カンナギ   作:百瀬頼人

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#14 Jの半生

J)さて、梨華も行っちゃったみたいだし…早速始めようか。どんな髪型にしたいんだい?

 

リタ)そうですね…とりあえず髪の長さを短くしてほしいです。

 

J)セミロングで良いかな?

 

リタ)はい。

 

J)了解。とりあえず髪を洗うからちょっと待ってて。

 

 

 

洗髪の準備をしている間、梨華さんに「J」と呼ばれた店員さんの様子をつぶさに観察していました。

 

見た感じは20代後半くらい。紫っぽい髪色のツインテールがとてもよく目につきました。

 

J)ん?私の顔に何かついてる?

 

リタ)あ、いえ…そういう訳では…

 

J)何だか色々と探りを入れようとしてるみたいだし、答えられることなら答えてあげるよ。

 

 

 

洗髪が終わり髪を乾かすタイミングで質問を切り出してみました。

 

リタ)えっと…それじゃあまずは、何で「J」と呼ばれてるんですか?

 

J)名前が長ったらしくてね。私は「ジャクリーン・マーダー」って名前なんだけどさ。「ジャクリーンさん」とか言われてもまどろっこしいだろ?だからみんな私の事を「J」って呼んでるのさ。

 

リタ)ジャクリーン・マーダーですか…確かに長いですね。

 

J)だろ?

 

リタ)…と言う事は、ご出身は海外と言う事ですかね?

 

J)そう。私はポーランド生まれイギリス育ちだよ。

 

リタ)ポーランドからイギリスに移住したんですか?

 

J)そう。私がまだ子供の時さ。

 

 

 

J)生まれたのはワルシャワだったんだけど、親が仕事でちょっとへましちゃったらしくてね。夜逃げ同然でリバプールに引っ越したのさ。

 

リタ)ほぉ…

 

J)それからリバプールで理容師として生計を立ててたんだ。私もその後を継いで働いてたよ。

 

リタ)そこから日本に来るきっかけって何だったんですか。

 

J)イチローって知ってるだろ?彼に心を鷲掴みにされたんだ。

 

リタ)イチロー選手ですか?

 

 

 

J)イギリスはサッカーが盛んだ。野球をやる奴はあまりいないんだ。

 

リタ)確かにイギリスに野球のイメージはありませんね。

 

J)ただ、リバプールで知り合った野球好きのお客さんに勧められてネットでイチローの試合を見たんだ。そしたらもう鷲掴みよ。

 

リタ)まぁ…あんなプレー見せられたら誰だって魅了されますよね。

 

J)そう言うのを見てしまうと、「日本って凄い人がたくさんいるんじゃないか?」って思うようになって、日本そのものに強い興味を覚えたのさ。

 

リタ)なるほど。

 

 

 

J)それからしばらくお金を貯めて日本に渡る準備をした。親にはかなり強く反発されたけど、私の意志が揺らぐことなんか微塵もなかったよ。

 

リタ)一度引き込まれると戻れないタイプなんですね。

 

J)そして日本に来たのが数年前って所だな。

 

リタ)それからどうやって梨華さんとお知り合いになったんですか?

 

J)そうだな…

 

続く

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