」

 

『大したことないみたいね!こっちから行かせてもらうわ!!』

 

接近しながらスタールナゲイザーが緑に輝く円環をフェーテに触れさせる。

 

『炎で自爆寸前のあんたは動けないでしょうね!』

 


 

『はあァァァァッ!!』

 

セイヴァーストライクの猛撃。先程までとは打って変わった戦闘スタイルだ。

 

「さっきとは全然!違うね!!」

 

受け止めるだけで精一杯になる。かなり変測的に動いてるつもりだが、それでも絡みついてくる。

獣みたいだ。

 

「ならっ!」

 

距離を離し急停止、再度急接近する。もちろん相手も絡むように接近してくる。

 

「よっ」

 

背部バックパックを外す。セイヴァーストライクはすぐさま向かってくる、バックパックを斬る。

そして隙は生まれる。すぐさま背後に周り、特徴的なストライカーパックに一撃を入れる。

 

本体ごと切るつもりだったがそう甘くはなかった。

 

「ぐわっ!?」

 

突如、視界の左側が何かに遮られる。

爆発が収まった向こうで右脚、左腕を失ったセイヴァーストライクが佇んでいる。

 

『物凄くイライラしてるんで…。よろしくお願いしますね…?』

 

一瞬だ。機体が軽くなった分の加速が生まれたのかわからないが、距離を詰められた。

 

気づけば左の肩からやられていた。

 

「こんの…!」

 

反撃しようとした直後背後から攻撃を浴びせられる。

コロニーから溢れ出た残骸に叩きつけられていく。

 

——まずいまずい…

 

『意外と呆気ないんですね…では』

 

攻撃を加えた位置から見下ろすセイヴァーストライク。

手に持ったビームサーベルを払って見せ、突き出し、こちらに加速する。

武器はサーベルがある。しかし今取った所で間に合うかどうかだ。

 

——また足手まといって…

 

嫌な記憶が蘇る。

 

辺りに何か使える物は、武器は…!!

 

コロニーの残骸の中で光るものを見つける。

今の唯一の希望。

 

「足手まといなんて言わせない…!」

 

突き立てた光の刃が己を貫く前に、放たれた光刃。

右手に持った癖のない扱いやすいライフル。

 

ガンダムフェーテのビームライフル。

 

「あとは頼むよー…」

 

直後レーダーから一つの反応が消えた。

 


 

『なになに!?なんなのこいつ!?』

 

緑の円環がしなり、何度もぶつけられる。しかしその度にかき消される。身に纏った炎によって。

 

「上げすぎじゃなかったみたいだな」

 

フェーテから機体各所から溢れる炎によって緑の円環は相殺されていく。

 

原理はいまいち分かっていないが、考えるとするならビームシールドような物だろうか。

そして分からないのがもう一つ。前面モニターに映る数字だ。先程まで60だった物が10まで勢いよく減っている。

 

「時間…だろうな」

 

スタールナゲイザーにフェーテは接近していく。左に拳を作って。

 

「届け…!」

 

—5

 

-caution-

 

『させるか!』

 

クアンタム・グローリーがスタールナゲイザーを庇うように間に入る。

 

—4

 

このままだと恐らく届かない。

 

 -error- -error- -caution-

   -caution-ger- -error-

-danger- -error- -danger-

 

各部の関節やフレームが悲鳴をあげる。

最悪、こいつだけでも—

 

「お前の相手は俺だァァァァ!!」

 

アポロンが2基のビットを纏った左の拳をクアンタムに向け突き出し、視界から消える。

視界にはもうスタールナゲイザーしかいない。

 

 

 

—3

 

 

 

デュアルアイが赤い軌跡を描く。

 

——間合いに入った。

 

 

 

 

—2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

—1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[Winer forse F.A.R.]

 

 

赤く燃えた拳が相手の胴体を貫いていた。

 

 

 

『フォース、F.A.R.の勝利ー!!!!』

 

 

 

[ finish move 01 ]

-progress system-

 

「プログレス、システム…?」

 

両者が静かに悲鳴を上げ、直後機体を呑み込む爆発が起きる。

 


 

〜ロビー〜

 

「良い戦いだった。ありがとう」

 

手を差し出すグラン。

戦いを終えたフォース同士は互いを労うという一種のマナーのようなものがある。

 

「あ、いやその…」

 

差し出された手に戸惑うトロ。

グランは笑顔で差し出し続けている。

 

「ありがとうございます…。」

 

ずっと差し出させるわけにもいかず握手を交わす。

相変わらずの笑顔だ。誰にでもこういうことができる人なのだろう。

 

「ところであの赤いの何なのよ!アシムレイト?ナイトロ?何でもいいけどあれなかったら勝てたのに!」

 

「まあまあ…」

 

グランの後ろで悔しそうに騒ぐルナとそれを諭すヒビキ。良くも悪くもこれがフォース、イレディエートなんだろう。

 

「ま、こっちもヴォワチュールされた時はびびったけどな」

 

「完璧な作戦でしょうよ!」

 

ルナは先程の機嫌が嘘のように良くする。単純か。

 

「タクトさん、少し悪戯過ぎましたかね?」

 

「ん?俺は全然いいよ!楽しかったし!」

 

フォース戦をきっかけに仲が生まれる。

無意識に避けていた人と人との繋がり。それに触れてしまった今では良いものだと思えるようになってきたと思う。

 

「あの、グランさん」

 

トロは去り際に問いかける。

 

「どうした?」

 

「イレディエートの名前に何か意味があるんですか…?」

 

「照らす、だな。じゃあ」

 

グランは軽く手を振り、ヒビキは軽く会釈し、ルナは遅れながら元気よく手を振って、2人の元へと合流する。

 

照。何を照らすのだろうか。

その答えにきっと彼らは辿りつけるだろう。

 

「いこっか」

 

「ところであの炎みたいのなんやー?」

 

「そうそう!あれなに!教えて!」

 

ユウは肩に腕をかけ、タクトは跳ねながら歩く。

 

「あーはいはい」

 

少しは自然に笑えるようになったかな。

 

 


 

太陽にも照らせない部分がある。

光を遮られ、隠れた影。陰。

 

「来たな」

 

暗い部屋で1人つぶやく男。

 

「太陽がなんだ…名前だけに過ぎねえだよ所詮…」

 

太陽の陰に隠れた嫉妬に暗闇が覆っていく。

 

 

第四話「星が照らす」





出演者様
・タクト
タクト Twitter(@0lykNWg2ezARRYp)

・ユウ
スーパープリン 
ぬぬっしし Twitter(@superpurintwit1、@nushi_shinymas)

・グラン
GARAPAGOS SB Twitter(@GARAPAGOS9]

・ヒビキ
ヒビキ  Twitter(@hibiki_Reborn)


・トロ
トロさん  Twitter(@Torosan__1063、@Torosan_016)
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