「今日は貴重なお時間を頂きありがとうございました。」
「こちらも昔のことを思い出すことが出来てとても有意義な時間を過ごすことが出来ました。ありがとうございます。」
「最後にお話しいただいた『巫の派遣』についてですが、どのような方が来るのかご紹介いただけますか?」
「今回の派遣では、赤田神社から男女各一名、合計二人の巫を派遣します。」
「男性と女性が一人ずつですね。」
「男性の方は小原さんと言います。小原さんは赤田神社の中でもピカ一の力自慢です。梅岡さんの穴を埋める活躍が期待できると思います。」
「確かに梅岡さんも最近『体力に衰えを感じるようになってきた』と言っていたので、力仕事が出来る方が加わってくれるのはありがたいですね。」
「趣味で釣りを嗜んでいるので、釣果を神社に提供してくれるかもしれません。赤田神社でも幾度となく美味しいお魚を提供してくれました。」
「お魚…私はあまり食べないのですが、梅岡さんや柊君が食べてくれるかもしれませんね。」
「女性の方は斎藤さんと言います。斎藤さんは赤田神社の中でも一番の知識量を誇る『歩く辞書』です。」
「歩く辞書ですか…」
「その知識量は私以上なので、困ったときは多くの神職が斎藤さんを頼るくらいです。」
「そんなに大事な方をお借りしても良いんですか?」
「本来ならばお貸ししたくない人材です。ですが、リタさんは右も左も分からない状態だと思いますので、今回音子猫神社への派遣を決意しました。」
「そこまでお気遣いいただけるなんて…本当にありがとうございます。」
「あと、一つお伺いしたいのですが…」
「何でしょうか?」
「梅岡さんのお怪我はいつごろに回復する予定でしょうか?」
「そうですね…来週には戻ってくると伺っています。」
「なるほど…来週ですね。時間に余裕が出来ましたら、快気祝いを兼ねてそちらにお邪魔しますね。」
「梅岡さんも梨華さんにお会いしたいそうなので、来ていただけるのはとてもありがたいです。」
こう会話したはは良いものの…お互いの予定がうまく合わず、気が付けば取材から一か月が経過していた。
どちらかの予定が空いたかと思ったら、どちらかの予定が埋まっている状態がもう何回も続いていた。
ここまで綺麗にすれ違い続けるのも結構珍しいんじゃないだろうか?
流石に今回は予定が空いているだろう…そう思いながらツブヤイターのDMを開いた。
「こんにちは。明日は予定が無いのでお伺いできそうなのですがそちらはいかがでしょうか?」
…なかなか返事が返ってこない。今回も駄目なのか…?
「そうですね…明日は特に用事はありませんよ。」
やっとだ。やっと見たかった文章が見られた。私は人知れずガッツポーズをしていた。
「了解です。それでは明日、そちらにお伺いいたしますね。」
「分かりました。明日、お待ちしております。」
梨華)良かったぁ…
続く