髪を乾かす作業が終わり、手際よくカットの作業に入っていきました。
J)イチローの影響で日本を好きになった私は、日本に行きたいという気持ちが募りすぎて最終的に「日本で暮らしたい」と感じるようになっていったんだ。
リタ)結構思い切りましたね。
J)そのためにはどうしても言葉の壁が立ちはだかってしまう。そこでまずは日本語を勉強することから始めたんだ。
リタ)日本語は難しかったんじゃないですか?
J)確かに難しかった。ただ、そんな難しい日本語を丁寧に教えてくれたのが梨華だったんだ。
リタ)ここで梨華さんが出てくるんですね。
J)私が昔生活していた下宿に梨華が居たんだ。
リタ)と言う事は、梨華さんとは大学時代から…
J)そうだな。私の方が年上なんだけど、学年は梨華の方が一年上だったから年下の先輩だった。変な気分だったよ。
リタ)アハハ…
J)梨華や他の下宿人の協力もあって日本語能力検定のN1を取ることが出来たんだ。ちなみにN1は一番レベルが高い。言い換えれば1級って所だろうか。
リタ)凄い…んですかね。
J)聞いた話だとN1を取れるのは3割くらいらしい。3割となると結構難しい方なんじゃないか?
リタ)そうですね。合格率30%は確かに難しいかもしれません。
J)それが出来たのも、周りに教えてくれる日本人が沢山居てくれたからなんだ。
リタ)夢を叶えられてよかったですね。
J)全くだよ。
リタ)そう言えば…Jさんはこうやって理容師として働いてますけど、理容師になるには理容師の資格が必要だったんじゃないですか?
J)そうなんだよ…それはそれで大変だったんだ。大学で日本語を覚えて卒業した後すぐに理容学校に通って資格を取ったんだ。
リタ)と言う事は結局この生活になるまで何年かかったんですか?
J)5年はかかってるね。
リタ)努力されたんですね…
J)さて…こんな感じでどうかな?
鏡には、さっぱりとした髪型になった私が映っていました。
J)30分くらいでまとめてみたけど…これじゃあ長すぎか?
リタ)いえいえ。これで大丈夫ですよ。
J)そりゃよかった…お。丁度梨華が戻ってきたみたいだ。この素敵な髪型…梨華に見せてあげなよ。
リタ)そうですね。
梨華)良い感じになってるじゃない。
リタ)Jさん凄いです。退屈しないように話しかけてくる人って結構多いんですけど、大体うっとうしい感じになるじゃないですか。Jさんの話は軽快で邪魔にならないんですよ。
梨華)そうね。Jの話術は確かに凄いわ。
J)そう言ってもらえるとこっちとしても嬉しいよ。
梨華)J、突然のお願いだったけど聞いてくれてありがとうね。
J)良いってことよ。梨華も今度はお客としてきてくれよ。
梨華)ええ、そうするわ。
J)よし、次のお客が来る前にちゃちゃっと片付けるか…ん?着信だ。誰からだろう…
…
J)Hello … Oh, teacher.
…
J)I'm fine.
…
J)I'm sorry. I'm not going back there. I remember that time…
…
J)I will continue to do my best in Japan, so please come visit us once. I'm sure the teacher will like it too.
…
J)see you soon.
…
J)よし、片付けますか。
続く