翌日、久しぶりに軽四を転がして音子猫神社に向かう山道までやってきた。
前回来た時とは違い、駐車場に車が数台止まっているのが見えた。確実に参拝客が来ている。私の宣伝の効果が出ているようだ。
山道を登って境内に入ると、ちらほらと参拝客が見えた。夏の風景を写真に収めたり、社務所でお御籤を引いているようだ。
つい一か月前までは人影すら感じられなかった神社に活気が戻った様子を見まわしてると、一人の老紳士がこちらに近づいてきた。
巫の装束を身に着けている。どうやら梅岡さんのようだ。
梅岡)これはこれは…ようこそおいでくださいました。私、梅岡と申します。リタさんからあなた様の事はお伺いしておりますので…どうぞこちらへ。
梅岡さんに促され、私は拝殿の奥に通された。
梅岡)暫くしましたらリタさんが来ますので、それまでこちらでも飲んでお待ちください。
梅岡さんに出されたリンゴジュースを飲んで待っていると、程なくしてリタさんが入ってきた。
リタ)お久しぶりです。
梨華)なかなか予定が合わず、申し訳ありません。
リタ)いえいえ…こちらも参拝客が増えて今まで以上に忙しくなったので…
梨華)リタさん、先日約束したように梅岡さんの快気祝いとして、赤田神社の茶屋から和菓子の詰め合わせをお持ちしました。
リタ)あ、ありがとうございます!梅岡さん、良かったですね。
梅岡)いやはや、お恥ずかしい限りですな。こんなお若い方に心配されてしまうとは…
リタ)もう、梅岡さんも素直じゃないですね。普通に喜べばいいのに…
梅岡)それもそうですな。ありがたく頂きましょう。
梨華)どうせならば大人数で楽しくお話しながら頂きましょうよ。
リタ)そうですね。梅岡さん、小原さんと斎藤さん…あと柊君も呼んできてもらえますか?
梅岡)分かりました。暫くお待ちください。
10分後、音子猫神社の神職が一堂に会した。
柊)和菓子ですか。丁度小腹が空いてきてたのでありがたいです。
小原)赤田神社のお茶屋さんの和菓子はどれも絶品ですからね。期待していてくださいね。
斎藤)あそこの和菓子は他の神職の方も手土産にするくらいです。皆さんも満足して頂ける筈です。
梅岡)それは楽しみですな。
梨華)お待たせしました。赤田神社御用達の玉露です。和菓子と一緒にどうぞ。
梅岡)ほぉ…玉露ですか。良いものを使われてますな。
リタ)さあさあ、皆さん美味しく頂きましょう!!
梅岡)いやぁ…上品な味で美味ですなぁ…
小原)久しぶりに食べましたけどやはりいつ食べても美味しいですね。
斎藤)甘味がくどすぎず、上品なのが良いですよね。
リタ)あれ?これは何ですか?…堅焼き煎餅?
リタさんが、とある和菓子に反応したのを私は見逃さなかった。
続く